Appleの第4四半期決算、ホリデーシーズンを前に売上成長復活の兆し

SAN FRANCISCO, CA - OCTOBER 22:  Apple CEO Tim Cook speaks during an Apple announcement at the Yerba Buena Center for the Arts on October 22, 2013 in San Francisco, California.  The tech giant announced its new iPad Air, a new iPad mini with Retina display, OS X Mavericks and highlighted its Mac Pro.  (Photo by Justin Sullivan/Getty Images)

世界中がAppleのホリデーシーズンに注目している。

クリスマスセール期間を前にAppleは第4四半期の決算を発表し、その内容はウォール街の予測と一致していた。同社は基本的に待機体制をとる中、ほぼすべてが予測通りの結果で、次世代iPhoneのホリデーシーズン売上が反映される次の四半期を待っている。大きな驚きではないが、過去2期続けてジェットコースターのような体験をしてきた同社にとっては、新鮮な息吹きだったに違いない。

Appleの売上は469億ドル、1株当たり利益は1.67ドルだった。同社はiPhoneを4550万台、iPadを930万台、Macを490万台出荷した。ウォール街の予測は、売上469億ドル、1株当たり利益 1.65ドル、iPhoneの出荷が4500万台、iPadが910万台だった。

今、誰もが次の四半期に注目している。Appleの売上予測は760~780億ドル ― ほぼウォール街予測と一致している。昨年Appleは売上759億ドルで記録を更新しており、この予測はここ数四半期同社を悩ませた売上ダウンから復活する可能性を示している。増加の幅はわずかだが、スマートフォン市場が大幅に飽和し、ローエンド分野での競争が激化している状況を踏まえると、Appleにとって良い兆候だ。

Appleにはひとつ大きな課題がある。十分な数の端末を顧客に届けることだ。今iPhone 7 Plusを買おうとすると、出荷日まで数週間待つことになる。Galaxy Note 7騒動の中、Appleはライバルを出し抜くこの機会を十分に生かす必要があり、そのためには気まぐれで買えるだけの数の商品を準備する必要があることを意味している。

決算報告書で注目すべきことの一つは、iPhoneの平均販売価格 ― 基本的に、人々がAppleの最高機種、ハイエンド機を買っているかどうかを決める指標 ― がウォール街予測を下回ったことだ。低価格機がAppleの高級機を食っているという懸念は常に持ち上がっているが、高価なPlusモデルについては特にそうだ。Appleが今年発売した小型のiPhone SEは、その対策だった。

全くの予想通りという感嘆の中、Apple株は時間外取引で約2%下落したが、今年の第2、第3四半期決算後の株価は激しく変動した。

各種データは以下の通り。

  • 1株当たり利益:1.67ドル、ウォール街予測 1.65ドル
  • 売上:469億ドル、ウォール街予測と同じ、前年同期515億ドルから減少
  • 総利益率:38%
  • iPhone販売台数:4550万台、ウォール街予測 4500万台
  • Mac販売台数:490万台
  • iPad販売台数:930万台

Appleの過去2回の四半期は、基本的にスマートフォン事業が減速し始めたことを表していた。新たに発売されたiPhone 7とiPhone 7 Plusは、今期の売上には明確な影響を与えていない。iPhoneの販売は予想通り今期も減少した(前年同期は4810万台)。今年初めにAppleは、iPhone販売台数の連続増加記録が途切れ、その後も傾向が続いていた。

第4四半期、Appleには思いがけない追い風が吹いた。Galaxy Note 7の大失敗だ。Note 7が爆発を引き起こしやすいことが一連の調査で示された後、SamsungはNote 7を市場から引き上げた ― Note 7はiPhone 7 Plusに大きな影響を与える可能性のある、数少ない製品の一つだった。

このことはAppleにとってゆくゆく極めて重要になるだろう。現状維持を続ける中、同社はまだどんな力でも借りたい状況にある。Apple株はこの一年間ほぼ変化が見られず、過去2年間でもわずか12%ほど上昇しただけだ。

Appleは新製品の発売を続けてはいるものの、スマートフォンの飽和と共に市場は減速し始めた。今後は新製品の販売に際して、同社のエコスシテムへの依存度を高め、他製品の追加購入を促進するような方法を考えていく必要があるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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