SMX London 2014-Google+のABC:オーサーシップからパーソナル検索結果まで

SMX London 2014の最後のセッションはオーサーシップについて。通常の検索結果のランキングには影響されない分野ですが、自身の顔写真が表示されることで、認知度とCTRの増加が期待できますね。先日、Google+の責任者であるガンドトラ氏がGoogleを退社され、Google+の今後が気になるところでしたが、まだまだ注目する理由はあると感じています。– SEO Japan

原題Winning Google Through Google+, From Authorship To Personalized Results

Speakers:
Andy Atkins-Kruger, Group CEO, WebCertain (@andyatkinskruge)
Shawn Cohen, Director of SEO, Standing Dog Interactive (@shawnccpr)

Andy Atkins-Kruger

Google+はまだ生きているか?
個人的にはなくならないと考えている。FBの対抗馬としてまではならないだろうけど。オーサーシップの構築としての意味が強くなるだろう。

基本のおさらい
・Google+のプロフィールからあなたが作成したコンテンツにリンクを張る。
・プロフィールには認識可能な顔写真を追加。
・コンテンツに”By Tomoyuki Sugao”のように署名欄を含める。
・署名欄の名前はGoogle+のプロフィールの名前と一致させる。

サードパーティーのブログ
Google+を使用することで、サードパーティーのブログに投稿した記事とあなた自身のブログを間接的にコネクトすることができる。大規模なサードパーティーのブログに記事を投稿できれば、あなた自身を目立たせることができる。

WordPress
オーサーシップを追加するプラグイン。(https://wordpress.org/plugins/google-plus-authorship/)

SEOにとってなぜ重要か?
オーサーランクは存在するか?今のところ存在しないしランキングにも影響しない。しかし、In-depth articlesには影響する可能性がある。

リッチスニペットの表示数の減少
低品質なコンテンツに関しては、リッチスニペットの表示を取りやめる。

オーサーが退社した場合は?
“Current contributor”の属性を変更させる。現在と過去で選べる。

Shawn Cohen

Google+をプラットフォームとして使用する。
・ハングアウト。既にFace Timeの対抗馬となっている。
・コミュニティ。インフルエンサーとコネクトできる。
・ローカルページ。Googleマップとの連携。

コミュニティ
相当数ある。あるグーグラーがコミュニティに私を招待してくれた(こんなことも起こる)。インフルエンサーや話題になっているコンテンツの発見。特別なトピックのファンへのアプローチ。

コミュニティに関してのツール
・CircleCount(http://jp.circlecount.com/)
→トピックやサイズからコミュニティを検索できる。
・Circloscope(http://circloscope.com/)
→エキスパートなコミュニティのメンバーを検索。SEOとか。プレミアムメンバーも。

インフルエンサーを探すためにハングアウトを活用する。
Gmailでコンタクトをとる。相手は賢く選ぶ。失礼な行為はしない。

ブランドページとローカルページの統合。
Google+でブランドページをセットアップ。(http://www.google.com/+/business/brands/)
YouTubeとGoogle+の統合も可能。

ステップ1:ブランドページを新しく作成してオーナーを同一にする。
どんなページを設置するべきか?例えば、ホテルの例で、ローカルとブランドのページを作る。ローカルは住所などを載せる。ブランドはホテル全体の紹介のページ。

ステップ2:ページを確認する。
Googleのガイドページ(https://support.google.com/plus/answer/1713826?hl=ja)
古いページと新しいページを比較。新しいページが承認される。

ステップ3:古いページを削除する。
G+のマネージページに削除ボタンがある。

ステップ4:認証を待つ。
24時間待つ。

ステップ5:なりすましを発見した場合。
そのページに別のアカウントでログイン。なりすまし報告をGoogleに行う。

ステップ6:古いページが削除されない場合。
古いページに行き、エディット→マネージする→コンタクトの順に進む。連絡先に携帯電話の番号を登録すれば、Googleの担当者からの連絡が来る。内容を伝えると、非常に迅速に対応してくれる。

大量のページの認証方法
複数あるページを一気に認証する方法がある。

ステップ1:全てのローカルページを作成
先ほどのホテルの例の続き。マージしたいページを全て作成する。

ステップ2:スプレッドシートのダウンロード
Google Docsからダウンロード。(bit.ly/1nufyJv)

ステップ3:全てのフィールドを埋める。
必要な情報は全て埋める。

ステップ4:アップロードページへ行く。
URLはこちら。(bit.ly/QG4X0z)

ステップ5:ファイルをインポートする。
“ファイルから場所をインポート”をクリックする。

ステップ6:ファイルをアップロードする。
“ファイルをインポートする”をクリックする。

まとめ
・作成したページが認証され、古いページが削除されるのを待つ。
・もし上手くいかない場合はGoogleへ連絡する。(E-mailも可)

日本ではあまり人気度が高いとは言えないGoogle+ですが、Google+を利用してWebマーケティングを行う例も色々とあるようですね。オーサーランクが今後どのような形で検索ランキングに影響するかは不透明ではありますが、それ以外のメリットを理由に注力することもありだと思えました。

今記事でSMX London 2014のセッションレポートは終了です。前回のSMX West 2014と比較し、大きな新情報があるわけではありませんでしたが、各国の参加者・スピーカーと話すことができ、有意義なイベントでありました。米国との違いを一つ挙げるとすれば、多言語・他地域への関心が高いと感じた点です。地理的な状況から言語・地域設定の課題が多いと想像していますが、似たような課題が、将来的にアジアの領域で起こってもおかしくはないと思います。その際、ヨーロッパでの取り組みが一つの参考になるかもしれませんので、これからもヨーロッパの状況には注目していきたいと思います。

最後になりますが、今回も記事をお読みくださった方々に感謝の言葉を述べさせていただきたいと思います。ありがとうございました。– SEO Japan

SMX London 2014-一歩進んだSEOの技術的なお話し

今回参加したセッションの中では珍しく、技術的なお話がメインのセッションです。別のセッションでもありましたが、技術的なSEOは違いを生むことができます。SEOに関わる技術も新しいものがどんどん導入されてますが、これらを上手く導入してSEOの効果をだすことができれば、非常に理想的ですね。– SEO Japan

原題:Technically Speaking: Advanced Technical SEO Issues

Speakers:
Patrick Altoft, Director of Strategy, Branded3 (@patrickaltoft)
Andy Atkins-Kruger, Group CEO, WebCertain (@andyatkinskruge)

Patrick Altoft

SEOの仕組み
オンサイトとオフサイトでランキングファクターの数が増加。SEOが難しくなっている。

SEOはユーザー目的で行われるべき
最小限の努力で最大限の効果をGoogleは好まない。対象キーワードのため、作れるだけページを作るなどの方法は避けるべき。考え方として、ユーザーに正しいページに正しいタイミングで届けること。ユーザーを満足させることが第一で、結果としてそれがGoogleを満足させることになる。

