[速報]DeNAがキュレーションメディアをさらに強化——Find Travelを買収、6月には自社で2サービスを開始

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これまで住まい・インテリア特化の「iemo」と女性向けファッションの特化「MERY」と2つのキュレーションメディアを買収し、さらに自社で飲食特化の「CAFY」を立ち上げたディー・エヌ・エー(DeNA)が「DeNAパレット」と銘打ってキュレーションメディアのプラットフォームを拡大する。

DeNAは4月6日、旅行特化のキュレーションメディア「Find Travel」を手がけるFind Travelを2月に買収し子会社化したことを明らかにした。あわせて男子ファッションの「JOOY」、妊娠・出産。子育ての「cuta」の2つのキュレーションメディアを6月にも立ち上げる。2015年12月末までには合計10サービスまで拡大するとしている。

DeNAは現在サービスに関する発表会を開催中。詳細は追ってレポートする。

IPの価値を最大化する–任天堂がDeNAと組んでスマートデバイス市場に参入

ゲーム業界に大きな衝撃の起きる発表があった。任天堂とディー・エヌ・エー(DeNA)は3月17日、資本業務提携を実施すると発表した。

既報のとおりだが、両社はグローバル市場を対象にしたスマートデバイス向けゲームの共同開発・運営および、多様なデバイスに対応した会員制サービスの共同開発を行うという。

また両社の株式を持ち合うかたちで、第三者割当によりDeNAが保有する自己株式1508万1000株(発行株式数の10%、約220億円)を任天堂が取得。同時に任天堂が保有する自己株式175万9400株(同1.24%、約220億円)をDeNAが取得する。

同日開催された会見には、任天堂代表取締役社長の岩田聡氏、DeNA代表取締役社長兼CEOの守安功氏が登壇。提携の経緯について語った。

任天堂のIPの価値を最大化する

両社の出会いは2010年6月。DeNAが任天堂に対して、「Mobage向けにIPを供給してもらえないか」というオファーをしたところからスタート。以後交流を続けてきたという。

これまで1983年のファミリーコンピューター発売以降、ケータイ、スマートフォン向けゲームには目を向けずにゲーム専用機ビジネスを手がけてきた任天堂。プラットフォーム移行期が円高と重なり収支バランスを崩したこと、プラットフォーム移行自体がスムーズに進まなかったといったこともあったため、岩田氏は「スマートデバイスの普及により、ゲーム専用機ビジネスで様々なご意見、それもどちらかと言えば悲観的なご意見を頂戴することが増えてきた」と語る。

また音楽プレーヤーやカメラなどがスマートデバイスに飲み込まれてきたように、「ゲーム専用機もスマートデバイスに飲み込まれるのでは?」と言われる状況だとした上で、それらのデバイスと違って、「任天堂のゲーム専門機上で動くソフトの最大の供給者が任天堂自身である」と、ゲーム、コンテンツメーカーとしての強みを持っていると語った。

岩田氏はゲーム専用機ビジネスについて「未来を悲観していない」とした上で、自社の強みであるゲームソフトやキャラクターといったIPの価値最大化に向けてスマートデバイス向けのIP活用を決めたのだそうだ(2014年1月の経営方針説明会でもスマートデバイス活用に触れている、その延長ということだった)。

「テレビの存在しなかった125年前に創業した任天堂が、テレビを積極的に活用したのと構造的に同じ。様々な手段を柔軟に活用していく」(岩田氏)

だが、「かたくなに」と言って過言ではないほどスマートデバイス向けゲームからは距離を置いていた任天堂だ。岩田氏もそういった意見があることに触れた上で、「デジタルの世界ではコンテンツ価値が容易にデフレ化し消耗しがち。コンテンツの新陳代謝も激しく、寿命が短くなりがち。どうすればIPの価値を維持発展させながら、ビジネスができるか考え続けてきた」とその理由を振り返った。

黒子になっても構わない—DeNAをパートナーに選んだ理由

もちろん任天堂にスマートデバイス戦略で提携を持ちかける事業者は多かったのだそうだ。そんな中で2010年からコミュニケーションを続けてきたDeNAと組んだ理由は、「トップレベルのサービス構築、運営ノウハウにある」(岩田氏)という。

さらに、Q&Aセッションでは、繰り返し提案をしてきたDeNAの情熱、さらには「言葉は極端だが『黒子になって構わない』と言ってくれた。サービス開発に協力をいとわない。エース級人材を当てて頂けるというコミットメントがあった」(岩田氏)とその理由を付け加えた。

今回の発表では、任天堂がこれまで提供してきた会員向けサービス「クラブニンテンドー」に変わるデバイス間をまたぐ会員サービスを共同で開発するほか、共同でのタイトル開発について触れられたが、ゲームタイトルなど具体的な内容については、それこそ任天堂の人気IPの名前1つ出ない状況だった。ただしスケジュールについては、「少なくとも今年アウトプットがないスピードでは意味がない」(岩田氏)とだけ語っていた。

両社の役割については、IPごとに変わるものの、「多くの場合はフロントサイドが任天堂、DeNAがサーバサイドやバックエンドを担当する」(守安氏)ことになることが多そうだ。レベニューシェアなどもその工数により分配するということだった。

また岩田氏はスマートデバイスと並行して、任天堂がゲーム専用機ビジネスを継続することを強くアピール。そのため、ゲーム専用機とスマートデバイスで同一タイトルを提供しないこと、また新ハード「NX」について来年にも詳細を発表する予定であると説明した。同時にDeNAも、任天堂との提携だけでなく、オリジナルIPの提供を続ける。「これまでもDeNAは様々な会社とIPタイトルを作ってきた。そこは力を入れてやっていく。一方で自社IPへの思いも持っているので並行して進める」(守安氏)

射幸心をあおる課金、しない

会見の最後にはQ&Aセッションがあったのだが、そこで記者やアナリストから言葉を変えつつ2度質問があったのが、ソーシャルゲームなどにつきものだった射幸心の話題だ。2人の質問はざっくり言えば「子どもにも信頼されてきた任天堂が、射幸心をあおるような課金ビジネスをやっていくのか」ということだ。

これに対して岩田氏は「任天堂の納得しないままサービスを提供することはあり得ない。(DeNAと)両社が納得して提供するし、お客様が納得して頂けるようにする」と説明。アイテム課金については一律に否定する気はないとしつつ、「世の中で『ビジネスとして行き過ぎ』『子どもに提案していいのか』ということを任天堂IPで使うことは望まない」(岩田氏)とした。さらには、今回の提携を通じて「新しいビジネスモデルの発明ができたら最高」と語った。


DeNA、ヘルスケア領域での”次の一手”は健保向けサービス-住友商事と合弁で

2014年には遺伝子解析サービス「MYCODE」を開始してヘルスケア領域に踏み込んだディー・エヌ・エー(DeNA)だが、今度は健康保険組合向けの事業を開始する。DeNAは2月3日、住友商事と合弁会社を設立し、新サービス「KenCoM(ケンコム)」を4月から提供することをあきらかにした。

合弁会社の社名はDeSC ヘルスケア(ディーエスシーヘルスケア)、3月設立予定で、資本金は3億円。出資比率はDeNAは51%で住友商事が49%。代表者代表取締役社長にはディー・エヌ・エー ヘルスケア事業部事業部長の大井潤氏が就任する。大井氏はMYCODEを運営するDeNAライフサイエンスの代表も兼任する。

KenCoMでは、利用者の健康データを一元管理し、利用者の健康度に応じた情報提供を行うという。具体的には、健康診断情報を取り込んで時系列で管理・閲覧したり、その健康データや興味・関心もとにユーザーごとに最適なコラムやニュースを提供する。DeNAいわく「これまでに培ってきたゲームや各種サービスのノウハウを活用し、より健康に関心を持って飽きることなく続けていただく仕掛けが随所に盛り込まれます」とのことだ。

厚生労働省では現在、健康保険組合に対してレセプト(医療報酬明細)等のデータの分析、そしてその分析に基づく組合加入者の健康保持増進にむけた「データヘルス計画」の策定と実行を求めているという。DeNAで現在、複数の健保組合に対して導入を提案している。


DeNAがキュレーション事業加速、MERYとiemoのノウハウ注入で「食」分野に進出

10月1日に女性向けファッションまとめサイト「MERY」と住まいに特化したまとめサイト「iemo」を運営する2社を約50億円で買収し、キュレーション事業に参入したディー・エヌ・エー(DeNA)。次なる展開は「食」をテーマとしたキュレーションサイトだ。

12月19日に正式公開した「CAFY(カフィー)」は自宅で手軽に作れるレシピなど、食に関するテーマの情報を紹介するサイト。レシピに加えて、「クリスマスの厳選スイーツ9選」や「ホームパーティーを華やかに演出するテーブルウェア7選」など、食卓に関するリスト記事が多い印象だ。

すでに掲載されているコンテンツの一部は、外部のライターが有償で執筆したもの。今後はMERYやiemoと同様に、一般ユーザーに無償で投稿してもらう。隙間時間にスマホで雑誌をめくるような感覚で見てもらうコンテンツを充実させていく方針だ。

「50億円効果」で買収から2カ月でローンチ

コンテンツ以外で特筆すべきは、サイト立ち上げの早さだろう。CAFYはMERYを運営するPeroli、iemo、DeNAの3社連携によるサービス。10月の買収直後からDeNAのメンバーを中心にチームを発足し、それからわずか2カ月あまりでサービス開始に至っている。

具体的な連携効果としては、CAFYのターゲットでもある主婦層向けの記事を手がけるiemoが、主婦に受けがいいコンテンツの編集方法を助言するとともに、人材面でもディレクターを派遣。Peroriはサイトの見せ方をアドバイスするなど、開発面で協力している。実際にCAFYはMERYのサイト構造を移植したかのようにも見える。

「iemoとMERYが1年かけて踏み固めてきたことを端的に注入している。iemoは1年で150万MAU(月間アクティブユーザー、9月時点)、MERYは1年半で1200万MAU(同)と急成長カーブを描いているが、両社のノウハウがあればさらに短期間で成長するのでは」(iemo代表取締役CEOの村田マリ)。ノウハウについては「企業秘密」とのことだが、これを獲得するためにDeNAは約50億円で両社を買収したと言えそうだ。

激戦区のグルメ分野キュレーション、勝算は?

DeNAはCAFYによって、読者層が大きい衣食住すべてのジャンルを網羅することになる。ただ、iemoとMERYの成長の背景には、圧倒的競合が不在たったことがあるのも事実だ。グルメ分野では食べログが「食べログまとめ」、ぐるなびが「メシこれ」、クックパッドが「クックパッドニュース」を展開するなど、すでにネット大手が参入済み。ほかにも堀江貴文プロデュースの「テリヤキ」「マカロニ」といったサービスもある。

食ジャンルのキュレーションは激戦区と言えそうだが、村田マリは勝算をこう語る。「食べログやぐるなび、クックパッドは自社サイトの集客のために事業をやっている。それに対してCAFYは、iemoとMERYが成長してきたように、メディアとして読者が求めるコンテンツを作る意識が強い。ユーザーの隙間時間を獲得できるメディアを目指している。」

