Tesla(テスラ)は4月29日、第1四半期の売上高は59億8500万ドル(約6400億円)で、最終損益は1600万ドル(約17億円)の黒字だったと発表した。車販売利益の改善や営業費用の削減が貢献した。
新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックによりオペレーションが停止し、販売も落ち込んだため、第1四半期の売上高は2019年第4四半期よりも少なかった。しかしTeslaはなんとか利益を確保し、COVID-19による混乱にもかかわらず、3四半期連続の黒字となった。
同社の決算は複雑だ。米国会計基準で利益を確保した一方で、フリーキャッシュフローは8億9500万ドル(約960億円)のマイナスとなった。同社は2020年にフリーキャッシュフローをプラスにすることを目標としていた。
Teslaの黒字は、営業費用が2019年第1四半期に比べて13%減となったことと、車販売利益の改善によるものだ。同社はまた、ゼロエミッション車規制制度で得られるクレジットを昨年よりも多く現金に換えた。同社はクレジットからの収入を自動車売上高に計上している。
自動車販売の粗利益率は25.5%となり、前年同期の20.2%から改善した。クレジットからの収入を自動車販売に加えていて、その数字から粗利益率が算出されている。第1四半期のクレジット額は3億5400万ドル(約380億円)で昨年同期比64%増となった。昨年のクレジット収入は第2四半期以降に1億1100万〜1億3400万ドル(約120〜140億円)に落ち込んだ。
59億8500万ドルという売上高は、前四半期の73億8000万ドル(約7900億円)より19%少ない。しかし昨年同期の45億ドル(約4800億円)からは32%の増加だ。
最終損益は1600万ドルの黒字で、1株あたり利益は9セント(約9.6円)だった。この数字は1億500万ドル(約110億円)の黒字だった前期より85%少ない。前期の希薄化後の1株あたり利益は56セント(約60円)だった。ただ、今回の第1四半期の決算内容は、7億200万ドル(約750億円)の赤字だった前年同期よりもずいぶんいいものだ。
一時的な項目調整後では、2020年第1四半期は2億2700万ドル(約240億円)の黒字で、1株あたり利益は1.24ドル(約132円)だった。
同社の現金及び現金同等物は、前四半期よりも18億ドル(約1900億円)増えて81億ドル(約8700億円)となった。主に2月の23億ドル(約2500億円)もの資金調達による増加だ。
第1四半期はTeslaにとってマイルストーンづくしとなった。上海工場が量産を開始して初めての四半期であり、同社がModel Yの生産と販売を開始した四半期でもあった。
同社は先に発表していた、2020年に50万台販売するという目標はまだ据え置いているが、目標を達成できるとは言っていない。生産の一時停止にもかかわらず、今年50万台超を販売できるだけの生産能力にしたと同社は述べている。
「米国の工場に関しては、我々とサプライヤーが操業再開後すぐに生産増やせるかは不透明だ。各サプライヤーや行政と緊密に連携を取っているところだ」と同社は株主へのレターで述べた。
同社が決算を発表した前日に、CEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏は彼のフォロワー3340万人に向けて「FREE AMERICA NOW」とツイートした。これはベイエリアの一部が外出禁止措置を5月末まで延長することへの反応だ。同社はパロアルトに本部を置き、主力工場といくつかの関連施設はカリフォルニア州フリーモントにあり、いずれも外出禁止例が出ている。
同社は3月24日に生産を停止した。5月4日に再稼働させる計画だった。ネバダ州スパークスの工場やニューヨーク州バッファローのソーラー施設など米国内の他のオペレーションも一時停止している。
4月初めにTeslaは、第1四半期の販売台数が8万8400台だったと発表した。ほとんどのアナリストの予想を上回るものだったが、COVID-19パンデミックによる需要押し下げやロジスティックの混乱で前四半期比21%減となった。
同社は第1四半期に前四半期より2%少ない10万3000台の電気自動車を生産した。
画像クレジット: Tesla
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(翻訳:Mizoguchi)