国際宇宙ステーションのネットワーク帯域幅がアップデートで増増へ

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国際宇宙ステーション(ISS)をはじめとする軌道上のプラットフォームが大きく改訂され、容量が倍増する。今日(米国時間12/13)NASAが発表した。ただし、新しいルーターや人工衛星を打ち上げたわけではない。改善は主に地球の側で行われた。

ISSほか数十の人工衛星が利用しているスペースネットワークは、衛星から地上の基地局に向けて大量のデータを送るためのそれなりに統一されたアーキテクチャーだ。最大帯域幅は300 Mbpsで、もちろん多くのインターネットプロバイダーよりはずっと速く、ISSのメンバー全員が同時にビデオをストリームするにも十分だ。

もちろんそんなことをするには忙しすぎる人たちだが、ネットワークはあらゆる種類の実験装置や他の衛星にも対応する必要がある。毎日平均約28テラバイトの高精細、リアルタイム宇宙データが地球に送信されてくる他、宇宙飛行士のインターネット閲覧、ビデオ通話等々にも利用される。データはすべて、〈追跡およびデータ中継衛星〉(TDRS)の専用ネットワークを通じて基地局に届けられる ― そこから地球各地へ転送される。

この高度に技術的なビデオがプロセス全体を詳しく説明している。

大きなアップデートを受けるのは基地局だ。ホワイトサンズ(ニューメキシコ州、上の写真)およびグアムで新しいハードウェアが設置されており、宇宙ステーションからのダウンロード容量が倍増する。

「基本的にこれは、ISSおよび地上局両方の通信システムをアップデートするもので、ISSから送られてくる科学データを増やすことが可能になる」とNASAのMark Severanが同局のニュース記事に書いた。

ISS側の改善については詳しく語られていないが、地上に合わせて帯域幅増加に対応するためのハードウェア変更があったと考えられる。地上ターミナルのアップデートも進行中だ。新しいさらに柔軟なアーキテクチャーの設置も準備中だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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