左からPeroli中川綾太郎氏、DeNA牛尾正人氏、iemo村田マリ氏

外部コンテンツとの提携で著作権対策

ところで、キュレーションメディアで問題になりがちなのが著作権(パクリ)だ。実際、MERYは一部のコンテンツでは、外部サイトの画像や文章を無断転載した事例もあったりする。著作権的にグレーだとしても、上場企業であるDeNA傘下となると、これまで以上にコンプライアンスの風当たりが強くなってきそうだ。

この点について、DeNAでキュレーション事業を率いる牛尾正人は、「新しいサービスなので想定外のことが起きるかもしれないが、社会のコンセンサスを得ながら進めるしかない」と説明する。その一環として外部サービスと提携し、各社のコンテンツをMERYやiemo、CAFYの記事に「お墨付き」で利用できるようにする。第一弾としては「レシピブログ」「Snap dish」「ミイル」と提携する。

キュレーションサイトで国内最大級のアクセスを誇るNAVERまとめでも、サービスの成長に伴い、著作権侵害が指摘されるようになった。NAVERまとめは人的なチェックだけでなく、ゲッティイメージズやAmazon.co.jp、食べログなどと提携し、無許諾で各社が指定するコンテンツを記事に利用できるようにしてきたが、DeNAも同様にキュレーションの著作権対策を強化する動きを見せている。

「めちゃくちゃ美しいM&A」

DeNAが2社を買収した10月以降、各社の間では活発な交流が続いているという。買収当時、社員数が8人だったiemoは、DeNAからの出向で20人に拡大。Peroriも買収当時12人だった社員が倍増している。さらに、専属ではないが、広告営業や採用、マーケティング業務もDeNAが担当していることから、「一気に組織がスケールした」と村田マリは振り返る。

組織がスケールしたことで、iemoは「マネタイズの本丸」(村田マリ)でもある、建築家やリフォーム、インテリアメーカーなどの事業者とユーザーのマッチングを前倒しできると、DeNAとの相乗効果を語る。同様に、MERYも記事で紹介した商品を購入できるECによる収益化を早期に実現できるようになりそうだ。

「DeNAの出向社員は、配属の初日からスペシャリストとして働いてくれた。数億円を調達したスタートアップでも、こんな短期間でDeNAクオリティの人材はそうそう獲得できない。その恩返しとして、iemoとMERYのようなスタートアップからDeNAにノウハウを提供できたのは、めちゃくちゃ美しいこと。一般的に『M&Aはうまくいかない』と、うがった見方をされやすいが、うまくやってやろうって思う。」(村田マリ)


DeNAがiemoとMERYの2社を計50億円で買収、キュレーション事業に参入

遺伝子にマンガ、動画ストリーミング……と、苦戦のゲームに変わる新事業を模索するディー・エヌ・エー(DeNA)が次に目を付けたのはキュレーションメディアだ。10月1日、住まいに特化したまとめサイト「iemo」を手がけるiemoと、女性向けファッションのまとめサイト「MERY」を運営するペロリの2社を合わせて約50億円で買収した。それぞれの買収金額は非公表。

自社事業との相乗効果を狙ったベンチャーへの投資に力を入れているDeNAだが、日本企業を買収するのは、実に横浜ベイスターズを95億円で買収した2011年12月ぶり。両社を傘下に収めることで、キュレーションプラットフォーム事業を始動する。収益の大半を依存するゲーム事業は引き続き注力する一方、キュレーションを新たな稼ぎ頭にしようとしている。

iemoの村田マリ氏(左)とペロリの中川綾太郎氏(右)

iemoはインテリアやリフォームに関する数万点の写真の中から、気に入ったものをクリッピングしたり、まとめ記事を作成できるサイト。「☆IKEA☆¥1000でおつりがくる?!オシャレな家具5選」「水を入れるだけなんてもったいない!製氷皿のいろんな使い道教えます。」といった「住」に関する記事が数多く投稿されている。サイトには毎月、25〜40歳の主婦を中心とする約150万人がアクセスしている。

2014年4月には建築家やリフォーム業者、インテリアメーカーといった事業者向けの「ビジネスアカウント」を開設し、無料でiemoに自社の商品を掲載できるプラットフォームを構築。現在は約400事業者が登録している。

11月以降、ユーザーがリフォーム業者に仕事を発注できる機能をリリースする。同機能では今後、不動産販売業者とマッチングすることも視野に入れている。現在展開中のネイティブ広告に加えて、マッチングに応じて事業者が支払う報酬がiemoの収益の柱となる見込みだ。

買収後は、iemo創業者の村田マリを含めた全人員と、DeNAからの出向社員が共同で、これまで通りサービスを継続していく。

 

創業からわずか9カ月でイグジット

村田マリは、早稲田大学卒業後にサイバーエージェントの新卒1期生として入社し、新規事業を立ち上げに参画。退職後の2005年3月、1社目の創業となるコントロールプラスを設立した。結婚と出産を経て、2012年1月にソーシャルゲーム事業をgumiに譲渡し、2億円弱の売却益を得ている。iemoは、彼女がシンガポールに移住して第二の創業として2013年12月に設立した。

過去のインタビューで、スマホ向けメディアで「衣食住の『住』だけが未開拓だった」という理由からiemoを創業したと語った村田マリは、「買収までに想定外だったことはなく、完全に事業計画通り」と振り返る。創業からわずか9カ月でイグジットを果たしたのは、シリアルアントレプレナー(連続起業家)ならではの手腕と言えそうだ。DeNA傘下に入るに至った経緯については次のように語る。

「ここまでは過去の経験でやってこれても、今後、億単位の金額を投資するのは未知の領域。DeNAであれば経験も豊富で、失敗の確率も減る。私自身、IPOに夢がある経営者ではなく、サービスをたくさんの人に使ってもらい、家の作り方を圧倒的に変えたいという思いが強い。絶対にIPOをしなければいけないプレッシャーから解放され、サービスに注力できるのが魅力だった。」