インデックスのトラッキング
サイトマップに全てのページを含める。インデックスされているページ状況を常に把握する。

全てのページを素晴らしいものに
その作業はチームで行う。技術の人間だけでなく。どのページが必要で、どのページが必要ないか。必要の無いページは削除する。全てのページのコンテンツ、デザイン、ユーザビリティ、コンバージョンレート、を確認する。

商品が無い商品ページ
在庫がない商品ページはインデックスされないようにする。ユーザーの直帰率が増え、Googleからの評価が下がってしまう。

検索に戻ってしまうユーザー
ほんの数秒間でユーザーの注意を惹きつけ、彼らの疑問に答えるページであることを理解してもらう必要がある。すぐに検索に戻ってしまうと、Googleはそれをネガティブなサインとして捉える。5%のコンバージョンが意味することは、95%は満足していないということ。

パーソナライゼーション
可能であれば、キーワードなどから判断してWebサイトのレイアウトなどをユーザーごとに変更する。

2つのタイプのレビュー
・サービスE-mail。12時間以内に送付。満足したかを尋ね、満足である場合はレビューを依頼。満足してないのであれば、カスタマーサービスに連絡を。
・商品レビュー。商品にもよるが、送付から14-30日後に送る。ディスカウントクーポンなどのインセンティブをつける。レビューを依頼する。

ファセットナビゲーション
非常に悩ましい問題でもある。全てのカテゴリとサブカテゴリのページがインデックスされる必要がある。全てのページは一つのURLしか持たせない(望まないページはインデックスさせない)。ランキングされたいページのみにリンクを張ること。

モバイル
モバイルデバイスでの経験を改良する。良くなければ、Googleからの評価が落とされる。デスクトップ検索では1位でもモバイル検索では下位のページ表示、ということも起こりうる。

便利なツール
・Screaming Frog(http://www.screamingfrog.co.uk/seo-spider/)
→Webサイトを巡回し、SEO観点からリンク、画像、CSSなどを分析してくれるツール。全て手作業で行うには時間がかかる、中~大規模サイトに最適。
・DEEPCRAWL(http://deepcrawl.co.uk/)
→サイトの技術的な問題、リンクの分析などを行ってくれる。サイト全体の構築の再検討などにも活用できる。

確認すべき事項
・インデックス状況
・ページの品質
・リンクの構造

Andy Atkins-Kruger

ケーススタディ:シナリオ
商品ページ・購入ページにたどり着くまでに、多くのクリックが必要なサイト。ユーザーフレンドリーではない。SEOは非常に成功していて、多くのコンテンツが検索エンジンに好ましく認識されている。

課題:どのようにユーザーフレンドリーのサイトにするか?
フィルター機能を使い、ユーザーが必要な情報を一つのページで確認できるようにする。また、トラフィックは落としてはならない。

AJAXの使用
ユーザーエクスペリエンスチームがAJAXを使用しての改善を決断。SEOチームも加わり共に改善に向けての作業を行う。

AJAXについて
AJAXはリダイレクトやページ更新をせずに、HTMLの一部をダイナミックにアップデートする。画像・テキストの両方で可能。

SEOにおける2つのAJAXの方法
・Hijax
→Javascriptがオフになっていても、AJAXコンテンツへのURLを発生させる。動的なコンテンツには適さない。
・Google AJAX クローリングスキーマ
→ハッシュバング(#!)を使用したURLのHTMLスナップショットをサーバーで提供。動的なコンテンツに適している。

Google AJAX
1.ハッシュタグ(#)とバング(!)を使用し、コンテンツの一部を表示させる。
→ハッシュバングのURLではスペースやパーセンテージなどは使用することができない。
2.コンテンツのスナップショットになるURLを作成する。
→スナップショットは静的なURLであり、動的でない形式のコンテンツを提供し、検索エンジンがクローリングすることができる。

新たな問題と解決方法
重複コンテンツにならないか?低品質とみなされないか?そのため、似たページはカノニカルすることで重複をさける。

観測する
AJAXの導入は非常に大きな変更になるため、観測は必ず行う。観測に用いる項目は、ランキングやトラフィックなど、影響しうる要素を用いる。今回のケースでは、いくつかの言語のバージョンでカノニカルが上手くいっておらず、トラフィックが落ちたページがあった。カノニカルが上手くいっているページはトラフィックが上昇している。カノニカルが非常に重要であることが証明された。

技術的な観点からSEOを考えるセッションでした。改良・追加・修正するポイントや使用する技術は様々あるようですが、ユーザーにとっての価値を向上させるという目的は一致しており、その結果として、Googleの評価をあげようという試みです。コンテンツのクオリティが課題となる、という意見が頻繁に聞かれていますが、技術的な側面をしっかりと対応することも非常に重要ですね。あらためて認識させてもらった良いセッションでした。– SEO Japan

SMX London 2014-上級SEOのためのマークアップ:マイクロデータ・スキーマとリッチスニペットについて

Googleへサイトの内容を伝えるために必須な作業が、構造化データのマークアップです。リッチスニペットの表示など、導入するメリットは大きく、導入サイトの数も増えていそうです。今回のセッションは、基本的な概念の説明から、実際に導入したサイトの実例のお話です。– SEO Japan

原題:From Microdata & Schema To Rich Snippets: Markup For The Advanced SEO

Speakers:
Barry Adams, SEO & Digital Strategy consultant, Pierce Communications (@badams)
Samuel Edwards, Online Media Strategist, Tenthwave Digital
Bastian Grimm, Managing Partner, Grimm Digital (@basgr)

Bastian Grimm

Webの進化
何かをシフトしている時期は、まだスタンダードになっていないコードでの構築に苦労する。なぜやらなければいけないのか?
1.意味付け
セマンティックはコンテンツの描写を目的とする。検索エンジンにコンテンツの意味を伝える。
2.保全性
セマンティックはあなたのコンテンツの保全性と品質を高める。
3.品質
セマンティックマークアップはクオリティだ。ブラウザは考慮しないが、他のシステムは考慮する。

セマンティックの定義
「セマンティックWebはアプリケーション、企業、コミュニティの垣根を越え、データがシェアされ、再利用されることを可能にする共通のフレームワークを提供する。」(Tim Berners-Lee)
なぜなら、従来のHTMLには限界があるから。(タグの数には限界がある。)

背景
2011年の6月にスキーマの導入。2010年4月からGoogleが提供しているリッチスニペットをサポート。

なぜ導入する必要があるのか?
リッチスニペットが検索結果に表示されることにより、CTRを高めることができる。写真のない検索結果のCTRは低い。

Microdataの使用率が伸びている。
スキーマの使用率は全体のドメインの0.3%。しかし、34%のクエリがリッチスニペットを返していない。AmazonとWikipediaはスキーマを使っていない。(リッチスニペットは返しているが)。よく使われているのは映画サイトと提案サイト。

ランキングへの影響は?
Googleはランキング要素には使っていない。しかし、トラフィックの増加は見込める。

ナレッジグラフの導入
ロンドンとロンドンの人口、というクエリにナレッジグラフで答えを返す。ロンドンの大学は、ロンドンのサブカテゴリ。ナレッジグラフはマークアップされたデータをソースにする。

