シェアリングエコノミーの本質はコミュニティにあり–TechCrunchイベントで識者が語る

「シェアリングエコノミー」と呼ばれるタイプのビジネスが、シリコンバレーを起点に世界中で成長中だ。ゆるやかな信頼をベースに、今余っているモノや人、リソースを今必要としている人に提供する事業の総称で、余っている部屋を貸し出す宿泊サービス「Airbnb」やカーシェアリングサービスの「Zipcar」などが代表例だ。

この波は、いま日本にも及んでいる。Airbnbや、タクシー・ハイヤーの配車サービス「Uber」が日本に上陸してサービスを開始したほか、遊休設備を生かして安価なオンライン印刷サービスを提供する「ラクスル」、駐車場を貸したい人と借りたい人をマッチングする「akippa」のように、  日本発のシェアリングエコノミー型サービスも生まれてきた。

2月19日にリクルートホールディングスが手がける東京・渋谷の会員制スペース「TECH LAB PAAK」で開催された「TechCrunch School Vol.6」では、そのシェアリングエコノミーに注目。「日本でも成長をはじめたシェアリングエコノミー」というテーマのもと、Uber Japan執行役員社長の高橋正巳氏、ラクスル代表取締役の松本恭攝氏、akippa代表取締役社長の金谷元気氏の3人に、それぞれが手がけるシェアリングエコノミー型ビジネスについて聞いた

むしろ規則の中でしっかりやりたい——Uber Japan

米国等での報道も含めて、TechCrunchでもおなじみのUber。スマートフォンからたった2タップするだけで、オンデマンドでハイヤーやタクシーを配車してくれるサービスで、「全世界54カ国、282都市強でサービスを提供しているが、毎週変わっているくらいのスピードで成長している」と高橋氏は言う。最近も22億ドルという規模の資金調達に成功したばかりだ。

日本市場で正式にハイヤーの配車サービスを開始したのは2014年3月で、8月からはタクシーも呼べるようになった。
「日本市場への参入構想は初期の頃からあった。電車や地下鉄、バスなどいろいろな選択肢がある中で、どれだけ需要があるのか、どうサービスを提供するのか検討した上でローンチしてみたが、いざローンチすると、ロンドンやロサンゼルスといった大都市に比べ2〜3倍の需要があった。特に東京は、高品質なサービスへの感度が高い」(高橋氏)。

一方で、既存の枠組との整合性には苦労した面もあるそうだ。現在Uber Japanは、「“超オンデマンド”な旅行代理店という考え方もできる」(高橋氏)ことから旅行業者の登録をして事業を展開している。世界54カ国の中で旅行業として登録しているのは「日本だけ」だそうだ。「われわれのビジネスは5年前、10年前には考えられなかったもの。一方で、それにまつわる法律や規則ができたのは何十年も前。そうした既存の規則や枠組みの中に、われわれのビジネスをどう当てはめていくかが難しい。この問題は日本のみならず、いろんなところで起きている」と高橋氏。「よく、『Uberは好き勝手にやっている』と言われているけれど、全然違う。われわれの会社のスタンスとしては、きちんと規則の中でやりたいと考えている」という。

高橋氏は、この状況を、インターネットオークションサイトが生まれたころになぞらえる。「インターネットオークションサイトが生まれた当時、ちゃんと落札者がお金を払ってくれるかなどいろいろな不安があったけれど、使ってみると便利なことも分かってきた。そこで、『どうしたら安心して使ってもらえるようになるか』という議論が始まり、いろいろな規則ができてきた。Uberについても同じように、どうやったら安心して使ってもらえるかという議論がアメリカで先行して始まっている」(同氏)。

泥臭いところに踏み込んでサービスを拡大—ラクスル

つい先日、総額40億円の資金調達が報じられたラクスルは、需要と供給がマッチングしにくい「印刷」にフォーカスしたサービスを提供している。印刷設備の非稼働時間と、ネットで全国から集めた受注とを適切にマッチングさせることで、安価な印刷を実現しているラクスル。元々は価格比較サイトから始まったが、「クオリティをコントロールする」ために、印刷生産性、効率向上のための手だてにも踏み込んでいるそうだ。

松本氏によると、「スマホから2タップ」のUberとは異なり、「ラクスルは、スマホに一応対応はしているもののウェブがベースで、90%強の注文がウェブから」なのだという。デザインという要素が密接に絡んでくるためにスマホでは十分なUXを提供するのが難しいという理由に加え、「われわれの顧客はほとんどが中小企業だが、中小企業の購買活動がスマホにシフトしているかというと、まだしていない。むしろ最近ネット化が始まったところで、スマホ化は5年先じゃないか」(松本氏)。

ネットとリアルをつなぐ上で、非常に泥臭い苦労もしてきたという。「印刷会社とのコミュニケーションでは、新しいことを始めようとしたときに理解を得づらいところがある。経済合理性で考えれば絶対に利益が出ると分かっているような枠組みを提供しても、『これまでやってこなかったし……』で片付けられることもあった」(松本氏)。ただ中には、強い変革意識を持った経営者がいて、思いに共感してくれることで関係を形作れるケースもあった。

今回調達した資金は、マーケティングや海外事業展開といった方向への投資はもちろんだが、「Uber X(海外で展開するUberのサービス。個人が所有する車に他のユーザーを乗せるというもの)のように、ユーザーに全く異なる体験、インターフェイスを提供できるサービスを開発していく」ことに加えて、「紙を共同購買したり、物流の交渉をまとめて行ったり、資材や物流など効率化を図ることで生産性が上がる部分のファイナンシャルなサポートにも取り組む」そうだ。

営業の会社からインターネットの会社へ—akippa

akippaは、法人や個人が所有する空き駐車スペースを登録しておくと、その周辺で駐車したい人が検索し、希望する時間に使用できるというサービスだ。シェアリングエコノミーを体現しているかのようなサービスだが、金谷氏によると「会社を立ち上げて6年になるが、そのうち5年は営業の会社だった」のだそうだ。

転機が訪れたのは2013年6月のことだったという。「毎月目標の売り上げを決めて、ホームページを作って営業して……とやっていたが、そのうち『これをいつまで続けるんだろう、何のために会社をやっているんだろう』と考えた」(金谷氏)。そこで、電気やガス、水道といった「なくてはならぬもの」を作ろうと、会社のメンバー全員で、今悩んでいること、困っていることを書き出してディスカッションしていた中に、駐車場の問題があったという。

早速このサービスをネットで展開しようと作り始め、とあるイベントで発表したところ、「家の空きスペースを貸すサービスなら『Airbnb』があるよ、と教えてもらった。それまでAirbnb自体知らなかった」そうだ。

その後、順調にサービスが成長してきたことから、思い切って社名もそれまでのギャラクシーエージェンシーからakippaに変更し、営業だけでなくエンジニアの数も増やした。「これでやっとインターネットの企業になれたかな、と感じる。今は営業もスーツを着ていない」(金谷氏)。

ただ、そのマインドを変えていくのが大変だったそうだ。「もともと営業の会社なので、営業担当のマインドを変えることが大変でした。赤字でも、ユーザー数を増やし、サービスを伸ばしていくためだからいいんだ、と言っても『売り上げゼロなんですけど、いいんですか?』と不安を抱かれることもありました」(金谷氏)。サービスを伸ばすために最初はお金を取らずにユーザーを増やす、そしてユーザー数が伸びれば売り上げも増えてくるというアイデアを、Gunosyなどを引き合いに出しながら説明して説得したそうだ。

シェアリングエコノミーはコミュニティか、ただのバズワードか

最後にモデレーターのTechCrunch Japanの岩本有平が「そもそもシェアリングエコノミーとは何か?」と問いかけた。

金谷氏は「昔からやってきたことをスマートフォンでつなぎ合わせたことだと思う」と語る。「akippaも、『隣の人に空いている駐車場を貸す』という昔からやってきたことをスマートフォンでやっているだけ」。そういう意味では、ライバルは、Airbnbなんかではなく、リアルに空きスペースを駐車場としてサービスを展開している「タイムズ」や「三井のリパーク」になるという。