月間ユーザー1200万人のMERYはEC強化へ

MERYは、ファッションに特化した女性向けまとめサイト。美容師やネイリスト、編集者をはじめとするキュレーターがまとめ記事を投稿している。2013年4月にサービス開始から1年半で、月間アクティブユーザー(MAU)は1200万人を突破。創業者の中川綾太郎によれば、ユーザー層は18〜25歳の女性が中心。夜10時以降がアクセスのピークタイムで、「雑誌を読むようなテンションで暇な時間や寝る前に見られている」という。

投稿されている記事は、「ロングブーツ履く前に!にっくき膝上の肉にさよならダイエット◎」「プチプラ&シンプルで着回し力抜群!GUデニムアイテムで一週間コーデ」といったように、ファッション雑誌にありそうな内容が多いのが特徴。「オンラインで圧倒的なファッションメディアがない中、スマホでファッション誌を読むような体験ができるのが上手くはまった」と分析する。

現時点で収益面は「広告を一応やってますという程度」だが、今後はEC化を進める。具体的には「まだモヤモヤしている」が、ユーザーが読んだ記事から商品を購入できるイメージだと話す。「ブランドを指名買いするECは発達しているが、実際のショッピングでは絶対にパンツを買うつもりでも、ニットを買っちゃうようなことが多い。そんな新しいコマース体験をやっていければ」。なお、iemoと同様、MERYも引き続きサービスを継続する。

2社のノウハウでキュレーションメディアを横展開

今回買収された両社がメリットとして口を揃えるのは、スタートアップならではの課題である採用面での恩恵だ。

「買収前のiemoは8人の会社だったが、10月1日にはDeNAからの出向を受けて20人体制になる。アプリエンジニアやデザイナーなど、不足している人材をバッと出してもらえるのはありがたい。こうした人材は簡単に取れないし、(iemoではDeNAみたいに)東大卒の人材なんていない。」(村田マリ)

「うまくいっているスタートアップでも、さらに伸びれば人が必要になる。MERYは『見てもらう』メディアの部分では順調に成長したが、今後は別領域のECを組み込んでいくことになる。DeNAからコマース経験のある人材をサポートしてもらえるのは大きい。売却思考はなかったが、理想をどれだけ早く実現できるかを大事にしたかった。」(中川綾太郎)

iemoとMERYは、「スマホでダラダラ見られるキュレーションメディア」という点で共通している。iemoは「スマホ × 住」、MERYは「スマホ × 衣」という圧倒的な勝者不在のジャンルでユーザーを増やしてきた。そして、キュレーションの枠にとどまらず、「住」と「衣」という巨大産業のECを変えようとしている。

DeNAとしては、2社の人材を抱えてノウハウを得ることで、スピーディーに他のジャンルのキュレーションメディアを構築する思惑もありそうだ。各メディアで相互送客を行い、数年後にはキュレーションプラットフォーム全体でMAU5000万人を目指すという。


縁の下の力持ちでいい–DeNA原田氏が描くベンチャー投資戦略

ソーシャルゲームのプラットフォーマーとして君臨していたディー・エヌ・エー(DeNA)。2013年3月期までは好調な売上を達成した同社だが、直近の決算発表ではゲーム事業の売上減が続いている。だがそれを甘んじて受け入れる同社ではない。急ピッチでゲームの次の柱となる事業を模索している。8月6日の決算でも、新事業や投資についての説明があった。

同社では遺伝子検査の「MYCODE」や電子コミックの「マンガボックス」、動画ストリーミングの「SHOWROOM」といった事業を展開。また一方では、事業シナジーを狙ったベンチャー投資にも積極的な姿勢を見せている。2014年1月には社内に戦略投資推進室を設置。その動きをさらに加速させている。

DeNAのコーポレートサイトで開示しているのはゲーム動画共有プラットフォームを手がける米Kamcordやカップル向けアプリ「Between」を開発する韓国VCNCだけだが、クラウドソーシングサービス「Any+Times」のエニタイムズ、中高生向けIT教育のライフイズテック、駐車場の持ち主と一時利用者のマッチングサービス「あきっぱ」を手がけるギャラクシーエージェンシー、鮮魚流通サービス「八面六臂」の八面六臂、バイラルメディア「CuRAZY」のLAUGH TECHなどさまざまなスタートアップに出資しているのが分かる。

同社の投資事業について、元ミクシィ取締役であり現在DeNA戦略投資推進室 室長を務める原田明典氏に聞いた。

–改めてDeNAの投資スタンスを教えて下さい。

原田氏(以下敬省略):戦略投資なので、事業シナジーがベースになります。ですがDeNAもある意味ではまだまだベンチャー。次のコアとなる新事業を作り続けています。

そのため、戦略投資といってもゲーム事業とのシナジーだけを考えてやるわけではありません。ヘルスケアやマンガなどの領域でも投資をやっていきます。基本的には「ネットかつコンシューマー向けのモノ全部」です。マイナー投資をやる場合もあれば、マジョリティーを取る場合もあります。ケースバイケースです。

立ち上げをサポートするような投資もやりますし、ユーザー規模がある程度大きくなって、DeNAでサポートできることが見えてきたものにも投資します。VCNCやKamcordのように、すでに比較的ユーザーも多くなっているサービスのビジネスをどう成長させるかということも支援しています。

DeNAでは自社でもさまざまな分野の新事業を手がけています。そこ(新事業の方針)に乗っ取ったサービスであればM&Aもあり得ると思っています。ただし、M&Aに関しては、戦略投資推進室を設置した1月からの実績は今のところありません。