Googleは
文字列から物事へ。キーワードからエンティティへとシフトしている。

スキーマ
バーティカルサーチを構築。オーソリティなエンティティになることで、すべてのロングテールのトラフィックを獲得する。

スキーマの導入は簡単
HTMLの延長のようなもの。

構造化データのテスト・ツール
Structured Data Testing Tool。Google Data Highlighter。Googleがあなたのサイトをどう見ているかを確認できる。

Schema Creator(http://schema-creator.org/)
主要なスキーマを提供。WordPressはプラグインもある。他のCMSもプラグインのオプションがある。

リッチスニペットスパム
正しい用途で使用すること。スパムと認定された場合、2度と表示されない可能性も。

Samuel Edwards,

Duncan Hines(http://www.duncanhines.com/)
ケーキのレシピサイト。スキーママークアップの導入事例。

レシピサイトへのマークアップ
画像、栄養、レビュー、ランキング、所要時間。他にもいろいろ。CTRの増加とビジターの質の向上が見込められる。

Googleのガイドライン
・一つのページに一つのレシピ。多くのレシピがあるページはサポートされない。
・評価した人の名前は人や組織の名前。「材料を50%カット」などは名前としてみなされない。
・最低限、以下の2つをマークアップしないと表示されない。画像、準備時間、調理時間、トータルの所要時間、材料、カロリー、レビュー。

考えるべきこと
サイトワイドか?すべてのページにするべきか?答えはYes!もしトラフィックを増加させたいのであれば、マークアップはするべき。

開始しよう!
1.スキーマのサイトに行く。
2.サイトワイドで導入。
3.テストツールで確認。
→リッチスニペットが表示されCTR増加!

結果報告
2014年2月にマークアップ。2014年1月(導入前)から2014年4月(導入後)に35.07%のトラフィックの増加。年で計算すると93.46%の増加。

順位の上昇
Googleがマークアップを順位に考慮しないと宣言しているのは知っている。しかし、マークアップ後、2週間以内に263ページ中196ページ(75%)で順位上昇がみられた。他の条件は全て同一。

問題
低い評価やランキングが表示されてしまうため、コメントに基づいた平均の評価は使用しないほうがいい。

GWTで確認
バリデートを行う。問題がある場合は修正する。

Barry Adams

忘れられているリッチスニペット
・Job Posting(求人)
・Products(商品)
・Events(イベント)
・Music(音楽)

求人
この業界内で構造化データをマークアップしているサイトは非常に少ない。キーとなる属性は、役職、投稿日、企業名、勤務地、基本給など。推奨される属性は、雇用の種類、業界、職業区分など。

商品
標品のカテゴリーも大きな可能性がある。キーとなる属性は、モデル、ブランド、メーカー、商品状態、商品説明、価格など。推奨される属性は、評価、URL、在庫数(最大・最少)など。

イベント
イベントを提供している企業は必ずやるべき。キーとなる属性は、イベント名、開始日・終了日、公演者、場所、価格など。推奨される属性は、URL、公演時間、イベント詳細、画像など。

音楽
音楽業界やミュージシャンは必須。キーとなる属性は、名前、アーティスト名、長さ、アルバム名、画像、発売日など。推奨される属性は、URL、評価、ジャンル、価格など。

リッチスニペットを表示させるために
Googleからの信用を得なければならない。スキーマをマークアップしたことが、リッチスニペットを確実に表示されるということにはならない。反対に、Amazonなど、いくつかの信頼のあるサイトはマークアップしていなくても、リッチスニペットが表示される。

一般的に
より多くのマークアップすることでGoogleに情報を与えることはよいことだといえる。可能な限り、マークアップをすること。また、テストツールでマークアップの確認を行い、エラーがあった場合は確実に修正すること。

構造化データのマークアップの一番の効果がリッチスニペットの表示によるCTRの増加です。同じ検索順位でも、リッチスニペットの有り無しで大きく変わるということですので、導入する際のメリットは非常に大きとは思います。SMXでは必ず設けられるセッションですが、まだまだスタンダートとは言えないのが現状でしょう。いち早く導入し、将来への準備を行ってはいかかでしょうか?– SEO Japan

SMX London 2014-新時代のリンクビルディングの取り組み方

これまでのセッションでも触れられてきましたが、リンクは未だに重要なファクターのため、リンクビルディングの必要性は多くの人が認識しています。しかし、旧来の手法でリンクを構築しても、効果的な影響は期待できません。数ではなく、質がリンクにも求められていますが、高品質なサイトからリンクを受けるために、どのような手法が用いられているのでしょうか?– SEO Japan

原題:How To Survive The Death Of Link Building

Speakers:
Stephanie Beadell, Content Marketing & PR, BuzzStream (@stephbeadell)
Mikkel deMib Svendsen, Creative Director, deMib.com (@demib)
Kirsty Hulse, SEO Strategist, DigitasLBi (@kirsty_hulse)

Mikkel deMib Svendsen

リンクビルディングは未だ重要
しかし旧来の方法は通用しない。1999年に行っていた方法を用いた場合、失敗するだろう。

リンクの2つのタイプ
Acquired links(構築するリンク)-依頼する・購入するリンク。簡単に構築できるが、自然リンクではないため、ハイリスク。 
Earned Links(獲得するリンク)-自然のリンク。獲得は難しいが非常に低いリスク。

割合
自分の予算の80%以上をEarned Linksのために予算を使い、20%をAcquired linksに使用すること。ゴールはナチュラルなリンクプロファイルの設計。

可視化
リンクプロファイルを可視化し、競合と比べる。使用するツールはMajesticSEO(http://www.majesticseo.com/)やLinkResearch Tools(http://www.linkresearchtools.com/)など。

自然リンクとは
Googleが評価しないと考えていたリンク(nofollowed、Java、画像リンクなど)、は実は獲得する必要がある。今日の自然リンクは多岐にわたっているからだ。

Googleの考え
「コンテンツをよいものにしろ、結果としてリンクはついてくる。」というもの。人がリンクを張ったりシェアをする理由は、それを行う価値があるときだ。

5つの有効なリンクベイトの例
・Toolの作成。今まで誰も使ったことのないような。フリーバージョンを作り試してもらう。
・ゲームと競争。みんな競争(対戦)することが好き。賞をつけるなどして盛り上げる。
・ニュース。ソーシャルなどを確認して、一番初めにレポートする。もしくは、自分でニュースを作る。
・挑発するような内容。エンゲージメントの獲得が非常に見込まれるもの。ただし、ネガティブな影響には気をつけて。
・ユーモア。本当に面白いと思うものを、動画やアニメなどで提供。文化の違いには気を付けて。

Acquired linksが必要な2つの理由
権威のあるサイトからのリンクはやっぱり重要だが、Earned Linksだけでは不十分な場合が多い。
また、ディープリンクもEarned Linksだけでは不十分のため、サブページや各商品ページへリンクを構築する。

