コーセーが5年後と10年後のシワのレベルを予測するウェブサービスを開発、未来のシワを予測する数理モデル応用

コーセーが5年後と10年後のシワのレベルを予測するウェブサービスを開発、未来のシワを予測する数理モデル応用

コーセーは10月11日、現在の顔写真から将来のシワの状態を予測するウェブサービスを開発し、10月12日から展開すると発表した。これは、2021年2月に開発を発表した、将来のシワの状態を予測する数理モデルを応用したもの。

このウェブサービスは、コーセーのデジタルカウンセリングツール「KOSÉ HADA mite」(コーセーハダミテ)の一機能として提供される。「皮脂量」と「年齢」を入力し、スマートフォンやタブレットで顔写真を撮影すると、「今日」「5年後」「10年後」のシワレベル(目尻のシワの目視評価値)が8段階で予測され、将来のシワ発生リスク(6段階)と肌タイプの分析、最適なお手入れ方法のアドバイスが示される。

このツールに応用されている数理モデルは、情報システム研究機構 統計数理研究所 医療健康データ科学研究センター(野間久史准教授)との共同研究により開発したもの。また、コーセー研究所で7年間蓄積してきた、22歳から60歳の日本人女性社員48名の肌情報データを基に構築されたという。コーセー研究所では、水分量、経皮水分蒸散量、皮脂量、肌色の明るさ、肌色の赤み、肌色の黄みがシワレベルと強い相関関係があると予測しデータを取得していたが、個人差などの要素を考慮した推定が可能なマルチレベルモデルを用いて分析したところ、シワレベルに大きく関連する要因は、年齢、肌色の明るさ、肌の赤み、皮脂量の4つに絞り込まれた。これにより、個々の年齢と肌の状態からシワレベルを定量的に予測することが可能となった。コーセーが5年後と10年後のシワのレベルを予測するウェブサービスを開発、未来のシワを予測する数理モデル応用

今後は「美容カウンセリングやセルフ診断などに応用することで、お客さまが実感できるシワ予防のサービスや商品開発に繋げていきます」とのことだ。

相談者と資格保持カウンセラーをマッチングするチャット形式相談・カウンセリングのUnlaceが6000万円調達

昼夜問わず相談者と資格保持カウンセラーをマッチングするテキストチャット形式カウンセリングの「Unlace」が6000万円調達

完全オンラインで事前予約など必要がなく、24時間いつでも適切なカウンセラーとマッチングしてくれるオンライン・カウンセリングサービス「Unlace」(アンレース)を開発・運営するUnlaceは8月2日、J-KISS型新株予約権による約6000万円の資金調達を発表した。引受先は、デライト・ベンチャーズ、Z Venture Capitalのほか、赤坂優氏(franky代表取締役)、西川順氏(franky取締役COO)、石橋準也氏(エウレカ代表取締役CEO)、中村裕一氏(エウレカ取締役CMO)などのエンジェル投資家。

マッチングアプリ「Pairs」を運営するエウレカで事業開発責任者などを務めたUnlace創業者・代表取締役の前田康太氏は、自身がうつ病になった経験もあり、「メンタルヘルスの治療のハードルがとても高く、テクノロジー活用や意識の変革が必要とされている」と強く感じて「Unlace」を開発した。

2016年に発表された、「世界精神保健日本調査セカンド」によれば、日本では日常生活に支障をきたすほどの精神障害を抱える人でも、精神科医や一般医を受診した割合は約30%と低いという。世界精神保健調査(World Mental Health Surveys)は、世界保健機関(WHO)およびハーバード大学医学部が進める、世界28カ国のこころの健康についての疫学調査。2002年~2006年、日本において世界精神保健調査の一部となる世界精神保健日本調査(World Mental Health Japan Survey。ファースト)が実施され、この10年後の調査として世界精神保健日本調査セカンドが実施された。

