ひとつの都市(アトランタ)がサイバー攻撃されたこの怖ろしい週に、ニューヨークはその予防策を講じようとしている。
そのタイミングはあくまでも偶然だが、ニューヨーク市の市長Bill de Blasioは今日(米国時間3/29)、市民をとくにモバイルデバイス上のオンラインの悪行から護るための、一連のセキュリティツールを用意し、まずその第一弾を導入する、と発表した。
それがこの夏ローンチすると、ニューヨーク市の住民はNYC Secureと呼ばれる無料のアプリをダウンロードできる。このアプリはスマートフォンのユーザーに、ありうる危険を警報し、“悪質なWi-Fiネットワークからの遮断や、危険なWebサイトに行かないこと、悪質なアプリをアンインストールすることなど”の対策を教える。
アプリ自身が何かをやってくれることはないので、もっぱらユーザーが言われたアドバイスを守らなければならない。NYC Secureが個人を特定できる情報やプライベートなデータを集めることもない。
市はまた、その公開Wi-Fiネットワークのセキュリティも強化する。それは、悪いやつが暗号化されてない個人情報を盗むことで悪名高いターゲットだ。市は、Quad9というサービスを利用してDNSの保護を実装する。それは、Global Cyber Alliance(GCA)とIBMとPacket Clearing Houseが共作した無料のサイバーセキュリティ製品だ。
市のセキュリティ担当官Geoff Brownはこう述べる: “たえずユーザーのすきをねらっているサイバー犯罪者から前もって市民を護るためには、市民のデジタル生活の安全に投資する必要がある。サイバーセキュリティの脅威に対して免疫のある個人は存在しないから、今回の計画は、多くの場合大量の機密データが所在する個人のデバイスに、セキュリティの新しい層を加える”。
2017年の7月に市長命令で創設されたサイバー防衛団体NYC Cyber Command(NYC3)がこの新しいセキュリティツールの導入を担当し、それらの実装を監督する。
セキュリティ企業McAfeeのCEO Christopher Youngは、こう言う: “ニューヨーク市のこのような活動は、サイバー犯罪が増加していることへの市民の認識を強化し、自衛のための行動ができるようにする”。
国際的なビジネスハブで、文化の中心都市でもあるニューヨークは、さまざまな、ときには当市独特のサイバーセキュリティの脅威にさらされている。しかしそんな都市だからこそ、他の大都市のお手本になるような、市としての主体的なサイバーセキュリティ対策を展開できる、とも言えるだろう。