中南米のフィンテック投資ブームに乗りブラジルのオンライン金融会社Creditasが264億円調達

中南米全域で金融サービスのスタートアップが巨額の資金を集め続ける中、ブラジルでオンライン融資事業を展開するCreditas(クレディタス)は、新たに2億5500万ドル(約264億1000万円)の資金調達を行った。

同社の与信ポートフォリオは10億レアル(約203億円)を超え、これまで5回のラウンドで5億7000万ドル(約590億5000万円)の外部資金調達を行っているため、新たなラウンドでは17億5000万ドル(約1812億8000万円)の企業価値になる。

Creditasは、中南米全域における金融サービス系スタートアップ投資ブームの恩恵を受けた最新の企業だ。CB Insightsのレポートによると、2020年になってから、ラテンアメリカにおけるフィンテック系スタートアップへのベンチャー投資は、2014年の5000万ドル(約51億8000万円)から2020年には139件で21億ドル(約2175億3000万円)を超えるまでに成長しているという。

今回のラウンドの投資家にはLGT Lightstone、Tarsadia Capital、Wellington Management、e.venturesAdvent Internationalの関連会社であるSunley House Capitalなどの新規投資家が含まれている。これまでに出資していたSoftBank Vision Fund 1、SoftBank Latin America DFund、VEF、Kaszek、Amadeus Capital Partnersもまた、同社にさらなる資金を投入するために戻ってきた。

「Creditasは、ブラジルとメキシコの巨大な未開拓の有担保融資市場に参入するための初期段階にあるところです」と、SoftBank Latin America DFundのマネージング・パートナーであるPaulo Passoni(パウロ・パッソーニ)氏は声明で述べている。

同社の成長は、ラテンアメリカ全域における新しい金融商品のニーズと、ラテンアメリカの金融サービスに取り組むスタートアップへの投資で大きな勝利を収めてきたKaszek Venturesのような投資家の洞察力の両方を証明するものだ。

「シリーズAでの投資以来、我々の道のりは本当に素晴らしいものでした。チームはビジョンを実行し、Creditasは顧客の生涯にわたる主要な金融ニーズに応えるアセットライトなエコシステムへと進化しました」と、Kaszek Venturesのマネージング・パートナーであるNicolas Szekasy(ニコラス・セカシ)氏は声明の中で述べている。

レッドポイントのe.venturesファンドも、ここ数年ラテンアメリカへの投資に注力し、成功を収めてきた。

「Creditasは、ブラジル人がリーズナブルなレートで金融ニーズをコントロールできるようにすることで、顧客や投資家に大きな価値をもたらす、愛される消費者向け商品を生み出しています。レッドポイントであるe.venturesを通じてシード段階から関与してきた私たちは、ブラジルのフィンテック業界に変革をもたらすCreditasを、我々のグローバル成長ファンドでサポートできることに興奮を感じています」と、e.venturesの共同設立者でありマネージングパートナーであるMathias Schilling(マティアス・シリング)氏は述べている。

Creditasはこの資金を利用して、住宅ローンや自動車ローンのほか、顧客の給料を担保にするベイデイローンや小売オプションとしての後払いローンなど、サービスの拡大を計画している。

同社は他の市場への進出も視野に入れており、その足がかりとしてメキシコ市場に目を向けている。

2012年にサンパウロのベリーニ通りにある5平方メートルのオフィスで創業したCreditasは、現在では数百人の従業員を擁し、担保付き融資のマーケットプレイスと独立した住宅・自動車融資事業を基盤とした強固な事業を展開している。

また、同社は初めて四半期決算を発表し、前年同期の7,490万ブラジル・レアル(約15億2000万円)から4050万レアル(約8億2000万円)に損失が縮小していることを示した。

カテゴリー:フィンテック
タグ:Creditasラテンアメリカ資金調達ソフトバンク・ビジョン・ファンド

画像クレジット:Getty Images under a license

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(翻訳:TechCrunch Japan)