ファーウェイCFOの米国への引き渡しにカナダ政府が青信号

昨年、ファーウェイの孟晩舟(Meng Wanzhou)CFOが、米国のイランに対する貿易制裁に違反したとして、カナダのバンクーバーで逮捕された。今週カナダ政府は、この役員の引き渡し事務の開始を認めると発表した

カナダ司法省の職員が、作業着手認可を発行した。それは引き渡し処理を公式に開始するという布告であり、その処理により孟氏は米国に送られて告訴される。

孟氏はファーウェイの任正非(Ren Zhengfei)ファウンダーの娘だが、彼女は同社と米政府との間で進行している紛争のまっただ中に置かれてしまった。1月には、米国による制裁を回避するために行われた問題の銀行詐欺と彼女を結びつける告訴状が公開された。

今回カナダ司法省は、こんな声明を発表した。「この決定は本事件の証拠を詳細かつ入念に検討した結果下された。当省は、逃亡犯人引き渡し法に定める作業着手認可の発行要件が満たされ、かつ十分な証拠のもとに引き渡し判事の決定が行われたことに満足している」。

声明は、これが引き渡しに向けての第一歩にすぎない、とも言っている。判事が事件を審理し、次に法務大臣が審理して、最終的に孟氏の引き渡しを決定する。

アップデート: 孟晩舟氏の弁護団が、米国時間3月1日のニュースに関する次のような声明文を本誌に提供した。

米国の告訴が政治的な性質のものであり、米大統領が繰り返し、それが貿易問題をめぐる米国の中国との交渉に役に立つと思えるなら孟氏の事件に介入すると述べているにもかかわらず、法務大臣が作業着手認可の発行を決めたことに、われわれは失望している。

われわれはまた、その違反とされる行為が米国で行われ、カナダでは行われていないにもかかわらず、カナダの法務大臣が作業着手認可を認めたことを懸念している。これは、引き渡しの基盤的な原則である双罰性に真っ向から違反している。

われわれのクライアントは、いかなる悪行に関しても自分は無罪であり、米国の訴追と引き渡しは法のプロセスの濫用を構成すると主張している。

われわれのクライアントは、引き渡し過程の法的局面において彼女の権利が擁護されることを期待している。

画像クレジット: Ben Nelms/Bloomberg/Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

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