Ford Motor Company(フォード・モーター・カンパニー)は、自動車関連のeコマースおよび決済体験を拡張するため、オンライン決済プラットフォームのStripe(ストライプ)と5年間の契約を締結した。Stripeは車両を注文・予約する際の決済手続を円滑にするだけでなく、フォードの法人顧客のために融資オプションを提供したり、顧客がウェブサイトから支払いを行った場合、それを地元のフォードや(同社の高級車ブランドである)Lincol(リンカーン)のディーラーに正しく伝達する役割を果たすことになる。
フォードによると、同社は2022年後半よりStripeの技術を導入する予定で、まずは北米から始めるが、欧州で展開することも計画しているという。Stripeは2021年、評価額950億ドル(約10兆9000億円)で6億ドル(約690億円)の資金調達ラウンドを実施しており、その資金を欧州への事業拡大に充てると述べていた。
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Stripeとの提携は、フォードが2025年までに300億ドル(約3兆5000億円)の投資を予定している電動化と成長戦略の大規模な再建計画「Ford+(フォード・プラス)」の一環だ。この戦略的な決定は、特に新型コロナウイルスの影響で自動車メーカーが顧客の要求に応える能力が低下したため、自動車業界の多くが短期的にリターンを得られる可能性の高い技術に投資しようとしている動きと軌を一にしている。フォードとリンカーンは、最近ではAmazon(アマゾン)のFire TVのような、多くのサブスクリプションサービスを追加しようとしており、この自動車メーカーが強固なデジタル決済プラットフォームを確立しようとすることは理に適っている。
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「成長と価値創造に向けたFord+計画の一環として、強力な専門知識を持つプロバイダーをどこに導入するか、そしてお客様のためになる差別化された常時接続型の体験をどこで構築するかということについて、私たちは戦略的な決定を行っています」と、フォードの金融サービス部門であるFord Motor Credit Company(フォード・モーター・クレジット・カンパニー)のMarion Harris(マリオン・ハリスC)EOは声明で述べている。「Stripeが開発してきたユーザー体験の強力な専門技術は、当社のお客様に簡単で直感的かつ安全な決済プロセスを提供するために役立ちます」。
他にもDeliveroo(デリバルー)、Shopify(ショッピファイ)、Salesforce(メールスフォース)などの著名顧客を持つStripeのプラットフォームは、フォードの製品やサービスの技術スタックにおいて重要な部分を占めることになると、同社では述べている。この決済処理システムは、電気自動車の充電サービスを含め、フォードのさまざまな電子商取引上の決済において、さらなる効率化を促進させるはずだ。
これまでのところ、投資家はFord+計画に肯定的な反応を示している。2021年には、Tesla(テスラ)やGeneral Motors(ゼネラルモーターズ)、さらには新たに上場して過度に騒がれたRivian(リビアン)を抑え、フォードは最も優良な自動車株となった。先週、フォードの時価総額は初めて1000億ドル(約11兆5000億円)を超えた。
画像クレジット:Ford Motor Company
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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Hirokazu Kusakabe)