マンション自主管理のスタートアップ「Matera」が12億円を調達

Matera(マテラ)はフランスのスタートアップで、以前はiLLiCopro(イリコプロ)という社名だった。このほど1000万ユーロ(約12億2700万円)の調達ラウンドを完了した。この会社は集合住宅の管理を行うのに必要なツールを提供するSaaSプラットフォームを開発している。

ラウンドをリードしたのはIndex Venturesで、既存の出資者であるSamaipataも参加した。ほかにエンジェル投資家のBertrand Jelensperger(バートランド・イェレンスペルジュ)氏、Paulin Dementhon(ポーリン・ディメントン)氏、Marc-David Choukroun(マーク・デビッド・チョウクルン)氏も名を連ねている。

フランスでは、マンション管理にふたとおりの方法がある。管理会社と契約するか、自分たちでやるかのどちらかだ。Materaは後者で、自分たちで建物を管理したい共同オーナーたちをターゲットにしている。Materaはウェブベースのプラットフォームを作り、情報の閲覧や他の区分所有者とのコミュニケーションを円滑にして全員が最新情報を共有できるようにしている。ちなみにBellman(ベルマン)などのように別のアプローチをとっているスタートアップもある。

ユーザーは個別のアカウントでプラットフォームをアクセスする。共同オーナーたちは定期的に集まって問題の解決にあたる。Materaはあらゆる情報を中央に集め、報告書を書いたり必要な法定点検の実施を支援したりする。金銭にまつわることもすべてMateraが扱う。オーナーたちは毎月管理費を集金し、支出内容を確認できる。会計に関する面倒な作業はすべてMateraが引き受けてくれるのだ。

さらにMateraは、協力会社との契約管理も支援する。エレベーター保守、暖房保守、清掃会社、水道、電気、保険、園芸などだ。協力会社の住所録が作られ、別の会社への切り替えを手助けする。

自分たちだけでやるのが難しいことがあれば、Materaは法律、会計、保険、建築などの専門家との仲介もする。現在Materaは、1000件の集合住宅で2万5000人の利用者を管理している。同社は欧州の他国への進出を計画しており、ベルギー、スペイン、イタリア、ドイツから始める予定だ。今回調達した資金を使って、社員を100名雇用する計画だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook