決済大手Stripe、暗号資産決済のサポートを再開

決済大手のStripe(ストライプ)は、すでにウェブの金融インフラの大部分を動かしているが、今度は暗号資産(仮想通貨)決済のサポートを開始する。顧客がウェブ3ユーザーを取り込み、暗号資産とのやり取りを容易にする方法を提供する。

Stripeは3月10日、暗号資産トークンの購入や保管、売却、NFTの取引、本人確認手続き(KYC)などのコンプライアンスワークフローの処理を容易にするツールやAPIに顧客がアクセスできるようにする一連の製品を発表した。同社のサポートページには、ユーザーが180カ国の法定通貨で135以上の暗号資産を購入するのをサポートできるようになると記されている。

Stripeの共同創業者John Collison(ジョン・コリソン)氏は3月10日にTwitterで新機能を発表した。

Stripeは長年にわたり暗号資産と複雑な関係を持っており、2014年に暗号資産のサポートを開始した後、支払い手段として暗号資産は「あまり有用ではない」として2018年にBitcoin(ビットコイン)のサポートを終了した。そして昨年10月に同社は暗号資産チームを構築するための求人情報を掲載し始め、数週間後に暗号資産VCのMatt Huang(マット・ホアン)氏を取締役として迎えた。Stripeのこの分野への再参入は、同社の広大なリーチを欠く既存の暗号資産決済事業者にとって大きな脅威となる。

このニュースと並行して、暗号資産取引所FTXは、ユーザー向けのIDコンプライアンス機能と法定通貨オンボーディングワークフローを改善すべくStripeと提携すると発表した。

[原文へ]

(文:Lucas Matney、翻訳:Nariko Mizoguchi

フォードがeコマースを拡張するためにオンライン決済Stripeと5年契約を締結

Ford Motor Company(フォード・モーター・カンパニー)は、自動車関連のeコマースおよび決済体験を拡張するため、オンライン決済プラットフォームのStripe(ストライプ)と5年間の契約を締結した。Stripeは車両を注文・予約する際の決済手続を円滑にするだけでなく、フォードの法人顧客のために融資オプションを提供したり、顧客がウェブサイトから支払いを行った場合、それを地元のフォードや(同社の高級車ブランドである)Lincol(リンカーン)のディーラーに正しく伝達する役割を果たすことになる。

フォードによると、同社は2022年後半よりStripeの技術を導入する予定で、まずは北米から始めるが、欧州で展開することも計画しているという。Stripeは2021年、評価額950億ドル(約10兆9000億円)で6億ドル(約690億円)の資金調達ラウンドを実施しており、その資金を欧州への事業拡大に充てると述べていた。

関連記事:決済サービスStripeが評価額10兆円超で約655億円調達、欧州事業の拡大に注力

Stripeとの提携は、フォードが2025年までに300億ドル(約3兆5000億円)の投資を予定している電動化と成長戦略の大規模な再建計画「Ford+(フォード・プラス)」の一環だ。この戦略的な決定は、特に新型コロナウイルスの影響で自動車メーカーが顧客の要求に応える能力が低下したため、自動車業界の多くが短期的にリターンを得られる可能性の高い技術に投資しようとしている動きと軌を一にしている。フォードとリンカーンは、最近ではAmazon(アマゾン)のFire TVのような、多くのサブスクリプションサービスを追加しようとしており、この自動車メーカーが強固なデジタル決済プラットフォームを確立しようとすることは理に適っている。

関連記事:2022年、Amazon Fire TVがもっと多くのクルマに搭載される

「成長と価値創造に向けたFord+計画の一環として、強力な専門知識を持つプロバイダーをどこに導入するか、そしてお客様のためになる差別化された常時接続型の体験をどこで構築するかということについて、私たちは戦略的な決定を行っています」と、フォードの金融サービス部門であるFord Motor Credit Company(フォード・モーター・クレジット・カンパニー)のMarion Harris(マリオン・ハリスC)EOは声明で述べている。「Stripeが開発してきたユーザー体験の強力な専門技術は、当社のお客様に簡単で直感的かつ安全な決済プロセスを提供するために役立ちます」。

他にもDeliveroo(デリバルー)、Shopify(ショッピファイ)、Salesforce(メールスフォース)などの著名顧客を持つStripeのプラットフォームは、フォードの製品やサービスの技術スタックにおいて重要な部分を占めることになると、同社では述べている。この決済処理システムは、電気自動車の充電サービスを含め、フォードのさまざまな電子商取引上の決済において、さらなる効率化を促進させるはずだ。

これまでのところ、投資家はFord+計画に肯定的な反応を示している。2021年には、Tesla(テスラ)やGeneral Motors(ゼネラルモーターズ)、さらには新たに上場して過度に騒がれたRivian(リビアン)を抑え、フォードは最も優良な自動車株となった。先週、フォードの時価総額は初めて1000億ドル(約11兆5000億円)を超えた。

画像クレジット:Ford Motor Company

原文へ

(文:Rebecca Bellan、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

暗号資産APIプロバイダーのConduitは分散型金融のStripeを目指す

金融機関は暗号資産市場に参入する方法を模索し続けており、分散型金融(DeFi)商品は、金融機関がシェアを獲得するのに役立つ仕組みの1つだ。DeFi商品の投資家は、利子と引き換えに暗号資産を貸し出すことで、資本の利回りを得ることができる。

しかし、DeFi融資は、資産クラスの変動性もあり、従来の融資よりもはるかにリスクが高い。「高利回り」債券が、平均よりリスクの高い企業に賭けることで投資家に多くの現金を補償するように、DeFi融資は、顧客が実質的に銀行にお金を貸すという従来の普通預金よりはるかに高い金利を提供することができる。

Conduit(コンデュイット)は、開発者がDeFi製品へのアクセスを提供するプラットフォームをつくるために使用できるAPIセットを構築している。ConduitのCEOで共同創業者のKirill Gertman(クリル・ガートマン)氏は、2021年11月にCoinbase(コインベース)が買収した暗号資産ウォレットBRDの製品担当副社長として、同氏のチームがユーザー向けの製品を作るために必要なバックエンドツールを提供するベンダーを見つけるという困難を直接経験した。Arrival Bank(アライバルバンク)での勤務と、製品責任者として消費者金融Eco(エコ)での半年間の勤務を経て、ガートマン氏は探したものの見つからなかったバックエンド・ソリューションを提供するためにConduitを設立した。

ビデオ通話をするConduitのチーム(画像クレジット:Conduit)

「フィンテックの側を見ると、それをサポートする巨大なスタックがすでに構築されています。Stripe(ストライプ)があり、カードを発行したければMarqeta(マルケタ)があります。あなたが思いつくどんなユースケースでも、それを提供する準備ができているAPIを誰かが持っています」と、ガートマン氏はインタビューでTechCrunchに語った。

Conduitは、ネオバンクや金融機関が自社の製品をDeFiエコシステムに組み込むためのワンストップショップとなることを目指している。Conduit自体が規制やコンプライアンスに準拠していることからツールを使用する企業のコンプライアンス負担が軽減されるため、より簡単になるとガートマン氏は述べた。

消費者がDeFiの利回りを得るには、まずフィアット通貨をフィアット通貨の価値に固定された暗号資産の一種であるステーブルコインに換える。すると、CompoundやAAVEなどのさまざまな暗号資産プロトコルに投資できるようになる。Conduitは、企業がこれらの利回りにアクセスできるよう、2つのソリューションを提供している。

1つは、ネオバンクが顧客に提供する成長収益口座で、フィアット通貨をDeFiに投資できるようにするものだ。もう1つは、Conduitのコーポレート・トレジャリー・ソリューションで、高利回りのDeFi口座を企業に提供している。

「当社は台帳を作成しています。基本的に(顧客のために)非常にシンプルなバンドルを作成するための多くのことを行いますので、ドルをステーブルコインに変換する方法やレートの計算方法など複雑なことを心配する必要はありません」とガートマン氏は話す。

同氏はConduitの具体的な顧客名を挙げることは断ったが、顧客は特に中南米などの地域におけるネオバンクと小規模な暗号資産取引所という2つのカテゴリーに属していると述べた。最大の顧客は、同社の製品が最初に発売されたカナダとブラジルであり、次は米国と欧州を含む他の市場への拡大を目指していると、ガートマン氏は述べた。

同氏は、DeFi製品の拡大には2種類の利点があると見ている。1つはアクセスだ。DeFiのプロトコルはパーミッションレス(承認なし)なため、どのユーザーもクレジットスコアや本人確認、担保なしで資金の貸し借りを行うことができる。2つ目は、DeFiがユーザーをグローバルにつなぐことだ。これにより、極端な低金利やマイナス金利の国の投資家が高い利回りを得ることができ、また企業がグローバルな流動性プールから資金を引き出すことで有利な金利での借入を容易にすると同氏は付け加えた。

Conduitは、現地に精通したエンジニアリング、セールス、コンプライアンスの専門家を採用することで、2023年中に北米と中南米地域で従業員を3倍に増やす予定だ。現在、同社の従業員はリモート勤務している。また、Conduitがどの国をターゲットとしてきたかは規制が影響していて、米証券取引委員会(SEC)の規制が明確でないためにConduitの米国進出が遅れている、と同氏は付け加えた。

世界展開を推進するため、Portage Venturesがリードし、Diagram Ventures、FinVC、Gemini Frontier Fund、Gradient Ventures、Jump Capitalが参加したシードラウンドで1700万ドル(約19億円)を調達した、とConduitは1月13日に発表した。同ラウンドには、PayPal、Coinbase、Google Payなどの企業を含め、多くのフィンテック企業の幹部も参加した。