Kirsty Hulse

リンクビルディング
リンクは重要なファクターではある。バッドリンクと呼ばれるものでも効果があるケースも確かにあるが、検索エンジンは理解することが可能。リンクビルディングは必要な作業で、その中にEarned Linksを含める必要がある。今回はEarned Linksのオーディエンス側の話をする。

オーディエンスを分析し、Earned Linksを獲得しよう
過去:みんなが好きなコンテンツをつくろう。みんなに見せてリンクしてもらうかを期待しよう。
今:オーディエンスを分析しよう。何が好きかを分析してそのコンテンツをつくろう。

Googleアナリティクスのセットアップ
オーディエンスレポートとインタレストレポートをGoogleアナリティクスでセットアップする。

そのほか
ディスプレイプランナー(Google)やPower Editor(Facebook)。tailwind、Quora compete、follower wonk、quantcast BrandLoveなど。

オーディエンスのセグメント
主要となる属性ごとにグループ分けをする。性別、年齢等。彼らがどんな種類のコンテンツに興味をもっているか?

TGI(http://www.kantarmedia.co.uk/businesses/tgi/)
調査ツール。オーディエンスのより深い分析に訳に立つ。例えば、オンラインでギャンブルする人を分析。93%以上が25-34歳の男性。また、彼らの87%以上が戦争、格闘、コメディ映画を好む。

リンクの開拓
Outdated Content Finder、Image Raider、Broken Link Finder、Fresh Web Explorerなどのツールを使い、メンション等を分析する。あなたのサイトにリンクを張ってくれそうなソースを探す。

Stephanie Beadell

インフルエンサーからリンクを獲得する方法。
リンクビルディングは必要。しかし、スパムな方法は害をなすだけ。その代り、高品質なサイトからのリンクは長期間に渡って効果を出す。インフルエンサーからのリンクの獲得は非常に大きなテーマ。

ターゲットを特定する。インフルエンサーにターゲットを絞る。
以前は多くのサイトに一つのE-mailのテンプレートで大量に送付。それをインフルエンサーだけにしぼり、インフルエンサーごとにメッセージの内容を変えるという方法を採用する。

インフルエンサーの見つけ方
・LITTLE BIRD(http://getlittlebird.com/)。コミュニティ、インフルエンサー、コンテンツを、あらゆるトピックで探せる。バーティカルにも探せる。
・BuzzSumo(http://buzzsumo.com/)。人気のコンテンツを探すことができる。あなたの業界ではどのようなコンテンツが人気か。

インフルエンサーをターゲットする方法。
たった2つのEmailが500のリンクを獲得できることも。彼らにコンタクトをとるときは単純なテンプレートを用いない。メッセージも「良いコンテンツがあるよ!」、と送るのではない。コンテンツを簡単にストーリーをまとめ、興味深い実際のデータなどを表示する。ボディの内容は短め。全体で150ワードくらい。

メッセージの例(アルコール測定のアプリの場合)
悪い例:ACMEヘルスからの良いニュース。
良い例:この新しいアプリでアルコールを測定しよう。
ベストな例:飲み過ぎました?この新しいアプリで測定してみよう。

FacebookとLinkedIn
ジャーナリストやブロガーを特定。会社や職業などで検索。マネージャーに送るべきか?ディレクターに送るべきか?どの業界の人に送るべきか?

比較的小さいインフルエンサー
2つのテンプレートを作る。A/Bテストのように。どちらのテンプレートに反応があるか。多くの人に送る場合はテンプレートを使うが、個々人にカスタマイズするところはする。

Twitter
Twitterセレブではなく、比較的小さいインフルエンサーを探す。ロンドンで有名なリンクビルダーとランドフィッシュキン。ランドへのリーチはほぼ不可能。

Twitterカード
エンゲージメントの増加を狙う。ユーザーからのフィードバックのスペースを残して。

ジャーナリストが発見しやすいようにコンテンツを最適化する。
ワイナリーの例。地域によって見たい場所は違う。ジャーナりストのために最適化してあげる。全米のワイリーの地図→カリフォルニア、東海岸だけのように切り取る。ジャーナリストがコンテンツを探す際に、どのようなキーワードを用いるか?そのキーワードに最適化したコンテンツタイトルに変更してあげる。

前回のSMXでも感じたことですが、上記のようなリンクビルディングの手法は日本ではあまり馴染みのないものだと思います。アメリカやヨーロッパではスタンダードのようで、こうした作業を行う人をリンクビルダーと呼ぶそうです。しかしながら、ツールの多さには目を見張ります。初めて聞くツールも多かったのですが、今後日本でも需要が増すことを期待し、日本発のツールを作成してみては???– SEO Japan

SMX London 2014-長期間におけるSEO。数日間ではなく、数年間にわたって勝つ方法。

SMXではおなじみと言えるセッションの一つ。目先の成功ではなく、長期間に渡って効果を発揮する方法についてのお話です。BingからDuane氏も参加し、検索エンジン側からの意見を聞けるのは貴重だと思います。Googleとは別のエンジンではありますが、どのような内容だったのでしょうか?– SEO Japan

原題:Long-Term SEO: How To Win For Years, Not Days

Speakers:
Duane Forrester, Sr. Product Manager, Bing (@DuaneForrester)
Tim Grice, Director of Search, Branded3 (@tim_grice)
Dave Naylor, MD & Director of SEO, Bronco Ltd (@DaveNaylor)

Duane Forrester

SEOはどのような領域になるか。
SEOは未だ重要。目的はプロダクト(サイト)をより良くすること。

コンテンツ
検索者はコンテンツを探している。それは、”もっとも最適化されたサイト”ではない。彼らには質問があり、その質問に答えることが重要。検索者がコンテンツとどう関わるかを観測することが常に大事。勝者は品質があり、深く、オーソリティがあり、ユニークであるサイト。敗者は重複しており、浅く、低品質なサイト。ショートカットは存在しない。

腕時計の例
メンテナンスなど、単体の腕時計以外の情報も必要。ターゲットユーザーが望む情報をすべて与えることができる存在になる。

ソーシャル
ある領域において権威のあるシグナル。リアルタイムは重要で、検索エンジンはフレッシュなコンテンツを求めている。複数のソーシャルシグナルを統合し、検索者のクリックに影響を与えるようにする。ソーシャルシグナルは何千もある自然検索のシグナルのいくつかにすぎない。
ソーシャルはいずれあなたに影響を与えるであろう人々に、影響を与えること。

ユーザーエクスペリエンス
セクシーではないが、賢い投資先。ユーザビリティは訪問者によいイメージを与える。プラットフォームとデザインに投資せよ。ハッピーなビジターは友達を引き連れて再び訪問する。ユーザビリティはデリケートな領域。
私はSEOの前にユーザビリティに投資する。そして、それはいずれSEOをサポートする。

Bingのマスターツールの例
ボタンの位置、デザインなどを綿密に検討。コンバージョンオプティマイゼーションの考えを導入。

リンクビルディング
トラフィックのために構築する。購入はしない。リンクは常になんらかの価値があり、その中にはあなたが予期しないものも含まれている。内部リンクビルディングを過小評価しないこと。コンテンツ、ユーザーエクスペリエンス、ソーシャルをしっかりしたものにすれば、リンクは自然と集まる。
アルゴリズムでのリンクへの評価が0になった場合、あなたはどうする?

