博報堂ら、Dappsのキャラなどをラジオ放送中に配布する「TokenCastRadio」の実証へ

博報堂は2月6日、テレビやラジオ番組などの放送中にトークンで実装されたアイテムを視聴者だけに一斉配布できるメディアサービスを開発したことを明らかにした。開発したのは同社発足のHAKUHODO Blockchain Initiative。サービス名は「TokenCastMedia」だ。

TokenCastMediaは、デジタルアセットの所有権を安全かつ迅速に移転できるブロックチェーン技術の特徴を応用。トークンとして実装されたデジタルアセットの情報を埋め込んだ透かし音を放送する。専用のスマホアプリで検出することで、リアルタイムで番組を視聴している視聴者だけがデジタルアセットを受け取ることができるという、視聴者参加型の番組制作を支援するというサービスだ。

その第一弾となる「TokenCastRadio」の試験放送は、博報堂DYメディアパートナーズ毎日放送トークンポケットフランジア、そしてエヴィクサーが3月に共同で行う。

上にも名前を挙げた、サービス開発支援やスタートアップスタジオなどで知られるフランジアは、2月5日に同社が開発したDapps「Cipher Cascade(サイファーカスケード)」の事前登録を開始、β版のリリースを2月下旬に予定している。

Cipher Cascade

TokenCastRadioの試験放送では、このCipher Cascadeにトークンとして実装されたキャラクターやアイテムの情報を、毎日放送のラジオ番組「オレたちやってマンデー」内で透かし音として放送。同番組のリスナーは、エヴィクサーの音声認識技術が組み込まれた、トークンポケットのDappsブラウザアプリ「TokenPocket(トークンポケット)」を使用し、放送中にゲームのキャラクターやアイテムを受け取ることができる。

博報堂はこのサービスを使った番組制作によって、「メディアをこれまでの『多くの生活者に情報を一斉に配信する媒体』から一歩進め『多くの生活者に価値を一斉に届けることができる媒体』に進化させる」ことを目指すとコメントしている。

サイバーパンクなブロックチェーンゲーム「Cipher Cascade」の事前登録が開始

サービス開発支援やスタートアップスタジオなどを手がけるフランジアは2月5日、「Cipher Cascade(サイファーカスケード)」と題されたDappsの事前登録を開始した。β版のリリースは2月下旬を予定している。

Dappsはブロックチェーンを利用した分散型アプリケーション。猫を育成し売買する「CryptoKitties」やモンスターを捕獲し交換する「Etheremon」などのゲームが有名だ。2018年末には「My Crypto Heroes」のテレビCM放送も話題となった。

本日発表されたフランジアのCipher Cascadeはサイバーパンクな世界観が特徴的。

プレイヤーは「$in $ekai」という架空の都市の住人となり、その独自の経済圏でサバイバルしていく。ちなみに$in $ekaiは「暗号技術が支配する欲望と希望が入り混じったサイバーパンクな世界観の都市」なのだそう。プレイヤーはそんな都市の住人となり「Cipher Cascade Coin」と呼ばれる通貨で自由な取引や様々なアクティビティを行う。

2月下旬にリリースが予定されているβ版では、プレイヤー同士が対戦できるミニゲーム(Arena)を実装。Arenaで勝利することでコインを稼ぐことができる。

今後はソーシャルフィード機能や友達との協力プレイ機能に加え、「クランバトル」などのミニゲームが追加される予定で、「トークンを活用したブロックチェーンファーストな広告体験も提供できる準備を整えていく」という。フランジアは外部の弁護士によるリーガルチェックを徹底して実施している。

Cipher Cascadeはブロックチェーン技術を活用して開発され、スマートフォンおよびPC対応のブラウザーで気軽に楽しめるゲームだ。同タイトルでは、イーサリアムのメインチェーンと連動するサイドチェーンを構築し、トランザクション処理の高速化を実現しているため、ストレスフリーなゲームプレイができるという。加えてサイドチェーン上でトークンを扱うことで、ゲームプレイやトークンアセット購入に必要なネットワーク手数料(いわゆるガス代)が発生しない“ユーザーフレンドリー”な仕様となっているそうだ。

同社いわく「イーサリアムのパブリックなブロックチェーン技術を活用することで、ゲーム内のトークンアセットをゲーム内外で広く流通させることが可能になり、他のブロックチェーンゲームのゲーマー同士がアセットの貸し借りを行える様になる」。そして、このような環境を提供することで「ゆくゆくはユーザーがゲームプレイに投資したお金、時間、情熱を価値のある形でユーザーに還元することが出来る世界が実現出来ると考えている」と説明している。