–投資する事業領域についてはどうお考えですか。

原田:内部的にはいろいろと(目標を)持っているのですが、詳細は社外に公表していません。大きくはプラットフォームやコミュニケーション、リアル産業変革という領域になります。

こう言ってしまうと「何でもアリ」というように聞こえてしまうかも知れませんが、モバイルやスマートフォンの登場によってチェンジするもの、FacebookやTwitterなどソーシャルメディアの普及後だからこそ成立するバリューに投資したいと考えています。

例えばPinterestやInstagramといった画像SNSはまだ日本ではそこまで普及していません。ここで海外で流行しているのと同様のサービスを持ってきてもはやりません。スマートフォンがはやっていないときにメッセージングサービスを持ってきても成功は難しい。環境の変化を見て、今から旬になるものを考えています。それで今の旬が何かというのは今は話せないのですが。

–ポートフォリオは一部しか公開していません。これまでの投資件数や投資額について教えて下さい。

原田:契約、入金前の段階の会社も含めて国内外で20〜30社というところです。ほぼ毎週ペースで投資の意思決定を実施しています。投資先が公開せず、DeNAの業績への影響が軽微なものについては、ステルスで(発表せずに)投資しています。前述の通り規模感はいろいろあるので、小さい金額であれば数カ月のデューデリジェンスをして……というのではなく、素早く関係構築するようにしています。投資額はアーリーステージで1000万円程度からです。大きい案件になると当然交渉もありますので、今後に期待頂ければと思います。

ベンチャー投資で重要なのは起業家のマインドです。我々は事業とチームの相性がよければ投資したいと思いますが、一方で投資を受ける側がファイナンスについてどう考えているかというとさまざまなケースがあります。投資についても今日明日で考え方が変わることがあります。なので先方の状況に合わせていかに対応できるか、柔軟さを維持できるようにしています。M&Aも同じです。ジャンルによってはスタートアップとしてやるより、(M&Aして)マスプロモーションやマーケティングで勝負する方がいいこともあります。

最近はスタートアップがマスに出て勝負するまでのリードタイムが短くなっている傾向にありますし、そういうところでバトンタッチ先を探している場合もあります。DeNAには社内のリソースもありますし、グロースステージの支援をするのは得意です。

–投資先がVCではなくDeNAに資金を求める理由をどうお考えですか。

原田:海外のプレーヤーは分かりやすいですね。彼らは日本やアジアに参入したいというニーズがあります。先日もKamcordは国内でゲームデベロッパー向けに勉強会を開催しましたが、資料1つとっても(自分たちだけで)日本向けに作るのは難しい。またBetweenのVCNCも国内のマーケットを分からないところがありました。例えばデザイン1つとっても、韓国は「かわいい系」でシリコンバレーは「クール系」が主流。日本はその中間といった国ごとのトーンがあります。そこでUIやデザインのトーンをチューニングするお手伝いなどもしています。

自社の新事業であるマンガボックスやMYCODEは、初期投資も大きく、スタートアップとは違う戦い方をしています。同様にこれまでプロダクトで勝負してきて、(マーケティングなどで)ぐっとスケールするときにお声がけ頂けると我々も支援しやすいと思っています。

一方で「これから起業する」という方もいます。そういう場合、インキュベイトファンドや川田さん(DeNA創業者の川田尚吾氏でエンジェル投資家)などのインキュベーターを紹介して、共同で投資することが多いです。例えばですが、創業期のオフィスを選ぶ場合であっても、「渋谷駅から南東50mくらい、築30年の物件の坪単価」といった具体的な情報を彼らは理解してています。

キャリアなんかもグロースステージの支援をすると言っていますが、私もキャリアに居た経験から(筆者注:原田氏はNTTの出身だ)すると、ネットベンチャーに対してキャリアができることは限られてきています。2005年頃にはもう公式サイトからのリンク、i-modeの規制緩和といったことしかできなくなっていました。あとはいかに料金を下げるかでしょうか。キャリアが手伝えることは世界的に減ってきています。なので、こういう(DeNAのような)クラスのネット企業が支援すれば、かつてのキャリアのように貢献できることがあるのではないでしょうか。

また、どれだけ「縁の下(の力持ち)」になるかがポイントになると思っています。DeNAが投資することがマイナスにならないように考えて、あまり前に出ないようにしています。例ですが、(ジャニーズ事務所の創業者である)ジャニー喜多川さんなどはメディアには出ず、徹底してタレントを輝かせていますよね。私も表に出てパフォーマンスをするのは違うと思っていますし、得意ではありません。

タレントプロダクションの話をしたので続けますが、実はプロダクションに学ぶことはいろいろあります。例えば楽曲提供1つとっても「このチームだからこのプロダクトだった」ということをよく考えていますよね。Snapchatだってスタンフォードの学生がやっていなければここまではやらなかったのではないでしょうか。私が「週末起業で作りました」といって提供していたら、「サラリーマンのチャットなんて使いたくない」となっていたかも知れません。どういうタレントがどういう事業をやるかを考えるのは重要ですよね。

–DeNAではどういう起業家やチームを求めているのでしょうか。

原田:人と事業との組み合わせで投資をします。日本にない事業、フロンティアタイプの事業であれば、右脳的なセンスというか直感的なセンスが必要で、エグゼキューション(実行、実現)力はその次です。

一方でそこそこ市場が見えていて、フォロワー戦略でも勝てる、実行力勝負をするという場合、エグゼキューション力が大事になります。そうなるとリードしている人と事業の相性、事業のフェーズというところを見ます。