松本氏は、「AIやビッグデータと同じバズワードの1つなんじゃないか」とした上で、「使われていないアセットをユーティライズしたということ以上に、スマートフォンやPCとつながって、ユーザー経験そのものが変わったことに大きな意味があるのではないか。この部分を生かすことでビジネスを伸ばすことができるのでは」と語る。

これらに対して高橋氏は、「ひとことで言うとコミュニティだ」とする。「共有という概念は、コミュニティがあってはじめて成り立つ。そのとき重要になるのはクオリティ。安心して共有してもらえるか、透明性が高いかということが問われてくる。Uberではフィードバックシステムを導入して、今まで乗った人の評価が全部見えるようにしているが、そこまでやって初めて安心感あるコミュニティが生まれると思う」とした。


小さな上場より赤字を掘ってでも大きく成長する–ネット印刷のラクスルが40億円の資金調達

先日メタップスが43億円という大型の資金調達を実施したのに驚いたが、またもや大型の資金調達があった。日本経済新聞でも報じているとおり、オンライン印刷サービス「ラクスル」を手がけるラクスルは2月17日、第三者割当増資により総額40億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

引き受け先は既存株主であるオプト、グローバル・ブレイン、WiL、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、ANRI、電通デジタル・ホールディングス、GMO Venture Partnersのほか、新たにリンクアンドモチベーション、グリーベンチャーズ、Global Catalyst Partnersが加わった。

業績は2013年12月から1年で10倍に

ラクスルは2009年9月の創業。当初はオンライン印刷の価格比較サービスからスタートし、その後オンライン印刷の一括見積もり事業を開始。現在では印刷会社をネットワーク化し、その非稼働時間を活用して安価な印刷を展開するオンライン印刷事業を展開している。

2014年2月には約14億5000万円の資金調達を実施し、テレビCMも放映したラクスル。会員数は現在約10万人、売上高は非公開ながら、「会員数とともに1年で5倍に成長している。2013年12月からの1年間で見れば約10倍に上る」(ラクスル代表取締役の松本恭攝氏)とのこと。

また今回の資金調達で印刷会社の買収でもするのかとも思ったがそういう訳ではないようだ。松本氏は「事業が立ち上がり、『投資をすれば拡大する』ということが見えてきた。ならば小さく上場するのではなく、もっと赤字を掘ってでもより大きく成長しようと考えた」と語る。

事業と組織の両輪で成長、マネジメントの目線を上げる

今回、リンクアンドモチベーションとグリーベンチャーズ、Global Catalyst Partnersが新たに株主となっている。松本氏は組織作りや海外進出といった面でのシナジーを求めたいと語る。

「事業と組織は両輪。両方が回って初めて会社がうまく回る。例えば(一度エグジットして)2社目の勝負をしている起業家は、組織がどんなことで転ぶか分かっている。だが私は転ぶようなことをことごとくやってきている。だからこそ今のうちに組織をしっかりと作りたい。またグリーは青柳さん(グリー取締役執行役員常務の青柳直樹氏)と話したことがきっかけだが、海外でのチャレンジ経験が豊富」(松本氏)。さらに米国のベンチャーキャピタルであるGlobal Catalyst Partnersについては、「日本のスタートアップとは違うマネジメント、非連続な成長を作るために目線を上げてくれる存在だ」(松本氏)と語った。

「チラシ印刷」にとどまらない中小企業の集客支援

同社のテレビCMを見たことがある読者の中には、大企業向けのチラシ・名刺印刷というイメージを持った人もいるかも知れないが、中心になっているのは、塾やフィットネスクラブ、接骨院に美容室など、商圏の限られている中小企業のチラシ印刷なのだそう(なお、名刺の取り扱いは全体の2割程度)。ちなみにサイトへの集客は「テレビCMは期待した効果が出ている」(松本氏)ということだが、何よりも口コミの効果が大きいのだそうだ。

