ユーチューバーのCaspar Leeがインフルエンサーマーケティングのプラットホーム立ち上げ

ソーシャルメディア上ではインフルエンサーたちがますます力を揮っているが、企業がこれらのスターを起用して製品をプッシュしようとすると、いくつかの問題にぶつかる。まず、マーケティングのツールとそのプロセスがバラバラで混沌としている。

インフルエンサーの力を借りたキャンペーンは控えめに言っても、消費者の信用を得るほどのクオリティーとクリエイティビティを備えるのが難しい。それにインフルエンサーが勧めるブランドは、彼らがそれを本当に好きだからという雰囲気が重要だが、そうでない場合も多い。

これは厳しすぎる言い方だろうか?一部のソーシャルインフルエンサーたちは自分が本当に推したい製品だけを取り上げようとする。しかし多くは、ただお金のために製品を褒めちぎるからすぐバレる。なるべく上品な言葉で言えば、結果的にクソみたいなショウばかりになる。でも中には、このかったるい状況を変えようとしているスタートアップも存在する。

インフルエンサーをそのまま社名にしてしまったInfluencerは、ソーシャルメディア上のインフルエンサーマーケティングのプラットホームで、このたびPuma Private EquityがリードするシリーズAのラウンドで300万ポンド(約4億円)の資金調達を完了した。

このプラットホームは広告主とクリエイターの両方にとって、インフルエンサーマーケティングを単純化する。そのために広告主、すなわち企業やブランドには、ファーストパーティーのデータを基にした本物のクリエイターたちのネットワークにアクセスさせる。そのネットワークをベースに、クリエイターの発見と彼らとの関係管理、キャンペーン管理、キャンペーンの結果報告、そして次に何をすべきかの知見が統合される。

インフルエンサーマーケティングの主な競争相手は、Whalar、Tribe、Takumi、Influential.co、FameBitなどだ。

しかし彼らとInfluencerが違うのは、必要な大量の要素を1カ所にまとめて、セルフサービス的な利用や十分に管理されたキャンペーンを可能にしているところだ。ホワイトレーベル的(無印的)なソリューションも、いくつか揃えている。

Influencerはこれまで、BoohooやAlibaba、Pepsi、Starbucks、Pantene、Uber Eats、PrettyLittleThing、Apple Musicなどの顧客に、ソーシャルメディアのインフルエンサー経由のオーディエンスとの接点を提供している。

同社は2017年に、当時23歳のBen Jeffries(ベン・ジェフリーズ)氏をCEO、25歳のユーチューバーでクリエイターのCaspar Lee(キャスパー・リー)氏を共同創業者として設立された。

今では同社は、検索インテリジェンスのCaptifyとグロースマーケティングエージェンシーであるInflecto Mediaの共同創業者Adam Ludwin(アダム、ラドウィン)氏を取締役に迎えている。

英国ロンドンで創業した同社は、近くニューヨークに最初のアメリカオフィスを開く。そこはCEOのジェフリーズ氏が指揮し、来年はウェストコーストへの進出を計画している。

モバイルアプリもリリースした。同氏によると「企業とコンテンツクリエイターが有意義な関係を構築できるアプリ」だそうだ。

リー氏は「Influencerがクリエイターによるクリエイターのための企業であることに誇りを持っている。チームは新しい時代のクリエイティビティを体現し、世界のトップクラスのクリエイターたちとの他社にない強力な関係を築いている」と語る。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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