SEO
SEOは未だ価値がある。技術的なSEOは違いを生む。他の戦略とのコラボでさらに良いものとなる。
SEOは検索者とクローラーの両方のために、あなたのサイトを向上させること。

これからは。。。
次世代のローカルサーチ。モバイル検索はどこでも行われている。新しい技術、新しいマーケティングの機会。成功のための革新。
例えば、ナビゲーションにあなたの店を表示させる。タッチして情報を表示させてコンバージョンを獲得する(ローカル)。

Tim Grice

エンゲージメント
高順位のためのキーとなる概念。

ランキングファクター
人気度、ソーシャル、サイテーション、エンゲージメント、リンク、キーワード、アンカーなど

リンクは死んだ!
従来の意味でのリンクはもう存在しない。リンクの意味が昔と違う。リンクに対する考え方と獲得方法を変える。

ランキングと直帰率
訪問者がすぐに帰ってしまうサイトが、高順位にいる理由はない。言い換えれば、訪問者があなたのサイトで行っていることが順位に影響する。エンゲージメントは非常に重要。

パンダアップデート
低品質、ナビゲーションがよくないサイト、行動を喚起しないサイトなどを去らせた。

どこから始めるか?
アナリティクスを使い、低いパフォーマンスを示している部分を探す。訪問者、ユニークビジターなど、どこの数字が低いかを分析する。パンダアップデートによる問題の多くはエンゲージメントによって解決できる。

誰があなたにエンゲージしようとしているのか?
アナリティクス、ソーシャルリスニング、マーケットリサーチなどを駆使し、特定する。フォーラム、ブログ、競合者、サイトサーチなどの調査も行う。

Googleが望むもの
早く、関連性があり、高いユーザーエクスペリエンスを提供し、包括的であるサイト。

リンクビルディン以外で高順位が獲得できるか?
あるサイトの例。ペナルティを受けトラフィックが落ちたが、コンテンツ戦略を行って回復した。

人々の目の前に最高のコンテンツを設置しろ。
直帰率を改善したサイトのグラフ。直帰率の改善とともにサイトの順位が上昇。

まとめ
目的がセールスのみである場合はPPCを使い、その場合は付加価値は必要ない。自然検索結果での上位表示を望むのであれば、コンテンツに付加価値を提供する必要がある。なぜならば、Googleがそれを望んでいるから。仮に、あなたのサイトが高順位を獲得しても、エンゲージメントがなければそれに値せず、いずれその順位を失うだろう。

Dave Naylor

開始すべき場所
バックリンク調査から開始する。GoogleのWebマスターツールと3rdパーティー製のツールを使用する。
 
まだ低品質のリンクがある。
取り除くべきリンクを検索する。スパムサイトに含まれていそうな、”リンクの譲渡”、”ポルノ”、”即日ローン”などの言葉が含まれているアンカーのリンクは全て削除対象になる。

リンクは未だに重要な要素だが、失敗するポイントでもある。
ランキング上昇のために必要な要素ではあるが、ランキング下降の原因となる要素でもある。

バックリンクの分析
バックリンクをクリーンナップする作業から学び、次には何が(検索エンジンを操作した)報いになるかを考える。

長期間に渡って効果を得るために、現在と将来的に検索エンジンが何を評価するかを分析し、自分のサイトに足りない要素を加えること。また、新しく要素を追加する以上に、現在のサイトの状況を細かく分析し、不要な要素を除去・改善することも大事です。ユーザーへの価値の提供がポイントとなりますが、何をどのように追加するかを考え、実行することが今後のSEO作業と言えそうです。– SEO Japan

SMX London 2014-GoogleとBingの中の人になんでも聞いてみよう!

こちらもSMXではおなじみとなっているセッション。検索エンジンの中の人を招き、Danny Sullivan氏がユーモアを交えながら、時に厳しく質問をあびせます。会場からの質問もトークテーマとなっているため、現地参加者の質問から、彼らが何について知りたがっているかを知ることができ。そちらも非常に興味深いです。– SEO Japan

原題:Meet The Search Engines

Speakers:
Duane Forrester, Sr. Product Manager, Bing (@DuaneForrester)
John Mueller, Webmaster Trends Analyst, Google (@JohnMu)

*アジェンダではYandexのEugene Lomize氏も参加予定でしたが、急きょキャンセルとなってしまいました。

(以下、スピーカーは略称を用います。Danny Sullivan=Da、John Mueller=Jo、Duane Forrester=Du。)

Da
構造化データについて
Jo
Googleがサイトの内容を理解するために用いているスキーマのマークアップタイプは多くあるが、ランキングに使用しているわけではない。リッチスニペットを表示させかったらマークアップは必須。Googleは必ずサポートするが、Googleがあなたのサイトを完全に理解・信用していない場合は、リッチスニペットを表示させないと思う。
Da
Bingのヨーロッパマーケットは?
Du
地域によって検索結果が違う現状がある。本当のローカライゼーションに取り組んでいる。国によって検索結果の表示が法律に影響される場合などもある。
Da
ショートタイトルタグの検索結果の表示。ある時はフランスのサイト、ある時はドイツのサイトを表示するときなどがある。
Jo
ブランド名とページタイトルの表示は正しいものを表示させるようにしているが、システムが間違ってしまう場合はある。その場合は、Google+などでその時のクエリとともに知らせて欲しい。修正するから。
Du
Bingも同様だ。エンジニアに実際のクエリと検索結果を見せ、間違っていることを知らせる。このような問題は起こってしまうものだが、修正が必要なものでもある。また、ページタイトルは間違って表記されている場合もある。このような場合は変更させたりしているが、全てユーザーの利便性のために行っている。
Da
パブリッシャーマークアップをしGoogle+との連携も行う。しかし、カンパニーロゴがでてくる。
Jo
パブリッシャーマークアップのテスターは、オーサーの写真が載るべきところに間違ってカンパニーロゴを載せてしまうことがある。これはバグであり、パブリッシャーのロゴは検索結果にはでてこない。