今回の調達では、そんな中小企業向けのオフラインでの集客支援を実現するプラットフォームを構築していくのだという。「チラシを刷るというのは、つまりは集客の予算を預かっているということ。ネットでの集客、マーケティングは効率化が進んで新しいイノベーションが起きる一方、紙の市場ではほぼイノベーションが見られず、予算をかけられない中小企業がほとんど。そこにイノベーションを起こしたい」(松本氏)

すでにラクスルでは、チラシの印刷だけでなく、チラシのデザインや印刷したチラシのポスティングといった印刷の“前後”のニーズをカバーしつつあるのだが、こういった取り組みをより強化していく。最近ではウェブサイト上で簡単にチラシのデザインができるエディタも実装したし、今後はチラシのライティング講習なども試験的に手がけるという。

これまでは印刷会社の非稼働時間を使うことで「安価な印刷」をうたってきたラクスルが、どうして中小企業のオフラインでの集客支援というキーワードを掲げるのか? 松本氏はユーザーのニーズ、そして単なる価格競争からの脱却について語る。「ユーザーのニーズはほとんどがチラシの印刷であり、それはつまり集客に困っているということ。そして集客予算を預かっているのであれば、印刷は安い方がいい。だがそれだけ考えると、価値は結局値段に収束してしまう。安さを徹底的に追求して価値を作るということもあるが、安くても効果が出なければ意味がない。チラシという紙のメディアの価値を上げることを考えたとき、ほかにプレーヤーはいないと考えた」(松本氏)

印刷会社のサポートや海外展開も視野に

このほか、調達した資金をもとに、印刷会社のサポートを強化するという。例えば小さい印刷会社では、紙の仕入れなども(ボリュームディスカウントできずに)高価な場合がある。こういった材料の仕入れや機材のレンタルなども取り組む予定。すでに印刷機器メーカーのリョービMHI元代表取締役社長の堂本秀樹氏の参画も決まっている。

ラクスルではさらに、海外展開も視野に入れる。「海外は日本ほど価格競争が厳しくないし、『ネットの会社』として(印刷事業に)取り組んでいるところが少ない。APIの公開こそしていても、どっぷり印刷業につかっていて、それでいてネットの開発もできる、というところは少ない。そのあたりはラクスルが独自の価値を作れる」(松本氏)

同社では現在フルタイムの社員約30人(パートタイムのカスタマーサポートなどを含めると、日本とベトナムで合計約100人)を年内に2倍まで拡大する見込み。さらに、早期の会員数100万人を目指すとしている。


Uberが福岡市でライドシェアの「みんなのUber」をスタート

Uberといえば、東京ではハイヤーとタクシーの配車サービスとして、主にリッチな気分に浸れるという路線で開始しているけれど、本家米国では、非本業の運転手が自家用車でタクシー業務をやってしまう「uberX」や、複数の乗客で相乗りすることでコストを抑える「UberPool」などもある(uberXについては体験レポート「日本未上陸の白タクサービス「uberX」が安くて早くて快適だった」も参照してほしい)。

そのUberが、今日2月5日の午前10時から福岡市でライドシェアの検証プログラム「みんなのUber」を開始することが分かった。すでに詳細なブログが公開状態となっている。

ブログによれば、みんなのUberの利用方法は、これまで通りUberアプリをダウンロードして、アカウントを作成するだけ。登録にはクレジットカードが必要だが、みんなのUberは検証プログラム中は利用が無料だそうだ。

利用するには、まず乗車場所にピンを置き、車を依頼する。するとそのユーザーを乗せるドライバーが数分後にピックアップしに来てくれるという。利用可能エリアは、福岡市、春日市、志免町、糟屋町で、乗車時間が60分以内、1週間の乗車回数が5回以下というのが条件だそうだ。

