「バンライフ」のCarstayが損保ジャパンと資本業務提携、観光・防災におけるキャンピングカー活用推進で共創

「バンライフ」のCarstayが損保ジャパンと資本業務提携、観光・防災・新しいライフスタイルにおけるキャンピングカー活用で共創

キャンピングカーと車中泊スポットのシェアリングサービス「バンライフ」(Android版iOS版)を展開するCarstay(カースティ)と損害保険ジャパンは1月19日、観光・防災などにおけるキャンピングカーなどモビリティの活用推進を目指し資本業務提携を開始したと発表した。

またCarstayは、損保ジャパンを引受先として、第三者割当増資による約5300万円の資金調達を実施したと明らかにした。これにより、金融機関からの融資を含め、累計調達額は約2億9000万円となった。

日本RV協会(JRVA)の「キャンピングカー白書2021」によると、キャンピングカーの2020年の国内総保有台数は約12万7400台となり、この10年間で1.5倍に増加したという。バンなどの車両をキャンピングカーなど車中泊仕様の車に改修する個人も増えているそうだ。コロナ禍において密を避けた旅やワーケーションができる手段として、車を基盤とした新たな旅や暮らしのスタイル「バンライフ」とその市場規模は増加し、「動くホテル」「動くオフィス」としての需要が高まっているという。

一方Carstayによると、需要の高まりにも関わらず、キャンピングカーや車中泊仕様の車両を日常的に駐車できる施設は依然少なく、また車中泊の規則も各自治体や施設に委ねられているなど、現状のバンライフの基盤には課題があると指摘。安心・安全な「バンライフ」の実現のためにインフラやルール面の整備が求められているという。

そこで、Carstayと損害保険ジャパンは、今回の資本業務提携を通じて、コロナ禍や終息後に求められる、平時の観光・有事の防災・新しいライフスタイルとしての「バンライフ」のあり方を共創する。

今後Carstayと損害保険ジャパンは共同で、キャンピングカーと車中泊スポットのシェアリングに際して、より広範囲で利用者と所有者を補償する保険サービスの開発・提供、Carstayでの移動・滞在・体験に関連するデータを活用した新たなサービスの研究を実施する。また、パートナー事業者・自治体の開拓に向けて両社アセットを活用する。

「バンライフ」のCarstayが損保ジャパンと資本業務提携、観光・防災・新しいライフスタイルにおけるキャンピングカー活用で共創

損保ジャパンは、「『安心・安全・健康のテーマパーク』により、あらゆる人が自分らしい人生を健康で豊かに楽しむことのできる社会の実現」を目指している。今回の提携により、新たなライフスタイル「バンライフ」の確立、地域の活性化を推進するとともに、有事の際やコロナ禍におけるスペース活用のあり方など、モビリティを活用した新たな社会価値の創造とそこから生まれるデータを活用した新サービス開発に向けて取り組む。

Carstayは、「誰もが好きな時に、好きな場所で、好きな人と過ごせる世界」の創造の実現に向けて、2019年1月に車中泊スポットのスペースシェアサービス、2020年6月にキャンピングカーのカーシェアサービスを発表し、全国各地に車中泊スポットを約330カ所、キャンピングカーシェア登録車両を240台に拡大するなど「バンライフ」プラットフォーム事業を展開。また提供しているサービスを応用利用することで、医療機関や被災地に休憩所としてキャンピングカーを提供する社会支援活動「バンシェルター」を実施している。

これまで同社は、大手企業や自治体への営業活動を行い、バンライフの普及と啓蒙を実施しており、今後全国にパートナーの事業者や自治体を有する損保ジャパンの参画を契機にバンライフのインフラ整備を加速する。安全性・社会受容性をさらに高めていき、バンライフの発展に貢献するとしている。

