Automatticは、MacおよびAppleモバイルデバイス向けの人気ジャーナリングアプリ「Day One」を買収し、オンラインライティングプラットフォームのラインナップを拡充する。Day Oneは、2011年3月にMacおよびiTunes App Storeでリリースされて以来、1500万回以上ダウンロードされており、ユーザーが自分の考えを共有できるプライベートな場所を提供、App Storeのエディターズチョイス、App of the Year、Apple Design Awardを受賞し、様々なレビューで賞賛を受けている。
買収の条件は公表されていない。Day Oneは10年間、自己資本のみで運営してきた。
Day Oneの追加は、Automatticの今増加中のライティングツールコレクションの興味深い拡張だ。同社のライティングツールといえば今やブログプラットフォームのWordPress.comとTumblrがその筆頭だが、後者は2019年にAutomatticが、その古びたソーシャルブログネットワークを親会社のVerizonから、同社の買値10億ドル(約1100億円)のほんの一部のわずかな金額で買い取ったものだ(TechCrunchTechCrunchはまだVerizonがオーナーだ)
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WordPressやTumblrのように公開することを重視したアプリとは異なり、Day Oneはプライバシーを重視している。このアプリはテキスト、メディア、さらには音声記録を含むすべての日記エントリーに対して、エンド・ツー・エンドの暗号化を提供する。また、自動バックアップ、Instagramの投稿の自動インポート、ボイストランスクリプション、テンプレート、リッチテキスト形式、位置情報、オプションである本へのプリントといった高度な機能や、Spotify、YouTube、Facebook、Twitterなどの他のプラットフォームとの統合も行っている。
Day OneがAutomatticに加わったことによって、ユーザーは本来プライベートな日記の一部をWordPress.comやTumblrで公開したり、近々、それらのコンテンツをDay Oneにインポートできるようになる。既存のTumblrユーザーにとっては、プライベートなエントリーを誤ってメインブログに公開するのではなく、より保護・バックアップされたライティングツールに同期するための手段としても有効だ。
Automatticの発表によると、買収後もDay OneのCEOであるPaul Mayne(ポール・メイン)氏がDay Oneの開発を継続する。12名のチームも、現在のままだ。
メイン氏はTechCrunchに次のように語った。「私たちは彼らのチームがスムーズに統合されるように努力しており、一緒になって集団的で強固な文化を作り続けることができます」。メイン氏によると、現在の顧客に関しては、移行プロセスというものはない。何もかも、これまでと同じだ。
メイン氏はブログで、Day Oneを売却した理由に触れている。それによると、WordPress.comやTumblrを支えている技術的、財務的、そしてセキュリティのメリットにDay Oneもアクセスできるようになるという魅力は大きいものだという。
「これはとてもエキサイティングなニュースです。Day Oneを立ち上げてからの10年間、私は世界で最高のデジタルジャーナリング体験を作るだけでなく、長く使っていけるものを作るために努力してきました。Automatticに参加することで、Day Oneの保存と寿命は確実なものになるとこれまで以上に確信しています」とメイン氏と語る。
メイン氏はまた、Day Oneのプライベート性を変更する予定はないが、このアプリは今後Automatticの他の製品と統合され、サブスクリプションモデルによって維持されることになると述べている。既存ユーザーには、価格の変更はないとのこと。
Sensor Towerのデータによると、Day Oneのモバイルアプリは全世界で440万インストールされている。2020年のインストール数は約99万3000件で、2019年の100万件以上から10%減ったが、このわずかな減少は、ユーザーが新型コロナウイルスによるロックダウン中に自宅のコンピュータからジャーナルを更新したため、デスクトップ版のダウンロードが増えたことが原因となった可能性がある。
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画像クレジット:Day One
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(文:Sarah Perez、翻訳:Hiroshi Iwatani)