Conduitはすべての市場でコンプライアンスを確保するために高い法的費用を負担しており、ガートマン氏は「平均より大きなシードラウンド」を調達する必要があると判断した。

「明らかに、市場の状況は当社を助け、当社はそれを利用しました、私はそれを隠すつもりはありません……たとえ暗号資産の冬かそのようなものがあるとしても、当社は生き残ることができます」とガートマン氏は述べた。

画像クレジット:hocus-focus / Getty Images

原文へ

(文:Anita Ramaswamy、翻訳:Nariko Mizoguchi

オンライン決済の巨人「Stripe」が暗号資産市場に再参入

決済大手のStripe(ストライプ)は「Web3決済の未来」をつくるために新たな暗号資産チームを結成すると発表した。米国時間10月12日にTwitter(ツイッター)に投稿された公開声明による。Stripeは、Bitcoin(ビットコイン)決済を最初にサポートした会社の1つだが、数年前に市場を撤退した後、復帰のタイミングを見計らっていた。しかし今回の計画がどう展開するのかはほとんどわかっていない。

コメントを求められたStripeは、その戦略の見解や詳細について語ることはなく、新たな公開声明と以前のブログ記事を示しただけだった。

2018年1月、StripeはBitcoin決済のサポートを4月に終了することを発表し、さまざまな理由により暗号資産が支払いが以前ほど有用ではなくなったと語った。

当時同社は、取引確認にかかる時間が長くなり失敗率が高くなっていることや手数料が大幅に増大したことを指摘した。しかし、Stripeは暗号資産全体についてはまだ「非常に楽観的」であり、Lightningなどの高速決済が可能なプロジェクトには特に期待しているとも語っていた。他にも同社はOmiseGOなどの出現にも言及し、Ethereumベースの高い可能性をもつプロジェクトがいくつか進行中であることも語った。

そして、待つこと数年、Stripeは暗号化分野に再入場する。

Stripeのユーザー対応チームのEdwin Wee(エドウィン・ウィー)氏の投稿によると、StripeはWeb3の技術者とデザイナーを雇って新しい暗号資産チームを強化しようとしている。Stripeは自社のビジョンについて説明しようとしなかったが、ウィー氏の投稿は会社が現在の市場をどう見ているかの見解を少しだけ明らかにした。

「暗号資産は決済を高速かつ安価にする可能性をもっています、特に未開拓市場では」と彼は書いた。

「2018年に当社は、Stripeは『将来暗号資産をサポートして顧客の役に立つ機会を伺っている』と言いました。今がその時です」とウィー氏は語った。

新しいチームはStripeのエンジニアリング責任者Guillaume Poncin(ギヨーム・ポンシン)氏が率い、同氏も求人に関する投稿をしている。現在提示されている暗号化エンジニア職はニューヨーク、サンフランシスコ、シアトル、およびリモートの計4名だが、全部で何人雇用するつもりかは発表されていない。

950億ドル(約10兆7850億円)企業が再び暗号化に手を出すことに問題はないが、Stripeの幅広い企業戦略にとってこの発表がどれほどの位置を占めるのかは現時点でわかっていない。

関連記事:決済サービスStripeが評価額10兆円超で約655億円調達、欧州事業の拡大に注力

しかし、暗号決済の市場はStripeが2018年に撤退して以来激化している。数々の暗号決済スタートアップがこの分野に進出し、大型ブランドや小売業で広く受け入れられているだけでなく、最近では決済の巨人であるPayPal(ペイパル)も暗号資産活用に本格的に乗り出している。

2020年11月、PayPalは米国の全ユーザーが同プラットフォーム上で暗号資産の購入、保有および売却が可能になったことを発表した。最近同社は海外市場へも拡大し、決済アプリのVenmo(ベンモ)でも利用できるようにした。さらに重要なのは、米国消費者がどこのPayPal対応店舗でも暗号資産を使ってチェックアウトできる機能を公開したことで、オンライン決済で暗号資産を使う可能性を著しく拡大した。

関連記事
PayPalは英国にまで暗号資産の購入、所有、売却のサポートを拡大
PayPalが暗号資産でオンライン精算できる新機能を導入、まずは米国で

他にも、暗号資産交換所のBinance(バイナンス)が、Eコマースの巨人Shopify(ショッピファイ)と暗号決済で提携し、Coinbase(コインベース)は、消費者の利用の伸びを受け、PayPal(ペイパル)やApple PayおよびGoogle Payの統合を通じて、暗号資産の購入や消費を使いやすくした。

ちなみに「恵まれない」市場における暗号資産の可能性を考えているのはStripeだけではない。2021年夏、Square(スクエア)は、投資する1億ドル(約113億6000万円)のうち2500万ドル(約28億4000万円)を少数コミュニティや恵まれないコミュニティに割当て、500万ドル(約5億7000万円)をSquare、Inc Bitcoin Endowmentに寄付することを発表した。

「信用履歴がないために銀行口座を開けない人々や銀行の利用が難しい地域に住む人々、歴史的に差別を受けてきた人々のために、Bitcoinは公平な場を作り、より包括的な未来を生み出す力になります」とSquareは語っていた。おそらくStripeも同じ意見だろう。

画像クレジット:Dan Kitwood / Getty Images

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

共同作業プラットフォームNotionが全世界のスタートアップに有料プラン用クレジットを無料で提供、AWS・Stripeとも連携

共同作業プラットフォームのNotionは2019年に多くのアクセラレーターやインキュベーターの協力を得て、その投資先のスタートアップがNotionプラットフォームを無料で使えるクレジットを提供した。今度はもっと積極的に、同様のプログラムをすべてのスタートアップを対象に展開する。

Notionは米国時間9月28日にスタートアップ向けの新たなプログラムを開始し、全世界のスタートアップに500ドル(約5万5000円)以上のクレジットを提供して同社製品を無料で試用できるようにした。スタートアップの規模や資金調達の状況は問わない。チームの規模に応じて、スタートアップはこのクレジットでNotionの有料機能を無料で最長1年間利用できる。

Notionの最高執行責任者であるAkshay Kothari(アクシェイ・コサリ)氏はTechCrunchの取材に応じ、同社がこのプログラムを最初に始めたときは「Notionが世界中のスタートアップに受け入れられること」を試していたと述べた。

この2年間で同社の状況は劇的に変化した。直近の資金調達ラウンドで20億ドル(約2200億円)のバリュエーションとなり、多くのスタートアップ(ごくわずかだが例を挙げればFigma、Substack、Modern Health、Mixpanel、Buffer、Headspaceなど)や開発者、クリエイター、デザイナーなどに選ばれる生産性スイートとして頭角を表している。

関連記事:職場の生産性プラットフォーム運営のNotionが約54億円調達

世界中の企業がリモートワークを取り入れたことから、Notionを利用するスタートアップの数はこの1年間で4倍に急増したと同社は説明する。Yコンビネーターに直近で参加したスタートアップの半数以上がNotionのワークスペースを利用し、Forbesが発表したクラウド企業トップ100のうち90社がNotionのチーム向けワークスペースを持ち、Crunchbaseに掲載され100万ドル(約1億1000万円)以上を調達した全世界のスタートアップのおよそ28%がNotionのプラットフォームを使っている。

Notionがそれほど重視していなかった市場であるインドの起業家の間でもNotionはかなり一般的になり、作成したピッチの資料をNotionに保存して潜在的な投資家に公開している。多くのスタートアップがNotionに発表を掲載し、Notionのページでノートを書いてチームで共有している。

コサリ氏は新たな展開の1つとして、Notionはこのようなユースケースでのフリクションを取り除く新しいテンプレートも開発していると述べた。さらにスタートアップ向けのスターターパックも公開した。これはガイド、チュートリアル、ライブストリームのイベント、カスタマーストーリー、FAQを集めたものだ。

同氏は「我々のゴールは、Notionを世界中のスタートアップが意識せずに使えるツールにすることです」と語る。

その規模に到達することを目指して、Notionはスタートアップの多くが高く評価するインフラ大手2社とも連携する。AWSとStripeだ。コタリ氏によれば、両社は今後、自社プログラムを利用する数十万のスタートアップに対してNotionの有料プランで利用できる一定のクレジットを提供する。

AWSとStripeがスタートアップにとって重要な存在になったのと同様に「NotionはAWSやStripeと協力することで情報のインフラになれると考えています」とコタリ氏はいう。さらに同氏は「この連携をスタートしたので、今後も引き続きさらなるパートナーシップを構築する機会を検討していきます」と述べた。

Stripeのスタートアップビジネス責任者であるKrithika Muthukumar(クリティカ・ムスクマール)氏は発表の中で「NotionはStripe Atlasコミュニティに恩恵をもたらし、あらゆる規模の企業が重要なマイルストーンを通じてまとまり、意識を合わせ、従業員同士の距離を縮めるのに役立っています。我々はNotionをAtlasのプログラムに迎え、コミュニティをともに支える新たな方法を探っていくことをうれしく思います」と述べた。AWSは発表の中で、同社の顧客はNotionを「絶賛」し、Notionと戦略的に協業する方法をさらに調査すると述べている。

画像クレジット:Notion

原文へ

(文:Manish Singh、翻訳:Kaori Koyama)

最もリクエストが多かった消費税計算、会計ツールを決済大手Stripeは約30カ国で提供開始

消費税計算を専門とするTaxJar(タックスジャー)を2021年4月に買収したのに引き続き、Stripe(ストライプ)は米国時間6月10日、税分野でさらに大きな動きに出た。企業価値950億ドル(約10兆3855億円)もの決済巨人である同社はStripe Taxという新プロダクトを展開する。自動でアップデートされる消費税計算(消費税、VAT[付加価値税]、GST[商品サービス税]をカバー)や関連する会計サービスを、Stripeの決済を利用するまず30カ国超の顧客に提供する。

Stripe TaxはTaxJarとは別のサービスだが、関係がないわけではない。Stripe Taxはここ数カ月かけてダブリンにあるStripeのオフィスで制作され、StripeのEMEA(欧州、中東、アフリカ)担当責任者Matt Henderson(マット・ヘンダーソン)氏は、その過程でTaxJarがこの分野で強い会社だとチームは気づいた、と筆者に語った。それが最終的には2社のM&Aにつながった。

関連記事:日本も含む世界25か国に展開のStripeがダブリンにヨーロッパ技術拠点を開設

消費税、そして特に課税と追跡に対応するよりシームレスな方法の確保は事業をオンラインで行う人にとって悩ましい問題だ。

デジタル、そして物理的商品は130カ国超で課税されるとStripeは話す。課税に関する規則は絶えず変化するため、規則やコンプライアンスの複雑さは大きく異なる。一方で、消費税の取り扱いミスはかなり高額の罰金につながり、時に支払い期限を過ぎた未払額の利子は30%にものぼる。

驚くことではないが、消費税ツールはStripeの顧客から最もリクエストが多かった機能だったとヘンダーソン氏は話した。こうした要望は、新型コロナウイルスの影響でeコマースとデジタル決済が非常に増えたために2020年にさらに大きなものになったようだ。

おそらくそれはStripe TaxをStripeのプロダクト立ち上げでも大きなものの1つにしている。2021年初めの巨大な資金調達を発表してから初のプロダクトであるということはいうに及ばないだろう。

関連記事:決済サービスStripeが評価額10兆円超で約655億円調達、欧州事業の拡大に注力

これまでStripe顧客は消費税に対応するのに(TaxJarのような)サードパーティのサービスに頼っていた。あるいは、より典型的な例として、そうしたStripe顧客は複雑でかなり地域によって異なる複数の税法に対処する労力を最小化するために、商品やサービスを販売する場所の数を制限することを選ぶこともある。

「税に対応するのに興奮して朝ベッドから飛び起きる人はいません」とStripeの共同創業者で社長のJohn Collison(ジョン・コリソン)氏は声明文で述べた。「大半の企業にとって、税コンプライアンスの管理は頭痛の種です。当社は消費税の計算と徴収に関するすべてを簡素化します」。

Stripeは同社の顧客に行った調査で、3分の2が消費税実行の問題が実際に成長を制限したと答えた、と述べた。

TaxJarは消費税を扱うための強固なシステムを構築したが、マサチューセッツに拠点を置きリモートチームを抱える同社は主に米国マーケットにフォーカスしている。米国の消費税も非常に複雑だ(米国には1万1000もの税務管轄区域がある)。

このため、米国以外の国のための消費税ツールを構築する余地がある。このように、TaxJarとStripeが今後どのように統合するかにかかわらず、Stripe Taxの広範なフォーカスはStripeにとっての地理的ギャップを埋めている。

もう1つ、2社の間に注意すべき主要な相違点がある。

TaxJarはかなり確立されたオペレーションでStripeの注意を引いた。TaxJarは買収発表時に2万3000もの顧客を抱えていた。Stripeは(賢くも)TaxJarを独立事業会社とし、これはTaxJarを利用する新規・既存顧客がこれまで通りTaxJarを使えることを意味する。つまり、少なくとも当面はTaxJarを使うためにStripeの決済顧客である必要はない。2つのプラットフォームの統合が今後さらに進むとしてもだ。

一方、Stripe TaxはStripe顧客との接点と付き合いを増やすことを目的とするプロダクトとしてゼロから構築されている。

Stripe Taxは顧客の所在地と販売するプロダクトに基づいてリアルタイムの税計算を提供している。顧客のための透明な項目分け、(欧州のように)ビジネス顧客が一定の売上高以下であれば自社コードを提供して税金ををリバースチャージできる地域でのタックスID管理、書類提出と送金を簡単にするためのすべての取引での調停と報告などだ。

しかしStripe決済の外でStripe Taxを使う方法は現在のところない。

これは一部の顧客にとっては問題となるかもしれない。最近、大手小売の多くがマーケットプレイスを通じた販売、ウェブサイトを通じた販売、ソーシャルメディアを通じた販売などをカバーする「オムニチャネル」アプローチを取ろうとしているが、そうしたエクスペリエンスのすべてがStripeで提供されるわけではない。Stripe Taxの将来のイテレーションがそこをカバーするかどうか、注目する価値がありそうだ。

StripeのStripe Tax以外の最も大きなプロダクトの立ち上げは2020年12月のStripe Treasuryだ。これは、同社が現在いかに基本的な決済事業以外のところで多様化を図り、広範でさらに多くの取引にプラットフォームを開放することに注力しているかを強調している。

まだ招待制であるTreasuryでStripeは銀行業務サービスを展開するために銀行と提携し、顧客がStripe駆動の事業からの売り上げを管理できる方法を提供している。

Stripe Taxが利用できる国はオーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、クロアチア、キプロス、チェコ、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、マルタ、ニュージーランド、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン、スイス、米国、英国だ。

カテゴリー:フィンテック
タグ:Stripe

画像クレジット:sorbetto / Getty Images

原文へ

(文:Ingrid Lunden、翻訳:Nariko Mizoguchi

「今はイノベーションの黄金期」シリコンバレーの投資家イラッド・ギル氏とのインタビュー[後編]

シリコンバレーの起業家で投資家のElad Gil(イラッド・ギル)氏

爆速成長マネジメント」の著者でシリコンバレーの投資家で起業家でもあるElad Gil(イラッド・ギル)氏とのインタビュー後編。前編では初めての起業家が陥りやすい落とし穴とその回避策について、後編では新型コロナウイルスがスタートアップ業界に与えている影響と展望について話を聞いた。

前編:「スケールするために経営陣が必要」シリコンバレーの投資家イラッド・ギル氏に聞くスタートアップアドバイス[前編]

パンデミックがスタートアップに与えた影響

2020年は新型コロナウイルスの影響でスタートアップを取り巻く環境は大きく変わりました。どういった点がスタートアップにとってより難しくなったと思いますか。例えば、対面で話すことが減ったので、企業文化を作るのは難しくなっているかと思います。

ギル氏:企業文化を作ることについては、間違いなく以前より難しくなっています。企業文化は人が集まり、交流することで作られるものですから。社員がリモートワークしている会社からは、すでに出来上がっている仕組みに関してはそのまま維持して回せるけれど、何かイノベーティブなことをしたり、新しいことをしたりするのは難しくなったという話を聞きます。

2つ目は、いくつかの業界では事業を継続するのが非常に難しくなりました。例えば、私が知っているほぼすべての旅行系スタートアップは昨年から壊滅状態です。レイターステージだと、例外的な会社にTripActions(トリップアクションズ)が生き残っていますが、アーリーステージの会社のほとんどは事業を続けられませんでした。

3つ目は、新型コロナウイルスの影響で、多くの人は生き方を変えざるをえなかったことと関係します。在宅で子供を見なければならなくなったり、鬱や気分の落ち込みを経験したり。会社は社員のこうした問題に対処し、社員が新しく増えたストレスに対抗しながらも仕事を続けられる環境を整えなければなりません。

こうした課題にうまく対応しているスタートアップはありますか?

ギル氏:ビジネス面で急成長したところは多くあります。Stripe(ストライプ)、Instacart(インスタカート)、Zoom(ズーム)は、世界がオンライン化する中で急成長した企業の一例です。

企業文化の面でいうと、新型コロナウイルスが蔓延する中でも社員が交流できるよう、例えば、広い公園でマスクをつけて参加するミートアップを開催しているような会社があります。

会社によってはオンボーディングが難しくなったものの、採用はしやすくなったという変化もあります。採用しやすくなった理由としては時間や場所にかかわらず面接できるようになったからです。面接のためにオフィスを訪ねたり、仕事を休んだりする必要がなくなりました。ズームで話せばいいのですから。

オンボーディングが難しくなったのにはいくつか理由があります。GitLab(ギットラボ)は早くから社員のリモートワークに注力してきた会社で、彼らは社員のオンボーディングを3つのカテゴリーに分けています。コンピューターやメールの設定といった技術面でのオンボーディング。業務や役割、目標の設定といった組織面でのオンボーディング。最後に文化面でのオンボーディング。ですが、この3つはどれもリモートで行うのが難しいのです。

コロナ後の世界はどうなると思いますか?