今回の取り組みは、あくまでも検証プログラムとうたっているので本サービスへの移行があるのかどうかや、そのタイミングがいつになるのかといったことは不明。「検証できました」で終わってしまう良くある自治体の「色々やってますよポーズ」に終わらないことを祈りたい。今回の取り組みは産学連携機構九州とパートナーシップを組んでいて、研究機関などに交通ニーズのデータを提供し検証していくのだそうだ。


TechCrunch School第6回は2月19日開催-テーマは「シェアリングエコノミー」

今回の会場となる東京・渋谷の「TECH LAB PAAK」

2014年1月から不定期開催しているイベント「TechCrunch School」。これまで学生の起業、スタートアップのマーケティング、大企業からのスピンアウト、IoTなどのテーマでセッションを繰り広げてきた。前回の開催が2014年9月末だったので、少し間が空いてしまったが、2月19日午後7時から第6回を開催する。参加は無料。本日よりこちらで参加登録を受け付けている。

今回のテーマは「日本でも成長をはじめたシェアリングエコノミー」。モノやリソースを共有したり交換したりすることで成り立つ、共有型経済を指すシェアリングエコノミー。米国で立ち上がった配車サービスのUberや宿泊サービスのAirbnb、カーシェアリングサービスのZipcarなどが代表的なサービスとして挙げられることが多い。UberやAirbnbはすでに日本にも上陸してサービスを展開している。

一方で日本のスタートアップを見ても、印刷所の空きリソースをシェアして低価格で印刷を行うラクスルや駐車場をシェアするakippa、空きスペースをシェアするスペースマーケット、家事代行のAny+Timesなど、続々とサービスが生まれている状況だ。

ただ日本と米国では個人のライフスタイルや価値観、さらにはビジネスのルールなども違ったりする。シェアリングエコノミー関連サービスは続々登場しているが、はたして日本どういった成長を見せるのか。日本でサービスを展開するプレーヤーに聞いてみたい。

Uber Japan、ラクスル、akippaが登壇

イベントに登壇してくれるのはUber Japan執行役員社長の高橋正巳氏、ラクスル代表取締役の松本恭攝氏、akippa(2015年2月にギャラクシーエージェンシーから社名変更、サービス名も「あきっぱ!」から「akippa」に変更している)代表取締役社長の金谷元気氏の3人。オフラインイベントということもあり、ここだけ話もいろいろしてもらえると思う。

Uber Japanは米国サンフランシスコでスタートしたUberの日本法人。Uberはスマートフォンアプリ1つでタクシー・ハイヤーを配車してくれるサービスだ。米国では合計4.9億ドル超の型資金調達自動運転タクシーの研究といった取り組みが発表される一方、破壊的なイノベーションの代償かいくつかの課題も抱えるに至っている。日本ではサービス開始から約1年となるが、Uber Japanの高橋氏にはこれまでの手応えや日米でのサービスの差などについて聞いてみたい。

印刷の価格比較サービスとしてスタートしたラクスル。同社では現在、ユーザーの注文に応じてネットワーク化した印刷会社から最適な会社を選択、その印刷機の非稼働時間に印刷をすることで、安価に高品質な印刷物を提供している。ラクスルの松本氏には、サービス提供の経緯から印刷会社をネットワーク化するための仕組みやその苦労、さらには以前から語っている海外展開などについて聞いてみたい。

akippaは、駐車場を貸したい人と借りたい人をマッチングするサービス。あらかじめ駐車場を貸したい人が駐車場の情報や空き時間を登録しておけば、駐車場を検索して予約した上で、希望する時間に使用できるというもの。また、バレーパーキング(海外のホテルなどで駐車係にキーを渡すと、車を所定の駐車場に保管してくれ、また車が必要なときは車を持ってきてくれるサービス)を実現する「akippa plus」も展開している。akippaの金谷氏にもやはりサービス提供の経緯、そしてその手応えなどを聞いてみたいと思っている。

