CMW 2014-ケビン・スペイシー氏が登場!これからのコンテンツの姿。そして、マーケターは何をするべきか?

Content Marketing World 2014の締めくくりは、オスカー俳優のケビン・スペイシー氏の特別講演です。コンテンツの最高峰ともいえるハリウッドで華々しい経歴を持つ氏が、コンテンツに対する自身の考えを、熱く、披露しています。– SEO Japan

原題:Closing Keynote – Kevin Spacey
Speakers:Kevin Spacey (Award-winning Actor and Producer)

イントロダクション
皆様が考えていることをあててみよう。一体全体、ケビン・スペイシーがコンテンツマーケティングワールドにどうしているんだい?あたっているだろう?

私は俳優業の他に、ダイレクターとして、プロデューサーとしても働いている。自身の経験からいくつかお話しさせていただく。

私がずっと大事にしてきたことは、人間関係だ。人々といかに良い関係を作れるかが重要であり、コンテンツの目的も同様だと感じている。良いコンテンツは良いストーリーによってのみ、作成される。そのため、コンテンツクリエーターの目的は、より良いストーリーを作成し、それを人々に伝え、結果として良い関係を構築することとなる。

言うまでもなく、我々はすでにストーリーの価値を知っている。ストーリーは全てだ。より良いストーリーを語ることが仕事だ。その上で重要なキーを3つ伝えよう。

1.Conflict(摩擦、衝突、対立)
Conflictは緊張を産み、緊張は人々のストーリーへのエンゲージメントをもたらす。ストーリーの中では、キャラクターの判断がこの意味では重要になる。映画の中では、それぞれの役割を誰がどうするか?が鍵となる。リスクをとることと言っても良い。緊張はストーリーの中で必要な要素。

2.Authenticity(信頼性、真偽)
フィクションかノンフィクションという話ではない。そのストーリーが信頼できるものであるとユーザーに信じてもらえるかどうかということだ。オーセンティックなストーリーは人々の胸に響き、共感を産む。

フォルクスワーゲンの例を上げてみよう。彼らは、大きくて高価なアメリカ車に対抗すべく、小さくて安価だというメッセージを伝えた。フォルクスワーゲンのこのメッセージは、人々に、この車はどんなに小さい駐車場でも楽々と駐車できるはずだという真実をもたらすことに成功したのだ。

要は、コンテンツはマインドフルであるべきだということである。作成に妥協は許されないし、SEO目的でコンテンツを作成することでもないのだ。あなたのブランド、メッセージ、オーディエンスに正直でいよう。それに対する反応は情熱とパッションを伴ったものになるだろう。

3.Audience(聴衆、観客、オーディエンス)
ストーリーテリングの対象はオーディエンスしかいない。誰もクリックしないリンクなどは設置しない。オーディエンスがいないからだ。

オーディエンスを構築し、彼らが望むとおりにコンテンツをコントロールさせよう。オーディエンスはプラットフォームは気にしない。コンテンツしか気にしないのだ。

Twichという他人がプレイするビデオゲームを視聴できるサイトがある。また、Netflixはオンラインでのテレビの視聴を可能にした。これらは、新しいストーリーテリングの形であり、オーディエンスが望んでいるものだ。

我々は、今、非常に素晴らしい時代を生きている。様々なテクノロジーと新しいメディアが台頭している。誰もがインターネットでオーディエンスを魅了できる時代だ。Twitter、Facebookのファンページなどは代表例だ。この時代では、どれだけ投資したかではなく、あなたが何ができるかのみが問題である。

メッセージ
人々はストーリーを欲し、彼らにどこからでもリーチできる環境が整っている。人々がストーリーに熱中したいと感じていることは、何も新しいことではない。彼らにコンテンツを届ける方法が新しくなっているのである。

優れたコンテンツは金銭目的によって作られるのではなく、クリエイティブな思考によってのみ、作成される。まずは、何を話したいか、から始めよう。あなたのストーリーはどういったものだろうか?結果は気にしないでいい。

最後に、”Hunt or be hunted”(探求し、探求されよ)

ハリウッドスターのスピーチということで、今までのサクセスストーリーなどが話されると思っていましたが、コンテンツに対する熱いメッセージを語ってくれました。”Hunt or be hunted”という言葉がありましたが、優れたコンテンツを作成するために探求し、作成したコンテンツが人々に探求されるようにせよ、ということだと感じています。方法論やツールももちろん重要ですが、コンテンツ作成の一番のポイントは、彼のように真面目で熱い気持ちを持つことであり、それはこの先もずっと変わらないものなのかもしれません。– SEO Japan

CMW 2014-Mashable、BuzzFeed、Tumblrも参戦。ネイティブアドを大激論!

コンテンツマーケティングの新しい形態として、ネイティブアドに対する注目が高まっています。アメリカでも新しい形態であるため、概念としてはあるものの、一般的な定義は存在していません。Mashable、BuzzFeed、Tumblrなどの有名メディアが集結し、彼らのネイティブアドに対する考えを披露するセッションです。– SEO Japan

原題:The Hottest Term in Content Marketing: The Opportunities in Native Advertising
Speakers:
Mitch Joel(President,Twist Image)
Doug Kessler (Co-founder and Creative Director, Velocity Partners)
Brant McLean (Director of Brand Partnerships, Tumblr)
Stacy Martinet (Chief Marketing Officer, Mashable)
David Spiegel (VP of Brand Strategy & Social Publishing, Buzzfeed)

*記事内ではスピーカーを以下のように表記します。
 Mi=Mitch Joel(President,Twist Image)
 Do=Doug Kessler (Co-founder and Creative Director, Velocity Partners)
 Br=Brant McLean (Director of Brand Partnerships, Tumblr)
 St=Stacy Martinet(Chief Marketing Officer, Mashable)
 Da=David Spiegel (VP of Brand Strategy & Social Publishing, Buzzfeed)

Mi:ネイティブアドをどう定義しているか?ブランドがそれぞれのプラットフォームで記事を買うことがネイティブアドなのか?

St:単純な広告は非常に煩わしい。PR目的が強すぎる。Mashableの利用は50%以上がモバイルからのアクセス。コンテンツはすぐに消費される時代。こうしたことを考え、単純な広告は載せていない。

Mashableのコンテンツは優れたエディターとスタッフが作成している。ネイティブアドも同様だ。昔と比べ、多くのことは変わっていない。ネイティブアドの場合、ユーザーに、なぜこんなことを書いてるの?と思わせないことが大事。

Br:コンテンツはメッセージ。ブランドがユーザーにストーリーを語る。そして、ネイティブアドはただのメカニズム。ブランドがTumblrを信用し、そこにコンテンツを載せているだけだ。Tumblrはユーザーもブランドも公平に扱っている。

Da:多くのプレイヤーがいるから混乱しているのではないか。そのため、みんながこの流行語に適応しようと試みている。誰がネイティブなのだろうか?GoogleのSERP(検索結果)に表示されるテキストリンクはネイティブだ。なぜなら、ユーザーが期待していることそのものを提供しているから。

ユーザーが期待していること、は非常に重要なポイントだ。僕はネイティブメディアとスポンサードコンテンツは区別している。スポンサードコンテンツはPRの内容が濃すぎるからだ。

