インド人技術者は自国の社会開発に注力を, 草の根コラボの拠点Codeforindia

[筆者: Mahesh Sharma]
【抄訳】

大型ハリケーン、サンディのとき、テクノロジ側からの復興努力をコーディネートした人物が、今度はもう一つ別の、焦眉の状況に対応しようとしている。インドの、衰退が進む社会基盤だ。その人物、Menlo VenturesのパートナーKarl Mehtaは、個人のお金でWebサイトcodeforindia.orgを立ち上げ、西欧で教育を受けた若いインド人ソフトウェアエンジニアを、あの亜大陸で努力している非営利活動家たちに結びつけようとしている。

アメリカやそのほかの国々で仕事をしているインド人プログラマのことをDesi(サンスクリット語で国外離散者の意味)と呼ぶが、すでに数百名のDesiたちがこのサイトにボランティアして、二つのアプリケーションを作った。そのうちの一つ”adopt-a-school“〔仮訳: 学校はあなたの養子〕は、人びとを地域の学校に意識的に関わってもらうためのもの。デベロッパとソーシャルワーカーたちは、協力と連絡のためのメディアとしてWikiを用いる(現状で6つのプロジェクトがあり、ディスカッションのページもある)。プロジェクトは主に、4つの分野に力を入れる: 教育、起業、食料、水。

目的は、技術的な能力をインド社会が今切望してやまないものに注ぎ込むことだ。インド各地に地元で活動しているソーシャルワーカーたちはいるが、十分なリソースがないため活動を州とか国レベルに広げていくことができない。

“ボパールでもビハールでもカシミールでも、どこでも地元のパートナーを求めている。私たちは、その人たちを技術で支えたい”、とMehtaは言う。“NGO的に活動している善意の人びとは数百万人はいると思われるが、ほとんどの人がテクノロジに関して無知で、またテクノロジを導入するためのリソースもない。だから、NGOは多くても、ほとんどの人たちが活動を拡大できないのだ”。

【中略】

インドでは、西欧人の善意で始まる社会的活動は多いが、ほとんどが尻すぼみで終わる。Methaは、主体がインド人Desiたちならばデベロッパたちの関わりが今後も持続する、と信じている。また、インドでこれまでうまくいったスタートアップやビジネスは、西欧世界のようにクールで華やかなものではない。たとえば最近Ibiboが買収したRedBusは、全国のほとんどすべてのバス会社の乗車券を、ここ一か所で安全確実に買える。FlipKartは、クレジットカードのない人が代引きで何でも買えるネットショップだ。また三行広告のJustDialは充実した企業情報を誇り、情報の精度ではGoogle検索をしのぐ、と評価されている。

オバマ政権下で大統領直属のイノベーションフェローでもあるMehtaは、ハリケーン・サンディのときの技術者たちやテク企業が提供する復興努力をみて、とても大きな長期を要する問題(インドの地域社会開発)にデベロッパの無償協力を結びつけることを考えついた。デベロッパこそが、中心的に活動すべきだ、と。

“サンディのときは、デベロッパたちがガソリンスタンドや電力会社などのプライベートセクタと、政府諸機関と、罹災者たちをリアルタイムの情報ネットワークで結びつけた。その自然発生的な協力体制を見て、この方式はインド社会を助けることができる、と直感した”、Mehtaはそう言う。

彼曰く、インドでは往々にして政府が何かの実現者であるよりもむしろ妨害者である。だからこそ、草の根レベルの、そして技術をバックボーンに持つ、社会開発ネットワークが真価を発揮するのだ、と。

[画像クレジット: Pollinate Energy]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


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