例えばGunosyの木村さん(木村新司氏)やFablicの堀井さん(堀井翔太氏)、笠原さん(ミクシィ創業者の笠原健治氏)などもそうですし、DeNAの投資先で言うとVCNCのジェウク(パク・ジェウク氏)は学習力と実行力があります。プロダクトファーストではありますが、カカオトークなど競合サービスからもよく学習しています。このあとはマーケティング勝負です。スタートアップにはプロダクト勝負でいけるフェーズと、(競合が追いついてきて)プロダクト勝負ではなくマーケティング勝負になるフェーズがあります。ここで彼らがギアチェンジできれば、チームとして面白くなるでしょう。

–投資している地域について教えて下さい。

原田:(日本のほかは)ベイエリアが中心になります。USでの投資には、リサーチの目的もあります。単純にグロースしている会社をM&Aすると1、2ビリオンドルになるので、“ヘビー級の勝負”をするのはこれからですね。

米国を担当するのは、元カカクコムの安田(安田幹広氏)です。実は守安(DeNA代表取締役社長の守安功氏)と安田と私の元COOトリオで投資事業をやっています(筆者注:守安氏はDeNA、安田氏はカカクコム、原田氏はミクシィでそれぞれCOOを務めていた時期があった)。投資対象としては、自分たちで作れない、かなわないというようなサービスを見ています。安田はコマースが得意ですし、ソーシャルであれば僕、ゲームだと守安というように分担しています。

–投資は別として、原田さんが一番興味を持っているテーマを教えて下さい。

原田:シェア、シェアリングエコノミーです。地球の資源は有限で、それをなるべく共有化するものが一番興味あります。

コミュニケーションサービスをやっている中でシェアという概念に出会いました。ITよりもっとリアルな——既存の産業の中で——共有によって変わっていくものごとに興味を持っています。

最近ではIoTというテーマもよく挙がりますが、私は(世の中と)少し考えが違っていて、「いかにモノを最小化にとどめるか」ということこそがIoTなのだと思っています。専用機を増やすのではなくて、「これだけ最低限あればいいよね」というものを提供するということです。

IoTのバックボーンにIoL(Internet of Legacy)という考えがあると思っています。レガシー産業の専用機なんかもう必要ないのではないでしょうか。例えば駐車場で(発券したり、車をロックするような)専用機は必要ありません。投資先のあきっぱのようなサービスがあればいいでしょう。リクルートやSquareが手がけるレジサービスもPOSや専用機を必要としません。彼らはハードウェアをミニマイズしています。


ヤフーもDeNAもスタートアップも、みんな「DNA」ビジネスに興味アリらしい

DNA検査キットを販売している「23andMe」が米国で立ち上がったのは2006年の話だし、オンラインでなければDNA検査をすることはできないわけではなかった。でも今、スタートアップから大手まで、国内IT企業がDNA関連ビジネスに注目している。

5月末に開催された招待制イベントの「Infinity Ventures Summit 2014 Spring」。同イベントの恒例企画ともなっているスタートアップのプレゼンイベント「Launch Pad」では、遺伝子検査に加えて、血液検査や生活習慣や食習慣のデータをもとに、スマートフォンアプリでダイエットを指導するFiNCの「REPUL」や、届いたキットに唾液を入れて返送すれば、疾患リスクや体質など約200項目についての遺伝子を調べてくれるゲノム解析サービス「ジーンクエスト」が登壇した。特にジーンクエストは、従来の遺伝子検査と異なり、ゲノムの全体をスキャンしてデータ解析をするため、一生に一度検査を受けると、医学の知見が増えるつれて遺伝子から分かるデータが増えるそうだ。

またヤフーでは、6月2日にYahoo! JAPANの利用規約のうち、プライバシーポリシーの項目について改定を実施している。具体的には、(1)カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社との情報連携開始に伴う改定、(2)「HealthData Labo」の開始に伴う改定、(3)外部研究機関等との共同研究におけるデータ取り扱いへの対応に伴う改定、(4)官公庁に対して行う任意の情報提供への対応に伴う改定‒‒の4点だ。このうちの(2)が、DNAに関連する話となる。最新の規約には次のような文言がある。

また、当社は、お客様が利用されたサービスやソフトウエア、購入された商品、ご覧になったページや広告の履歴、お客様が検索された検索キーワード、ご利用日時、ご利用の方法、ご利用環境(携帯端末を通じてご利用の場合の当該端末の通信状態、ご利用に際しての各種設定情報なども含みます)、お客様のIPアドレス、クッキー情報、位置情報、端末の個体識別情報、病気予防のためのエビデンス(根拠)情報の収集、獲得、創出のためのプロジェクトおよびその一環としてなされるゲノム解析サービスに申し込まれたお客様から提供いただいた試料を検査し、解析した結果得られるお客様の遺伝子に関する情報等(以下「遺伝子情報」といいます)などの情報を、お客様が当社や当社の提携先(情報提供元、広告主、広告配信先などを含みます。以下「提携先」といいます)のサービスをご利用になったりページをご覧になったりする際に取得します。

(2)の項目で挙げられているとおり、ヤフーでは今秋にもHealthData Laboと呼ぶ、遺伝子情報解析をもとにした生活習慣の改善支援サービスを展開する予定だ。このサービスは、前述のジーンクエストと提携したものになる。そういえばヤフー副社長COOの川邊健太郎氏などは、1年以上前から医療分野への興味を語っていた。

ただ規約の変更を読み解く限りは、遺伝子情報をビッグデータとして扱うことも想定しているようで、単なる生活習慣改善にとどまる話ではないことが想定できる。

さらには6月3日、ディー・エヌ・エー(DeNA)が新会社の「DeNAライフサイエンス」にて、一般消費者向け遺伝子検査サービス「MYCODE(マイコード)」を提供すると発表した。

ネット上では「DeNAがDNA検査事業を開始」とダジャレのようにも言われたが、新会社では東京大学医科学研究所と共同で事業を展開するという。サービスは7月下旬にはお披露目される予定だ。