ギル氏:2つの相反する力が世界に働いているように思います。現在のインターネットは、10年前と比べると10倍以上の規模になっていて、この拡大規模は10年前の人たちの想像を遥かに超えているでしょう。インターネットで過ごす時間が増え、たくさんのモバイル端末があり、仕事関連のアプリも大量に出現し、仕事でインターネットを使う時間も増えました。なので、今日設立したどの事業にも、5年、10年前と比べると、10倍規模になる可能性があるということです。つまり、10年前に1000万ドル(約10億円)の売上があった事業は、今やれば1億ドル(約107億円)規模の事業になる可能性があるということです。そして世界中のどこからでも、大規模な会社が作れるようになりました。

これは「分散化」のトレンドですが、一方で「集中化」のトレンドも同時に起きています。

特定の都市に特定の業界の人が集まっているのが、もう1つの重要なトレンドです。業界別に見ると、1つか2つの都市にその業界の物理的な拠点があるのが分かります。例えば、映画業界で仕事をしたいという人に向かって、「どこに住んでもいい」とアドバイスする人はいません。米国なら「ロサンゼルスに住まないとダメだ」と言うはずです。脚本はどこにいても書けるし、撮影も、映像編集も、音楽制作もどこにいてもできますが、それでも最終的に全員、ロサンゼルスに集まります。

世界の都市は業界ごとにまとまるようになってきています。金融だったら、資金調達をするのも、トレード戦略を考えるのもどこにいてもできますが、米国のヘッジファンドのほとんどはニューヨーク州とコネチカット州に集中しています。その理由は、サービスプロバイダーが重要で、経営陣が重要で、人と人のネットワークが重要だからです。新型コロナウイルスで世界の状況は変わりましたが、それでもなお、人は特定の場所に集まって活動を続けるでしょう。スタートアップをする人たちは特定の地域に集まって会社を立ち上げるといった傾向が続くと思います。

新たにスタートアップを立ち上げるとしたら、どのような分野に可能性があると思いますか?

ギル氏:家の地下室で仕事をしている私より、外でいろいろと動き回っている起業家たちの方が良いアイデアを持っているのは間違いないでしょう(笑)。新しいことを始めようとしている起業家集団の方が、どんな個人よりも素晴らしいアイデアを持っているものです。とはいえ、いくつか興味のある分野があるのでお話したいと思います。

1つ目は、バーティカルのコラボレーションSaaSです。例えば、Figma(フィグマ)によってデザインチームがオンラインで協力しながら仕事を進められるようになったのと同じように、財務チームが協力して財務計画を立案したり、データチームが協力して分析やアナリティクスをしたり、BI(ビジネスインテリジェンス)チームが協力して事業に関わるデータの分析ができたりするようなツールです。社内の特定の部署に特化したバーティカルのコラボレーションツールには可能性があるのではないかと思っています。

2つ目は、コンシューマー向けソーシャルアプリです。世界にはまだ、新しいソーシャルな行動が生まれ、広まる余地があると思っています。その理由は、世代間の違いがあるからです。若い人たちは新しいソーシャルネットワークを求めています。Clubhouse(クラブハウス)で人々が突然音声の魅力に気づいたのと同じように、他にも人々の行動を変えるような新しい形のソーシャルネットワークやリアルタイムコミュニケーションが登場するのではないかと思っています。

現在、膨大な量のイノベーションが起きています。例えば、AngelList(エンジェルリスト)を見ると5年前に比べて、スタートアップの数は5倍、10倍に増えています。これは新しく設立したスタートアップの実数ベースの話です。半導体や機械学習、さまざまなSaaS、防衛技術、不動産など、あらゆる分野でイノベーションが同時進行に起きていて、今はイノベーションの黄金期と言えるのではないでしょうか。

2021年4月14日にCoinbase(コインベース)が上場しています(ギル氏はコインベースの初期からの投資家)。暗号資産(仮想通貨)の領域はどう見ていますか。

ギル氏:暗号資産の領域はとても楽しみにしています。コインベースのIPOは、Netscape(ネットスケープ)がIPOした時のように捉えられるようになるのではないかと思っています。かつてネットスケープの上場で、インターネットがメインストリームの存在になると世間の人々が気づいたように、コインベースの上場は、ウォール街や既存の金融業界に対し、暗号資産が世界にとって重要であることを知らせる大きな契機になるのではないかと思っています。

関連記事:「スケールするために経営陣が必要」シリコンバレーの投資家イラッド・ギル氏に聞くスタートアップアドバイス[前編]

カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:CEO経営インタビューシリコンバレーAirbnbCoinbasePinterestSquareStripe新型コロナウイルス

「スケールするために経営陣が必要」シリコンバレーの投資家イラッド・ギル氏に聞くスタートアップアドバイス[前編]

シリコンバレーの起業家で投資家のElad Gil(イラッド・ギル)氏

2021年3月18日、シリコンバレーの起業家で投資家であるElad Gil(イラッド・ギル)氏の著書「High Growth Handbook」の日本語版である「爆速成長マネジメント」(日経BP)が発売となった。

著者のギル氏は投資家やアドバイザーとして、Airbnb(エアビーアンドビー)、Coinbase(コインベース)、Pinterest(ピンタレスト)、Square(スクエア)、Stripe(ストライプ)など世界でも有数のテック企業に関わっている。起業家としての経験も豊富だ。2013年から2016年12月までColor Genomics(カラージェノミクス)の共同創業者兼CEOを務め、現在は会長に就任。カラージェノミクスの創業前はTwitter(ツイッター)でコーポレート戦略バイスプレジデントやM&A 、事業開発チームの担当を務めた。ツイッターに参画したのは、共同創業者兼CEOを務めていたMixer Labs(ミキサーラボ)がツイッターに買収されたことがきっかけだった。それ以前は、グーグルに在籍し、モバイルチームの立ち上げなどに関わった。

「爆速成長マネジメント」はギル氏の知見と、シリコンバレーで活躍する投資家、起業家たちとのインタビューを多数収録し、レイターステージのスタートアップが直面する資金調達やマネジメントの課題に対する具体的な対応策が学べる1冊となっている。

今回、私は本書の翻訳に関わった縁で、ギル氏をインタビューする機会を得た。インタビューは2021年4月15日にClubhouse(クラブハウス)上で行い、本書を共訳した翻訳者で連続起業家の浅枝大志氏と日経BPの担当編集者である中川ヒロミ氏も参加した(各人から記事化の了承を得ている)。今回のインタビュー記事は前編と後編に分け、前編は数多くのスタートアップと関わってきたギル氏が指摘するスタートアップが陥りやすい落とし穴とその回避策について、後編は今後のスタートアップ業界の動向についてまとめている。記事はギル氏の発言通りに翻訳しているが、分かりやすさと簡潔さのために多少編集を加えている。

起業家へのアドバイス

はじめに、本書を書くことになったきっかけについて教えてください。

ギル氏:アーリーステージファウンダー向けのアドバイスはたくさんありますが、急激に成長しているスタートアップ向けのものはあまりありません。その理由は、スタートアップの多くは急激な成長する段階まで到達しないからです。ほとんどのスタートアップは失敗します。なので、レイターステージのスタートアップやファウンダーからよくある質問に対する答えと、スタートアップがスケールするための戦術をまとめようとしたのが始まりです。

もともと本ではなくブログ記事をまとめたスタンドアローンのウェブサイトを作る予定でした。けれど、サイトをローンチする数日前に、ストライプの創業者の1人であるJohn Collison(ジョン・コリソン)に見せたところ、「本として出版した方がいいんじゃないか」と言われ、Stripe Press(ストラププレス)(注釈:ストライプの出版事業)から出すことになりました。

本書には起業家向けのアドバイスが多く載っていますが、初めて起業する人は特に何に注意すべきでしょうか?

ギル氏:アーリーステージの会社はレイターステージの会社とは状況が大きく異なるので、ステージごとに気をつけたい点は違います。アーリーステージの優先事項の1つは、プロダクトマーケットフィットに到達することで、これを達成するのは非常に難しいでしょう。2つ目は、共同創業者と喧嘩しないで会社をうまく回すことです。これも非常に難しい場合があります。この2つを達成できれば、第一歩が踏み出せるはずです。

レイターステージに入ると、より多くのことを達成するためにどのように組織を作ってスケールさせるか、ユーザーのニーズにどう対応するか、海外展開、M&Aなど、注力すべき点が変わっていきます。これらを突き詰めると、やるべきことは、社員全員に明確な方向性を示すこと、その方向性を追求するために必要な資金を確保すること、磐石な経営陣を揃えることの3つであると言えます。経営陣が揃えば、会社が小さかった頃には着手できなかったことができるようになります。

CEOが間違えやすい、ミスしやすいのはどういうところでしょうか?

ギル氏:これはCEOの過去の経験によると思います。例えば、初めて起業したCEOと2回目のCEOを比べると、つまり事業をスケールさせたことがある人とない人という意味ですが、2回目のCEOはかなり早い段階から強力な経営陣を揃え始めます。けれど、初めての起業家はそれを疑問に思うでしょう。なぜ上層部ばかり強化するのか、なぜそんなに多くのVP(バイスプレジデント)が必要なのかと。しかし、一度急激なスケールを経験していると、経営陣を揃えることがいかに重要かが分かります。これが1つ目です。

初めての起業家がよく間違える2つ目のポイントは、最初のプロダクトをマーケットに投入した後のイノベーションの頻度についてです。一般的に、早くから2つ目のプロダクトを開発してノベーションを起こせる会社は、その後も継続してイノベーションが起こせます。一方でイノベーションが遅い会社は、2回目のイノベーションがなかなか起こせません。具体例として、ストライプは決済やローンに関わるプロダクトを次々と出しているのに対して、eBay(イーベイ)はいまだに2つ目のプロダクトを出せていません。

3つ目はSaaSやB2Bの分野に特化した話にはなりますが、プロダクトやエンジニアリングを重視するファウンダーは、営業チームを作ることを後回しにしてしまいがちという点です。ボトムアップのグロースや顧客獲得にばかり注力してしまうと、より大きな法人契約を獲得するチャンスを逃してしまいます。例えば、slack(スラック)は法人営業のチームを早くから追加してこなかったため、Microsoft(マイクロソフト)のような会社との戦いで苦戦を強いられています。

「経営陣の構築」「イノベーションの頻度」「営業の採用」と初めての起業家が間違えやすい点を3つ指摘していましたが、これらを回避するにはどうすればいいでしょうか。

ギル氏:経営陣を採用するところに関しては「スケールするために経営陣が必要」というマインドセットに変える必要があります。

営業チームについては、営業を採用することに対しての恐怖心を脇に置くことです。先日、営業を雇うのに抵抗を感じる理由についてのブログ記事を読んだのですが、その理由はたいてい、企業文化に合わないのではないかとか、営業チームを整える準備ができていなのではないかとかいう不安やボトムアップでの顧客獲得しかしたくないという感情的な理由がほとんどであると指摘していました。これに関しては率直に言って、そうした感情を振り切り、実行するしかありません。慣れないことをやるということですが、慣れないことをやるのが大抵の場合、最良の施策なのです。

「イノベーションの頻度」についてはどうでしょうか?