Carstayが静岡県浜松市で新ライフスタイル「バンライフ」を通じた地域活性化 「Local Vanlife Project」を2月より開始

キャンピングカーと車中泊スポットのシェアリングサービスである「バンライフ」のプラットフォーム事業を展開するCarstay(カースティ)は1月17日、地域に根ざした持続可能な地域観光モデル「Local Vanlife Project」(ローカル・バンライフ・プロジェクト)の一環として、静岡県浜松市で事業を展開すると発表した。2月からスタートし、キャンピングカーと車中泊に便利な浜松市内のスポットをCarsteyに順次登録する。

Local Vanlife Projectは、キャンピングカーやバンによる地域観光モデルを推進するプロジェクト。これにより、車を通じた旅や暮らしにより、「人生を豊かにする」ために荷台スペースが広い車であるバンを家やオフィスのように作り変えて、車を働く・遊ぶ・暮らしの拠点とする新たなライフスタイル「バンライフ」を広めることを目指す。今回の取り組みは、石川県白山市、埼玉県川島町、広島県三原市に続く第4弾となる。

FromTo、We will、スズヒロなど、地域活性化事業を手掛ける浜松市内拠点の民間事業者と連携し、バンライフのプラットフォーム事業を浜松市で立ち上げ、観光消費拡大、ワーケーション促進による企業誘致、防災インフラ整備を促進していくことが目的。

同プロジェクトに興味がある人は、キャンピングカー・車中泊仕様のバンのカーシェアに登録可能。これにより、そうした車を所有していない人も参加できるようになる。また、所有する空き地や空き地駐車場の車中泊スペースのシェア登録を行うことで、ホストとしても参加できるようにしている。

Carstayは、「Stay Anywhere, Anytime. 誰もが好きな時に、好きな場所で、好きな人と過ごせる世界をつくる」をミッションに掲げているスタートアップ。「移動」を基盤にあらゆるサービスを提供する概念MaaS(Mobility as a Service)領域で新しい旅と暮らしのスタイル「VANLIFE」(バンライフ)をテーマに事業を展開している。

キャンピングカーと車中泊スポットの予約アプリ運営のCarstayが約1.1億円調達、プラットフォーム開発を強化

キャンピングカーと車中泊スポットの予約アプリ運営のCarstayが約1.1億円調達、プラットフォーム開発を強化

Carstay(カーステイ)のミッションの世界観を表すために発表されたコンセプトアート「Carstay 2025」。2025年までに100万人のユーザーに愛されるサービスの社会実装を目指す

キャンピングカーのシェアリングと車中泊スポットの予約ができる「Carstay」(Android版iOS版)を運営するCarstay(カーステイ)は12月1日、プレシリーズAラウンドのファーストクローズで約1億1000万円の資金調達を実施したことを発表した。引受先は、栖峰投資ワークス、W ventures、ミナミインキュベート、ほか既存投資家。今回の資金調達により、金融機関からの融資を含め累計調達額は約2億4000万円となった。年内には同ラウンドでの追加の資金調達も予定している。

「Stay Anywhere, Anytime. 誰もが好きな時に、好きな場所で、好きな人と過ごせる世界をつくる」をミッションに掲げるCarstayは、「移動」を基盤とした新しい旅と暮らしのライフスタイルをテーマに事業を展開するスタートアップ。事業開始から3年で、全国各地の車中泊スポット320カ所、車中泊仕様のカーシェア車両220台が登録されたプラットフォームを構築し、地方活性化プロジェクト支援、モビリティ各社やエンタテインメントとの連携、医療従事者や被災地の支援なども展開している。

同社のミッションの世界観を表すために発表されたコンセプトアート「Carstay 2025」。2025年までに100万人のユーザーに愛されるサービスの社会実装を目指す

Carstayは今回の資金調達により、「Carstay 2025」に描かれた世界の実現を目指し、プラットフォームの開発をより加速させるという。「動く拠点」となる車「バン」のカーシェア台数、「バン」で寝泊りできるスペースシェア登録数の増加を図るとともに、スマートフォンやパソコンを介して、それら車両や車中泊スポットを簡単に検索・予約・決済が行えるITプラットフォームの利便性や操作性の強化を図る。

