PayPayの囲い込み施策始まる、6月以降はソフバン、ワイモバユーザー優遇へ

まだ1カ月ほど先の話になるが、コード決済サービスを提供しているPayPayは特定のユーザー向けの優遇施策をスタートさせる。携帯電話の料金体系に比べるとシンプルだが、還元される条件がだんだん複雑になってきた。

具体的には、6月1日〜30日に開催される「ドラッグストアで最大20%戻ってるキャンペーン」では、PayPay残高、Yahoo!マネー、もしくはYahoo! JAPANカードを経由した支払いは10%還元、加えてソフトバンクもしくはワイモバイルの回線を利用しているユーザー、月額498円のYahoo!プレミアム会員ユーザーは20%還元(Yahoo! JAPANカードの場合は19%)になる。

同キャンペーンの1回あたりの還元上限額は、通常ユーザーは1000円だが、こちらもソフトバンクもしくはワイモバイルの回線を利用しているユーザー、Yahoo!プレミアム会員ユーザーは2000円に優遇される。累計上限額は共通で3万円。Yahoo! JAPANカード以外のクレジットカード経由でPayPayの決済をした場合は、ソフトバンクもしくはワイモバイルの回線を利用しているユーザー、Yahoo!プレミアム会員ユーザーであっても還元率は0.5%だ。

ややこしいので、まとめておこう。20%還元と1回の還元上限2000円の優遇を受けるには、まずソフトバンクもしくはワイモバイルの回線を利用、Yahoo!プレミアム会員のいずれかの資格を満たす必要がある。そのうえで、PayPayと紐付けている決済方法が銀行などからチャージできるPayPay残高、Yahoo!ウォレットからチャージできるYahoo!マネーの場合に20%還元を受けられる。

キャンペーンなどが開催されていない期間の通常還元率は、5月8日から現在の0.5%から3%に引き上げる。こちらの対象となるのは、PayPay残高、Yahoo!マネー、もしくはYahoo! JAPANカードを経由した支払いのみとなり、他のクレジットカードでの支払い時はこれまでのどおり0.5%だ。こちらは1回あたりの上限が3万円相当、1カ月の付与合計上限も3万円相当となる。3%還元の場合、上限の3万円の還元を受けるには1カ月で100万円を使う必要がある。

ただし「第2弾100億円キャンペーン」や前述のドラッグストア限定のキャンペーンなど、通常より高い還元率が適用される払いはそちらが優先される。つまり、23%、20.5%などの還元にはならず20%還元が上限となる。

とはいえ、還元率3%というのはクレジットカードを含めても高い部類に入るので注目。ライバルのLINE Payでは前月の支払実績によって通常還元率が変わるが、前月に10万円以上をLINE Pay決済すると得られる最高位カラーであるグリーンであっても還元率は2%だ。PayPayとは異なり、LINE Payの場合は各種キャンペーンの還元率とは別に計算されるので、例えば4月30日まで開催されている「平成最後の超Payトク祭」の場合は、超Payトク祭の15%還元にマイカラーの還元率がプラスとなる。

さらにPayPay残高、Yahoo!マネー、もしくはYahoo! JAPANカードを経由した支払いであれば、「PayPayチャンス!」として、20回に1回の確率で1000円相当があたる特典もある。Yahoo! JAPANカード以外のクレジットカードは対象外だ。

PayPayはLINE Payを意識してか、数カ月にわたる長期間のキャンペーンを廃止し、6月以降は1カ月ごとに還元内容や条件を変更する施策に方針転換。7月以降のキャンペーンについても順次発表される予定だ。同社はソフトバンクとヤフーの合弁会社なので、6月からの優遇処置は当たり前といえば当たり前だが、同様にauユーザーを優遇するau PAYに比べるとかなりの大盤振る舞いだ。