Do:Twitterの広告はネイティブだと思う。なぜなら、他のツイートと同じ形態をしているから。私にとってネイティブは環境によって定義が変わるものだと思う。

Mi:ネイティブアドの定義はそれぞれ異なるようだ。ネイティブアドをただの新しいコンテンツマーケティングの形態だと考えている人もいれば、新しいソーシャルメディアという認識を持っている人さえいる。新しいものが次々と生まれているが、我々はブランドに関わる何かに毎日さらされている。

Da:新しい技術に合わせ、常にリフレッシュはしている。インターネット初期から基本的なオペレーションは変わっていない。しかし、ソーシャルメディアの台頭により、人々のニュースへの関わり方が変わった。

Mi:Googleが新しい広告システムを作った。新しいプラットフォームを作った。その結果、伝統的なプリント業界を変えた。人々に関連性のある広告を表示するようになった。

St:マーケターにとって大事なことは、パフォーマンス(人々がそこでとる行動)の違いを認識すること。このプラットフォームはこれというように、プラットフォームによって、パフォーマンスが異なる。そして、パフォーマンスから生まれるゴールも異なる。

例えば、Googleでの表示とブランドキャンペーンでのパフォーマンスは全く異なる。この場合は編集能力が問題になる。変化に対応することは、我々のようなデジタルプリンターにとっても大変。5年前と今は状況が全く異なる。そして、今と5年後でも状況は違ってくる。

Do:大きなチャンスとも言える。しかし、ユーザー経験を考慮して、ブロードキャストする量や関連性などは考えなければならない。

Da:機会としては大きいが、より良い世界を作っていくことは大きな課題だ。顧客のインサイトは非常に多岐にわたる。そのため、メッセージの内容によってはムダになってしまう場合もある。大量のメッセージを送ることは簡単にはなったが、それだけで済む問題ではない。

Mi:ブランドにとっては何をするべきか決定するのが非常に難しいね。SEO目的の場合もあるし、ソーシャルでの拡散、その他もろもろある。

Do:基本的には、競争に勝って生き残るために、やりたいこと、やらなければいけないことになるね。

Da:メディアとブランド広告の違いは昔から言われていたね。ブランドはメッセージがあるし、かたや、パブリッシャーは表現したいものがある。

Mi:ブランドとエージェンシーについて。彼らはそれぞれプレーヤーだけど、どういった関係性を構築しているか?また、エージェンシーは未だに必要な存在か?

Br:エージェンシーが非常に助けになる場合はある。コカコーラと仕事をした時は、エージェンシーの存在が非常に助かった。

St:答えになるかわからないけど、ブランド、エージェンシー、パブリッシャー、みんなそれぞれのボイスを持っている。人々がどうコンテンツを消費しているかを分析し、どう彼らを動機づけるかが課題。

そのためにクリエイティブなサービスを提供する、という目的は一致している。それぞれの区別があやふやになっており、能力が重複していることも。逆を言えば、それぞれの立場にならなければいけないこともある。

Da:新しいことは、実は、なにもやっていない。メディアはクリエイティブなプラットフォームを提供しているだけ。一緒に働くことがベスト。誰が何を担当しているか。

エージェンシーはブランドの戦略を知っている。我々はネイティブとそのオーディエンスを知っている。一緒にやればいい。僕はエージェンシーと非常に深い関係で仕事をしているよ。

Mi:ネイティブアドの作成は複雑なプロセスのように思える。

Da:確かに。色々な役割があるため、多くの部署からスタッフが来ている。基本的にはプロジェクトごとに、小さいチームを作る。そのチームのメンバーには、エージェンシーはもちろん、外部のスタッフが加わることもある。

Mi:ブランドと一緒に働くことはどう?

St:上手くいった例はかなりある。Mashableはシェアが大事と考えている。Mashableを訪れた人がどのくらいシェアしたか、にフォーカスしている。また、私達はコミュニティに情熱を傾けている。

ブランドをいかにMashableのコミュニティとつなげるか。こうした基準を満たすことができれば、そのブランドとの仕事は上手くいったと考えている。

Br:コンテンツマーケティングによって、ブランドを語ることから、ブランドとどう関係しているかに変わった。我々の仕事は、ブランドとエージェンシーのために、コンテンツの意味を理解すること。

Tumblrにはキーインフルエンサーも多くいる。Tumblrで話されている話題の中で、例えば、ファッションが多いとして、そこからファッションのサイトなどに遷移することが多い。様々な話題を組み込んでコンテンツを作成し、Tumblrに載せる。非常に上手く行くやり方だと思う。

Mi:ソーシャルとの関係は?今の時代プラットフォームが沢山ある。

Da:まずはコンテンツを考える。そのコンテンツにあったプラットフォームを選ぶ。ソーシャルがネイティブアドを成功に導いた。BuzzfeedはFacebookと長い間連携している。

Br:あなたの顧客、オーディエンスがどこにいるかによってプラットフォームの決定が変わる。それぞれにとっての顧客がいるプラットフォームは異なる。この場合は上手くいくが、他は上手くいかないということもある。

それを把握するために、非常に大きなデータを分析している。彼らがどんな記事をシェアしているかなど。

St:まず、あなたのブランドのメッセージはなんだろうか?Facebook用とTumblr用でメッセージは異なるはずだ。次に、ビッグデータを活用しよう。どの部分のデータが必要かを特定する。

我々の場合、データサイエンティストがアルゴリズムを作成し、それを使うことでトレンドがわかるようになっている。その後、私達が、これはFacebook用これはTumblr用などを判断している。全てのプラットフォームが有益なデータを提供してくれている。

Mi:ペイド広告とコンテンツの違いは?

Do:どれが広告でどれがそうでないかについては、非常に敏感にしている。ユーザーテストを行い、彼らがどう判断するかを研究している。コメントで、広告だとわかるまではこの動画は好きだったな、というのがあったが、非常に興味深いと思う。

Br:Tumblrははっきりと区別している。ダラーマークをつけている。非常にシンプル。

St:透明性はもたせている。広告ととそうではないものに。それぞれのリーダーに説明しているので、理解してもらっていると信用している。

初回のトピックでまずはネイティブアドの定義から入りましたが、それぞれ異なる見解を持っているようでした。しかし、ネイティブアドがただの流行語であるという認識は一致しているようで、明確に定義をすることにはあまり価値を見出していないように感じました。また、スポンサードコンテンツと明確に区別していることも共通項のようです。これはおそらく、ユーザーの反応を考慮している結果でしょう。自社メディアへの投資がコンテンツマーケティングにおける一つの潮流であると思いますが、サードパーティへの投稿も、こうした形で広がりを見せるかもしれません。– SEO Japan

CMW 2014-あなたのコンテンツライブラリーを作成しよう

B2Bの企業にとっても、コンテンツマーケティングへの投資は年々高まっているようです。しかし、効果的にコンテンツマーケティングを行えている会社は意外と多くないのも現状のようです。今回のセッションはコンテンツマーケティングをより効果的なものにするための内容です。B2Bに限らず、B2Cの方も必見!– SEO Japan

原題:A to Z: Planning Your Content Library
Speaker:Ruth P Stevens(Author of Maximizing Lead Generation)

B2Bにおけるコンテンツマーケティングの費用と目的
93%のB2Bのマーケターがコンテンツマーケティングを行っていると回答。また、75%が2014年の予算は増えるだろうと回答。目的は、ソートリーダーシップの獲得、リードの発生、検索エンジンでのランキングなど。しかし、彼らはいくつかの課題を抱えている。