これによりUnlaceは、精神疾患の治療への抵抗感が強いことがあると考えているという。

Unlaceなら、誰かに相談したいと思ったら、適切な有資格カウンセラーとのマッチングにより、昼夜を問わずチャット形式で相談できる。事前予約や来店は不要で、顔や名前を伏せたままでも利用が可能。紹介型サービスではなく、資格保持カウンセラーと相談者のマッチング型にすることで、営業時間など運営側がカウンセラーを紹介するサービスで生じるタイムロスを低減し、相談者が必要性を感じた時にいつでも匿名で相談できる即時性と手軽さを目指したという。実際、相談者の85%が登録後30分以内にカウンセラーとコンタクトが取れているそうだ。病院に行く時間がない・状況が変わる度に相談することが通院では難しいと感じていた相談者が利用している場合が多く、利用者の約半数は通院歴のない人だという。

利用料金は月額2万2000円(税込)のサブスクリプション型で、無制限に相談できる(カウンセラーはメッセージを受け取ってから、12時間以内を目安に返信。週に2日のカウンセラー定休日がある)。精神科医、公認心理師、臨床心理士などの心理資格を持ち、Unlaceの審査を通った者だけがカウンセラーとして相談にあたる。

今後はこの調達資金を使って「ユーザーやカウンセラーの利便性向上に向けた機能・サービス開発を行ってまいります」とのことだ。

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コーチング、カウンセリング、対人援助のオンライン相談室を開設できる「ソラハル Client First」(クライアントファースト)を開発するソラハルは7月21日、エンジェルラウンドにおいて、第三者割当増資による1500万円の資金調達を実施したと発表した。引受先はSK Impact Fund Japan、SEVEN、エンジェル投資家。調達した資金を活用し、ソラハルClient Firstの開発体制強化を図る共に、事業拡大を見据えた組織基盤を構築する。

創設者で代表の北村健氏は、大学や専門学校で学生支援に従事していたときに、紙ベース、口頭報告、関係部署との調整など、非効率で属人的なやり方に限界を感じていた。その経験が、カウンセリングなど人を支援する事業を改善したいという思いにつながり、ソラハルを起業した。その主要サービスとなるソラハル Client Firstは、小規模企業や個人向けのSaaS型オンラインコーチング、カウンセリングプラットフォームという位置づけで、小規模事業者のカウンセラーなどが相談室を開設でき、同時に業務の「ムリ・ムダ・ムラ」を省けるというもの。

現在、日本のカウンセラーは「非常勤や有期雇用が半数以上」であり、「一人職場」も多く、燃え尽きや過労が問題視されているという。ソラハルは、カウンセラーの負担を軽減することで、カウンセラーがクライアントに寄り添う時間を増やし、カウンセリングのスキルアップに取り組む時間的余裕が取れるようになり、ひいては「社会全体のウェルビーイングを高める」と考えている。

現在はまだ開発中だが、ソラハル Client Firstでは先行登録を受け付けている(対象は、心理支援に関わる資格・身分を有する者)。「世界中の相談と援助の窓口が、すべてソラハルに代わる日を目指して、開発の加速とマーケットローンチにむけて走り続けます」と北村氏は話している。

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メンタルヘルスのセルフケアアプリ「emol」と早稲田大学が千葉県市原市の職員対象に心理介入実験を実施

メンタルヘルスのセルフケアアプリ「emol」と早稲田大学が心理介入実験を千葉県市原市の職員対象に実施

AIチャットによるメンタルヘルスのセルフケアを目的とするアプリ「emol」(エモル。iOS版)を展開するemolは7月5日、早稲田大学大月研究室と共同でデジタルセルフケア・プログラムの開発を進め、千葉県市原市の協力でアプリによる心理介入実験を実施したと発表した。デジタルプログラムを実施しなかった群との比較において、デジタルプログラムを実施した群に抑うつ・不安への軽減がみられたという。

emolは、ユーザーが感情を記録でき、AIロボットの「ロク」がユーザーとの会話などを通してメンタル状態を分析しアドバイスしてくれるというアプリ。2018年3月からベータ版が公開され、以後改良が重ねられてきたが、2020年12月にAIによるレクチャーやデジタルセラピーの機能を実装して正式リリースとなった。Android版は2021年秋リリース予定としている。

