デジタルガレージは10月19日、起業家支援プログラム「Open Network Lab」の第23期デモデーのオンライン開催を実施した。
Open Network Labは、2010年4月に開始した育成プログラムで、グローバル展開を志す起業家を対象としている。日本初のシードアクセラレータープログラムとして、これまでに130チーム以上のスタートアップを支援しており、ユニコーンやIPOスタートアップに成長したチームも輩出している。
同プログラムでは、卒業生を含む先輩起業家やDGグループの経営メンバー、その他専門家からなるメンターによる指導を3カ月間行う。プログラム参加者は、ときにはピボットをしながら「世界に通用するスタートアップ」としてビジネスアイデアを磨いてきたという。
第23期は156社が応募し、デモデーには以下に挙げる5社が登壇。ベストチームアワードを「Tokuty」(コネクティー)チーム、オーディエンスアワードと審査員特別賞を「CAVIN」チーム、審査員特別賞を「CuboRex」チームが受賞した。
ここでは登壇した5社、またアルムナイ(卒業生。Alumni)およびゲストとして登壇した3社を紹介しよう。
LAMILA(代表:迎健太氏)
LAMILAの動画ナレッジ共有クラウドVideoStep(ビデオステップ)は、製造現場のアナログなコミュニケーションを動画で効率化するというサービス。これまでの口頭や紙では伝わりにくかった現場の作業を動画で見える化し、技術継承や外国人労働者教育における現場の負担を軽減する。
コネクティー(代表:杉原尚輔氏)
コネクティーの「tokuty」(トクティー)は、外国人人材業界で最も伸びている、特定技能ビザ人材と雇用主をつなぐマッチングプラットフォーム。豊富な選択肢から質の高い候補者を、迅速に、かつ低コストで採用することが可能。日本の課題、人手不足の課題解決に挑むという。
CAVIN(代表:Yuya Roy Komatsu氏)
CAVINが運営する「CAVINは、スマホで花の取引を実現する「生産者&花屋の直接取引プラットフォーム」。ITと流通の最適化によって、花屋はこれまでにない鮮度で花を店頭に並べることができ、生産者はマーケットインの生産ができるようになるという。同社は、「世界中の花業界をアップデートし、花によって運ばれる“気持ち” を増やす。」をミッションとして掲げている。
xTension(代表:塔下太朗氏)
xTension(エクステンション)が手がける「xTension」は、安価なプロジェクター投影により様々な個室・スペースを体感的なライブビューイング会場「ライブダイビング会場」に作り変えるサービス。
競合との最大の違いは、VRベースの投影技術を用いることで、実際のライブ会場にいるかのようにライブ中のアーティストと相互コミュニケーションが取れる点という。世界中のファンが場所にしばられることなく、等しくエンタメが楽しめる世界を目指している。
CuboRex(代表:寺嶋瑞仁氏)
CuboRexは、あらゆる不整地に電動の足を提供する「不整地のパイオニア」。同社の駆動ユニットは、利用者自身が既存の作業機器に取り付けられため、低コストで負担を軽減可能な上、作業効率も向上するという。同社は、農業や土木業界といった不整地産業の課題を解決し、人と機械の新しい未来の実現を目指している。
pickupon(代表:小幡洋一氏。ゲスト)
pickuponは、通話情報から顧客の課題発言をピックアップし記録するAIを搭載した、クラウド電話サービス「pickupon」の開発・運営を手がけている。pickuponによって、通話情報のSFA(営業支援システム)/CRM(顧客管理システム)への入力コストが削減できるという。またチャットツールを通じ、顧客の課題発言を自動的にチームで共有することも可能。
Tipssy(代表:伊藤元気氏。ゲスト)
Tipssyは、米国で展開している日本酒ECスタートアップ。ミレニアル向けに日本酒をカジュアルに楽しめるようなミニボトルテイスティング体験と、オリジナルのテイストメトリクス、ビデオやバーチャルツアーなどコンテンツを提供している。
同社によると、米国における日本酒は、成長ポテンシャルがありながらも誤った認知がなされているという。ワインに次ぐ数千億円規模の醸造アルコールカテゴリーへ育成しながら市場をリードしていくとしている。
matsuri technologies(代表:吉田圭汰氏。ゲスト)
matsuri technologiesのStayXは、オーナーの収支を改善し、空き家問題を解決するテクノロジーベースの不動産運用サービス。
StayXは、現在は宿泊+短期賃貸や貸別荘+オーナーの別荘利用など、1つの空間に様々な用途を盛り込んで無人で運用することを可能にした技術という。同社が開発した6つのSaaSを基に、人手が必要だった箇所をソフトウェアに置き換え、無人でサービスを提供できるようにしたことで実現した。