課題
コンテンツマーケティングが非常に効果的だと答えたマーケターはわずか14%。また、プロセスの中でも、コンテンツの作成が最も大きな課題となっている。このセッションではここの部分にフォーカスする。

マーケターが必要としていること
空虚なメッセージは単純に無視されてしまうため、意味を成さない。そのため、マーケターは自身がアドバイスのソースとなる必要がある。それは、プロモーションを目的としたコンテンツをより多く産み出すということではない。マーケットに耳を傾け、顧客が適切な判断を下せる手助けとなることだ。

コンテンツライブラリーを作成するための2ステップ
1.顧客の購買プロセスを特定する。
2.コンテンツの監査を行い、既存のコンテンツを精査する。

各プロセスの詳細を見てみよう。

1.顧客の購買プロセスを特定する。

購買プロセスの各段階を理解する
ランダムにアクセスするマーケティングを避ける上で非常に有効。顧客は、購入前に複数のステップを踏むことを理解しよう。これがあなたのコンテンツマーケティング戦略の土台となる。

バイイングロールを特定する
スペシャリストは、この製品が他と比べてどう優れているか、を気にする。ユーザーは簡単に使用できることを好む。こうした違いは、相手の役職でも特定可能だが、彼らがなにを行っているかで決めるべき。これらの役割を理解して、どうやって彼らとコンタクトを取るかを考える。その人の役割によって、ニーズや姿勢は異なるからである。

他の検討すべき要素
業界、会社規模、それぞれの段階でのあなたの目的など。どの段階においても、それぞれのバイイングプロセスにいる見込み客を次の段階に運ぶことが目標となり、購買決定まで導くことを目指す。そのため、彼らがどのメディアを利用しているかを特定し、適したメディアに適したコンテンツを設置する。

2.コンテンツの監査を行い、既存のコンテンツを精査する。

既存のコンテンツを特定し、ギャップを埋める
過去作成したウェビナー、プレスリリース、リサーチレポート、動画など。それぞれのコンテンツがどの段階のバイヤーに適しているかを特定する。適していない場合はどんなギャップが有るかを特定する。

一連のコンテンツを区分けする
基準は複数ある。例えば、対象で分ける場合は、ハウツーの内容、使用例の内容、他社との比較の内容などになる。マーケティングセグメントの場合は、ニッチか大企業かなど。非常に大きく、複雑なスプレッドシートになることが予想される。

検討すべき他の指標
そのコンテンツの作成者は誰か。そのコンテンツはすぐに公開できるか、それとも改良が必要か。コンテンツの長さによって投稿するプラットフォームが変わるため、コンテンツ量も重要。

スプレッドシートに落としこむ
多くの基準があるため判断が難しいかもしれないが、一番大事なことは、その分野でソートリーダーシップになれる要素があるかどうか、である。

コンテンツのタイプと購買プロセスをあてはめる
初期の段階
教育が必要であるため、コンテンツのタイプは、オンラインデモ、ホワイトペーパー、ケーススタディ、ウェビナーなどになる。

中期の段階
特徴を伝える必要が有るため、コンテンツのタイプは、セミナー、ライブデモ、技術的なホワイトペーパーなどになる。

後期の段階
答えを提供する必要が有るため、コンテンツのタイプは、技術的な比較、ケーススタディ、価格の比較、ハウツービデオなどになる。

アドバイス1:再利用のためにコンテンツを再デザインする
・それぞれのコンテンツから、Twitter用に短い文言を数個抜き出す。
・ブログポストを記事や別個のドキュメントに仕上げる。
・ホワイトペーパーの内容からウェビナーを作成する。
・動画をポッドキャストに落としこむ。
・ビデオの長さを調整し、異なるフォーマットに編集する。
など、一つのコンテンツを複数のチャネル・目的で使用する。

アドバイス2:効果と困難のバランスを考える
作成が困難でも効果が低いタイプのコンテンツもある。逆に、簡単に作成でき、効果の高いタイプもある。バランスを考えて作成しよう。

効果的なコンテンツマーケティングを行うためには、適切な人へ適切な内容を届けることと言えるでしょう。逆を言えば、そこを特定できていれば、既存のコンテンツを十分に活用することができそうです。細かい作業の積み重ねになりそうですが、これこそがコンテンツマーケティングの真髄かもしれませんね。– SEO Japan

CMW 2014-コンテンツマーケティングのためのソフトウェアの選び方

コンテンツマーケティングの需要と作業量が高まっている現状ですが、それを解決するためのベンダー数も増えているようです。数あるベンダーの中から自社にピッタリのベンダーを探すことは、大きな判断が求められますね。このセッションでは、既存のシステムとの統合も加え、コンテンツマーケティング用のソフトウェアを導入する際のアドバイスを提供しています。– SEO Japan

原題:The Content Marketing Software Landscape: Marketer Needs & Vendor Solutions
Speaker:Rebecca Lieb(Industry Analyst, Altimeter Group)

コンテンツマーケティングは非常に複雑になってきている
新しいツールやチャネルが毎日のようにできているし、ベンダーの数は非常に多い。スーパーマケットに訪れる客がそれぞれ肉、魚、野菜、を買うように、クライアントのニーズは異なる。調査によると、70%のマーケターが一貫したコンテンツマーケティングの戦略を立てられていない。

マーケットを複雑にしているトレンド
作ることへのプレッシャーは高まるばかり。その上で、今どこにいるか、これからどこに行くべきかの戦略が欠けている。また、コンテンツマーケターは単純にマーケットのデータだけを統合するだけでは不十分であるが、ファイナンスなどのソフトウェア、CRMなど企業全体のデータの統合ができていない。

多くのソリューションが存在している
個々のソリューションがコンテンツマーケティングにおける個々の問題のソリューションにフォーカスしている。統合は難しく、時間がかかる。現状、すべてをまかなうソフトウェアは存在しない。そのため、トータルで問題を解決するためには、いくつかのソリューションをコラボレートする必要がある。こうした技術的な決定は、実際に自分が使用するケースを想定することから始めるべき。

コンテンツマーケティングツールを決定するための3つのステップ
1.コンテンツマーケティングのためのツールを実際に使用するケースを想定する。
2.統合と今後の進化に関するプランを立てる。
3.実際に使用するケースを基に、ベンダーの特定と優先順位を決定する。

それぞれのステップの詳細はこれから説明する。

1.コンテンツマーケティングのためのツールを実際に使用するケースを想定する。

ツールを決定する上で考えるべき3つの課題
1.コンテンツ作成
どのようにしたらより多く、早く、コンテンツを作成することができるか。また、コンテンツ作成のためのアイデアを、どこで手に入れることができるか?