今回の会場は東京・渋谷の「TECH LAB PAAK」

なおこれまでのTechCrunch SchoolはTechCrunchのオフィスがある東京・末広町の3331 Arts Chiyodaで開催していたが、今回はリクルートホールディングスが東京・渋谷に開設したばかりの会員制スペース「TECH LAB PAAK」にて開催する。

こちらのTECH LAB PAAK、会員制であれば座席からWi-Fi、ドリンクまですべての設備を無料で利用できる。ただし会員になれるのは、「スペースを通じてみずからの持つスキルを深めたり、情報共有したりしたい」「技術やアルゴリズムの研究・開発に取り組んでおり、コラボレーションして発展させたい」といった思いを持つ個人やチームのみで、同社が定期的に開催する審査に通過する必要がある。リクルートホールディングスいわく「本気でテクノロジーで世界をよくしたいと思っている」「イノベーションを起こすスキルをもちながら、リソースが不足している」という人の応募を待っているとのこと。当日はそのあたりの話もRecruit Institute of Technology戦略統括室 室長の麻生要一氏から聞ける予定だ。

TechCrunch School #6
「日本でも成長をはじめたシェアリングエコノミー」
【開催日時】 2月19日(木) 18時半開場、19時開始
【会場】 東京・渋谷 TECH LAB PAAK地図
【定員】 80名程度
【参加費】 無料
【参加資格】 起業を志す、もしくはスタートアップに興味のある大〜中小企業の社員および、学生の方。スタートアップへの参画を希望する人材と出会いたいスタートアップの起業家、CxO、人事担当者
【ハッシュタグ】#tcschool
【主催】 AOLオンラインジャパン
【内容】
19:00〜19:05 TechCrunch Japan 挨拶
19:05〜20:05 パネルセッション「日本でも成長をはじめたシェアリングエコノミー」
パネリスト
髙橋正巳氏(Uber Japan 執行役員社長)
松本恭攝氏(ラクスル代表取締役)
金谷元気氏(akippa代表取締役)※2015年2月よりギャラクシーエージェンシーから社名変更
モデレーター
岩本有平(TechCrunch Japan編集記者)
20:05〜20:30 講演セッション「リクルートが考えるオープンイノベーションとその取り組みについて」
麻生要一氏(Recruit Institute of Technology戦略統括室 室長)
20:30〜22:00 懇親会(アルコール、軽食も出ます)
【申し込み】イベントページから事前登録必須
【事務局連絡先】tips@techcrunch.jp

イギリスでは政府が共有経済に関する調査研究事業に着手…共有経済企業のCEOが担当

今日(米国時間9/29)イギリス政府は、この国を“共有経済の全世界的なセンター”に育ててシリコンバレーに対抗していくために、AirbnbやZipcarなどが具現しているいわゆる共有経済を今後強力に支援育成していく、と発表した。そのためにまず、共有経済がイギリスでその持てる力を十分に発揮できる風土を作り出すために必要な、政策や規則等に関する、業界からも政府からも“独立の”調査研究事業を立ち上げる。

しかしおもしろいことに、この調査研究事業を率いるのは、なんと、Love Home SwapのCEO Debbie Wosskowだ。同社は休日に人びとがお互いに家を取り換える(スワップする)ためのスタートアップで、協力的消費(collaborative consumption)や共有経済(sharing economy)の分野で頑張っている代表格だ。だから、“独立の”調査事業にはふさわしくないのではないか、とも言える。とはいえ、この調査事業に関する政府からの発表声明自体がすでに、共有経済は“良い(善い)ものである”というトーンに傾いているので、誰が調査を仕切るかという問題は、それほど重要でないのかもしれない。

イギリス政府による今回の任命を擁護するなら、Wosskowは、共有経済のネットワークであり年四回のイベントを開催しているCollaborative Consumption Europe(ヨーロッパ協力的消費)の主宰者だ。この分野に関する彼女の知識経験の量は、単なる共有経済スタートアップのCEO域を超えた、大きくて深いものだろう。