Da
FacebookとBingのパトナーシップ
Du
アメリカでは検索結果に、あなたの友達がいいねしてるよ、と表示。しかし、いいね数をランキングファクターとして直接使用していることはない。
Da
リンクはどう扱っている?
Du
リンクは価値があると思うが、ビジネスモデルによる。トラフィック目的などはうまくいくだろう。SEO目的のためのリンクビルディングは好ましくない。
Da
オーソリティの決定要素は?
Du
トラストと考える。どうやって決定するか?誰かがあなたとあなたのサイトについて話した時、それがトラストが構築される時だ。自分が自分自身のことについて語った時ではない。
Jo
オーサーシップが重要である。良い記事を長く書いている人物は信頼に値する。
Da
ローカルナレッジグラフ
Jo
国ごとの関連性が発見されない場合に起きる。USとUKで違う画面がでり。修正しないといけないが、マークアップの確認は行ってほしい。
Da
同言語別地域のサイト。検索結果に別の国のサイトがでてきてしまっている。タグは設定している。
Jo
個別の事象は確認してみないとわからないが、インターナショナルなWebサイトの場合、hflangの設定は必須であり、Googleが理解するうえで最も重要な要素である。
Da
カノニカルについて
使用する場合、コンテンツは同一であるべき。類似ではなく。
多言語や別地域についての質問が多く、ヨーロッパならではだと感じました。フランスやドイツなど、地理的には近いけれども言語が違う国、イギリスとアメリカのように、地理的には離れているけれども言語が同一の国、などで起こる問題が色々とあるようです。その全てにGoogleが完璧に対応しているわけではないようですが、Webサイト側でも検索エンジンに対してしてあげられることは、しっかりと対応する必要があるそうようです。– SEO Japan

SMX London 2014-2014年版、最も影響のあるランキングファクターは何か?

SMX London 2014のファーストセッションはランキングファクターの最新の分析について。検索エンジンのアルゴリズムが複雑になるにつれ、ランキングの決定要素が多様化していることは周知の事実ですが、現在最も重要視されているファクターとはどのようなものでしょうか?また、データ分析を自分のサイトに運用するための方法を併せて紹介しています。– SEO Japan

原題:The Periodic Table Of SEO Ranking Factors: 2014 Edition

Speakers:
Leonhard Hennig, Chief Data Scientist, Searchmetrics
Grant Simmons, VP Search Strategies, Homes.com / For Rent Media Solutions (@simmonet)
Janaya Wilkins, SEO Consultant, Ayima (@IamJanaya)

Grant Simmons


SEOに影響するファクター
過去2年間で状況が大きく変化。

リンクプロフィールを”非最適化”する。
過去には効果があったため”最適化”されていた要素(今は効果のない要素)を含め、ランキングの下降の原因となる要素を取り除いたり、見直したりする。アンカーテキスト、フッターリンクの除去、(ユーザーのためではなく)検索エンジンへの内部リンクの廃止等。

コンテンツを”非最適化”する
過度に”最適化”されたコンテンツ(大量の低品質なコンテンツ、似たキーワードのランディングページ)を”非最適化”。
自動生成から手動ライティング、パターン化からユニーク化へとシフトし、最適なコンテンツの量を考え、オーソリティを産むコンテンツの作成をする。

現在のトレンドは?
一言でいえば、”クオリティ”。リンク・コンテンツのクオリティとソーシャルレピュテーション。Googleの検索エンジンがパンダアップデート、ペンギンアップデートを通して一番重要視している要素。

コンテンツ
・品質と新鮮さ
・エンゲージメント(直帰率を減らす)
・デリバリー(表示)のスピード(特にモバイル)

リンク
アンカーテキスト、リンク数とペイドリンクに注意する。
クオリティ、新鮮さ、関係性、ソーシャルとの一致などを向上させる。

信頼性の要素
・ソーシャル上の評価、評判
・トピックのエキスパート性
・オーガニックのリーチ

“デジタルフットプリント”を意識する。
信頼性があり、ナチュラルなリンクの獲得。サイテーションとメンションはリンクと同様と考える(獲得すべき対象と考える)。単純にリンクのみを獲得する、という考えは捨てる。

クローリングの向上(XML サイトマップ)
多くのクローリングは、より多くのインデックス化の可能性を意味する。検索エンジンにWebサイトの変化(更新)を素早く伝える。

複数の要素を組み合わせる
全体的に向上させることにより、単体での向上以上の成果を出す。化学反応を起こす。

インデックス化の要素(コンテンツの新鮮さ+クローリングしやすい構造+XMLサイトマップ)
優れたサイトマップとクローリングしやすい効率的な構造を持つサイトに、現在話題となっているコンテンツを置くことで、インデックスの素早さと拡大を狙う。よりフレッシュなコンテンツは高順位に値する。

CTR率の要素(HTMLタイトル+HTMLディスクリプション+構造化データ)
構造化データと最適化されたタイトルタグとメタディスクリプションを組み合わせることで、検索結果の表示をより良いものとさせ、CTRの向上を図る。CTRは非常に重要なシグナルである。

関連性を構築する要素(クローリングしやすい構造+コンテンツ内のワード+コンテンツのエンゲージメント)
ユーザーのエンゲージメントが高いコンテンツを”縦割り”を意識して作成することで、トピックとの関連性を一貫性のあるものにすることができる。サイトの一貫性は非常に重要。オーソリティへと導く。

上記以外にも。。。
要素間の組み合わせは無数に考えられる。関連性のある要素を組み合わせ、そのすべての要素を向上させることで目的となる結果を得られるようにする。

Leonhard Hennig

ランキングファクターとして重要となるもの
大きく分けて4つのグループがある。1.ソーシャル、2.バックリンク、3.オンページ(技術的な要素)、4.オンページ(コンテンツ)。

実験に用いたデータ
Google.com、検索結果で3位以内のサイト、10.000キーワード、自然検索結果(動画も含む)、2014年1月時点。95の要素を分析。それらの平均的な価値から算出。

総括
・ページの技術的な要素は必須。
・ユーザーが求める情報を満たす、関連性のあるコンテンツが課題。
・バックリンクの品質と多様性はいまだに重要。

オンページ(技術的な要素)
データから見ると”サイトスピード”がダントツで重要。その後、”h1″、”ディスクリプション”と続く。
*上記データはあくまで相関関係。例えば、ディスクリプションの重要性は依然として高く必ず含めるべきだが、それが必ず高順位を約束するとは言えない

オンページ(コンテンツ)
・関連性のあるKWがダントツで重要。しかし、単純にキーワードを載せるだけではなく、そのコンテンツが重要であるために十分な量のコンテンツが必要。また、高順位にランクされているサイトのテキスト量は、2013年と比べ、12.5%増加している。

キーワードの理解
検索エンジンはサイトをただの文字列として認識していない。キーワードはコンテンツの一部として認識される。例えば、”Jaguar”の場合は、”車種”、”モデル”、”高級車”などのワードのあるコンテンツ内で使われれば、車のブランドとして認識される。また、”大きい猫”、”パンサー”、”捕食者”などのワードのあるコンテンツで使用された場合、動物として認識される。

順位への影響
クエリ内のキーワードの存在はもちろん重要だが、そのキーワードの内容を示す、関連性のあるワードが含まれていることが重要。データによると、高順位のサイトは関連性のあるワードが十分に含まれている。

バックリンク
リンク数は依然として重要だが、年々重要性が低くなっている。より重要となっているのはリンクの品質。数が少ないながらも、フレッシュなバックリンクが重要になっている。また、高順位のサイトはブランドアンカーの比率が高く、キーワードアンカーの価値が低くなっている。

ランキングに影響しうる新しい概念
モバイル、業界のセクター、多言語(多国)など。

*上記データは全て信頼に値するデータであることとともに、因果関係ではなく、あくまで相関関係であることを、スピーカーは強調しています。

Janaya Wilkins

多すぎるファクター
注力すべきは、自分のサイトの状況。他者からの情報はもちろん参考にすべきだが、自分のサイトに起こったこと、自分の発見を元に考えるべき。同僚や上司からの過度のプレッシャーを防ぐ。

基本的なフレームワーク
1.ゴールの設定、2.深い分析(ツールやデータを使用)、3.プランとプロセス、4.測定・観測・マネージ、5.レビューと修正、が一つのサイクルとなる。ポイントは、全てを一度に変えようとしないこと。一つ一つのステップを大事に。

1.ゴールの設定
何が成功かを決める。あなたの目標に到達するために、何を満たせばよいのか?

2.データツールを決める
ベストな使い方を発見すること。本当に必要なものだけ使うこと。大量のツールを使用している人がいるが、本当にそのすべてが必要なのか?

分析するべきデータ
必要の無いデータは絶対に使わない。荷物の積み過ぎは事故の原因。シンプルに、データをクリーンナップする。

限界を知る
時間、能力を考慮して、ストップをかける場所を探す。その後、もう一度その場所まで戻って、フレッシュな状態で再開すればよい。

全てのリンクは必要なものか?
バックリンクの分析をして、不要なリンクは否認。

3.プランの実行
すでに成功を判断する基準とツールは設定している。あとは実行するのみ。ただし、設定した戦略から外れないこと。あなた自身のKPIを用いること。

4.測定
実行したのち、測定を行う。結果を確認する。実行した後には確認作業が必ず必要。

5.レビュー
全てがプラン通りだったか?そんなことは絶対にない。アダプトし、リファインする。何がうまくいき、何がうまく行かなかったか。そうした一連の学習をし続ける。そしてまた再開する。

個人的にキーポイントと感じた要素は”スピード”。表示スピードやコンテンツの新鮮さ(旬な情報をいち早くコンテンツにするスピード)に加え、リンクの新鮮さ(新しいリンクを獲得するスピード)が課題となっています。また、増加し続けるデータやツールの中から自身のサイトに合ったもののみを選ぶ判断力も大事ですね。この意味での”最適化”も進め、データに埋もれてゴールを見失ってしまう状況というのはぜひとも避けたいと思います。– SEO Japan

SMX London 2014-ハミングバードとエンティティ検索革命

ハミングバードとエンティティについてのセッションです。検索エンジンが過去に用いていた手法と今後使用していくであろう概念の説明、それに伴い、SEOの手法も従来通りとはいかなくなる、ということが話されています。現状、まだまだ完全には進んでいない領域ではありますが、今後の検索エンジンの展望を知るうえで、外せない知識となっています。– SEO Japan

原題:What Is Hummingbird & The Entity Search Revolution

Speakers:
David Amerland, Author, Analyst, HMS Media (@David Amerland)
Justin Briggs, Sr. Manager, Organic Marketing, Getty Images (@justinrbriggs)

David Amerland

ハミングバード
パンダやペンギンのようにGoogleの一部を変更するものではなく、検索エンジン全体を再構築する技術。

検索は、過去は非常に簡単なものであった。
アルゴリズムの仕組みを逆手に取り、結果、スパムなサイト・無関係なサイトも検索結果に表示される。ユーザーがその中から最適な情報を選んでいたため、ユーザーがフィルターの役割を果たしていた。キーワードマッチが主な手段であり、Yandexはこの方法を用いている。

*ここではYandexの検索結果を実例として挙げていましたが、前日に参加したセッションによると、Yandexは言語理解の取り組みをGoogleよりも早く開始していたそうです。Yandexはリンクを検索結果の要素としての使用を一部中止したそうなので、今後の展開が個人的には気になります。

現在のGoogleの場合
検索者の意図を理解する。その人に関連性のある結果を提供。ニュースコンテンツも含めるなど、多様なコンテンツを表示する。

SEOの目的も変化する
以前はGoogleの後を追っていた。Googleが何かを変更したら、それに合わせて変更。現在は検索エンジンではなく、検索にフォーカスしている。関連性などを重視。
以前のSEOはチェックリスト一つ一つを埋めるような行為であったが、ランキングに影響するファクターが増加した結果、ショートカットできなくなっている。

ハミングバードとは?
Googleが過去から考慮していたすべての要素を含めている。

検索は情報ではなく、知識。
ここにエンティティが発生する。全てをコネクトさせる。たった一つのタスクのためにすべてのものを協力しあわせる。

エンティティ
物事の定義をより複雑に、結果、正確にする。検索そのものを変化させるため、SEOのゲームをより難しくさせる。

検索の変化
エンティティは検索を単純に検索エンジンのマトリックスへの依存から、人々のエンゲージメントと相互作用を考慮に入れたものへとシフトさせている。

私たち自身も変化している
文字列から物事へ。また、Webサイトから人々へ。

Justin Briggs

今日、検索において、物事は非常に大事。
“ロンドンでの大きな時計”というクエリに、Googleは”ビッグベン”を表示。また、”想像上の友達を持つ女の子が出ている映画”というクエリに”ドロップ・デッド・フレンド(映画のタイトル)”のサイトを表示。

曖昧なクエリ
検索エンジンの能力をユーザーが信頼するにつれ、曖昧なクエリも増える。結果として、検索エンジンがクエリに対する答えを提供する作業が難しくなるが、そこにマーケターとしての機会がある。検索エンジンがエンティティのための参照となるものを提供する。

バーティカルサーチ
結果の中のいくつかがエンティティとなる。エンティティがランキングにとって需要になる。

文字列を分割する。
1.トーカニザーション(Tokenization)
2.スピーチタグ(Speech Tagging)
3.レマティゼーション(Lemmatization)

トーカニザーション
フレーズをいくつかの部分に分割する。”Who directed pulp fiction(誰がパルプフィクションを監督したか)”という場合は、”Who”と”directed”と”pulp fiction”に分割する。

スピーチタグ
名詞、動詞、形容詞などにわける。”Who(wh代名詞)”と”directed(動詞・過去形)”と”pulp fiction(名詞)”

レマティゼーション
同一の意味でも複数の表現がある場合において、単一のものにする。例えば”am”、”are”、”is”は全て”be動詞”、”car”、”cars”、”car’s”などはすべて”車”とする。

これらはどのように活かすのか?
あなたのブランドをエンティティにするため、これらのデータを活かして簡潔に構成する必要がある。

文字列から構造化クエリへ。
ソースにマークアップする。監督は誰か?の質問の場合、監督がタグ付けされているとGoogleはそれを使用する。

ナレッジグラフ最適化
データソースをクリーンナップし、リストをアップデートする。強固で正確な情報を提供することで、Googleが理解しやすいようにする。結びつきと関連性を定義する作業。

構造化データを使う
単純にキーワードを使用するという考えではなく、関連するエンティティを結び付け、適切なコンテンツに配置することで、Googleが理解できるようにすること。

エンティティはコピーして使用する
つまりは、一貫性を持たせるということ。フリーべースなどに倣い、バラバラに使用しない。

コンテンツ
ユーザーが検索に用いるキーワードではなく、エンティティとして考える。クエリに使用されるキーワードを使用しなければならないわけではない。なぜなら、Googleはコンテンツの意味を理解するから。そのため、クエリに対して自然に答えることのできるようなコンテンツを提供する、という考えが大事。

イーコマース用のエンティティ検索
スキーマをコンテンツにマークアップ。価格の表示など。Googleにあなたが何を売っているかを伝える。

概念の話しが多かったため、やや理解しづらい印象がありました。一貫して述べられていたことは、単純なキーワードのゲームから、関連性の重視へとシフトしているということ。意味の決定がコンテンツ内の複数の要素からなされるため、いわゆるスパムな方法で上位表示をさせるのは非常に厳しくなっていくと思います。英語での理解もまだまだ発展途上のようなので、日本語への対応はもう少しかかると思いますが、非常に重要な分野であるため、引き続き詳細を追いたい分野であります。– SEO Japan

SMX London 2014-セッションダイジェスト2日目

SMX London 2014の2日目のダイジェストです。初日同様、SEOのセッションをメインに参加しています。
今回の記事は2日目のダイジェストとなっておりますが、各セッションの詳細レポートは後日アップさせていただきます。– SEO Japan

SMXLondon2日目の画像

新時代のリンクビルディングの取り組み方
(原題:How To Survive The Death Of Link Building)

概要
旧来のリンクビルディングはすでに通用せず、リンクビルディングのコストは増加し続けている。効果的なリンクビルディングの手法が求められているが、どのようにして行うべきか。

・リンクの構築から獲得へ。
・ターゲットの分析が、コンテンツ作成の前に必要なこと。
・インフルエンサーへのアプローチの仕方。

上級SEOのためのマークアップ:マイクロデータ・スキーマとリッチスニペットについて
(原題:From Microdata & Schema To Rich Snippets: Markup For The Advanced SEO)

概要
構造化データの基本的な説明から、実際に導入したサイトの事例を紹介。順位への影響が見られたという事例の紹介もあったが、あくまでスピーカー独自の見解のため、直接的な原因とは考えられないと思う。

・スキーマをマークアップするべき理由。
・ケーキレシピサイトへの導入事例。
・マークアップは可能だが、忘れられがちな分野

一歩進んだSEOの技術的なお話し
(原題:Technically Speaking: Advanced Technical SEO Issues)

概要
SEOに有効だという目的でページを作成する手法はやめにしよう。ユーザビリティを最大の目的とする上でのサイト構築の仕方が求められている。

・大量のページ作成が有効だったのは過去の話し。
・不要なページを削除するサイト全体の最適化。
・AJAXを使用した、セールスサイトの改善実例

Google+のABC:オーサーシップからパーソナル検索結果まで)
(原題:Winning Google Through Google+, From Authorship To Personalized Results)

概要
Google独自のSNSであるGoogle+。活用方法と活用した場合のアドバンテージなど、具体例を用いて紹介するセッション。

・Google+のセットアップ
・Google+の活用法
・ホテル事業のGoogle+を活用した実例

2日間(実際にはプレセッションにも参加したので3日間ですが)という短い期間でしたが、両日とも興味のあるセッションが多く、充実したイベントでした。
ヨーロッパには多くの国があり、各国にGoogleが存在しています。中でも、イギリスのGoogleが最先端ということで、様々な国の人が参加していました。セッションの合間やパーティなどで出来る限り多くの方と話しましたが、お互いの国の状況を伝え合い、非常に有意義な時間を過ごすことが出来ました。こうしたセッション外での情報交換も含め、あまり馴染みのないヨーロッパの現状の理解を深めることができたと思います。– SEO Japan

SMX London 2014-セッションダイジェスト1日目

5/13-5/14に渡って開催されているSMX Londonに参加しています。前回のSMX West 2014と同様、アイオイクスSEO事業部の本田と菅尾が訪れています。
今回は現地の情報収集を目的としているため、参加者やスピーカーとの交流に時間を割いています。そのため、今記事は参加したセッションのダイジェストとなっています。各セッションの詳細レポートは週明けに順次アップさせていただきます。
ヨーロッパにおけるSEOの情報はなかなか入ってこないため、参加者との交流を含め、どのような話しが聞けるか非常に楽しみです。– SEO Japan

2014年版、最も影響のあるランキングファクターは何か?
(原題:The Periodic Table Of SEO Ranking Factors: 2014 Edition)

概要
Search Engine Landで掲載された記事のより深い説明という位置づけ。ランキングファクターの中で重要視されているトピックを、実験データとともに紹介。

・3つのトレンド(品質と新鮮さ、エンゲージメント、表示スピード)
・ユーザーが望むコンテンツ、オンページの技術的な要素、バックリンクの質。
・必要なファクターの特定プロセス(ゴールの設定→深い分析→プランニング→測定→レビュー)

ハミングバードとエンティティ検索革命
(原題:What Is Hummingbird & The Entity Search Revolution)

概要
ハミングバードとエンティティについてのセッション。従来型の検索との比較と今後の展望について。

・パンダやペンギンのようにGoogleの一部を変更するものではなく、ハミングバードは検索エンジン全体を再構築する技術。
・エンティティの概念が物事の定義をより複雑に、そして、結果としてより正確にする。
・文字列から物事へ。

長期間におけるSEO。数日間ではなく、数年間にわたって勝つ方法
(原題:Long-Term SEO: How To Win For Years, Not Days)

概要
リンクが、以前と比べ、ランキングファクターとしての重要度を下げている。必要となるファクターとは何か?リンクプロフィールを見つめ直すのは、どうすればよいのか?

・ユーザビリティの改善への投資。
・エンゲージメントは高順位のためのキーファクター。
・リンクプロファイルのクリーンナップのすすめ。

検索エンジンの中の人になんでも聞いてみよう!
(原題:Meet The Search Engines)

概要
GoogleのJohn Mueller氏、BingのDuane Forrester氏を交え、Danny Sullivanとともに様々なトピックについて話しあうセッション。なお、Yandexの方は欠席。

・ヨーロッパにおけるローカライゼーションへの取り組み。
・FacebookとBing
・オーソリティの決定要素。

前回行われたSMXから3ヶ月ということもあり、劇的な変化というものは正直感じられませんでした。ランキングファクターの分析や構造化データ、リンクビルディングの方法など取り組むべき課題は共通しているようです。ヨーロッパの地理的な状況からか、多言語への取り組み、各国のGoogleの状況などへの注目の高さは感じました。繰り返しになりますが、各セッションの詳細なレポートは後日作成する予定ですので、そちらの記事もお読みいただければと思います。– SEO Japan