SpaceX、2017年を18回目の衛星打ち上げ成功で締めくくる――新世代Iridium10基を軌道投入

SpaceXは今年18回目となる衛星打ち上げ成功で2017年を締めくくった。衛星打ち上げ回数として同社の新記録で、昨年の打ち上げ回数を10回も上回った。

今回の打ち上げのペイロードはIridium衛星10基で、Iridium NEXT衛星電話ネットワークの一部を構成する。SpaceXがIridiumを打ち上げるのはこれが4回目のミッションだ。これまで高い実績を上げてきたFalcon 9が今回も打ち上げロケットとして用いられた。2017年1月のIridiumミッションは、実は2016年9月に発射台上でFacon 9が爆発した事故でFacebookのインターネット通信衛星を失うという.悲劇の後の最初の発射だった。

SpaceXはカリフォルニア州ヴァンデンバーグズ空軍基地から打ち上げられた。今回のミッションにはブースターの回収は含まれていなかった。打ち上げが日没前後だったためロサンゼルス周辺では息を呑むようなスペクタクルとなった。大勢の住民がTwitterに動画や静止画をアップした。UFOではないかと驚いた人々もいたようだ。

Iridium NEXTネットワークの目的は世界中あらゆる場所を飛ぶ航空機に常時接続を提供することで、このテクノロジーはまた世界中の船を常にネットワークで結ぶことができるようになる。

SpaceXには次の大きなチャレンジが迫っている。2018年1月に巨大なFalcon Heavyロケットの最初のテスト発射が行われる予定だ。Falcon Heavyは現在ケープカナベラル空軍基地の施設で最終調整が進行中だ。最初のペイロードはイーロン・マスクの愛車のチェリーレッドのTesla Roadsterだという

〔日本版〕Falcon 9の打ち上げとほぼ同時刻に日本のJAXAもH-2Aロケットによる科学衛星2基の打ち上げに成功している。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

SpaceX、イリジウム衛星10基の軌道投入に成功

今朝(米国時間10/9)、SpaceXはカリフォルニアのヴァンデンバーグ空軍基地から今年14回目となるFalcon 9の打ち上げを行った。ペイロードは10基のイリジウム(Iridium)衛星で、SpaceXはすべての衛星が所定の軌道に投入されたことを確認した。今回の打ち上げはSpaceXによるイリジウム打ち上げの3回目のミッションで、Iridium NEXT衛星電話システムを完成させるためには合計8回の打ち上げが必要とされる。

SpaceXは今回もFalcon 9の一段目ロケットの回収に成功した。一段目は太平洋上のJust Read The Instructionsという船名の自動航行艀に着陸した。

今回のミッションの目的はもちろん衛星打ち上げであり、発射1時間後にSpaceXは10基の通話衛星がそれぞれ計画された軌道に乗ったことを発表した。

SpaceXはこのすぐ後、10月11日にもさらにFalcon 9の発射を予定している。これはEchoStarとSES共同の高出力通信衛星でフロリダ州のケネディー宇宙センターから打ち上げられる。このFalcon 9の第1段はすでに打ち上げに用いられ、回収された機体で、これまで再利用のための整備が行われていた。

〔日本版〕イリジウム衛星電話は日本ではKDDIが運用窓口となっている。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

SpaceX、1月14日の打ち上げに備えFalcon 9ロケットにイリジウム衛星を積み込む

c1_grsfukaanzhu-jpg-large

SpaceXのロケット発射復活第一弾を数日後に控え、イリジウム計画の通信機器がFalcon 9ロケットに積み込まれた。予定通りに運べば1月14日に宇宙へ向けて飛び立つ。当初は1月9日に発射予定だったが、ヴァンデンバーグ空軍基地発射台の気象条件のために延期された。

この新たな機会は、2016年9月1日にFalcon 9が打ち上前の燃料充填時に発射台で爆発して以来、SpaceXに与えられた初めてのチャンスだ。爆発の理由は液体酸素貯蔵タンクの圧力容器の不具合に関連していることがわかったと、調査終了後にSpaceXが公表した。同じことが二度と起きないよう、短期的には既存機器の修理、長期的には将来のロケット製造過程の変更という両面で対応して万全を期すとSpaceXは言っている。

[ヴァンデンバーグの強風雨のために発射は延期された。他のスケジュールと調整の結果、次の予定日は1月14日になった。]

イリジウム衛星は音声およびデータのネットワーク構築に用いられ、SpaceXの事故以来初となるこのミッションには10台が積載される。昨年9月に発射台で爆発したロケットには、Facebookがアフリカ未開地域へのインターネット提供活動に用いる衛星が載せられていた。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

SpaceX、事故調査を終了、1月8日にIridium通信衛星打ち上げへ

2017-01-04-falcon9

SpaceXはケープカナベラル宇宙基地で大型ロケットが打ち上げ直後に爆発した事故の調査を完了したと発表した。調査はFAA、NASA、NTSB、空軍等の宇宙航空の安全に関わる連邦機関と協力して実施された。収集された残骸やデータを綿密に調査した他、カリフォルニア州ホーソンとテキサス州マクレガーのSpaceXの施設でも実験が行われた。

事故の調査は去る9月のFalcon 9ロケットの爆発事故の原因を打ち上げに先立つ燃料注入過程に求めている。 SpaceXの調査によれば、第2段ロケットのエンジンの液体酸素タンク内に設置された加圧用ヘリウム容器に問題が起き、圧力上昇により液体酸素が2段目ロケットの外被とライナーの間に入った。この際液体ヘリウムの温度が低すぎたために液体酸素が固化し〔固体酸素はいっそう発火の原因となりなすいため〕問題をさらに悪化させたとみられる。SpaceXではこの問題の短期的、長期的改善に取り組んできた。発表によれば燃料供給過程に関する安全性は短期的に確保されており、長期的な改善も成功すると確信していることを発表した。

事故調査の完了に伴い、SpaceXは来る1月8日にFalcon 9による打ち上げを再開する。ペイロードは10基のIridium通信衛星だ。he Iridium衛星はすでにFalcon 9の打ち上げカプセルに収容されている。

SpaceXが実際に今回の打ち上げを成功させ去年秋の事故発生から飛行再開までのターンアラウンド時間は記録的な短さだ。それでも衛星企業各社の信頼を完全に回復するまえにはかなりの時間がかかるだろう。

〔日本版〕Iridiumを含めた衛星電話全般に関してはこちら

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+