2.コンテンツ精査
何をトラッキングするべきか。その理由は何か。また、コンテンツマーケティングにより精通するためには、どうすればよいか。

3.コンテンツの運営
リアルタイムのオペレーションはどのように行うべきか?成果を測定するためにはどうすればよいか。

上記の課題をもう少し詳しく見てみよう。

1.コンテンツ作成
あなたの会社では、複数のチャネル用に高品質なコンテンツを定期的に作成するという課題を持っているだろうか?この場合は、コンテンツマーケティングにおける、基本的な問題を解決しなければならない。つまり、効果的、かつ、大規模にコンテンツを作成する必要があるという問題だ。

2.コンテンツ精査
あなたの会社では、コンテンツ作成の過程に問題を抱えていないだろうか?この課題が解決されれば、個々の役割は幅広くなり、企業レベルで知見が高まり、最適化が加速するだろう。戦略的にデータを用いる部分が重要になる。対象は、分析、監査、オーディエンスの特定、ペルソナの作成、チャネルの特定、コンテンツの再利用などになる。

3.コンテンツの運営
あなたの会社では、企業全体でのコンテンツの戦略を体系化し、全体に共有することを課題としていないだろうか?この場合は、コンプライアンスを保ちつつ、チャネル・メディア間を横断した、大規模なレベルでのコンテンツ作成の能力が求めれれる。

異なる要求をまとめる
コンテンツマーケティングに関わる全ての人、エンドユーザーからの要求をワークフローに落としこむ作業が必要。作業によっては担当者によって許可が必要な場合もある。

2.統合と今後の進化に関するプランを立てる。

統合のプランニング
使用する人々、プロセス、プラットフォームの全てを満たしているツールがあると答えたのはたったの10%。

統合の対象
1.システムとの統合
CMRなど、すでに使用しているシステムとの統合。

2.組織との統合
組織内部のコミュニケーションやネットワークとの統合。

3.プロセスとの統合
ワークフローが組み込まれるため、外部のパートナーのものも含まれる。

課題のある箇所と解決できるツールをマトリックスに
縦軸に解決するべきトピックを並べ、横軸に解決できるツールを並べる。必要のないトピック、解決できないツールには×を記載し、どのツールが最適化を決定する。

3.実際に使用するケースを基に、ベンダーの特定と優先順位を決定する。

基本となる考え
ツールのために、あなたの活動を改良することはできない。あなたは、あなたの活動に沿って、ツールを並べなければならない。

判定基準
使用するケースとそれぞれのサブカテゴリの優先順位を理解する。また、優先的に統合すべき部分を特定する。それらのニーズをチェックリストにし、優先順位を決定する手助けにする。

ベンダーの優先順位の決定
こちらの優先順位を満たすことができるベンダーを特定する。このリストは短いリストにするべき。大体3-4つが望ましい。全体の解決と各ポイントでの解決で区別すると分けやすい。それぞれのベンダーの名前と解決できる領域をグラフにして◯☓をつける。

ツールを使用する上でのアドバイス
1.スタッフを教育する
コンテンツ戦略の内容をスタッフに理解してもらうことで、ツールの使用率が上がる。

2.余剰を避ける
複数のツールが同一の機能を持っている状態はなるべく避ける。また、ツールセットの中には全く使わないものも含まれるため、注意する。

3.スピードのために構築する
リアルタイムのマーケティングではスピードが何よりも求められる。コンテンツの提供スピードを早めることができるツールを考慮に入れる。

4.サポートを考慮に入れる
ITに対する知識がないスタッフも多い。彼らにサポートをできる体制を用意しておく。

5.将来を視野に入れる
今は必要ないとしても、今後必要となる機能はなにか?モバイル、ローカライゼーション、ウェアラブル、ネイティブアドなどへの対応を検討。そのために、テクノロジーの情報は積極的に手に入れるべき。

どちらかと言えば、大企業向けのセッションだと感じましたが、ソフトウェア選びにも労力が必要ですね。しかし、しっかりとした戦略を作ることは、コンテンツマーケティングにとっても必要とされることなので、十分に検討する必要がありそうです。スポンサーブースにはSAPやOracle も参加していましたが、こうしたベンダーからのコンテンツマーケティングへの注目も高まっていると言えるでしょう。– SEO Japan

CMW 2014-あなたのコンテンツマーケティングをより効率的なものにするためのツール15選

レポートの作成や順位のトラッキングなど、SEOを効果的に行うために、ツールの存在は欠かせません。コンテンツマーケティングを効果的に行うためにも、自動化できる部分はツールに任せたいものですね。今回のセッションは、自らを”Social Media Tools Guy”と呼ぶ、Ian Cleary氏がとっておきのツールを紹介してくれています。– SEO Japan

原題:15 Content Marketing Tools to Make You a More Effective Content Marketer
Marketers Make
Speakers:Ian Cleary(Founder, RazorSocial)

1.リサーチ系

semrush 
デイリーベースで使えるツール。競合のTOP10に入っているキーワードがリスト化され、クリックするとより詳細なデータを取得できる。トラフィックのあるキーワードを特定し、競合サイトと同じ内容でより優れたコンテンツを作成しよう。

Buzzsumo 
ブログなどに最適。競合サイトのコンテンツを分析し、最もシェアされているコンテンツを特定できる。コンテンツを作成する前に、競合の分析を行い、いまから作るコンテンツがどの程度人気になるだろうか予測する。インフルエンサーにシェアされやすいコンテンツを作成しよう。

MozBar
競合のランクを確認。Moz独自のランクではあるが、このランクが上のほうがGoogleで上位表示される傾向。自らコンテンツを作成した場合は、そのランキングを確認する。

Open Site Exploer
バックリンクの分析。競合のサイトのバックリンクの中で、一番オーソリティのサイトはどこか?そこからリンクを貰っている競合のページはどこか?などを分析しよう。

ahrefs
バックリンクの分析。より詳細な情報。誰がリンクを張っているかなど。

LITTLE BIRD
インフルエンサーを特定するツール。適切な人をターゲットにしよう。あなたをフォローしていないインフルエンサーも表示してくれる。まずは、彼らにアプローチしてみよう。

GroupHigh 
ブロガーのデータベース。Facebookなどを含む、コンタクト情報も記載。また、彼らの最新の投稿もリスト化している。関連性のある記事を書いた場合は彼らに連絡しよう。

twitonomy
Twitterの分析ツール。インフルエンサーが誰と交流を持っているかを分析。

2.コンテンツ作成系

Picmonkey
フォトエディタのツール。

PIXLR
無料のフォトショップのようなツール。

LICEcap
フリーのアニメーション作成ツール。

Canva
無料のデザインツール。

PiktoChart
インフォグラフィックを容易に作成できるツール。$20-30で利用可能。

Keyword Tool
Googleサジェストの観点から関連性のある言葉を提示。ソーシャル観点も含む。コンテンツ作成に役立つ。

3.最適化ツール系

knowem
ソーシャルベースでコンテンツがどの程度最適化されているかを調べる。最適化のアドバイスやスコアの低い理由も与えてくれる。

OptinMonster
Eメールのコンバージョンを最適化するツール。Eメールの購読者は重要だ。ポップアップを幾つかテストしてどれがうまくいくかを確認。コンバージョンレートの確認も可能。

LeadPages
リード発生を最適化。一番トラフィックを生み出しているページはどこだ。

4.効果測定系

QuillEngage
サイトの簡単な分析結果を表示するフリーのツール。デイリーベースでの使用に最適。毎日の測定は簡単に行い、詳細が知りたかったらGoogleアナリティクスへ。

15選というタイトルでしたが、紹介されたツールはそれ以上ありましたね。我々にはおなじみのMozのツールも含まれていましたが、デザイン作成やインフルエンサー発見などのツールは初見のものが多かったです。これらのツールを駆使すればあなたも立派なコンテンツマーケターになれるかも??
– SEO Japan

CMW 2014-Googleはあなたのコンテンツをどのように見ているか?コンテンツマーケターが犯しやすい、10の過ち

コンテンツマーケティングを担当している人は、SEO担当者のみではありません。メディアや広報にあたる方も取り組んでいるケースがあるでしょう。彼らのためにSEOにおける過ちを、”The Art of SEO”の共同著者である、Stephan Spencer氏が説明してくれます。
– SEO Japan

原題:How Google Views Your Content: The 10 Most Common SEO Mistakes Content Marketers Make
Speakers:Stephan Spencer(Author of Google Power Search, and co-author of The Art of SEO)

SEOは子どもでもできる
私の娘はブロガーであり、SEOを行っている。14歳で始め、今では$5-30を毎日稼いでいる。

Googleがあなたのコンテンツをどう見ているか
自分が検索エンジンにどうコンテンツを見せているかを考えてみよう。キーワードの量は適切か?クローリングを妨げていないか?自然リンクを構築しているか?ソーシャルシグナルに傾倒していないか?常にフレッシュな状態に保っているか?

