イーロン・マスク氏、Hertzが実際にはまだテスラEV10万台を発注していないとツイート

米国時間10月25日のHertz(ハーツ)のプレスリリースによると、同レンタカー大手はレンタル用にTesla(テスラ)Model 3を10万台発注したとのことだった。しかし11月1日、イーロン・マスク氏は「まだ契約は結ばれていない」と述べ、注文が確定したとは言い難いことをツイートしたと米Gizmodoが報じた。

Hertzの発表では、次のように述べられていた。「北米最大のEVレンタルフリートを提供るための重要な投資を行いました…【略】これには、2022年末までに10万台のTesla車を初期発注することが含まれています」。この発表とBloombergの報道は、欧州での販売に関する他の良いニュースと相まって、投資家のモチベーションを高め、Teslaの価値を1兆ドル(約113兆円)の大台に押し上げたかもしれない。

Hertzはつい4カ月前に、不良債権処理会社のKnighthead Capital Managementなどに60億ドル(約6800億円)で買収され、破産を脱したばかりだ。そのため、約42億ドル(約4780億円)相当のEV10万台を購入するという発表は、明らかに人々を驚かせた。

しかし、Gizmodoが指摘するように、Hertzは厳密には車両の契約書や発注書に署名したとは言っていない。「2022年末までに10万台のTesla車を初期発注」という表現は、2022年末までに車両の納入ではなく、発注そのものを意味するとも考えられる。Tesla自体は、この最初のニュースに関しては何もコメントしていなかった。

マスク氏のツイートは、ツイッターユーザー「Tesla Silicon Valley Club」に返信する形で投稿されたもの。元の投稿は、最近のTeslaの株価上昇に感謝していた。しかし、マスク氏は、Hertzとの契約が同社の売上や収益に影響を与えることはないと述べ、誇大広告を抑えようとしているように見えた。

「Teslaは生産台数よりも需要の方がはるかに多いため、Hertzに対しては消費者向けと同じマージンでしかクルマを販売しません。Hertzとの取引が、当社の経済力に与える影響はゼロです」と同氏は述べた。

編集部注:本稿の初出はEngadget。著者Steve Dent(スティーブ・デント)氏は、Engadgetのアソシエイトエディター。

画像クレジット:Tesla

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(文:Steve Dent、翻訳:Aya Nakazato)

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TechCrunch Japan

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