もし私たちがIoTに関わらなければならないのなら、衣服もその仲間に入れないことには意味がない。しかし、衣服は着用され、洗濯され、束ねられ、折りたたまれなければならない。そうした扱いすべてに耐え得る電子機器を作るのは困難だ。それでも多くの試みが重ねられて来ている。その最も新しい試みの1つが、ハーバード大学ウィスインスティテュートによるものだ、これはシンプルだが効果的なレイヤー手法を用いて、耐久性がありカスタマイズ可能な、柔軟なセンサーを生み出すものだ。
これはとても基本的なものである、すなわちシリコンの充填物の上下を導電性の布地の層で挟んだ素材のサンドイッチだ。布地が伸びると、シリコーンは薄くなり、導電層が互いに接近して、それらの間の静電容量を変化させ、異なる電気信号を生成する。
液体シリコーン上に布を置くことで、加工を可能にし、層を物理的に固定化されたものにする。このため信号はより予測可能となり、布地はいつでも基本静電容量に戻ることができる。その一方、わずかな曲げや伸びがあっても、測定可能な変化が生じる。また、任意の大きさと形状の布片に細断しても機能する。
チームは複数の素材を組み合わせて作った手袋で、個々の指の微妙な動きが簡単に検知できることを示した。
この素材について説明した論文の、共著者の1人である大学院生のVanessa Sanchezは、ハーバードのニュースリリースの中で「センサの感度が高いということは、手全体を開いているか握りしめているかだけではなく、1本の指をわずかに動かすなど、小さな動きを区別する能力があることを意味します」と語っている。
これはスポーツからバーチャルリアリティまで、あらゆる種類の産業に対して恩恵をもたらすものかもしれない。身体追跡を行なうための現在の手段は、例えば拳に装着する外骨格のようなものや、運動着の内側に付けるストップウォッチサイズのトラッカーなどのように、硬く奇妙なものが多い。
とはいえ、この材料はまだ初期の段階だ。信号は非常にシンプルなので、慎重な工夫を凝らすことなしに、方向性を持たせることは基本的にはできない。つまり、システムは対象が曲がっていることは検知できるが、左右のどちらに曲がっているかを検知することはできないのだ。とはいえ、私は賢いエンジニアが、信号処理か、異なる切断方法を行って素材に貼り付けることによって、この問題を解決してくれると信じている。
チームはAdvanced Materials Technologiesの最新号作成手順を詳述している。もし自分で試してみたいと思っている人は、ハーバードのSoft Robotics Toolkitページでも詳細を読むことができる。
[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)