気をつけたい10個のミス
1.リンクではなく、”いいね”に注力している。
2.コンテンツを誤った場所に配置している。
3.間違ったオーディエンスをターゲットとしている。
4.パワーユーザーからのヘルプがない。
5.間違ったワードを使用している。
6.サイトが壊れている。
7.システマチックではない。
8.”知”を集めていない。
9.作業に注力している。
10.SEOのうわさに惑わされている。

上記の10個が気をつけていただきたいポイントである。それでは、それぞれの詳細を見てみよう。

1.リンクではなく、”いいね”に注力している
SEOはソーシャルメディアの戦略とは異なる。Googleはソーシャルシグナルをカウントしない。ソーシャルでの拡散は、ブロガーやインフルエンサーへの仲介役。最終的な目的は、あなたのメインサイトへのリンクを獲得していること。

2.コンテンツを誤った場所に配置している
コンテンツからリンクを張るためのファンタスティックなホーム(メインサイト)が必要。YouTubeは2番目の検索エンジンなので動画を置く場所としてはよい。しかし、リンクはno-follow。有名なサードパーティーのサイトへの掲載もよい。例えば、VICTORIA’S SECRET(アメリカの有名な下着ブランド)がBuzzFeedに記事を掲載し、メインサイトへリンクを張っている。自身のブログやサブドメインのサイトに掲載することはよいことだ。

3.間違ったオーディエンスをターゲットとしている。
ソーシャルでよく起きがちなミス。例えば、企業説明の長い動画をYouTubeではなく、Vimeoに投稿してしまうなど。

4.パワーユーザーからのヘルプがない。
Search Engine Landや有名なブロガーに取り上げてもらう。雪だるま式に拡散し、彼らのリーチ力はあなたの比ではない。例えば、Hoemoneyに掲載された記事は、”ビジネスカード”で2位に表示されている。

5.間違ったワードを使用している
“home loan”と”mortgage”(ともに住宅ローンの意)は、オーストラリアでは使用法が異なる。Googleトレンドやキーワードプランナーで確認し、使用されている(検索数がある)かどうかを確認する。

また、競合性の高いワードは避ける。例えば、”赤ちゃん 名前”だと非常に競合性が高いため、”赤ちゃん 名前 意味”などを検討してみる。これに関しては、Soovleがおすすめ。様々な検索エンジンでのオートコンプリートが一覧で見ることができる。

6.サイトが壊れている
サイト移転の際は302ではなく、301を使用する。サイトの廃止の場合も404ではなく、301を使用する。サイトのデザインを刷新する場合は注意すること。HTML、内部リンク構築などの内部要因や重複コンテンツの作成など。

以前は人気のあったサイトが、再デザインの際の不備などのために、アクセスできなくなっている場合がある。mentosintern.comtax rapなど。(検索結果に上位表示されているが、アクセスできない。)

7.システマチックでない
ワークフローは出来る限り自動化させるべき。リンクビルディングに関してはこの記事が参考になる。また、キャンペーンの管理などはpitch boxがオススメ。

8.”知”を集めていない
参考になるデータを集めていない場合もある。競合サイトからも学ぶことが多くある。どこからリンクを獲得しているのか?どんなキーワードがトラフィックを生み出しているのかなど。役に立つツールを幾つか紹介する。

MajesticSEO・・・バックリンクの分析など。
Voot・・・動画SEO(YouTube)で役立つ。
LinkResearchTools・・・リンクビルディングの諸々の作業を自動化。
Searchmetrics・・・エンタープライズSEOに最適。

9.作業に注力している
結果に注力するべきで、行った作業にフォーカスするべきでない。今、自分が行っているSEOの作業をリスト化して、ムダな作業が入っていないかを確認する。例えば、メタディスクリプションの最適化などしていないだろうか?Googleはメタディスクリプション内のキーワードはカウントしていないし、競合サイトから丸見えとなっている。

10.SEOのうわさに惑わされている
うわさは何かの事情で無意識的に作られてしまう。関連性はあるが、因果関係がない場合がほとんど。中には、セールストークとして、長く語られているものもある。基本概念として、SEOは常に実験が必要とされるサイエンスである、ということを忘れないで欲しい。参照記事を下記に載せておく。

36 SEO Myths That Won’t Die But Need To
36 More SEO Myths That Won’t Die But Need To
SEO Myths Reloaded: Clarifications, Consensus And Controversy
(上記、全てSearch Engine Landから参照。)

最後に
あなたのコンテンツマーケティングプログラムにおけるSEOで、明日行うことができることは何か?3つでいいから書き出してみよう。”象を食べるときは、一度に一噛みづつ”だ。(なにか困難なことを行う場合はゆっくりと注意深く行うべき、の意)

SEO担当者からすれば、比較的簡単な内容であったと感じていますが、SEOの担当でない場合は、見落としていた事項が多いかもしれませんね。コンテンツマーケティングとSEOは密接な関係にあるため、お互いの理解を深めることが重要です。そのために、相手がどういったことを知らないか、を学ぶために有意義なセッションであったと思います。
– SEO Japan

CMW 2014-コンテンツとインフルエンサーのマーケティングがあなたのビジネスを成長させる

コンテンツマーケティング界では十分なブランド認知のあるContent Marketing Institute社ですが、彼らが今日のポジションを確立するうえで、インフルエンサーとの活動が大きなカギとなっていたようです。このセッションでは、彼らがどういった戦略を立て、インフルエンサーを活用しているか、ケーススタディーとして紹介してくれています。
– SEO Japan

原題:Content + Influencer Marketing = A Powerful Way to Grow Your Business
Speakers:Lee Odden

コンテンツ作成における大きな課題
十分な量のコンテンツの作成。エンゲージを生むコンテンツの作成。様々な種類のコンテンツの作成。

購入者はエキスパートとインフルエンサーを信用している
消費者の85%が購入を検討する際、信用できる情報や人を探している。

仮説
こうしたインフルエンサーと仕事ができたらどうだろうか?メディアも惹きつけることができたら?ターゲットマーケットで影響のある人物は誰か?彼らと供にコンテンツを一緒に作成したら何が起こるか?