オラクルが2020年10月に発表した報告によれば、日本を含む11カ国、1万2000人を対象に行った調査で、「仕事のストレスや不安を上司よりもロボットに話したい」と回答した人は68%、「メンタルヘルスのサポートを人よりもロボットに頼りたい」と回答した人は82%、さらに「仕事でのメンタルヘルスの改善にAIが役立った」と答えた人は75%いた。こうした背景を受けてemolは、早稲田大学人間科学部・大学院人間科学研究科大月友准教授が顧問を務める大月研究室と「アプリ内でACTを活用した心理療法の研究」を共同で行ってきた。

ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)とは、マインドフルネスや実践的な取り組みを基本とする認知行動療法の一種。emolと大月研究室は、「アプリでACTを実践できるデジタルプログラム」共同開発の一環として、2021年3月、千葉県市原市職員から希望者を募り、2週間にわたり実証実験を行った。実験終了の心理テストの結果から、実験の時期が市の繁忙期と重なったために、抑うつや不安のスコアは全体的に高くなっていたものの、このプログラムを使った群と使わなかった群を比較すると、使った群には軽減が見られ、一定の予防効果があったことが期待できるという。

今後は、新型コロナ禍の影響もあり、非対面でのメンタルヘルスサポートを求める声に応えて、24時間対応できるAIによる個人に合わせたメンタルヘルス介入を目指す。また、自治体、企業、学校で、産後うつ予防、小中学生のメンタルヘルス不調予防などの実証実験も行う予定。

なお今回の取り組みは、千葉県市原市の公民連携のオープンイノベーション推進事業「いちミラ~いちはら未来創造プログラム~」に採択されたことから、千葉県市原市の協力が得られたという。

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オンラインキャリアカウンセリング「ミートキャリア」を運営するfruorが4500万円のシード調達

オンラインキャリアカウンセリング「ミートキャリア」を運営するfruorが4500万円のシード調達

オンラインでプロのキャリアカウンセラーに気軽に相談できる「ミートキャリア」(meetcareer)を運営するfruor(フルオル)は6月2日、シードラウンドにおいて、第三者割当増資として4500万円の資金調達を実施した。引受先はW ventures、ベンチャーユナイテッドほか、複数の個人投資家。

近年、少子高齢化の影響もあり、労働人口の減少という課題を日本社会は抱えているため、どのようなライフステージにある人でも活躍することや生産性をアップさせることが求められている。その反面、ライフステージが変わると、キャリア形成を維持できない、活躍の場が限られるようになるといった課題も生じている。

fruorでは、ライフステージの遷移によって当人が感じる「モヤモヤ」を、気軽に相談する場としてミートキャリアをスタート。仕事上の意欲の低下や離職を、プロのキャリアカウンセラーという第三者視点のアドバイスにより食い止めることに成功してきた。

特に、働く意欲がありつつ、就業時間の点で制約のあるワーキングマザーは、もっと働きたいのに働けないというワークライフバランスが変わったことに対応しきれず自分で自分の評価を下げてしまいがちだが、ミートキャリアでは定年まで走り続けることや転職がキャリア形成のすべてではないこと、ジョブ型雇用への切り替え、副業、フリーランスへの移行といった幅広い選択肢を提示。サービス開始から1年半で相談件数は1000件を超え、利用者による評価は10点満点中9.3点、1年以内のリピート率は30%以上と高い。

ミートキャリアには、1回75分のオンラインキャリア相談と、メールで行うテキストプログラムがあり、オンラインキャリア相談では現状の課題整理と、課題解決のための選択肢や情報の受取、アクションプランの設定が行える。テキストプログラムは、キャリアサポーターとの1対1でメールのやり取りを行う中で、自己分析、転職準備、副業チャレンジ、復職準備といった、これからの目標設定や行動への準備をじっくりと行える。

調達した資金は、主にサービス開発、ユーザー拡大に向けたマーケティング活用に用いられる。

シードラウンドにあるfruorでは、「終身雇用制の崩壊、ジョブ型雇用への移行、副業の促進などを受けて人材の流動性が高まる中、企業と個人の関係変化は急加速している。個人のキャリア自律が求められることからパーソナライズされたキャリア支援も必要となる。ミートキャリアにより、社会課題を解決し、だめもが自分に合った働き方ができる社会の実現に向けて邁進したい」と、今後の展開を明らかにしている。

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