マイクロソフトの政治活動委員会が選挙結果に反対した政治家への献金を止め進歩的な団体を支援

2020年の米国大統領選挙の結果を覆すために投票した政治家への政治献金を「一時停止」しているMicrosoft(マイクロソフト)は、従業員が出資するPAC(政治活動委員会)のロビー活動方針の変更を発表した。当初の意図を倍増させ、影響力のある組織への資金提供を視野に入れ、ギアを入れ替えることを明らかにした。

Microsoftは2020年1月、米議会議事堂で起きた暴動とそれに続く選挙の正当性をめぐる党派間の衝突という混乱を受け、他のテック業界の主要企業やその他多くの企業と並び、政治献金の停止を発表していた。

当時Microsoftは、通常は新政権への移行中に寄付を一時停止することが多いが、今回は「先週の出来事の影響を評価した後」、そして「従業員と協議した後」にのみ再開すると述べていた。

政治に現金を配分するという問題においては、評価と相談に長い時間を要するが、Microsoftは比較的短期間で目標を達成したようだ。それから2週間、PACに寄付する300人以上の従業員が参加した一連のセッションで、同社は自社の優先事項を反映した新しい戦略にたどり着いた。

ひと言で言えば、選挙結果を覆そうとする企てを支持したり、選挙結果の認定に反対票を投じた上院議員、下院議員、政府関係者、組織をすべてブラックリストに登録するということだ。幸いなことに、グレーゾーンが多くないようで、プロセスは単純化されている。この制限は2022年の選挙(恐ろしいことに、来年に行われる)まで有効となる。

実際には、個々の候補者や政治家に寄付をする代わりに、PACは新たな基金を設立し、「公共の透明性、選挙資金改革、投票権を促進する団体を支援する」としている。

その詳細はまだ明らかになっていないが、これは候補者への直接支援から、独立した組織への支援へと、大きく変わることになる。候補者の資金が何に使われているのかはほとんど知られていないが(この時期ならスーパーボウルの広告などだ)、争いの熾烈な選挙区で、ボーター・サプレッション(ライバル側の支持者が投票に行かないよう誘導すること)やゲリーマンダリング(特定の政党や候補者に有利なように選挙区を区割りすること)を企む団体に50万ドル(約5270万円)を与えれば、大きな違いを生むことができる(たとえばジョージア州が共和党の赤から民主党の青に傾くことを助けるように、このような作業を大規模に行おうとすれば、一朝一夕では不可能だし、費用も不要というわけにはいかない)。

Microsoftの国政担当コーポレートVPであるFred Humphries(フレッド・ハンフリーズ)氏が、ブログ記事の中で、志を同じくする企業やPACと「ともに学び、活動する機会があると信じています」と示唆しているように、大きな変化の兆しさえ見られる。もしこれが、同志による連合を作るための狡猾な誘いでないとしたら、それが何なのか、私にはわからない。

同社はまた、PACの名称をMicrosoft Corporation Voluntary PACに変更し、従業員や利害関係者からの自発的な寄付によって資金を調達しており、単なる大企業のロビー活動の裏金ではないことを、より良く知ってもらおうとしている。

最初の「一時停止」時に見られたように、そして実際に2020年に、テック業界において他の多くの企業の行動でも見られたように、1つの大企業(この場合はMicrosoft)が政治的な動きを具体的にしたことで、先手を打たれたくないと思っていた企業がさらに増える可能性がある。これらの変化の長期的な影響を正確に予測することは難しいが(まだかなり全体的かつ暫定的なものなので)、次の選挙期間の政治資金に関する状況は、前回の選挙とは大きく異なることになりそうだ。

カテゴリー:その他
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画像クレジット:Drew Angerer / Getty Images

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

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TechCrunch Japan

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