ギル氏:これにはいくつかポイントがあると思っています。会社の初期の段階では事業に注力し、コアプロダクトの再現性があるかしっかり確かめなければなりません。それはつまり、1000万ドル(約11億円)から3000万ドル(約32億円)ほどの収益があり、SaaS企業ならマーケットアプローチの方法を確立していて、コアビジネスをスケールさせるために社内にマネジメント層の基盤ができているか確認するということです。まずはコアビジネスがうまく回っている状態にすることが先決です。

2つ目は、新規事業のためにいくらか独立したリソースを用意することです。新規事業にはリーダーとなる人材やエンジニア、その他社内のリソースが必要になります。また全社員に「この新規事業は会社にとって重要で注力する価値がある」と納得してもらわねばなりません。なぜなら、社内のコアビジネスに携わる人は、リソースがあるなら自分たちのところに投入してほしいと考えるからです。彼らはコアビジネスをスケールさせる中で手薄になっている部分があると感じているでしょう。そのため彼らは会社が新しい事業を始めるのに対して疑問を持ちます。優先順位と組織内での線引きを明確にし、新規事業を作ることが会社にとって重要であると社員に分かってもらうようにしなければなりません。

CEOとして成長する方法

CEOはさまざまな問題に対処しなければなりませんが、CEOとして成長するためにはどのようなことができますか。CEO仲間を作ること、VCからアドバイスをもらうことなどが考えられますが、何が一番有効でしょうか。

ギル氏:私の知っている中で、うまくファウンダーとして、あるいはCEOとして活躍している人は、いくつかのことをしています。

1つは、CEOのネットワークを作っています。同じステージの会社のCEO、あるいは自分の会社より2年先を進んでいる会社のCEOとのネットワークを作っています。2年先の相手は、自分たちの抱える問題に共感でき、タイムリーで今の状況に合った良いアドバイスができます。5年、10年離れていると、劇的に状況が変わっていることがあるのです。

2つ目は、自分の会社とはまったく違うビジネスをしている人と話をしています。例えば、大規模な売上のある非上場のファミリービジネスのCEOの話を聞きに行くようなことです。何十億ドル(何千億円)規模の売上のある会社に話を聞きに行き、どうやって会社を運営しているのか、どうような報酬体系を採用しているのか、問題が発生した時はどのように対処しているのかなどを聞いています。優秀なCEOは成功の原則を普段とは違う場所で探し、自分のビジネスにも適用できそうなアイデアを学んだり、抽出したりしようとしています。

自分と近い分野で動いているCEO仲間から学ぶことに加え、まったく違う分野だけれど、とてもすばらしい成果を出している人から学ぶこと。この2つを組み合わせるのが良いのでしょう。

アドバイスという点でVCに期待できることはありますか。

ギル氏:VCは役に立つことはありますが、そのVCによります。その人が誰で、どんな経験を持っているのか、その人から何を学びたいのかによるということです。例えば、会社の上場に関わってきた経験が多いVCの取締役がいれば、その人から会社を上場させる方法について優れたアドバイスが聞けるでしょう。一方で、会社のオペレーションに関わったことのないVCもいます。その人は経営の戦術的なところでいくらか助けになってくれるかもしれませんが、毎日のオペレーションで役立つアドバイスはあまり期待できないかもしれません。

VCは基本的にアドバイス、ガバナンス、資金の3つを提供するものと考えています。お金は比較的どこからでも調達できます。ガバナンスに関しては、経験があって信用できる人を探すのがいいでしょう。アドバイスは、会社のステージとどんな事業をしているのかによります。アーリーステージでは的確なアドバイスができる人でも、レイターステージの会社には良いアドバイスができない人もいるということです。会社が成功するまでには10年くらいかかるので、その間に経営陣をどう進化させていくかをしっかり考えるべきでしょう。

【編集部】後編は4月21日午前9時に公開予定

カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:CEO経営インタビューシリコンバレーAirbnbCoinbasePinterestSquareStripe

決済サービスStripeが評価額10兆円超で約655億円調達、欧州事業の拡大に注力

資金を調達中との報道のすぐ後に、決済大手のStripe(ストライプ)はその詳細を明らかにした。同社は950億ドル(約10兆3680億円)の評価額で6億ドル(約655億円)の調達を完了した。

調達した資金は欧州本社を中心に欧州での事業拡大と、グローバルの決済・財務ネットワークの強化に使う、と同社は述べている。

「当社は2021年、欧州、特にアイルランドにかなり投資します」とStripeの共同創業者で最高責任者のJohn Collison(ジョン・コリソン)氏は声明で述べた。「フィンテック、モビリティ、小売、SaaSであろうとなかろうと、欧州のデジタル経済の成長機会は巨大です」。

資金調達は大手保険会社2社からの出資が含まれるとStripeは述べた。Allianz X fundを通じたAllianz(アリアンツ)とAxa(アクサ)が、Baillie Gifford、Fidelity Management & Research Company、Sequoia Capital、そして米国の投資家らやアイルランド国債管理庁(NTMA)とともに本ラウンドに出資した。

保険会社の出資はStripeが次に進もうとしている方角をおそらく示している。結局、フィンテックと保険は緊密に連携している。

「Stripeは世界経済成長のアクセラレーターであり、持続可能な金融のリーダーです。過去10年、大きな進歩を遂げたにもかかわらず、Stripeの成長のほとんどはまだこれからです」とNTMAのCEOであるConor O’Kelly(コナー・オケリー)氏は声明で述べた。「アイルランドと欧州の最も傑出した成功物語を支援し、そうすることで何百万という野心を持つ企業がグローバル経済においてこれまで以上に競争力を持つのをサポートすることをうれしく思います」。

評価額を増やした大きなラウンド、そして拡大している資本政策表は必然的にStripeの次のステップがどのようなものになるのか、そこには上場が含まれているのかといった疑問につながる。同社はユーザー数や売上高、利益といった詳細についてはこれまでずっと隠してきた。そして今回のニュースでも明らかにせず、IPO計画についてコメントもしなかった。

とりわけ、米国時間3月14日のニュースにあった評価額は同社がセカンダリーマーケットで取引されていると報じられた中での評価額1150億ドル(約12兆5520億円)より小さい。そして評価額950億ドルでクローズしたラウンドは1000億ドル(約10兆9150億円)超となるだろうとも噂されていた。

そうした数字が正確ではなかったのか、あるいは新型コロナウイルスが評価額に影響を与えたのか、欧州の投資家が単にかなり値切ったのかははっきりとしない。

欧州での成長への注力はまた、EMEA(欧州、中東、アフリカ)のGoogleのコミュニケーション担当副社長でジャーナリストだったPeter Barron(ピーター・バロン)氏の採用にある意味つながっている。

ジョン氏と、CEOである兄Patrick Collison(パトリック・コリソン)氏が創業したStripeは、デジタル決済、特にオンライン決済が軌道に乗り始めたときに、デベロッパーがいくつかのラインのコードで決済をアプリやサイトに盛り込めるようにするシンプルな方法を構築する価値を認めた一連のコマーススタートアップの1社だ。

そのコードの裏で、Stripeは国内外で機能する決済に必要とされるあらゆる複雑な要素を統合する困難な作業を行った。これまで同社は、事業者が法人化や不正管理、キャッシュフロー管理などを含む事業の商業的な業務を行うのを単にサポートするだけでなく、自社をワンストップショップにするために一連のサービスをを提供し、プラットフォームを成長させてきた。

そうした中で同社は欧州で事業を拡大し、今では欧州42カ国中31カ国に顧客を抱える。同社は当初スタートアップ(特に小規模で新しいスタートアップ)への決済インフラ提供で事業を開始して成長してきたが、今日同社の顧客リストには多くの大手企業も含まれる。欧州の顧客としては、Axel Springer、Jaguar Land Rover、Maersk、Metro、Mountain Warehouse and Waitrose、Deliveroo (英国)、Doctolib(フランス)、Glofox(アイルランド)、Klarna(スウェーデン)、ManoMano(フランス)、N26(ドイツ)、UiPath(ルーマニア)、Vinted(リトアニア)などがある。

決済とその周辺サービスにおける競争は激しいが、さらに成長するチャンスはまだ大いにある。新型コロナの発生と、実在店舗よりウェブやアプリで買い物する人が増えたことで、現在コマースの14%ほどがオンライン上でのもので、1年前は10%だったことを考えると大きなシフトだとStripeは指摘している。

カテゴリー:フィンテック
タグ:Stripe資金調達

画像クレジット:TechCrunch

原文へ

(文:Ingrid Lunden、翻訳:Nariko Mizoguchi

トランプ大統領がオンライン決済のStripeからも追い出され寄付金受け取り不可に

現時点では、Donald Trump(ドナルド・トランプ)大統領がまだ使えるテックプラットフォームはどこかと訊いた方が簡単かもしれない。

The Wall Street Journalの報道によると(WSJ記事)、また新たにオンライン決済企業のStripe(ストライプ)が、トランプ氏を同社のプラットフォームから追い出したという。

つまり、大統領の選挙運動ウェブサイトやオンライン資金調達部門は、Stripeの決済処理サービスにアクセスできず、トランプ陣営が寄付金を受け取ることができなくなるということだ。

情報筋はThe Wall Street Journalに、Stripeがこれを決定した理由は、暴力行為の奨励に反対するという同社のポリシーに違反しているからだという。

この動きは、先週の米国議会議事堂で暴動が起きた後、大統領が公式チャンネルでほぼ沈黙を守ってきたことに起因する。

トランプ氏が沈黙している間、各テクノロジー企業は同氏がサービスにアクセスするのを遮断(未訳記事)して、大統領の支持を否定するのに忙しかった。

この大統領追い出し(未訳記事)により、トランプ氏はSnap(スナップ)、Facebook(フェイスブック)、Twitter(ツイッター)、Pinterest(ピンタレスト)、Spotify(スポティファイ)、TikTok(ティックトック)を含むすべてのソーシャルメディアから事実上削除された。

オンラインにおける金融取引の大半を担う各テクノロジー企業もまた、大統領をブロックしている。今回の暴動に参加したトランプ大統領支持者の過激派に対して、いち早く行動を起こしたのはShopify(ショッピファイ)とPayPal(ペイパル)だ。

今週初めに書いたように、PayPalはキャピトル・ヒルでの暴動に参加するためにこの送金フィンテックを利用して支払いを行っていたトランプ支持者の一部グループのアカウントを停止(CNET記事)していた。

PayPalは実際、極右の活動家に対して、しばらく前から積極的な措置をとってきた。2017年のCharlottesville(シャーロッツビル)抗議デモとそれに続いて起こった暴動の後、同社は極右団体を次々と利用禁止(CBS News記事)にした。TechCrunchが知り得る限り、これらの禁止は今のところ大統領自身には直接及んでいない。

米国時間1月7日の木曜日、Shopifyはトランプ陣営とトランプ氏個人のブランドのストアをどちらも削除すると発表した。これは同社のポリシーの進化によるものだ。数年前にはプラットフォームを穏健化しないと言っていた(未訳記事)Shopifyだが、近年では2018年に一部の右翼系ショップ(Bloomberg記事)など物議を醸す店舗を削除している。

そして今、ストライプも大統領に対するこれらの行動に加わり、トランプ氏の政治活動に有利な収入源を断ち切った。

The Wall Street Journalが報じたように、トランプ陣営は、大統領が全国の州を相手に起こした一連の訴訟に向けて、集中的な資金調達作戦を開始した。訴訟はほとんどすべて敗訴したが、その努力は共和党に数億ドル(数百億円)の献金をもたらした(WSJ記事)。

関連記事:Shopifyがトランプ大統領関連のオンラインストア「TrumpStore」を閉鎖

カテゴリー:ネットサービス
タグ:ドナルド・トランプStripeSNSアメリカ

画像クレジット:BRENDAN SMIALOWSKI / Contributor / Getty Images

原文へ

(翻訳:TechCrunch Japan)

ある企業がVC資金なしで208億円の売上を実現した方法とは?

スタートアップとマーケットの週刊ニュースレター「The TechCrunch Exchange」へようこそ。

今回はお金の話、スタートアップの話、IPOの噂話をしよう。

先週は非常に多くのことが起きた。先週はEquityポッドキャストのスタッフが、最近のアーリーステージ向けベンチャーキャピタルのラウンドをじっくりと調べたが、もしまだ聞いていないならこちら(未訳記事)から聞くことができる。小規模なスタートアップは登場し続けてはいるものの、今回のThe Exchangeでは、より後期ステージのニュースを掘り下げたい。

まずは、私にとっては初めて聞く会社だったNextiva(ネクスティバ)の話題から始めよう。現在、売上高が2億ドル(約208億1000万円)を超えた同社は静かな巨人である。そして注目すべきは、その規模に至るまでベンチャーキャピタルからの資金調達を行ってこなかったことだ。

資金調達に関するニュースがテックメディアで頻繁に取り上げられることを思うと、これまでNextivaが一体どのようにして高コストの成長戦略と外部資金に頼らずに規模を拡大して来たかを尋ねるのは新鮮な気持ちだった。

CEOで共同創業者のTomas Gorny(トマス・ゴーニー)氏と話しながら、会社の歴史を少し掘り下げてみた。それはおおよそのところ次のようなものだ。1996年に20歳でカリフォルニアに移住したゴーニー氏は、ドットコム・ブームの時代にテック企業で働いた後、2001年にウェブホスティング会社を創業した。そのウェブホスティング会社(iPower)は、2007年にEndurance International(エンデュランス・インターナショナル)という名の別の会社に売却された(PE Hub記事)。Enduranceは2011年におよそ10億ドル(約1040億6000万円)で一括売却されたのちに公開され、2020年11月に30億ドル(約3121億8000万円)で買収されて非公開となった(Clearlake記事)。歴史的な参考資料としてTechCrunchがEnduranceについて触れた2010年の記事(未訳記事)を読むことができる。

ゴーニー氏は2008年にNextivaを設立し、「UcaaS」(unified communications as a service、サービスとしてのユニファイドコミュニケーション)と現在は呼ばれるものに焦点を絞った。このスタートアップは、年間経常収益(ARR)が約4000万ドル(約41億7000万円)になるまでに成長したが、やがてハードウェアとサポートサービスソフトウェアを統合するサードパーティ製システムの問題に直面したことが、考え方の転換のきっかけとなった。同社はプラットフォームの構築に乗り出したのだ。

Nextivaは水平展開を行い、規模の拡大にともないCRMソフトウェア、アナリティクス、その他の機能を追加していった。そしてその成長は効率的だった。ゴーニー氏はTechCrunchに対して、同社は創業者チームの資金からスタートしたが、たとえ他の誰かの資金を使っていたとしても、同じように会社を作りあげただろうと語った。

プラットフォームの切り替えにはコストがかかり、Nextivaの計算ではそのプロジェクトに1億ドル(約104億1000万円)が費やされた。彼らはTechCrunchに対して、もしオリジナルのサービスだけに集中していれば、短期的にはもっと早く成長できたかもしれないと語っている。

Nextivaが膨大な時間とお金を費やしてきたプラットフォーム製品は、すでにマーケットに提供(GlobalNewswire記事)され、ARRは2016年の1億ドル(BusinessInsider記事)から拡大し、2020年は2億ドル(約208億1000万円)となった。今の同社はプラットフォームと呼べる地位への進化を完了できたと考えている。このことに私は少し反発を感じた。文字通りすべての会社がプラットフォームになりたいと思っている中で、ほとんどがそうできていないのだから。

しかし、ゴーニー氏はその点に関する彼の考えを語り、私の気持ちを落ち着かせた。Nextivaは一連の製品群を構築したが、その時点ではプラットフォームではなかったと彼は説明する。正しい。しかし、自社のすべてのアプリやサービスのために、顧客データの共有プールを作成するシステムを構築したことで、Nextivaがその基盤となるレイヤーの上でより速く構築できるようになり、同社は1つになれたのだと彼は主張する。現在テック企業たちが乱用する以前の「プラットフォーム」の用語定義に照らして、その使い方は正当なもののように思える。

Nextivaの次のステップは?年30%以上の成長を考えれば、株式公開の可能性もあるだろう。それが自己資金であることを考えると、桁外れに大きなキャッシュバーンを持つことはないし、IPOのために必要なベンチマークは満たしている。さらに、ゴーニー氏はプライベートであることで、製品開発に集中したいときに成長を加速させたり減速させたりすることができると強調してはいたものの、Nextivaはもっと有名になりたいと考えているような印象を受けた。そして、IPOはそれに役立つだろう。

2021年はユニコーンのIPOラッシュが到来するといわれている。おそらく、そうしてデビューするものたちの中にはダークホースも含まれているだろう。

マーケットノート

今回私たちは、より広範なスタートアップ市場についての、議論に値する3つのテーマを取り上げる。AIの資金調達、フィンテック、未上場株式市場の流動性だ。

AIに関しては、特に後期ステージの中では、このところ忙しいセクターとなっている。オハイオ州に拠点を置くヘルスケアAI企業のOlive(オリーブ)は、これまでに調達した4億5600万ドル(約474億6000万円)の約半分にあたる2億2550万ドル(約234億7000万円)を調達した(Oliveサイト)。さらにいうなら、Oliveはユニコーンでもあり、PitchBookは資金調達後の評価額を15億ドル(約1561億1000万)としている。

中西部の企業の活躍を見るのはうれしい。だがOliveだけがユニコーンではない。Scale AI(スケールAI)も巨額の資金を調達しており、今回は35億ドル(約3642億6000万円)の評価額で1億5500万ドル(約161億3000万円)(未訳記事)の資金を調達した。2019年は10億ドル(約1040億7000万円)以上の評価額で1億ドル(約104億1000万円)を調達していた(未訳記事)。またAIスタートアップの領域では他にも、Versatile(バーサタイル)が2000万ドル(約20億8000万)を調達しultimate.ai(アルティメットai)も2000万ドル(未訳記事)を調達した。大忙しだ!

