名刺管理サービス「Eight」がついに採用サービスを本格始動、月額5万円でダイレクトリクルーティング可能

個人向け名刺アプリ「Eight」などを展開するSansanは1月29日、同アプリ内で利用できる人材採用サービス「Eight Career Design」を提供開始すると発表した。

企業がEight Career Designを利用することで、現在200万人を超えるEightユーザーに対してダイレクトリクルーティングをかけることができる。同サービスにはユーザーの職歴などの情報が蓄積されており、企業はその情報をもとに効率的な採用活動を行うことが可能だ。

同サービスを利用する企業は、Eight上に作成した企業アカウント(企業ページ)内に募集要項の掲載が可能になる。また、職種、業種、年齢、募集地域、職位、企業規模でユーザーを絞り込み、求める人材像にあったEightユーザーを検索することが可能だ。企業は絞り込んだユーザーに対してダイレクトメッセージを送ることができるほか、そのユーザーを「タレントプール」に追加しておくことで、そのユーザーのプロフィール変更などの通知が届くようになり継続的な採用活動にもつながる。

Sansanは人と人とのつながりを表示するSNSとしての一面もあるため、例えば、絞り込みによって表示されたユーザーと自社の社員の間につながりを確認することで、Eight Career Designを「リファラル採用」のためのツールとしても活用できるだろう。

Sansanはこれまでにも、Eight上に企業の採用ページを作ることができる機能を提供していたが、今回同社はその機能を進化させ、採用サービスの提供へと本格的に踏み切ることとなった。今後、企業はこのEight Career Designを月額5万円で利用できる。

これまで「名刺」というビジネス資産を起点にビジネスパーソンであるユーザーのデータを集めてきたSansan。そして、社会人になって初めて持つことの多い名刺を起点にしているからこそ、彼らのデータベースは現役のビジネスパーソンのデータで溢れている。中途採用の即戦力を求める企業にとって、Sansanがもつデータベースは、LinkedInなど他のビジネスSNSなどに比べて魅力に映る可能性はある(僕は学生のころにLinkedInを初めて、現在もステータスは「学生」のままになっている)。

ただ、ちょっと気になることも。名刺管理サービスであるEightを使うユーザーは、必ずしも転職を目的として同サービスを利用しているわけではないから、企業から送られてくるスカウトメッセージを鬱陶しく感じることもあるだろう。ただ、Sansanはそのあたりも考慮しているようで、アプリの画面からスカウトメッセージを受け取らないように設定することは可能なようだ。ただし、Eightユーザーがプロフィールの公開設定を「非公開」にしていても、Eight Career Designの検索には表示されるようだ。

 

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TechCrunch Japan

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