ロボット配達スタートアップCocoが年内に従業員数と事業展開地域の拡大を計画

ロサンゼルスを拠点とする配達ロボットのスタートアップ企業であるCoco(ココ)は、3600万ドル(約40億円)の資金調達を発表した。このシリーズA投資ラウンドは、Sam Altman(サム・アルトマン)氏、Silicon Valley Bank(シリコンバレー・バンク)、Founders Fund(ファウンダーズ・ファンド)が主導し、Sam Nazarian(サム・ナザリアン)氏、Ellen Chen(エレン・チェン)氏、Mario Del Pero(マリオ・デル・ペロ)氏が参加した。これにより、同社が調達した資金の総額は約4300万ドル(約47億円)となった。

「現状のデリバリーサービス業界は、加盟店へのサービスが大幅に不足していると、私は強く感じています」と、共同創業者でCEOのZach Rash(ザック・ラッシュ)氏はリリースの中で述べている。「これは、将来的にいつか製品化されそうな技術を実験する研究プログラムではありません」。

画像クレジット:Coco

UCLAからスピンアウトし、かつてCyan Robotics(シアン・ロボティクス)と呼ばれていたこの会社が事業を展開している分野には、Starship(スターシップ)、Nuro(ニューロ)、UCバークレー校アクセラレーター・プログラム卒業生のKiwibot(キウイボット)など、多くの企業がひしめき合っている。Cocoのソリューションは、完全な自律運転を追求するのではなく、遠隔操作を活用するというものだ(これは多くの企業が認めるよりも一般的なソリューションである)。

Cocoは2020年2月に創業したばかりのまだ若い会社である。現在の従業員数は120名だが、新型コロナウイルス流行の影響でロボットによる配送への関心がますます高まっていることから、年末までに「1000名以上に成長する」計画だという。今回の資金調達は、ハードウェアの開発や事業展開する都市を増やすためにも充てられる予定だ。

Cocoによると、同社は97%のオンタイム率で運営できており、顧客の配達時間を約30%短縮できるという。同社には、NuroにとってのDomino’s(ドミノ・ピザ)のような大規模なパートナーはいないが、カリフォルニアを拠点とするUmami Burger(ウマミ・バーガー)は、Cocoのサイトに現在掲載されている18のレストランパートナーの中で、おそらく最も大規模な企業だ。

「当社は現在、サンタモニカとロサンゼルス近郊の5つの地域で事業を展開しています」と、CocoはTechCrunchに語っている。「2021年後半には、いくつか米国の他の主要都市にも進出する予定です。SBE(Umami Burger)のような全米規模のレストランブランドと提携し、多くの地域で積極的に展開を拡大する他、サンタモニカのBangkok West Thai(バンコック・ウエスト・タイ)やロサンゼルスのSan Pedro Brewing Company(サン・ペドロ・ブルーイング・カンパニー)のような家族経営のレストランにも広くサービスを提供しています。当社はパイロット段階を終え、毎日数十件の新たな店舗とサービスを起ち上げています」。

関連記事
ホンダと楽天が自動配送ロボットの走行実証実験を共同で開始、筑波大学構内および一部公道で実施
ロシアYandexの自動運転部門がGrubHubと提携、米国の大学キャンパスにロボット配達を展開
自動配送NuroがFedExと提携、配送ロボをライスマイルデリバリーに大規模導入

画像クレジット:Coco

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。