【中国の近況】政府がByteDanceに出資、Amazonの中国販売業者取り締まりは続く

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先週、中国政府がByteDance(バイトダンス)に資本参加したことで投資家たちの不安は増大した。TikTok(ティックトック)の親会社にして世界最大級の非上場インターネット企業だ。一方でAmazon(アマゾン)による中国販売者の取り締りは続き、中国南部の多くの業者を廃業に追いやり、政府は包括的データ保護法を可決しせ11月に施行される予定だ。

国の資本参加

中国政府による国のインターネット巨人の制御を強める大計画は続いている。今週、The Informationは、ByteDanceの国内事業体が4月に株式の1%を政府関係機関に売却したことを報じた。この取引は企業情報の公開データベースであるTianyancha公式企業登録簿にも記載されている。

この動きは突然起きたのではない。中国政府は非上場テック企業の少数株取得を2017年から考慮していた。当時The Wall Street Journalは、インターネット規制当局が、WeChat(ウィーチャット)運営者であるTencent(テンセント)、Twitter(ツイッター)類似サービスのWeibo(ウェイボ)、YouTube類似サービスのYouku(ヨーク)などの企業の1%株を取得する検討をしていると報じた

2020年4月、China Internet Investment Fund(中国インターネット投資ファンド)の子会社、WangTouTongDaはWeibo株の1%を1000万中国元(1億6900万円)で購入した。Weiboの米国証券規制当局への提出書類による。Weiboはこの書類で、WangTouTongDaの国との関係について言及しなかった。

同様に、ByteDanceは株式の1%を、主要規制機関が指定した3つの団体、China Internet Investment Fund、共産党中央宣伝部が制御するChina Media Group、および北京市政府の投資部門に売却した。

ByteDanceに対する中国政府の動きを受け、米共和党のMarco Rubio(マルコ・ルビオ)上院議員は今週、米国でTikTokをブロックするようジョー・バイデン大統領に緊急要請した。

ByteDanceの少数株を取得することで中国政府がどれほどの力を得るのか正確にはわからないが、Weiboによる投資家への情報開示がいくつかヒントを与えている。

同政府がWeiboとByteDance両方の国内事業体の株を取得していることは注目すべきだ。中国のインターネット企業は、中国本土の事業が契約上の合意を通じて金銭的利益を得られる資格をもつ海外事業体を設立することがよくある。この枠組は変動持ち分事業体(VIE)と呼ばれる。この構造によって中国企業は海外での資金調達が可能になるが、海外投資を制限する中国政府による監視が強まっている。

Weiboは提出書類の中で、出資者である国有企業のWangTouTongdaが、Weiboの国内事業体の3名からなる取締役会の役員1名を指名できるようになり、コンテンツや将来の資金調達に関する特定の要件に対する拒否権を得ると書いている。

ByteDanceも同様の契約を同社の国有出資者と結んでいる可能性が高い。中国政府はケイマン諸島法人の独立海外事業体の子会社であるTikTokの株式は取得していない、とThe Informationは指摘している。これは米国規制当局に多少の安心化を与えるものだが、中国政府による海外中国企業の支配に対する懸念が消えることはないだろう。

実際バイデン政権は2021年6月、ByteDanceとWeChatを禁止したトランプ時代の命令をより精査されたポリシーで置き換え、安全保障上のリスクを生む可能性のある「外国の敵対者」とのつながりについて、商務省によるアプリの審査を必須とした。

TikTokは中国政府へのユーザーデータ引き渡しに関する告発と戦ってきた。ByteDanceは米国で2021年4番目のロビー活動費使用者であり、Amazon、Facebook、およびAlphabetに続いている。中国政府による投資によって、さらに多くの活動費が必要になるだろう。

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窮地のAmazon販売業者

5月に私はAmazonが中国最大級の販売業者数社を、同プラットフォームの規約に違反したとして利用禁止にしたことを報じた。偽レビューやユーザーに肯定的レビューを書かせるために報酬を支払うなどの行為による。厳しい取り締りは中国のオンライン輸出業者をパニックに陥らせ、それはAmazonによる1回限りの不意打ち攻撃ではなく、長引く戦争になった。影響を受けた中国業者の正確な数は明らかにされていないが、業界ウォッチャーのMarkeplace Pulseなどは、7月初め時点で「数百社の」中国販売業者が停止されたと言っていた

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罰せられたアカウントは利用禁止となりされ、Amazonによって商品は差し止められ入金は凍結されている。世界のAmazon販売業者の大半が拠点を置く深圳では、最近だけで数千人が解雇された。深圳のある大規模販売業者のオーナーは、大損害を理由に最近自殺したと知人が伝えた。

取り締りを生き延びた販売業者は、Amazonによる襲撃は「遅かれ早かれ起きたこと」だと語った。私が話した業者のほとんどが同じ意見だった。シアトルの巨人Amazonは現在、価格とランキング操作だけで競争するジェネリック製品ではなく、品質とデザインを求めている。

中国政府もこの事象に注目した。商務部の高官は7月の記者会見で、相次ぐアカウント閉鎖について中国輸出業者を「水から出た魚」になぞらえた。

「世界の法律、文化、ビジネス慣行の違いのために、[中国]企業は海外進出においてリスクと難題に直面しています」と商務省のLi Xingqian(李興乾)対外貿易局長は言った。

「私たちは企業がリスク管理を改善し国際貿易標準を遵守する手助けをします」。一方で同氏は「各プラットフォームにはさまざまな企業による重要な貢献を大切にし、異なる取引相手を十分に尊重する」よう要請した。

データ保護

最後に、中国は先週、包括的なデータ保護法を可決した。同法はテック企業によるユーザーのデータ収集の方法を厳格に制限しているが、国家による監視には影響を与えない可能性が高い。この2020年提起された規制法案は11月1日に発効する。詳しくは以下の記事を参照されたい。

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画像クレジット:Photo by VCG/VCG via Getty Images

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(文:Rita Liao、翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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