しかも彼女はこの研究調査事業を無償で引き受けたそうだから、イギリスの納税者の負担は小さい。この種の事業は何らかのロビー集団によって行われることが通常は多いから、そうならないだけでも良いことだ。ロビーの作の典型が、最近ローンチしたUK startup manifestoだ。おっと、お話の脱線はやめよう。

調査研究の対象/内容としては、次のものが指示されている:

  • 共有経済の課題と概念定義
  • 共有経済がイギリスにもたらす利益と既成産業にもたらすリスク
  • 共有経済を担う企業が直面する問題、たとえばAirbnbにおける保険の問題など
  • 共有経済の企業に課せられるべき規制
  • デジタル企業にとっての信用障壁
  • イギリスにおいて共有経済が持つポテンシャルに到達する方法

しかしDavid MeyerがGigaOmで指摘しているように、労働者の権利のような難しい問題はなぜか含まれていない。でも、いずれにしても、このように政府が共有経済を肯定し支持するような動きは、今および今後の共有経済スタートアップにとって、明らかに朗報だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Ron Conwayが語るNapsterと共有経済の問題–まだ解決の糸口は見えない

今日(米国時間4/30)のDisrupt NY 2013のステージでは、VC界の重鎮Ron Conwayと、映画作家で俳優のAlex Winterが、CrunchFundのMG Siegler とともにステージに登場して、Napsterの興亡を描いたドキュメンタリーDownloadedについて語った。Ron Conwayは自分も初期にNapsterに50万ドルのエンジェル投資をしたと述べ、その後の同社の試練を介助した経験を語った。彼によると、最大の問題の一つは、Napsterが体現した共有経済の問題点が、未だに解決されていないことだ。

Napsterが明らかにしたのは、共有と協力のコミュニティによって、情報資源を最大限有効に利用したいという欲求が、人びとの中にあることだ。しかしそれは、既存の業界から大きな反発を食らった。両者間のあつれきは未だに解決を見ていない。Conwayによれば、そのことがこの問題全体の中でいちばん不毛な部分のひとつだ。

“技術的な解決も、まったくない”、とConwayは言う。“今では共有経済に属するさまざまな企業がある。そして乗車共有やスペース共有(AirbnBなど)などなどに対して、行政はNapsterに対するレコード会社のように振る舞う。しかしイノベーションは誰にも止められない。この問題がいまだに一般社会に知られていないことも、驚きだ”。

Conwayが指摘するのは、たとえば昨年十月にUberがニューヨークでタクシー配車サービスの閉鎖を余儀なくされたような事件だ。そしてその後、市の新しい方針によってサービスを再開できた。既存の規制や既存業界からの締め付けを逃れるために、合衆国の大都市のほとんどが、そんなその場しのぎ…暗黙の了解のようなやり方…を採用している。

Napsterの問題に話を戻すと、なぜ彼らにとって音楽業界やレコード会社やアーチストが障害物になってしまったのか。Conwayが嘆くのは、未だにこの問題の解決の糸口が見えないことだ。今でも基本的には、共有経済と既存の体制的経済は激しく対立している。

“エゴを捨てて問題にもっと前向きに取り組んだら、この問題はとっくに解決されていたはずだ”、とConwayは言う。“それなのに、みんなが短絡的にマッチョモードになってしまった”。

共有経済は、今日のスタートアップの多くを育てている。それが規制にぶつかったり、現役選手たちからの抵抗に遭うことも多い。かつては、個人の欲望や感性とは無関係に巨大な収益を上げる市場があった。そしてそのような時代のルールを、(一つの巨大マスマーケットではなくて)複数の小さな市場が分散している環境にそのまま当てはめようとしている。彼らは、それが問題の早期解決に役立たないことに、気づこうとしない、とConwayは嘆く。

Alex Winterは、Napsterこそ真のコミュニティだった、と語る。彼は、3Dプリントのテンプレートにも海賊版問題が起きるだろう、と言う。本誌のJosh Constineによる彼へのインタビューは、下のビデオで:

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))