約1年前の今日、私は「2013: オンラインライターの1年(日本語)」を綴った。この記事で、私はこの業界が転機を迎えたことを指摘した。成功を望むすべての会社が、次の点を理解するようになった:
- 求められているのはコンテンツ。
- シェアされているのはコンテンツ。
- 購入の決定を左右するのはコンテンツ。
上述のポイントを理解する企業が増えた結果、優れたコンテンツライター、特に優秀なライターが必要とされるようになった。
2014年は、このトレンドがさらに続くものの、新たな捻りが加わる。
良質なコンテンツは、確かに素晴らしい。しかし、そのコンテンツが、ビジネスの目標に関して、何を達成しようとしているのか考えたことはあるだろうか?
この点を説明する前に、まずは昨年の暮れに私が指摘した3点の強力なポイントを振り返り、それぞれのポイントが、2013年にオンラインライターに与えた影響を確認していく。
1. コンテンツがオンラインマーケティングを動かす
昨年、私はコンテンツマーケティングは、単なる流行語や一時的なブームではないと言う姿勢を崩さなかった。2013年、私の指摘が正しいことが証明された。効果的なオンラインマーケティングを動かしていたのは、今年もコンテンツであった。
Altimeter Groupに所属するレベッカ・リーブ氏は、堂々と次のように指摘している:
コンテンツマーケティング業界は、今年大きく成熟した。大手の消費者ブランドが、引き続き、メディア企業モデルに向けたシフトチェンジを進めただけでなく、次のような取り組みも行われていた:
- マーケティングサービスのMarketoが華々しくIPOを行った。
- Oracleがコンテンツマーケティング会社のCompendiumを買収した。
- Salesforce.comが、ExactTarget/Pardotを買収した。
このオーディエンスを中心とした動向の理由は明白である。コンテンツマーケティングは、従来のマーケティングの手法と比べて、コストが62%低いにも関わらず、より効果が高いのだ。
より少ない成果を求めて、より多くの資金を投じる行為を好む企業を除き、コンテンツへのシフト変更は、来年(2014年)、そして、再来年以降も続いていくだろう。
これは本格的なビジネスである — 数十億ドル規模の業界であり、ブロゴスフィアの草の根活動も規模の拡大に貢献している。今でも多くの会社や起業家に対する門戸は大きく開かれている。
2. グーグルがオンラインライターをレベルアップさせる
今年(2013年)を迎えるにあたって、絶対的な条件として、質の高いコンテンツが求められるようになったきっかけを作ったのは、明らかにグーグルであった。パンダアップデートは、質の高いコンテンツを求め、ペンギンアップデートは、 (当然、優れたコンテンツから)自然に集められたリンクこそが唯一の持つ価値のあるリンクである点を巧みに知らしめた。
グーグルオーサーシップは、質の高いコンテンツをクリエイターに結びつけ、オーサーのアイデンティティを、アルゴリズムにおけるランキングの要素にする下地を作った。2013年、誰がコンテンツの作ったのかが、重要になったことを示す手掛かりを見つけた企業やスタートアップが増加し、優秀なライターに十分に見返りを与える方針が、プラスに働くようになった。
今年最大のグーグル関連のニュースは、何と言ってもハミングバードである。ハミングバードは、グーグルのアルゴリズムの完全な整備であり、パンダ、ペンギン、そして、その他の過去のアップデートを盛り込む一方で、セマンティックおよび会話型の言語の機能を強化している。
(要するに、グーグルは、ユーザーが実際にどのように会話を交わしているのかをより深く理解するようになったと言えるだろう。)
ハミングバードは、(狡猾なライターのみが得をする)ぎこちないキーワードフレーズから、オーディエンスに焦点を絞った言語のパターンを引き続き重要視するグーグルの方針を表している。
オンラインライターにとって、最も嬉しかったニュースは、Demand Mediaの衰退だったのではないだろうか。同社は、超低賃金で雇ったライターを介して、コンテンツファーミングを行い、グーグルを悪用していた。新たなオンラインの環境下では、「大きな企業は失敗しない」と言う常識は常識ではなくなり、Demand Mediaの崩壊は、ライター達にとって、象徴的な勝利以上の意味があった。
3. 起業プロデューサーとしてのライター
2013年は、オンラインコンテンツ生成の世界から、サクセスストーリーが次々に生まれた1年であった。その中でも、コンテンツマーケティング戦略を用いて、2億円の収益を得たソーシャルメディアツールのBuffer、そして、ポッドキャストを巧みに活用して、オーディエンスを先に作ることで、ビジネスを成功に導いたスリニヴァス・ラオ氏は、特筆に値する。
また、起業家精神に満ちた作家達の存在も忘れてはならない。ヒュー・ハウィ氏のベストセラー Siloは、今年、自己出版界で同氏を一躍スターダムに押し上げた。ノンフィクション作家のジャイムズ・アルトゥチャー氏は、より本格的な自己出版のレベルを活用し、従来のルートを見事に圧倒していた。また、ジョアンナ・ウェイベ氏とランス・ジョーンズ氏は、eブックを用いて、コピーライティングとコンバージョンをスタートアップに教えることで、自身のスタートアップを成功に導いていた。
最も需要が高いコンテンツクリエイターは、クライアントや仕事を得る必要がない人材である。つまり、自ら会社を立ち上げ、思い通りに収益を獲得し、好きなように生きることが出来る人物だ。
それでは、なぜ、わざわざ他の会社のために働くのだろうか?それは、Noとは言えないほどの好条件を出されるからではないだろうか。
今後の展開 新しい(メディア)で収益を得る人材
優れたコンテンツが(ほぼ)ノルマと位置づけられるまでに、ここまで時間がかかるとは、正直意外であった。今後は、質の高いメディアの作成が、新たな基準になると思っているのではないだろうか?
残念ながら、事実上、このレベルに既に達しているため、適当にコンテンツを作っていればいいと言う考えは、思い違いである。ビジネスの目標を達成するクリエイティブなコンテンツを作ることが求められる。
今こそ全体のレベルを押し上げていくべきだ。
自分自身で、あるいは、他の人を指導して、情報を与え、魅了し、楽しませ、その結果、収益を得られるようなコンテンツを作ることが出来るだろうか?
それが可能なら、2014年はバラ色の1年になるはずだ。収益をもたらす人物が、ルールを作ることが出来るためだ。
しかし、お楽しみは2014年に取っておこう。
まずは、年末年始を楽しんでもらいたい。このブログは、クリスマスから12月29日まで、活動を停止する。
最後になるが、この場を借りて、感謝の意を伝えたい。読者の方々の支援がなければ、何一つ成果を上げることが出来なかったはずだ。
この記事は、Copybloggerに掲載された「2014: The Year of the Rainmaker」を翻訳した内容です。