冒頭にあった23andMeは、米国では食品医薬品局(FDA)から販売停止の命令が出たり、法整備の議論も進んでいるそうだ。果たして国内ではどのように受け入れられるのか。


スマホゲーム動画の録画共有を実現するKamcord、DeNAとKLabが出資して日本進出を支援

YouTubeのチャンネル登録数を見ると、実は「ゲーム」カテゴリの登録が7924万人と、音楽(8578万人)に次いで多いことに気付く。

その動画の中には、PCゲームから家庭用ゲーム機、モバイルゲームの攻略動画から解説動画まであるのだが、1つのジャンルとして、モバイルゲームのプレイ動画がアップされているのに気付く。そのモバイルゲームのプレイ動画を録画し、共有するという仕組みを提供するのが、Y Combinator出身の米Kamcordの「Kamcord」だ。

同社は、モバイルゲーム向けのSDKをゲーム開発者に提供している。このSDKを組み込んだゲームでは、ゲームのプレイ中にバックグラウンドで動画を録画。ゲーム終了後などにその内容を即座にKamcordのプラットフォームやソーシャルメディアに投稿できるようになっている。導入デベロッパーは160以上、導入ゲームは200以上、Kamcordを通じてネット上に投稿された動画数は、合計20億件に上るという。国内でも、バンダイナムコゲームズやコロプラをはじめとしたデベロッパーがすでに導入している。投稿された動画が視聴、共有されることは、新規ユーザーの獲得やリテンション(利用継続)といった観点で強力なツールとなる。

そんなKamcordが米国時間5月1日に、TransLink Capitalなどから合計710万ドルに上る資金調達を実施したことを明らかにした。その中には国内のディー・エヌ・エーKLab Venturesも含まれている。両者の出資額は非公開。

まだ具体的な取り組みは明らかにされていないが、DeNA、KLabの両社は今後、Kamcordの日本およびアジア進出をサポートしていくようだ。すでに両社で提供するモバイルゲームの一部にはSDKの導入が開始されているそうで、今後は検証のほか、国内デベロッパーへの導入を進めていくという。

実はKamcordの競合サービスである「Everyplay」を提供するフィンランドのApplifierが3月、Unity Technologiesに買収されたばかり。今後開発環境にUnityを選択した場合はEveryplayがバンドルされることになるが、KLab Venturesの楠田雄己氏は「KamcordがEveryplayの2倍のリテンションを記録した事例もある。バンドルされているから使うのではなく、クオリティが重要」としている。なおKamcordの収益化だが、当面は検討していないとのこと。「まずはデベロッパーに導入されないことには始まらない」(楠田氏)


クラウドワークスがDeNAショッピングと提携–出店者の「ご用聞き」をクラウドソーシングで実現

ランサーズがKDDIとの共同事業でリアルビジネスのクラウドソーシング「ランサーズプレイス」を開始したと発表していたのが昨日。今日4月8日には、クラウドワークスがディー・エヌ・エーが手がけるショッピングサイト「DeNAショッピング」との業務提携を発表した。

今回の提携により、DeNAショッピングへ出店する店舗事業者に対してクラウドソーシングによるロゴ作成や商品画像加工、バナーなどの販促用素材の制作をサポートするという。 具体的にはDeNAショッピングの管理画面上にクラウドワークスのバナーを掲載。クラウドソーシングの利用方法などを紹介するほか、先着50店舗に限定して、クラウドワークスの有料オプションを無料で提供する。詳細は未定だが、今後もユーザーのニーズに合わせて施策を用意するという。

クラウドソーシングは非IT企業の「御用聞き」となるか

今回のクラウドワークスの発表と、昨日のランサーズの発表、いずれの取材でも出てきたキーワードは「御用聞き」だ。 ITリテラシーの高い個人、企業など、いわゆるアーリーアダプター層にはアウトソーシングの手法として認知されてきたクラウドソーシング。今後の課題はより広い層への認知、利用拡大にある。

そういった観点からクラウドワークスは「ECはやっているが、専業ではなくモールに出店する程度」という潜在的なユーザー層に対してリーチすることを狙ったと言えるだろう。 ECモールに出店する中小企業であれば、「今までは自社で画像加工などをしてきたが、アルバイトを1人追加して雇えない。そのためこれ以上の規模の拡大はできない」というケースもある。クラウドワークスは、そんなときにこそクラウドソーシングを使ってみて欲しいと提案しているのだ。狙うユーザー層にこそ違いはあるが、昨日のランサーズも同様の考えがあるようだ。


DeNAの低学年向け教育事業「アプリゼミ」–タブレット向けにサービス開始

スマートフォンやタブレット向けの知育、教育サービスはネットサービスのトレンドの1つだ。知育アプリを手がけるスマートエデュケーションや教員と生徒向けのクローズドなSNSを提供するednity、先生間の情報共有向けSNSのSENSEI NOTEなど、スタートアップだけでもプラットフォームからコンテンツまで、ありとあらゆるサービスが提供されてる。

そんな中で、ディー・エヌ・エー(DeNA)が通信教育アプリ「アプリゼミ」を3月20日にスタートし、教育事業に参入した。サービス自体は2013年末に発表されていたもとなる。iOS、AndroidそれぞれのOSに対応しており、当初は「小学1年生講座」のみを提供、新1年生向けに算数と国語、さらに小学校低学年向けの英語の3教科を提供する。保護者向けには進捗確認やメールでのお知らせ機能、分単位の学習時間設定といった機能も提供する。

