インターホンシステムの製造・販売を行い、8月から製品の出荷を開始したNucleusが、シリーズAで560万ドルの資金を調達した。
このラウンドでリードインベスターとなった、AmazonのAlexa Fundは、Alexaのテクノロジーを利用した製品を開発している、将来有望なスタートアップへの投資を行っている(Nucleusも、最近Alexaの音声認識機能をサポートしだした)。そのほかにも、Joe MontanaのベンチャーファンドであるLiquid2BやBoxGroup、Greylock Partners、FF Angel、Foxconn、そしてSV Angelが今回のラウンドに参加した。
Nucleusのローンチ前に同社は、スマートホームインターホンという製品が、最新のガジェットに目がないテクノロジー通のアーリーアダプターだけではなく、さまざまな人にアピールできるものだという仮説を持っていた。
そのため、同社はAmazon以外に、500軒ものLowe’s(アメリカのホームセンター)の店頭でNucleusを販売しており、これまでIoTデバイスの購入を考えていなかったような人にも、Nucleusを実際に見る(そして購入する)機会が生まれた。その結果、Nucleusは販売開始からたった1ヶ月でアメリカの47つの州にユーザーを抱え、東海岸や西海岸のテクノロジーハブ以外でも、同製品にマーケットシェアを獲得できる力があることを証明したのだ。
Nucleusの主要顧客が、スマートデバイスの動向に特に注目していない人、ということも同社の成功の背景にある。Nucleusの共同ファウンダー兼CEOであるJonathan Frankelは、同社のユーザーの多くが、もともとは家庭用のインターホンシステムの購入を考えていた人たちだと説明する。しかし、彼らは旧来の音声通話機能しかないインターホンシステムが、何千ドルもする(そしてNucleusの10分の1程の機能しか備えていない)ことを知ると、大体の場合、その代わりにNucleusを喜んで購入するという。
もう一方の主要顧客が、遠く離れた場所に住む親戚の様子を確認したり、彼らと連絡を取り合ったりしたいと考えている人たちだ。彼らは、通常複数台のNucleusを購入し、1、2台を自分の家用に、そしてもうひとつを、様子を確認したい相手用に利用している。
上記の2つの主要顧客グループ間で、ユーザーは平均してひとりあたり3〜4台のNucleusを購入している。さらに、Nucleusは複数台購入すると、一台あたり249ドルから199ドルに値段が下がるため、これもユーザーが追加で1台(もしくは2台)購入するのを後押ししているようだ。
Nucleusは、今回の調達資金を製品開発力の強化に利用する計画だ。さらに本日(米国時間9月21日)同社は、家庭用電話/インターホンシステムの開発を行うIlyの買収計画を発表した。なお、Ilyは、6月にクラウドファンディングで資金調達を行っている。Nucleusは、Ilyの買収によって、既に家庭用インターホンに精通したエンジニアチームを新たに獲得することができると説明しており、買収が無事完了すれば、Nucleusは新たな機能をユーザーに対して素早く提供できるようになるだろう。
Nucleusは、バックグラウンドで自動的にOTAアップデートされるため、開発チームは難なく頻繁にアップデートをユーザーに届けることができ、既にNucleusのチームはそのような体制をとっている。
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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter)