Googleは長年にわたってお隣のモフェット空軍基地を自家用ジェットの発着に利用してきた。今日(米国時間11/10)発表されたところによれば、Googleはモフェット基地の管理運営を完全に引き続くことでNASAと合意した。底地所有権はアメリカ政府が保持する。基地のリース期間は向こう60年。
NASAのプレスリリースによれば、Googleがこのリース契約のために設立したペーパーカンパニーのPlanetary Ventures LLCが総額11億6000万ドルの賃貸料を分割支払いする。 Googleへの移管ににより、アメリカ政府は年額630万ドルの節約になるという。
愉快なのはプレスリリースでNASAのチャールズ・ボールデン長官が述べた言葉だ。長官は「NASAは宇宙での存在をますます拡大していく計画だが、地球上での存在は縮小するつもりだだ」と述べている。
サンフランシスコ市の南、湾に面して1000エーカー〔4平方キロ〕にわたって広がるモフェット基地にはハンガー・ワン〔写真右側の巨大建造物〕からハンガー・スリーまでの3棟の格納庫、2本の滑走路、航空管制設備、ゴルフコースなどが含まれる。こうした設備の利用と運営は今後すべてGoogleが引き継ぐことになる。
この春に妥結した予備交渉でGoogleは「ハンガー・ワンやシェナンドア・プラザ地区など歴史的建造物と地域の復元と維持」を約束していた。しかしもちろんGoogleはそれ以上のことを計画している。プレスリリースによると、GoogleはPlanetary Venturesを通じて今後2億ドルの投資を行うという。またGoogleは基地の歴史的由来を啓蒙する施設やシリコンバレーのテクノロジー産業の進歩のための施設を建設し、一般に公開していく。
またプレスリリースによれば、ハンガーワンは宇宙開発を含むさまざまなハイテク開発のために利用される。
リノベーションの完了後、ハンガー・ワンはハイテク・イノベーションのための施設として利用され、宇宙、航空、ロボティクスその他の先端テクノロジーの研究開発および実験の場となる。ハンガー・ツーとハンガー・スリーも同様の目的に利用される。
モフェット基地は、Googleの秘密先端技術研究チーム、Google Xの本部となるらしい。
〔日本版〕ハンガー・ワンは1930年代なかばにアメリカ海軍の飛行船、メイコンの格納庫として建設された。格納庫は奥行き345m、間口94m、高さ60mという巨大なもの。老朽化のため全面改修が必要となり、現在は外壁が剥がされて骨組みだけになっている。これほど巨大な屋内空間は世界的にも最大級。ドローンのテストには絶好だろう。またGoogle Xの研究チームの少なくとも一部はすでにモフェット基地をベースにしているという。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)