インフルエンサーと共同するための6つのステップ
ゴールの設定。インフルエンサーの特定。エンゲージとリクルート。コンテンツの開発。コンテンツの拡充。結果の測定。

インフルエンサーへのアプローチ
彼らがどうやってコンテンツを探すか?消費するうえで好きなタイプのコンテンツは何か?(動画?、ブログ?)どんなタイプのオファーがよいかを考える。

ゴールの特定
戦略、オーディエンス、ビジュアル、ROIにおける価値の創造、ソートリーダーシップとしての地位の確立、エンゲージ・トラフィック・シェア・リードの獲得、関係性の構築など。

インフルエンサーの特定
トピックの特定を行う。彼らはどうした存在として知られたいのか?その存在が、自分が行っているビジネスと関係があるのか?別の領域を目指している人であれば、どんなに影響力のある人であろうと、あなたのビジネスには向いていない。

ブランディビジュアル(brandividual)とインフルエンサーの違い
ブランディビジュアルは、簡単に言えば、有名な人。インフルエンサーはフォロワーが沢山いたり、影響をあたえることができる人。実際に彼のアドバイスによって行動を起こさない場合はインフルエンサーではない。

インフルエンサーを特定するためのツール
Traacker・・・インフルエンサーとの関係を1つのプラットフォームで管理する。トピックに合わせてインフルエンサーを特定しておく。
Buzzsumo・・・プロモートしたいトピックでの最適なインフルエンサーを探す。Rand Fishkin氏もおすすめ。
Keyhole・・・ハッシュタグベースで検索。あなたのブランドや競合者について語っている人を特定。

インフルエンサーの特定と評価基準
あなたのビジネスと関連性があるか?信用できる人物か?コンテンツの質と投稿頻度は十分か?彼らが作成したコンテンツのエンゲージメント率は高いか?

既に優秀な人だけに注力するべきではない
インフルエンサーと仕事をしても短い付き合い。誰かをインフルエンサーにできれば、一生の付き合い。

インフルエンサーへのエンゲージメント
ブログへのコメントやリツイートなど。彼らと関連性のあるコンテンツを作成してみる。インタビューをしてみる。何回も同じツイートを送るなどはやってはいけない。

インフルエンサーのリクルート
Eメールを送る場合、必ずCTA(Call To Action)を含める。過去の実績や、我々と仕事をしたらどうなるか?を伝える。刊行物などがあれば、ビジュアルの例を載せるのもいい。

コンテンツの開発と拡充
上記のインフルエンサーへのインタビューや、共同作成のコンテンツを開始。それらをeブックにまとめる。その後、ブログ、インフォグラフィック、業界紙などに落とし込む。さらには、マイクロコンテンツを作成し、そこからの流入も獲得する。

プロモーションのスケジュール
毎週やるもの、毎日やるものをカレンダーに記載し、スケジュール通りに行う。コンテンツは作成して終わりではない。

効果の測定
コンテンツと、インフルエンサーの行動の2つにわけて測定する。コンテンツは、トラフィック、シェア数、引用数、露出数など。インフルエンサーの行動は、シェア数(リンク)、コンテンツのパフォーマンス(インフルエンサー経由でどのくらい拡散したかなど)、自身のブログへの投稿など。

プロジェクト全体の結果
40を超えるブランドとインフルエンサーを獲得。Kraft Foods、DELL、Copybloggerなどを含む。

ブランドの構築
特定のトピックのインフルエンサーを使用して、そのトピックで有名になる。隣接する他のトピックに移り、そのトピックでも有名になる。継続してこの作業を行い、結果として、マーケティング界におけるブランドを構築。

プロジェクトを通して学んだこと
eブックはコンテンツマーケティングにおける一番の”燃料”。リードの発生は、コンテンツの育成を行うことで一番有効になる。インフルエンサーは恒久的に影響を及ぼす存在ではない。eブックは、インフルエンサーとの共同作成における、一つのタイプにすぎない。

アドバイス
・コンテンツのゴールとトピックを特定し、ツールを用いてインフルエンサーを特定すること。
・インフルエンサーはあなたのどんな問いに答えてくれるのか?コンテンツプランのマッピングを行おう。
・簡単な質問からはじめよう。関係性を構築することで将来への投資になる。

Kraft FoodsやCopybloggerなど、有名な企業も多く参加しています。CMIは彼らをこのイベントにただ招待しているのではなく、ブランド構築の段階からともに仕事をしていたようですね。まだ、コンテンツマーケティングという言葉が浸透する以前から彼らとの関係性を深め、お互いが利益となるイベントの開催までこぎつける。その手腕には脱帽するばかりでした。
– SEO Japan

CMW 2014-Copybloggerが伝授する、コンテンツマーケティングをあなたのビジネスに活かすための方法

SEO JapanでもおなじみのCoppybloggerが登場。コンテンツが生命線の彼らがどのようなシステムを構築しているか、どういったところがポイントになるか。ファウンダーのBrian Clark氏、自らのスピーチです。
– SEO Japan

原題:Writer, Producer, Director: How to Marry Content Marketing to Your Business Model
Speakers:Brian Clark(Founder & CEO Copyblogger), Jerod Morris(Director of Content Copyblogger Media)

コンテンツマーケティングの現状
なぜ必要かは知っている。どう行うか、にフォーカス。より大きな利益を生むために、コンテンツマーケティングを自身のビジネスモデルに組み込む方法が知りたい。

戦略、実行、改良
どのようにして利益に結びつけるか。どのようにしてその作戦を毎日実行するか。

戦略における3つのコア
1.Eメール、2.メディア、3.マッチの3つが核となる。メールは利益を生む魅力的な方法。メディアは組織を多角的にとらえるマインドセット。マッチはコンテンツの内容がビジネスと良い関連性があるかどうか。

1.Eメール
主要な方法。見込み客をターゲットにする。ユーザーが避けたい(すぐに捨てたい)ものではなく、読みたいものにする。セールスをピッチしようとする人が多すぎるが、それは好ましくない。

CopybloggerのEメール戦略が成功している理由として、ブランド認知度が高いことは大きな理由である。これは長年をかけて培ってきたもの。また、コミットメントを重視していることも大事なことだ。無料で有益な情報を与えているため、読者はCopybloggerのサイトに戻ってきてくれる。ユーザビリティを考え、ポップアップは使用しない。さらに、購読者のリストをウェビナーやポッドキャストなどの他のキャンペーンに統合する。リストがあれば異なった戦略で使用できる。

ソーシャル・ネットワークについては、彼らは確実にオーディエンスではあるが、製品を買う準備はまだできていない。検索も同様。しかし、今後のコンバージョンにつながるから重要ではある。ソーシャルの場合は売ることが目的ではない。エンゲージメントが目的。

2.メディア
既に構築している関係性のサークルの外の人を運んでくる効果がある。メディア会社のように作成することを心がけよう。コンテンツはオリジナルで競争力のあるものにしなければならない。ワインライブラリー(NJ州)のYouTube動画は好例。単なるブログではなく、デジタルマガジンとして捉え、プロモーションカレンダーやビジネスオブジェクトなどの概念を組み込む。ブログとして運用する場合は、もっとカジュアルで構わない。

3.マッチ
コンテンツはビジネスの目的・目標とマッチしなければならない。誰も読まないプレスリリースはメディアではない。コンテンツマーケターの仕事は、バイヤーを誰よりも知ること。

実行に必要な3つの役割
1.プロデューサー、2.ディレクター、3.タレント。テレビのようなもの。

1.プロデューサー
メディアとビジネスモデルをマッチさせる役割。コンテンツ作成者がセールスなどの部門と孤立している場合は非常に重要。誰がビジネスパーソンかを特定することが鍵。