タブレット向けに日々の家庭学習を提供するサービスとしては、ジャストシステムの「スマイルゼミ」(2012年11月開始。専用端末を使用し、1年継続で端末代金無料。月額3600円)やベネッセの「チャレンジタッチ」(3月末提供開始。専用端末を使用し、半年継続で端末代金無料3250円)などが先行する。

これに対してアプリゼミは、端末に依存せず利用可能で月額は980円(アプリゼミサイトから購入した場合。アプリストアからの場合1000円)、さらに4、5、6月はサービスを無料化するなど、サービス利用までの障壁の低さで勝負する。「紙の教材だと、通常月額3000円程度になる。それに比べて印刷代や郵送費といったコストをかけないことで、980円を実現した」(DeNAエンターテインメント事業本部企画推進部アプリゼミ総合プロデューサーの床鍋佳枝氏)

アプリゼミでは、DeNAがゲームなどのサービスで培ったノウハウをもとに、難易度調整やリワード導入などをして、教育とエンターテインメントを組み合わせた「エデュメント」を実現するという。これによって勉強が好きになるだけでなく、自ら取り組み、身にけるというサイクルを作るという。教材は、NHKエデュケーショナルが監修する。

すでに東京都多摩市立愛和小学校など2つの小学校で実証実験を実施したところ、5日間の利用でテストの点数が上昇しており、また学習時間についても想定の半分で終了したことから、「エデュメントを実現することで学習が進んだ。今までの倍以上の分量を学べる」(床鍋氏)と語る。通常は1教科1日10分ずつ学習すれば、1カ月の学習が完了するという。


DeNA創業メンバ−が手がける学習基盤Quipper、既存株主から5億8000万円を調達

ディー・エヌ・エー(DeNA)創業者の1人である渡辺雅之氏によるクラウドベースの学習プラットフォーム「Quipper」。同サービスを手がける英Quipperが、既存株主であるベネッセホールディングス、グロービス・キャピタル・パートナーズ、Atomico等を中心に340万ポンド(約5億8000万円)の第三者割当増資を実施したと発表した。同社は2012年にも約3億6000万円の資金を調達している。

Quipperは2010年12月の設立。2011年にユーザー誰もが学習コンテンツを作成したり回答したりできる学習UGCサービス「Quipper Quiz」を公開し、サービスをグローバルに展開してきた。これまで30万問以上がプラットフォーム上で制作され、アプリの総ダウンロード数は850万件以上となっている。

2013年には日本オフィスを開設。ベネッセホールディングスとオンライン学習に関する実証実験を開始した。また主力サービスである「Quipper School」 は世界で3000人の教師が登録。1万以上のクラスで利用されている。このサービスは生徒の学習や宿題の管理ができる。また、KDDIと中高生向けの学習サービス「GAKUMO」も展開している。

アジア展開も積極的で、フィリピンやインドネシア、ベトナム、タイなどで事業に注力。すでにアジアの複数の国でKPIに満足している状況だという。今後はラテンアメリカへの進出も検討中だ。

Quipper今回の増資をもとに、Quipperではプラットフォームの機能充実を図るとともにグローバル展開を加速するとしている。


DeNAが音楽サービスGroovyをリリース–楽曲購入にはチケット制を採用

dena groovy

今年初めにロゴ変更の発表と同時にアナウンスされていた、DeNAの新しい音楽サービスGroovyが本日リリースされた。DeNAはユナイテッドと業務提携し、彼らが提供していたDiscodeerを譲り受けている。Discodeerは再生している音楽の歌詞を表示したり、同じ曲を聴いているユーザーが分かるといった機能を持つアプリで2011年12月にリリース後、150万ダウンロードされた。

GroovyはDiscodeerをさらにバージョンアップした音楽プレーヤー・SNSのアプリだ。好きな音楽を聴いていると好みに合った曲がどんどん集まる仕組みだ。アーティストのファン(Facebookのファンと同じイメージ)になったり、他のユーザーをフォローする。すると、フィード上にフォローしたユーザーが聴いている音楽やアーティストの情報が流れてくる。

フィードに流れてきた音楽にはコメントやいいね!といった今時のSNS機能が付いており、コミュニケーションを取れる。好みの似たユーザーをフォローすることで自分好みの音楽を発見しやすくなるこの繋がりをDeNAは「ミュージック・インタレストグラフ」と呼んでおり、これが充実することで音楽の楽しみ方が大きく広がり、楽曲提供側にはヒット曲やスターを産み出す基盤になるのではないかとDeNAソーシャルプラットフォーム事業部島田智行氏は語る。

さて、音楽サービスでは楽曲の購入方法が気になるところだが、Groovyはユニークなチケットを採用している。アプリ内での音楽再生は、無料で45秒を試聴、99円でチケット(17枚セット)を購入しストリーミングで1回フル再生につき1枚を消費、1曲分購入で高品質ダウンロードといった3つの方法が用意されている。

フィードに流れてくる楽曲は再生ボタンをタップし、すぐに無料試聴を45秒できる。気になれば「プレイチケット」を99円で購入することで17回までフル再生可能となる。このプレイチケットはサービス登録時や友達招待の特典としても多少提供されるようだ。楽曲が気に入れば、その曲を購入しダウンロードすることで、いつでもフル再生できるようになる。

米国のSpotifyなどはプレムアムユーザーに対し、月額課金で聴き放題としているが、Groovyは聴いても聴かなくても料金を徴収されるより都度課金の方がユーザーの満足度が高いという調査結果もあるので、こちらを採用したという。

iTunesは楽曲単位での購入、Spotifyは月額課金、そしてGroovyはチケット制と差別化の一要因になるのかもしれない。

Groovyは本日からAndroid版のみ利用でき、iOS版は遅れてのリリースとなる。なお、すでに楽曲数は100万曲以上、39社のレコード会社・音源提供会社が参画している。