先を急ごう。Stripeはサービスとしてのバンキングを提供するツールセットを投入し、すでに高額な評価を受けているペイメント企業を、当初のニッチな領域から、より広範なそして利益を生む可能性のある領域へとシフトした。

ということで、同じ問題空間で仕事をしている小規模なスタートアップにとっては悪い知らせかも?彼らに何かいうことがあるかどうかは別として。以前に私が採り上げたAPI経由で銀行サービスを提供するスタートアップ、Treasury Prime(トレジャリー・プライム)のCEOであるChris Dean(クリス・ディーン)氏がThe Exchangeに寄稿した記事によれば「(Stripeのニュースが発している)最も重要なメッセージは、銀行に対してオープンバンキングAPIが必要とされていることを伝えている」ということだ。

そしてディーン氏は、すべてのフィンテックが異なる対象ごとに複数のベンダーを持つように、バンキングAPIサービスを提供する主要なフィンテックごとにも多くのベンダーが存在する余地があると考えており、Treasury Primeの顧客の中にも銀行業務のニーズに対して「Marqeta(マルケタ)、Galileo(ガリレオ)、Stripeを利用している顧客」がいると指摘している。

この先どうなるか楽しみにしよう。だがそれでもやはり、Stripeのニュースはビッグニュースだ。そして今回のアップデートは、彼らのIPOの遅れを説明できるものだと思う。成長を促進するこうした新しい要素があるときに公開した方が良いだろう。そのIPOが遅れていることに対して、口やかましく指摘した前回の私たちのノートの続きはここまでにしておこう。

そして最後はCarta X(カルタX)だ。このニュースを伝えられる興奮が押さえきれない。スタートアップ企業の資本対策表(キャップテーブル)管理や従業員の株式持ち分の取引を支援するCartaは、一種の取引所(Carta X)を開こうとしている、これは未上場株式市場に対してより多くの流動性、つまりより多くの価格シグナルと透明性をもたらすはずだ。開所予定は来年早々である。詳しくはここで(Medium記事)。

その他のことなど

残り文字数が少なくなってきたので、今回の締めくくりに3つだけ取り上げる。

最後に、The ExchangeはYext(イエクスト)のCEOであるHoward Lerman(ハワード・ラーマン)氏に対してインタビューを行った。内容は、第3四半期の結果については短期予想を上回る結果(Seeking Alpha記事)となったものの、第4四半期の利益予想については投資家に不安が広がっている(Seeking Alpha記事)件に関してだ。

私は先週のExtra Crunch Liveに参加した(未訳記事)ラーマン氏に話を聞き、状況を聞くことができた。検索サービスの提供に向けたYextの努力が功を奏して知名度が上がり、販売プロセスのコスト削減に貢献している。だがもう一方では、世界が再びロックダウンに向かっていることから、一部の地域では売上の伸びに対する弱さが見られ、ソフトウェア企業の成長の鍵を握る短期的な総合成績の結果はへこんでいる。

Yextは公開SaaS企業の1つに過ぎないので、その業績に対して過剰な評価はしたくないが、近い将来の成長という点で、同社が直面している不確実性についての率直な評価は、同社の事業に特有のものであるとはいえない。近い内にスタートアップたちに対して第4四半期の成長について尋ねる必要があるだろう。

こんなことをいっても仕方がないが、Yextはインテリジェントな製品を拡大している真っ最中なのに、それを売り込む先の市場の一部が冷え込んでいるのだ。これは、スタートアップたちが未上場のうちに乗り切るのがベストだと表現する状況だ。おそらく、Yextのケースは、公開企業が同様の状況を切り抜ける際の良い事例の1つになるだろう。

ではまた。

関連記事
Stripeが銀行の機能をSaaSとして提供する埋め込み型金融サービス「Stripe Treasury」発表
フィンテック企業Stripeの10.4兆円もの評価額はどう考えたらいいのだろうか

カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:NextivaScale AIStripe

画像クレジット:Nigel Sussman

原文へ

(翻訳:sako)

Stripeが銀行の機能をSaaSとして提供する埋め込み型金融サービス「Stripe Treasury」発表

フィンテックスタートアップのStripeが、Stripe Treasuryという意欲的な新製品を発表した。同社が銀行とパートナーして、銀行の機能をAPIからSaaSとして提供するいわばBanking-as-a-Service、つまりStripeのクライアントが銀行口座を顧客に提供できるというものだ。このサービスは現在のところ、招待制のみとなっている。

この新しいサービスは、埋め込み型金融(embedded finance)と呼ばれる大きなトレンドの一環だ。これまで、ユーザーが現在使っているサービス(eコマースなど)と銀行サービスはそれぞれ別だったが、埋め込み型金融ではエンドユーザーが使っているサービスの中で金融サービスも提供する。

Wiseのように、企業向けの埋め込み型銀行プロダクトを作っているところもある。Stripeは、既存のユーザーベースを利用して、Stripe Treasuryを新しい銀行サービスプロダクトとして使うよう説得できる。

たとえばShopifyは、Stripe Treasuryを使ってShopify Balanceを実装する。Shopifyのマーチャントが、お金を置いたり、請求を払ったり、お金を使ったりを自分のShopifyアカウントからしたければ、銀行口座をShopify Balanceに直接開ける。これまでのように自分の銀行口座にアクセスしなくてもよい。それを楽屋裏で可能にするのが、Stripe Treasuryだ。

ただし、Stripeが銀行になるのではない。同社は以前と同じく、インフラストラクチャと決済にフォーカスしている。そして米国ではEvolve BankやGoldman Sachs(ゴールドマン・サックス)のような銀行と協力する。またCitibankやBarclaysと提携して、ほかの国でもStripe Treasuryを立ち上げる予定だ。

Stripeは、あらゆるものをAPIの呼び出しに換える。APIは、簡単な命令でサードパーティのサービスと対話するためのプログラミングインタフェイスだ。たとえばデベロッパーは、StripeのAPIを呼び出してStripe Treasuryを利用し、銀行口座を直接開くことができる。

お金の移動や支払いもAPIを呼び出してできる。Stripe Issuingと組み合わせると、バーチャルやフィジカルのカードを発行して、それを銀行口座に接続できる。Stripeは徐々に、決済チェーンのより大きな部分をカバーするプロダクトを作っている。

関連記事:Shopifyが小売業者向けデビットカードと分割払いプランのサポートを発表

カテゴリー:フィンテック
タグ:StripeAPI

画像クレジット:Stripe

原文へ

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Stripeの10.4兆円もの評価額はどう考えたらよいのだろうか

The Exchangeの感謝祭特別エディションへようこそ。今回は簡潔に済ませる予定だ。しかし、話すことはたくさんあるので、静かにというわけにはいかない。

The Exchangeでは、Slack(スラック)とSalesforce(セールスフォース)の取引に対してはここで考察している (未訳記事)。昨日の朝食にパイを食べていて、見逃していたのなら追いついて欲しい。さて、残念なことに、私はなぜPalantir(パランティア)の株価が急騰しているのかが理解できない。普通なら私達はそれについて議論し、その上昇が未公開SaaS企業たちの下位層にどのような意味を持つのかを議論するだろう。しかし、その公開市場における値動きは人為的な上昇のように思えるので、私たちはただ待つことにする。

この気持の良い土曜日(米国時間11月28日)にお話ししたいのは次の話題だ。Bloombergによれば、Stripeが市場の価値を高めていて、その評価額は「700億ドル(約7兆3000億円)以上、または大幅に高い1000億ドル(約10兆4000億円)に達し得る」という。

いやあ、こいつはすごい。もしその価格だとするなら、計算方法にもよるがStripeは世界で1番または2番目に価値のあるスタートアップになるだろう。スタートアップという言葉は、それだけの価値のある会社のために使うべき奇妙な言葉だが、Stripeはまるで救命ボートのように非公開の状態にしがみついていて、外部の資金調達を続けている。おそらく利益よりは成長に重点を置いているようだ。そうしたテックスタートアップの特徴を保っていることを考えると、私たちはStripeをスタートアップと呼ぶことができるだろう。

だがそれは奇妙な話だ、なにしろ1000億ドル(約10兆4000億円)という評価額を考えると、Stripeには12桁(数千億ドル、数十兆円)の巨額の価値が生まれる可能性があるからだ。とにかくいまはそれで済んでいるという事実以外に、なぜStripeが非公開なのかを説明できる良い理由は見つからない。

とにかく、報じられているその価格は、正気なものなのだろうか?おそらくそうだろう。しかし、彼らにも彼らの理屈がある。ここしばらくの四半期における、堅調な支払い量を指し示している(未訳記事)、Square(スクエア)とPayPal(ペイパル)の収益を思い起こそう、これらはStripeの最近の成長の良い前触れとなっている。また、14カ月ほど前には、Stripeは「年間数千億ドル(数十兆円)規模のトランザクション」をすでに処理していた(The New York Times記事)。

現時点で興味深い計算を行うことが可能だ。たとえば2019年9月時点でのStripeの取扱量は2000億ドル(約20兆8000億円)だったが、現在は4000億ドル(約41兆6000億円)となっている。これを年換算の数字だと考えることにする。Stripeは1回のトランザクションに対して2.9%と0.30ドル(約31円)の手数料を請求する。まあここでは計算のシンプルさと控えめな数字を目的として、3%としておこう。計算してみると、その結果は120億ドル(約1兆2000億円)となる。

さあそうしてみると、同社の評価額が1000億ドルとなることも有り得そうだ(取扱高1500億ドル、約15兆6000億円)に対しての収益は45億ドル、約4675億円。そして、Stripeの粗利益率はSlackと同じではない。