2.ディレクター
プロデューサーと話し、どういったものを作りたいか具現化する。ストーリー作成と可視化が役割。

3.タレント
データ収集、ライター、写真家、全ての担当が重要。それぞれの担当をまとめ、一つの作品を作る。

改良
まずはトライする。それを改良しより良いものにしていくが、既存のコンテンツを破壊し、また新しいコンテンツを作成する。これを繰り返す。

見込みの高い顧客のリストを作成するため、登録制の魅力的なコンテンツを配布し、さらに彼らに向けて有益なコンテンツを別の形で提供する。自身のビジネスモデルの深い理解と、可能な限りのシステム化を行っているという印象がありました。スピーチの最後にWebセミナーのお知らせがありましたが、私の名前も近いうちにリストに追加されることになりそうです。
– SEO Japan

CMW 2014-GEとREIが取り組むコンテンツマーケティングのケーススタディー

言わずと知れたグローバル大企業のGEと、アウトドアブランドのREI。彼らが取り組んでいるコンテンツマーケティングの豊富な事例を紹介してくれるセッションです。ターゲットオーディエンスが広範囲にわたる企業ですが、どういったアプローチをしているのでしょうか?
– SEO Japan

*この記事は2つのセッションをまとめています。

原題:How GE Determines What Channels Make the Most Impact
Speaker:Katrina Craigwell(Global Manager, Digital Marketing, General Electric)

コンテンツマーケティングの3つの目的
ブランド認知、ソートリーダー、関係性の構築

プラットフォーム
それぞれの段階・目的で異なるプラットフォームを使用。インサイダー向けにはGEのレポート。消費者向けにはFacebookやTwitterなど。

コンテンツ作成の基準
ターゲットは、GEにとって重要なトピックに興味を持っている人。目的は、技術と革新を通じてより良い未来を創るというGEのコミットメントを深く理解してもらうこと。戦略は、科学と技術に関するわかりやすいコンテンツを作成し、GEへの興味へつながる扉を開けてもらうこと。

Instagramの活用例(#GEInstaWalk)
Instagramのインフルエンサーとファンを6人づつピックアップ。彼らに印象的な写真を撮ってもらい、Instagramに投稿してもらう。48時間で20万のソーシャルエンゲージメントを獲得。

動画はこちら

機械音での音楽作成の例
何千もの機械音を採取し、DJに依頼して音楽を作成。ダウンロード数は1,500万を超える。

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GEのグローバルリサーチ部門の例
YouTubeのクリエーターに依頼し、特殊なカメラを使ってスローモーションの動画を作成。非常に撥水性の高い特殊な素材に色のついた液体を落とし、その瞬間を撮影するなど。オーガニックで7百万以上のビューを獲得。

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春休みのキャンペーンの例(#springbreakit)
研究室にファンを招待し、色々な実験を行いながら動画を作成。140万以上のビューを獲得。さらに、ファンと話す機会は非常に得ることが難しいため、これも目的の一つだったりする。

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原題:How REI Moves Mountains with Disruptive Content Marketing
Speaker:Katrina Craigwell(Digital Engagement Program Manager REI)

REIについて
アウトドア用品を販売。リテラーもある。広い地域にリーチするべき人がいる。どうやってやるか?

ターゲットは?
アウトサイドで遊ぶことを好む人。スキーヤーなど、ペルソナを作成。顧客のライフサイクルを考える。

我々が行っていること
キャンプに実際に行き、そこで何が起こるかを知ることができる。インハウスでライターや写真家などを抱えている。作成現場ではフラット。ほとんど顔見知り。

役に立つコンテンツ
エデュケーションが目的。フラットタイヤの危険性など。Twitterで。

メンバー向けのコンテンツ
ホリデーキャンペーンなど、タグ付けを行う。エンゲージメントの獲得に非常に効果的。

美しいコンテンツ
自然の美しさを伝える。アウトドアで見ることができる美しい写真。新しいギアや商品のコンテンツだけでない。

ユーモアのあるコンテンツ
楽しいことも。例えば、椅子とクーラーボックスの即席ベッドで寝てしまっている写真。こうしたコンテンツはメモリアブルな瞬間となり、ユーザーが覚えていてくれるようになる。

教育目的の記事コンテンツ
アウトドアの教育者となるため。講座を開くこともある。ここ2年間はオンラインで発行。非常に強力。例えば、ジャケットのチャックの細かい違いについてのコンテンツなども掲載。非常にギークなことだが、こだわりのある人には喜ばれる。

教育目的のイラストレーション
インフォグラフィック。服装を図解で説明したり、アメリカの美しい場所を地図化したり。また、Pinterestでのシェアも狙う。

教育目的の動画コンテンツ
記事とは内容が似ている。インスピレーショナルな動画も作成。例えば、テントの貼り方や寝袋の使い方など。

測定基準
エンゲージメントは●●倍になった、などのように数値化を目指す。そのために、ハッシュタグをつけた人の数や、ソーシャルのシェア数、自社サイトをクリックしてくれた人の数などを用いる。

次は? 
ストーリーテリングに注力。ブログを作成予定。また、教育目的の動画数を増やすことや、インフルエンサーの育成も課題。また、既存のコンテンツを最適化や顧客ジャーニーの分析も進める。

作成数や方法はもちろん異なりますが、目標と目的を設定し、それに沿った内容のコンテンツを作成していることは共通しています。エンゲージメントを目的とし、長期的に計画をする。非常に基本的なことではありますが、真剣に取り組んでいる企業ほど、しっかりと押さえていると感じました。
– SEO Japan

CMW 2014-Kraft Foodsが語るコンテンツの価値とマーケティング戦略の再構築

2つ目のキーノートは世界的な食品・飲料会社のKraft Foodsから。このイベントを主催するContent Marketing Institute社から、2014年の”Content Marketer of the Year”に選ばれたJulie Fleischer氏がスピーカーです。コンテンツマーケティングに長年取り組んできた同社のスピーチだけに、否が応にも期待が膨らみます。
– SEO Japan

原題:The ROI on Content: How Kraft Learned the True Value of Their Content and Rebuilt Their Marketing Around It
Speaker:Julie Fleischer(Director, Data + Content + Media Kraft Foods)

広告は変化している
シングルのプラットフォームからグローバルオーディエンスに向けてメッセージを発信することが可能。従来のメディアはかつてのようなビジネスを行うことができなくなっている。マーケターは何をするべきか?答えは、コンテンツだ。エンゲージメントを生むことができる、というのが理由だ。

Kraftにとって
コンテンツはコアである。データ由来のコンテンツが特に。例えば、栄養に基づいたコンテンツなどがそれにあたる。また、英語とスペイン語で初心者用のレシピも作成している。コンテンツ内容は個人に焦点をあてる。(彼らが、いつ何をどこで買うかに注目している。)エンゲージメントは広告よりもコンテンツのほうが3倍も多く得ることができる。

20年前からの取り組み
Food&Familyという雑誌を発行。人々は、朝起きたら何を食べようかと考える。また、一日のうちのどこかで必ず、今夜の夕食をどうしようかと考える。こうした瞬間にアンサーを提供する。レシピや家族によい栄養を与えられる情報というのが、それになる。

コンテンツの価値
コンテンツを通じて、Kraftは1年間に10億以上のインプレッションを生み出している。この数字は、ターゲット広告に比べ、4倍のROIとなっている。ソーシャルは配布が無料であるという考えで多くのマーケターが取り組んでいるが、その中に価値を見い出せないコンテンツは作成するべきではない。

データとの融合
個人に焦点をあてた、大規模なデータをトラッキングしている。データマネジメントセンターとコンテンツは密接な関係にあり、ユーザーをセグメント化しないようにしている。コンテンツとデータはリンクされなければならない。

リアルタイムのデータ
コンシュマーは今この瞬間になにを見ているか。トレンドを見る。例えば、ローステッドポテトがPinterestでオーガニックに拡散されている場合、Kraftがこの分野でプロモートできないかと考える。

ラーニングラボ
コンテンツディストリビューションなどを分析。分析データを元にインサイト、ターゲット、モーメント、メッセージを決定。

関連性
あなたが言いたいことと、相手が興味があるところ。この2つのエリアが重なるところに関連性が生まれる。そして、そのエリアはあまり大きくはない。

コンテンツマーケティングは、アセット、コミュニティマネジメント、ソーシャルなどよりも比重が重い。
コンテンツマーケティングは、ファイスブックでもないし、コンテンツを毎日作ることでもないし、SEOでもない。

コンテンツの設計
コンテンツマーケティングは柔軟で拡張性のあるものするべき。ランドスケープは常に変化するものだから。また、効率性は常に考えなければならない。

コンテンツ作成のポイント
全てのデバイスで利用可能に。内容を個人化する。結果は正確に測定する。価値のあるコンテンツから、エンゲージメント率を増加させる。ファーストパーティデータの価値を重視する。インハウスリサーチツールの活用。オフプラットフォームでの広告の影響を増加させる。

メッセージ
早く動き、(既存の)ものごとをこわせ。
成功を予測・想像・期待する。
自分がやっていることを愛せ。あなたが愛していることをやれ。
成すことは完全よりも勝る。

世界中にターゲットを持つKraftですが、コンテンツ作成に関して非常に細分化を進めているところが印象的でした。戦略的に練られたコンテンツとともに広告を掲載することで、高いROIを獲得する。理想的なシステムを構築していますが、Kraftほどではないにしろ、自社のコンテンツのROIを高められるようにしたいものです。
– SEO Japan

CMW 2014-優れたストーリーテラーが即座に行動を喚起させるために行っていること

2014年9月8日から9月11日にかけて、オハイオ州クリーブランドで開催された、Content Marketing World 2014に参加してきました。このイベントのホストであるJoe Pulizzi氏のオープニングキーノートの次に登場したのは、ベストセラー作家のAndrew Davis氏。ストーリーテリングのパワーが大きな影響力を創り出すことについて語る、非常にエネルギッシュなスピーチでした。
– SEO Japan

原題:Inspired Content: How Brilliant Storytellers Create a Sudden Urge to Act
Speaker:Andrew Davis( Author of Brandscaping: Unleashing The Power of Partnerships )


ファネル
1898年に作られたセールスファネルのモデルを、現在も多くのマーケターが使用している。注意をひき、興味を持たせ、購買へとつながるプロセスをモデル化したものだ。ちょうネクタイ型、ミラードトライアングル型、クラウド型など、進化はしているが、基本的には同一のものだ。

新しい考え方。ここ10年で劇的に変化。
インターネットの黎明期はプトレマイオスの天動説のようなものだった。自分を中心に周りが動いていたため、Webサイトを構築し、人々をそこに呼び込んでいた。現在は、検索を中心とした世界が構築されており、ガリレオの地動説のそれに似ている。

あなたのWebサイトは既に世界の中心ではなくなっている。そして、全ての企業の課題は、その中心に少しでも近づくことである。

では、Googleが世界の中心なのか?
検索はGoogleだけではない。YelpやFacebookやAmazonもそれに加わるだろう。検索が中心となっている世界では、消費者の行動が複雑化しており、典型的なファネルのようなものではなくなっている。検索が繰り替えし、連続して行われているのだ。

ミートローフの例
今夜の夕食はミートローフにしようと思った。レストランを検索していたが、自分で作ろうと思い、レシピをAmazonで予約した。途中でミートローフの歴史が気になり調べていると、カロリーを把握したくなった。Facebookでミートローフを調べているグループと友達になり、最新のニュース記事も確認する。Twitter上で友人がミートローフについてつぶやいているかを確認しながら、先ほど予約したレシピ本をキャンセルした。最終的にはミートローフを題材とした音楽を調べるに至った。

Moment of InspirationとMoment of Purchase
Moment of Inspirationは行動を喚起するトリガー。上記の例ではミートローフ。ブランドがこの段階に存在していれば、消費者が購入を決定する、Moment of Purchaseまで導くことができる。この、MOIとMOPを繰り返すことで、ロイヤリティーループが形成される。

ストーリーテリングがMOIを創り出す。
多くのコンテンツがMOPの直前のために作成されている。しかし、実際はMOIのためのコンテンツ作成が重要だ。生肉の写真ではなく、ステーキの写真がMOIとなる。(そして、生肉の購買につながる。)

エンターテイメントのエグゼクティブのように考える。
ストーリーテリングは非常に困難である。映画のストーリーを組み立てるように考えるべきだ。ファインディング・ニモの影響で、クマノミを飼いたいと思う人が増え、水槽や餌の需要が高まる。バッドマンに登場したラッキーストライクも同様の例だ。価値のあるコンテンツは、あなたのサービスと製品の需要を飛躍的に高めることができる。

このような映画(コンテンツ)をあなたが作れたら、どうなるか?コンテンツ以上に消費者の文化に影響を与えることが出来るものはないのだ。

インスピレーションをつくるための4つのキー
1.サスペンスを構築する。
不安を生み出すことで、その先がどうなるかと結末が気になる。オーストラリアに本社を置く、グローバルなキッチングッズメーカーであるBrevilleが作成した動画、”Fat, Sick, and Nearly Dead“はその好例といえる。主人公であるJoeは医師も匙を投げるほどの肥満であったが、発電機とジューサーのみをしたがえ、3,000マイルの旅にでる。旅中、ジュースのみを摂取し、様々な人と出会う。物語の最後に彼は心身共に健康になるのだが、このムービーは多くの人に注目され、結果として同社のジューサーの売上に大きく貢献した。

2.魅力的に見せる。
有益なロジスティクスに関する情報を提供している、DC Velocity が作成した配送センターを紹介するビデオは非常に効果的だった。配送という一見地味な業界でも、例えば木材が生産された後どのように運ばれているかを魅力的に見せることで、多くの注目を浴びた。こちらの動画は、日本のNHKでも取り上げられ、アジアに進出出来る機会を得ることに成功した。

3.共感を得る。
IBMはWatsonというマシンをクイズ番組に出演させた。最新のテクノロジーが人間のように考えることができることを紹介するため、身近な存在としてアピール。多くの人が見ているテレビ番組に”出演”させることで、多くの人の共感を得ることに成功。

4.感情に訴える。
感情は行動を起こし、理由は決断を生む。デンマークのTV番組、Arvingerneは、母の死後、遺産相続を巡って家族の問題を扱うドラマだ。このドラマの放映後、弁護士への相続の相談を加速させた。感情に訴えるコンテンツは、人々のアクションを導く好例と言えよう。

あなたがMOIを作り出すことができたらどうなるか?
この二日間でその重要性を理解して欲しい。このスピーチで私があなたのモーメントオブインスピレーションをつくりだせたら幸せだ。

非常に濃い内容であったため、多くを掲載しました。スピーチの内容もさることながら、動きのあるカッコイイ資料、情熱的な話し方、ユーモアのある立ち振る舞いなど、非常に印象的なスピーチでした。このスピーチを聞いた多くの人が、コンテンツマーケティングへのインスピレーションを受けたと思います。こうしたスピーチを初回にもってくることで、このイベントへの期待は非常に高まったと感じました。
– SEO Japan