2016年の自動車事故による死者数は過去10年近くで最大だったことが安全性評議会(NSC)が水曜日(米国時間2/15)に発表した予備データでわかった。2016年と2015年の増加を合わせると、自動車関連死者数の2年単位の増加としては過去53年間で最大だった。NSCのCEO、Deborah A.P. Hersmanは、増加要因の少なくとも一部は運転者の自己満足に起因するとリリース文で述べた。
発表データは最終版ではなく、今後分析を進めた結果わずかな上下があり得るとNSCは言っている。しかし予測値が大きくずれることはほとんどないため、2016年におよそ4万人の交通事故死があったという初期の推定値に変わりはない。この数値は前年比6%増であり、2年前の2014年と比較すると14%も増えている。
自動車故死の増加傾向は憂慮すべき事態であり、規制当局や幹線道路交通安全局(NHTSA)も注目している。昨年NHTSAは、原因究明を促進するために大量のデータを一般公開し協力を募った。
連邦議会の命を受けるNSCはこれ以外の調査も実施しており、継続する増加原因の可能性として、スピード、タッチ入力および音声入力によるメッセージ、アルコール・薬物影響下での運転等を挙げている。NSCは他にも、飲酒運転で有罪判決を受けたドライバー全員に対するイグニッション・インターロック装置の取り付け義務や、スピード違反摘発の自動化、ハンズフリーを含めた携帯電話の全面禁止等を提案している。
NSCは完全自動運転技術には触れていないが、自動緊急警報システム、死角モニター、車線離脱警告システム等の機能の標準化と導入を急ぐよう助言している。
モバイル機器の増加および日々の生活におけるその役割の高まりが、交通事故死急増の原因である可能性は、多くの研究結果が示唆している。NHTSAはモバイル機器のOSおよび端末レベルでの利用制限を強制する規則も提案しており、AppleやGoogleのようなOS提供者の責任は重くなる可能性がある。一部には、前進への道は自動運転システムしかないと言う意見もある。
火曜日(米国時間2/14)業界幹部らは上記に沿った見解を連邦議会委員会に提出し、自動運転技術に関しては研究発展の妨げにならない法制化を考慮するよう依頼した。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)