こう見ると、Stripeの新しく噂される価格が、まったく荒唐無稽なものとは思えない理由が、徐々にわかってくるのではないだろうか。もしStripeの成長物語を信じているなら。その内容をさらに良いものと考えることができる。そして、世の中の競争相手たちも、そうした議論を支える材料となる。Squareの株式は2020年に3倍以上になった。PayPalの価値も2倍以上となってる。Adyen(アディエン)の株式はほぼ倍になった。これらは、新しい資本を調達し、積極的な価格を確保しようとしている最終段階のスタートアップに対する、公開市場からの援護射撃の一種だ。

まとめると、Stripeの噂される新しい評価額には合理的な裏付けが可能だ。それがいまだに非公開企業である点は不合理だが。

マーケットノート

その他のことなど

EdTechといえば、Equity(エクイティ)のNatasha Mascarenhas(ナターシャ・マスカレニャス)氏と私たちの勇敢なプロデューサーであるChris Gates(クリス・ゲイツ)が、教育技術市場に関する特別エピソードポッドキャストをまとめた。ここ(未訳記事)で聴くことができる。おすすめする。

カテゴリー:その他
タグ:Stripe

画像クレジット:Nigel Sussman

原文へ

(翻訳:sako)

フィリピンの決済スタートアップPayMongoが約12.6億円を調達、米国の決済サービス大手Stripeがリード

マニラに拠点を置くオンライン決済プラットフォームのPayMongo(ペイモンゴ)は、1200万ドル(約12億6400万円)のシリーズAラウンドを、米国の決済サービス大手のStripe(ストライプ)がリードしたと発表した。

フィリピンの企業向けにオンライン決済APIを提供するPayMongoは、Y Combinatorのアクセラレータープログラムに参加した最初のフィリピン系金融テックスタートアップだ。Y Combinatorと以前にも投資を行ったGlobal Founders Capitalは、あらためてシリーズAのラウンドに参加したほか、新規投資家としてBedRock Capitalも加わった。

PayMongoは金融機関と提携しており、そのサービスにはウェブサイトやアプリに統合できる決済APIが含まれており、銀行カードやGrabPay、GCashなどのデジタルウォレットからの支払いを受け付けることができる。ソーシャルコマースの売り手や、主にメッセージングアプリで商品を販売する人々のためにはPayMongo Linksを提供しており、買い手がクリックするだけで送金できるようになっている。PayMongoのプラットフォームには、詐欺やリスク検知システムといった機能も含まれている。

StripeでAPACビジネスリードを務めるNoah Pepper(ノア・ペッパー)氏は声明でPayMongoに投資した理由を「PayMongoのチームと、彼らがフィリピン全土の多くの企業にデジタル決済をより身近なものにしたスピードに感銘を受けたからです」とコメントしている。

PayMongoは2019年6月に270万ドル(約2億8400万円)のシード資金で立ち上げられた。創業者によると、フィリピンを拠点とするフィンテックスタートアップが調達したシードラウンドとしては過去最大級の規模だったとのこと。PayMongoは現在、総額1500万ドル(約15億8000万円)近い資金を調達している。

共同創業者兼最高経営責任者のFrancis Plaza(フランシス・プラザ)氏によると、PayMongoはサービス開始以来、合計で約2000万ドル(約21億円)の支払いを処理し、今年に入ってから平均60%のペースで成長しており、3月にロックダウンが始まってからは急増しているという。

同氏は「当初は来年の前半にシリーズAの資金調達を開始する予定だったが、新型コロナウイルスの感染蔓延の期間中にサービスに対する需要が高まったため、製品、設計、エンジニアリングチームを雇用し、新機能のリリースを加速させるために、より早い時期にラウンドを開始することになった」と付け加えた。調達した資金は、より多くのオンライン決済オプション、請求書発行やマーケットプレイスの機能、サブスクリプションのようなビジネスモデルのサポート、支払いサイクルの高速化などの開発に投下される。

PayMongoはまた、金融サービスプロバイダーとのパートナーシップを強化し、詐欺やリスク検出システムを改善し、中央銀行からのライセンスをより多く確保して、ほかのタイプの金融商品にも対応できるようにする計画だ。

PayMongoは、新型コロナウイルスの大流行により多くの企業が業務のデジタル化を推進していることから、東南アジアのフィンテック企業の中でも成長が加速している。プラザ氏によると、フィリピンでのデジタル取引全体は、国の封鎖の影響もあり1月から4月の間に42%増加したという。

PayMongoは現在、フィリピンで唯一の決済会社でありオンボーディングプロセスを完全にオンラインで行えるように開発されているため「初めてオンライン決済を受け入れる加盟店にとって魅力的である」と同氏。「我々は、加盟店がすぐに我々のプラットフォームを利用できるように、アプリケーションの迅速な承認のためのコンプライアンス要件をより効率的に審査し、加盟店に迅速な支払いができるようにしています」と続ける。

さまざまな都市でロックダウンが解除されてもこの勢いが続くとすれば、フィリピンの中央銀行が電子決済取引の取引量を国内の総取引量の20%にまで増やすという今年の目標の達成に向けて軌道に乗っていることを意味する。フィリピンではスマートフォンの普及率は高いが、多くの人が従来の銀行口座を持っておらず、高額な手数料がかかることが多いため、政府は経済成長と金融包摂(金融サービスへ取り込むこと)を促進するために、2015年にオンライン決済を奨励する政策を打ち出した。

フィリピンではロックダウンの規制が緩和されたとはいえ「PayMongoはまだ強力な牽引力を発揮している」とプラザ氏。「私たちは、フィリピンのビジネスによるデジタルシフトが続くと信じています。これは主に、商人と顧客の両方が、検疫レベルがより緩やかになったにもかかわらず、家にいてオンラインショッピングを選択するなどの安全対策を実践し続けているからです。オンラインは、商取引の新しい常識となるでしょう」と締めくくった。

画像クレジット:PayMongo

原文へ

(翻訳:TechCrunch Japan)

近年の評価額上位のスタートアップは慣習に反して非上場を続けている

Bessemer Venture Partnersは2020年のCloud 100 Benchmarkレポートを最近発表し、TechCrunchのAlex Wilhelm(アレックス・ウィルヘルム)がその大まかなトレンドに着目している(未訳記事)が、そのデータを見ると評価額上位の企業に注目すると、近年のトップ企業は何らかの理由で慣習に反していることがわかる。

このレポートはプライベート企業を対象としたもので、上場すると掲載されなくなり、毎年、企業の入れ替わりがある。たとえば初期のレポートでは、2016年と2017年にはDropboxが100億ドル(1兆円)規模の評価額で断然トップだったが、2018年に上場(未訳記事)して以降はいなくなった。

100億ドルという指標は、クラウド企業に対する投機的でない堅実な評価額としてはかなり大きめの額だが、評価額でそれを吹き飛ばした企業がいる。その並外れた大きさは、2020年9月初めの上場(未訳記事)の前に120億ドル(約1兆2700億円)を超えた(未訳記事)Snowflakeさえ小さく見えてしまうほどだ。

その企業は、360億ドル(約3兆8000億円)という途方もない評価額のStripeだ。同社の、トップを目指す快進撃は2016年と2017年に始まったが、2016年には60億ドル(約6300億円)、2017年には約80億ドル(約8400億円)でDropboxの背中を見ていた。2018年にDropboxがこのチャートを去ると、評価額は200億ドル(約2兆1100億円)に跳ね上がり、Dropboxがいたとしても抜かれていただろう。2019年は230億ドル(約2兆4200億円)にまで駆け上がり、2020年には360億ドルと大きく飛躍した。

Stripeが並外れているのは評価額の大きさだけでなく、それでもまだ上場していないことだ。TechCrunchのIngrid Lunden(イングリッド・ランデン)が2020年4月に指摘していた(未訳記事)ように、同社はその意図について沈黙を守っているが、最近ではIPOが近いという推測もある(Forbes記事)。

Stripeがそのクレイジーな評価額を稼いだ主因は、インターネット上における最大の企業の一部がクラウド決済のAPIとしてStripeを使っているからだ。今やAmazon(アマゾン)も、Salesforceも、Google(グーグル)も、ShopifyもStripeの顧客であるため、これだけ大きな評価額になっても不思議ではない。

Stripeは、誰もが自分のアプリやウェブサイトに決済の仕組みを簡単に導入できるサービスとして登場した。決済の部分のコードを自分で書くとしたら、ものすごく時間がかかってしまう。しかしStripeを使えば、開発者がやることはそのサービスのタイプを選ぶだけだ。あとは誰かがその決済のゲートウェイを通るたびに、Stripeが少額の手数料を徴収する。

世界最大の企業の一部が使っており、大小さまざまな企業もStripeを使って決済を実装しているため、その売上の合計(手数料の合計)は膨大な額になっている。それが、驚くべき評価額に繋がっている。

ここでもうひとつ注目したい企業は、RPAサービスのUIPathだ。同社は100億ドルを超える評価額でSnowflakeの次に位置している。レガシーなワークフローを自動化するRPAが、決済のAPIと並ぶほど長寿なものか、それはまだわからないが、この2年間はとても強かった。

レポートに登場する企業の多くが、初登場から2年後にはユニコーンになり、評価額が高騰し最終的に上場している。Stripeは現時点でその道を選んでいないため、相当に異例な企業だといえる。

関連記事:評価額1.1兆円超に急増した業務自動化のUIPathがシリーズEで約241億円を追加調達

カテゴリー:その他

タグ:Stripe UIPath

原文へ

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa