初期費用0円のフリーランス独立支援―、日本のMOSO mafiaが「Summon」をリリース

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オンデマンドのサロン予約サービス「careL」を運営する日本のMOSO mafiaは2月17日、フリーランスのためのインスタントECサイト作成アプリ「Summon(サモン)」を2月10日に正式リリースし、1月にアイスタイルの戦略投資子会社であるアイスタイルキャピタルを引受先とする第三者割当増資を実施したと発表した。金額は非公開。アプリはiOS版のみでの提供となる。MOSO mafiaはTechCrunch Tokyo 2016で開催されたスタートアップバトルの卒業生だ。

Summonを利用することで、サービス業のフリーランスは簡単に事業用のWebサイトを開設することができる。実店舗は持てないが独立してフリーランスとして活動したいというニーズに応える。初期費用0円で事業運営に必要な最低限の機能を揃えることができ、開業時の固定費を抑えることもできる。利用者が提供するサービスをメニュー化してWebサイトに配置することも可能なため、Summon上で自分のサービスを販売できるだけでなく、そこで決済まで完結することができる。

MOSO mafiaは昨年11月25日からSummonのベータ版を公開し、現在までに150人の利用者を得ている。

Webサイト開設から決済までワンストップで提供

Summonの主な機能は3つ。予約機能、決済機能、サブスクリプション決済機能だ。

Summonの予約機能では、アプリ上に用意されたカレンダーを使って15分単位で予約を受け付けることができる。出張先への移動時間の計算もシステムが自動で行う(当初の移動時間計算は徒歩のみ。MOSO mafiaは今後、Google Mapのような電車や自動車での移動時間を計算する機能も導入する見込みだという)。

また、Summonの決済機能はオンライン決済プラットフォームである「Stripe」を利用している。そのため、Webサイトにクレジット決済機能を搭載するために事前審査などは必要ない。決済手数料は6%だ。

Summonはフリーランスの会員制サービスにも対応している。同サービスにはサブスクリプション決済機能も搭載されており、フリーランスである利用者は会員から毎月決まった額を受け取れる。

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MOSO mafia代表取締役の渡邉大介氏は、Summonによってフリーランスが開業するときのハードルを下げることが目標だと語る。「サービス業では、ほとんどの店が3年以内に廃業すると言われている。その要因は初期費用の高さと、家賃などの固定費の高さだ」。また、渡邉氏はサービス内容を伝える写真素材の用意もそのハードルの1つだと語り、プロフィール画像やサービスのイメージを無料で撮影する「Summon撮影会」というサービスも提供している。

ただ、Webサイトの開設ツールという枠組みでみれば同様のサービスを提供する企業は多く存在する。その点について渡邉氏は、「Web作成や決済サービスなど、1つ1つのサービスはすでに他社でも提供しているが、これは開業済みのフリーランス向けだと思っている。当社では開業支援にフォーカスし、よりC2Cに近い市場を取って行きたい」と語る。

また、この手のアプリの場合、開業時にはSummonを利用していても、事業の成長につれて実店舗を持つようになり、結果的にアプリから利用者が離れてしまうという懸念もある。この点についてはTechCrunch Tokyoスタートアップでも審査員から指摘されており、登壇した渡邉氏は「確かにその懸念はある。そのため、今後はアプリで店舗も管理できるような仕組みを作っていきたい」とコメントしている。

「美容業界はマッチングサービスを好まない」

ところで、欧米を中心とする海外では個人で開業したフリーランスと顧客を直接結びつけるマッチングサービスが人気だ。ロサンゼルス発のセラピスト・マッチングアプリ「Soothe」などがその例だ。Summonはマッチングアプリではなく、あくまでもフリーランスのホームページを開設して、そこに色々な機能を搭載させるという形式を採用している。そのモデルを採用した理由を聞くと、渡邉氏は「創業時にはマッチングサービスという形式も考えた。しかしその場合、サプライ側の数が増えないととサービスが成立しないという難点があった。また、Summonの利用者として想定される美容分野の人々は、マッチングサービスをあまり好まない。自分のブランドで勝負したいという人が多いからだ」と話している。

MOSO mafia創業者の渡邉氏は、同時に弁理士としても活動する人物。7年前に現代アートのシェアリングサービスを創業するも、当時はサービス運営に失敗。その後、弁理士として活動しながら2015年にMOSO mafiaを創業した。弁理士としてフリーランスの独立支援を行っていたことも、Summonを創った理由の1つだという。

Summonでは来年以降、動画配信でWebセミナーを提供できる仕組みや、動画カウンセリング、有料課金系のコンテンツを配信できる機能などを整えていく。

オンデマンドでメイクやネイル、マッサージの施術を受けられる「careL」、MOSO mafiaがサービス公開

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昨日もシェアリングエコノミー協会設立のニュースがあったが、人やモノ、スペースなどさまざまな遊休資産の貸し借りを行うプラットフォームは多数登場している。その市場規模は10年後には3350億ドルにも上るなんていう話も出ている。

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東京・恵比寿に拠点を置くスタートアップのMOSO mafiaもシェアリングエコノミーの文脈に沿ったサービスを手がける1社だ。同社は12月15日、ネイルやヘアメイク、エステなど美容・リラクゼーションのCtoC型のオンデマンド予約サービス「careL(ケアエル)」を公開した。当面はオープンベータ版サービスとして、東京都内の渋谷、恵比寿、表参道、代々木、六本木、麻布十番、赤坂周辺でサービスを展開する。

careLは、ドライマッサージ、ヘアセット、メイク、ネイルケアのリアルタイム予約サービスだ。サイト上では、ユーザーが現在いる場所をもとにして、最速・最短距離で予約できる施術者を探して、予約までを行うことができる。口コミやレビューの投稿も可能。決済は今後カードに対応する予定だが、現在は当事者間で現金を手渡しで支払う仕組み。店舗に行くだけでなく、出張サービスを受けることも可能だ。

料金はサービス内容によって統一しており、施術者に関わらず、ドライマッサージでは15分980円、ネイルケアではパーツ付け放題のプランで5800円いった設定をしている。

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サービスを支える施術者は、MOSO mafiaが独自にネットワークするヘアメイクアーティストやネイリストなど約50人。彼らの多くはフリーランサー、もしくは小規模の事務所で仕事を請け負っている。本業を持つかたわらで、隙間時間にcareLでのサービスを引き受ける。

代表を務める渡辺大介氏は、学生時代にアート作品に興味を持ち、それがきっかけでクリエイティブコモンズの存在を知り、ついには弁理士になったという人物。その後は弁理士事務所、ユニチャーム、コンサルティング会社のプライマルで務めた後、独立。本業と並行して、エステサロンを経営することになった。

「エステサロンはクオリティと場所、料金設定を調整できれば儲かるビジネス。しかし課題があった。どれだけ抑えても、1店舗出店するには2000万円以上の初期投資が必要になる。一方で年間の売上は3000万〜5000万円。これでは一気に店舗を増やすことは難しい。また広告を打つにしても店舗数が多くないとレバレッジが効かない」(渡辺氏)。そこで目を付けたのがシェアリングエコノミーの仕組みを使ったサービス提供だった。

ユーザーのニーズもまさにシェアリングの仕組みがマッチしたのだという。カットやパーマであれば店舗もスケジュールも決まっていることが多いが、ヘアメイクやマッサージ、ネイルなどは突然オーダーしたいニーズが高い。そのためリアルタイムに施術を受けたい個人と時間の空いている施術者を結び付けることが価値を生み出すと考えたという。米国には先行するオンデマンドメイクサービス「Glamsquad」などがある。同社は今年10月、700万ドルの資金を調達している。