スマートフォンを風速計に変身させるVavuudは電子回路をまったく使わない珍品

スマートフォンの中にはいろんなセンサーがある。でも、それで十分だろうか? 多くのハードウェアスタートアップたちが、声を揃えて「ノー!」と言う。デンマークのVavuudも、最近その合唱に加わった。VavuudはKickstarterで資金を集めて、スマートフォンを使う風速計を作ろうとしている。しかもそれは、不思議なことに電子回路をいっさい使わずにiPhoneやGalaxyに正確な風速値を伝える。

Vavuudの風速計を使うと今いる場所の風速を簡単に計ることができ、しかもその装置は格安でうそみたいに単純だ。ケーブルなどをまったく使わずに、スマートフォンのヘッドフォンジャックに直接装着するのだが、そのためむしろ安定感がある。回転子に二つの磁石が付いていて、回転によって起きる磁界の変化をスマホ側が拾って、ふつうは音響処理に使うアルゴリズムがそれを風速データに翻訳する。Vavuudの協同ファウンダThomas P. Helmsによると、テストはiPhone 4, 4S, 5, それにGalaxy S IIとS IIIで行い、デンマーク大学にある風洞を使って精度を正確にした。

“スマートフォンで磁力計をこのように利用したのは、うちが初めてだと思う。われながら、クールだと思うね”、Helmsがメールでそう言った。“また、機械的な部分でも、とてもシンプルだからクールだね。アルゴリズムは相当複雑な数学を使ってるんだけど”。

Vavuudは磁界センサーのある最新のスマートフォンならどの機種でも使えるはずだ(つまりほとんどの機種で)。だからこれまでのテストのサンプル数が少なくても、支援者はそれほど気にしないだろう。Vavuudは、風速を知る必要のある人なら誰でも使える。ウィンドサーファーとか、ヨットや船に乗る人、パラグライダー、模型飛行機を飛ばす人、などなど。

“サーファーや船乗りたちはこれまでずっと、オンラインの風力計を求めていた。クラウドソースな風情報を、そこで共有したいと思っていたのだ”、とHelmsは説明する。“風は、まわりの状況、たとえば山があるとかや、気温などの気象条件で変わるからね”。

VavuudのWind Meterは、今年の6月に発売予定だ。予約価格は、15ポンドから。iOSやAndroid用のアプリも、同時期に提供される。それに、温度計Thermodoの場合のように、Vavuudも、それが集める外界の情報を利用する、いろんなおもしろいアプリも今後登場するだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))