Carstay、自走型サウナカーやテントサウナ貸出可能なキャンピングカーのシェア「バンライフ・サウナ」を開始

VANLIFE バンライフ Carstay キャンピングカー 車中泊

Carstay、自走型サウナカーやテントサウナ貸出可能なキャンピングカーのシェア「バンライフ・サウナ」を開始キャンピングカーのシェアリング・レンタルと車中泊スポットの予約ができる「Carstay」(Android版iOS版)を展開するCarstay(カーステイ)は11月8日、サウナと車中泊を体験できる「バンライフ・サウナ」事業の開始を発表。車内でサウナ入浴ができる自走型サウナカー1台、テントサウナの貸出が可能な車中泊仕様のキャンピングカー6台の「サウナ車両」のカーシェアをスタートした。サウナカーとテントサウナ車両は、11月17日から19日まで那須高原で開催されるスタートアップカンファレンス「IVS 2021 NASU」に出展され、無料体験会も実施される。

自走型サウナカー「SAUNA JUNKY零号」は、オレタチノサウナが企画・制作。日産キャラバンをベース車両とし、大型薪ストーブと後部座席にベンチを搭載。全内装ヒノキ貼りで、従来の温浴施設と同様の本格的なサウナを楽しむことが可能。サウナ、薪、サウナストーンなど、サウナ用の備品一式も含めてレンタルできる。

Carstay、自走型サウナカーやテントサウナ貸出可能なキャンピングカーのシェア「バンライフ・サウナ」を開始

車内は全面ヒノキ貼り、大型薪ストーブが設置されている

車内は全面ヒノキ貼り、大型薪ストーブが設置されている

自走型サウナカー「SAUNA JUNKY零号」は最大5人で楽しめる

テントサウナの有料貸出オプションつきキャンピングカーは、ミニバンサイズやバンタイプ、ルーフテントベッドつき、車内にシンクや電子レンジ、ベッド、ホースシャワーなどを備えたさまざまな車両6台。各車の詳細は、テントサウナが設置できる車中泊スポットと合わせてバンライフ・サウナ専用サイト内で紹介されている。

Carstayは「誰もが好きな時に、好きな場所で、好きな人と過ごせる世界をつくる」をミッションに掲げ、MaaS(Mobility as a Service) 領域で新しい旅と暮らしをテーマにした事業を展開。今後は、サウナをはじめとする追加オプションをより増やすことで、キャンピングカーや車中泊スポットの所有者の収益増を図り、世代を問わず支持される新たな生活と旅の世界を拡大したいという。

キャンピングカーを拠点に旅をしながら暮らす新たなカルチャー「バンライフ」を支えるCarstay

キャンピングカーなどを拠点に旅や生活をするだけでなく、クルマをDIYして自己表現のツールにするなど、新たな文化として注目を集める「バンライフ」。バンライフの文化を広め、市場を開拓しようとしているのが、バンライフのプラットフォーム事業を展開するCarstayだ。

「難易度は高い挑戦ですが、バンライフが当たり前になった世の中の方が豊な生活を送ることができると信じています」とCarstayの宮下晃樹代表は意気込む。

宮下氏はロシア出身で、米国留学の経験があり、慶応義塾大学経済学部を卒業。20歳で公認会計士試験に合格し、外資系企業に就職するが2016年に退社・独立して、2018年6月にCarstayを設立した。

Carstayは現在「バンシェア」と「カーステイ」の2つの軸で事業を行っている。バンシェアはバンライフを楽しみたい個人と、キャンピングカーなどを保有するオーナー間で、クルマを共用できるカーシェアサービスだ。カーステイは空き駐車場などのオーナーと、キャンピングカーなどで旅をする個人とをマッチングするシェアサービスとなる。それぞれウェブサイトかアプリ(iOSAndroid)で利用可能だ。

シニア向けから転換、若者に注目されるバンライフ

近年、バンライフ市場は拡大し、需要にも変化が起きている。「キャンピングカーの販売高は日本だけでなく、世界でも年間10%ほどで伸びています。ここ3、4年でInstagramにおける『#vanlife』の投稿が1000万件を超えるなど、もともとはシニア向けだったものが、より若者にフューチャーされるようになり、人気が出ているのです」と宮下氏は説明する。

実際にバンシェアの利用状況をみると、約95%がキャンピングカーを運転することが初めてで、20~30代の女性を含むグループが多いという。2021年8月の夏休み期間中、コロナ禍であっても密を避けることができ、手ぶらでキャンピングカーに乗って地方に旅ができると、予約数は前年比10倍増で推移し、売上高は過去最高となっているという。

また、特に注目を集めているのが、サウナテント付きのキャンピングカーだ。キャンピングカー利用のオプションとしてテントサウナを貸し出してみると、バンシェアにおける2021年6月の予約獲得数1位となった。「いわゆるサウナーが外でサウナをすることが流行っているようです。そもそもキャンピングカーの中に何が積んであるかといえば、オーナーさんの趣味のグッズです。それらも貸し出しをします。クルマとしての移動手段、滞在方法から、アクティビティまですべてトータルでユーザーが楽しめるよう工夫しているのです」と宮下氏。

平均的な料金は、バンシェアとカーステイを両方予約すると、1泊2日で5万円ほどとなる。宮下氏は「6人乗りのキャンピングカーであれば、キャンプなどで食材などを購入しても、1人当たり大体1万円から少し足が出る程度で過ごせるイメージです」と述べた。

また、バンシェアはキャンピングカーのオーナー側にもメリットがある。キャンピングカーを手に入れても、年間340~350日ほどは乗らず、遊休率が高い資産となっているという。オーナーは乗らないときに貸し出すことで、副収入としてはもちろん、キャンピングカーの維持費節約につながるのだ。

さらに旅好きが高じてキャンピングカーを購入するオーナーも多く「自慢のキャンピングカーをいろいろな人に魅力を味わって欲しい」「穴場のキャンプサイトまでキャンピングカーで旅をしたら絶対に楽しい」と、次世代に魅力を伝えられると積極的にサービスに登録しているという。

バンシェアの登録台数は現在160台ほどだが、オーナーとして登録している人は500人ほどいる。宮下氏は「まだ需要は流動的なので、すべてのクルマを登録してもらっても、実際に稼働するかはハッキリと言えません。なので、いま登録してもらっているクルマの稼働率が一定以上になれば、その都度登録する台数を増やしていく計画です。22年5月までには500台に増やしていきたい。また、カーステイの車中泊スポットは現在300カ所ほどですが、22年5月までには全国1000カ所まで増やしていく考えです」と説明した。

また、宮下氏は「我われはバンライフ市場の入り口を抑えています。初めて乗る人がバンライフそのものに興味を持ち、キャンピングカーを購入することも出てくるはずです。そこからバンシェアにオーナーとして登録し、どんどん稼いで欲しい。このライフタイムバリューを取りきることが重要になります」と話した。

キャンピングカーをカスタマイズする新たなプラットフォームも

「今後、バンライフを追求していくうえで、車内でいかに快適に滞在できるのかは、私たちの究極的な課題だと認識しています。一方で、この部分は自動車メーカーに依存する部分も多いので、私たちはプラスアルファの部分を担っていきたいと考えています」と宮下氏。

宮下氏は続けてこう語る。「住宅にはオーダーメイドやデザイナーズ物件など、ユーザーの好みを選ぶことができます。しかし、キャンピングカーはそこまでに至っていません。市場を眺めても、似ているキャンピングカーが売れている状況なのです。だからこそ、誰もが自分好みのキャンピングカーにカスタマイズできるようなプラットフォーム作りに挑戦したい」。

すでにCarstayは自動車会社との連携を進めているという。「キャンピングカー業界はDXされてきませんでした。板金屋など、クルマの2、3次市場のプライヤーが支えてきた市場ではありますが、デジタル化されてない問題が多いことも事実です。ここを我われがIT会社としてやり切れば、新たなプラットフォーム作りも夢ではありません。2025年ほどには完成させたいです」と宮下氏は展望を語った。

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カテゴリー:その他
タグ:Carstay日本キャンプカーシェアリング