グーグルがRSSを復活させる

Chromeは、少なくともAndroidで実験的に提供されているCanaryバージョン(米国内のユーザーのみ)では、今後数週間のうちに興味深いアップデートが行われる予定だ。これは、Googleリーダーや同様のサービスで、お気に入りのサイトの更新情報を得るためのフォーマットとしてかつて人気を博したRSSを復活させるものだ。

もうすぐChromeでは、RSSをサポートしているサイトの「フォロー」機能が追加され、ブラウザの「新しいタブ」ページには、基本的に(非常に)ベーシックなRSSリーダーが表示されるようになる(ここまできたら「Googleリーダー」と呼んでもいい気もする)。

本格的なRSSリーダーの話をしているわけではない。「新しいタブ」ページでは、あなたがフォローしているサイトの更新情報が時系列で表示されるが、例えば、フィードを簡単に切り替えることなどはできないようだ。とはいえ、これは最初の一歩だ。

画像クレジット: Google

Google ChromeのプロダクトマネージャーであるJanice Wong(ジャニス・ウォン)氏は、米国時間5月19日のアップデートで次のように述べている。「今日、人々はお気に入りのウェブサイトを追うために、メーリングリストの購読、通知、RSSなど、さまざまな方法を利用しています。それらを1人ですべて管理するのは大変なことです。そこで当社は、オープンなウェブ標準であるRSSを利用して、お気に入りのサイトの最新情報をChromeで直接受け取れるようにする方法を検討しています。我々のビジョンは、ユーザーがウェブ上でお気に入りのパブリッシャーやクリエイターとの直接的なつながりを築けるよう支援することです」。

Googleの広報担当者によると、GoogleがRSSフィードをクロールする方法は「Chromeが最新かつ最高のコンテンツを『新しいタブ』ページの『Following(フォロー中)』セクションでユーザーに配信できるようにするために、より頻繁に行う」ように実装したとのこと。

RSSは、Web 2.0時代の基盤技術の1つだった。今でも、お気に入りサイトの最新情報を(フィードを提供しなくなったサイトもあるが)推薦アルゴリズムに邪魔されることなく、タイムリーに入手できる最も簡単な方法だ。ユーザーエクスペリエンスは必ずしも理想的ではなかったが、Googleリーダー(R.I.P.)やFeedly(フィードリー)のようなサービスがフィードの購読や更新情報の取得を簡単にするために多くの努力をし、RSSは常に非常に有用なものだった。しかし2013年、グーグルがGoogleリーダーをGoogle+の祭壇に捧げる犠牲にしたことで、熱烈なニュースジャンキーがFeedlyアカウントやNetNewsWireの古いコピーを持ち続けていたにもかかわらず、その時代は終わりを告げた。

GoogleがRSSをブラウザの中核機能として復活させたことは、多くの人にとって喜ばしいことだと思う。オープンウェブを好むのであれば、たまに不便さを感じることはあっても、RSSが進むべき道だ。

だが今のところ、これはあくまで実験に過ぎない。Googleは「Chromeでのユーザーとウェブパブリッシャーとのより強固なエンゲージメント」を構築するために「パブリッシャー、ブロガー、クリエイター、オープンウェブの市民」からのフィードバックを集めたいと述べている。願わくば、実験のままで終わらないで欲しい。

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Aya Nakazato)

GoogleのFeedBurnerがインフラを移行、メール購読サービスを廃止

米国時間4月14日、Google(グーグル)はFeedBurnerを新しいインフラストラクチャーに移し、メールのサブスクリプションサービスを廃止すると発表した

古くからのインターネットユーザーなら、GoogleのFeedBurnerを使って自分のブログや初期のポッドキャストのRSSフィードを管理したことがあるだろう。何しろ「Web 2.0」の頃には、それがフィードの管理やアナリティクスのデファクトスタンダードだった。2004年にDick Costolo(ディック・コストロ)氏らが創業したFeedBurnerは、2007年にGoogleに買収された。その後、コストロ氏はは、2010年にTwitterのCEOになった。

それ以来今日まで、FeedBurnerには中途半端な時期が続いた。GoogleはGoogle+のようなあまりぱっとしなかったソーシャルの実験を優先して、Google Readerのような人気サービスをあっさりと閉鎖したが、FeedBurnerだけは、AdSenseの統合を止めるといったサービスの一部を閉鎖しながらも、毎日のようにフィードを燃やし続けた。

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このサービスのことを気にしている人はもうあまりいないだろうし、RSSも悲しいかな徐々に影が薄くなっている。しかしこのサービスはメンテナンスが楽なので、Googleもこれまで動かし続けたのだろう。にも関わらずそれを閉鎖すれば、重要なツールを破壊されたパブリッシャーたちが大騒ぎを起すことは確実だ。ちなみに、間違いなくデスクトップのRSSリーダーで購読していただいているであろうTechCrunchのRSSフィードのアドレスもご覧のとおり「http://feeds.feedburner.com/TechCrunch/」だ。

というわけで、14年後の米国時間4月14日、Googleは「このプロダクトの次の章をサポートするために近くいくつかの変更を行う」と発表した。まずサービスを、新しい安定性の良いインフラストラクチャーへと移す。

そして2021年7月には、フィードの管理とは関係のない副次的な機能の一部を閉鎖する。中でも重要なのは、フィードがアップデートするときに読者にメールで届いた通知だ。ただしフィードのオーナーはメールのサブスクライバーのリストをダウンロードできるし、それは7月以降もできるだろう。そして、BloggerのFollowByEmailウィジェットもなくなる。でも今は2007年ではないから、TechCrunchの記事にFeedBurnerとBloggerの両方の名前が登場するとは、誰も想像しなかっただろう。

FeedBurnerの中核的な機能はそのまま残るとGoogleは強調している。でも、メールのニュースレターは現在でも人気があるため、メール通知の廃止はおかしな決定だ。

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Hiroshi Iwatani)