国際物流クラウド「Shippio」がANAと実証実験、航空輸送にもサービス展開へ

B2B国際物流のクラウドサービス「Shippio」は2月6日、ANAグループで国際輸送サービスなどを担うOCS、および航空物流のANA Cargoと共同で、国際航空貨物輸送のプロセス電子化・簡易化に取り組む実証実験を開始すると発表した。実施は2018年度中を予定している。

Shippioは、ウェブ経由で国際輸送の見積もりとドア・ツー・ドアの輸出入手続きができるプラットフォームで、2018年12月にプロダクトを正式リリースした。これまで海上輸送を中心にサービスを開発・提供してきたが、実証実験により、航空貨物にもサービスを展開。まずは、荷主が、航空貨物輸送の価格をスピーディに把握できる仕組みや、最適な輸送手段の選択、輸送貨物の動静管理ができるツールの検証・提供を図っていく。

また今後、実証実験のステップが進んだところで、輸出入データの蓄積と分析により、データを活用したさらなるサービス開発や、デジタルフローの確立、3社間でのデータ連携などを進めることも視野に入れている。

Shippio代表取締役の佐藤孝徳氏は、「海上輸送と航空輸送では、輸送スピード、価格、運ぶ荷物の種類も異なっている。これまでは海上輸送のイメージが強いShippioだったが、大手航空会社と組むことで国際航空輸送の分野にも取り組んでいく」とコメント。「物流量の増加や労働人口減少を背景とした物流×テクノロジーによる効率化が加速することが予測される中、確かな実績とオペレーションを持つANAグループと、最新のロジスティクステクノロジーを提供する我々の取り組みが、よりよい日本、そして世界の国際物流の一助になるようチーム一同尽力する」としている。

また、Shippioのサービスを通じて荷主から依頼のあった海外向け航空貨物を、ドア・ツー・ドアで発送手配するOCSは、「物流とテクノロジーの融合は当社の重点分野であり、今後の物流業界を大きく変えるチャンス」として「顧客への新たな価値の提供を主眼にこの実証実験に参画した。当社の国際物流におけるノウハウと海外160以上の拠点をフルに活用し、協働していきたい」(OCS 経営企画部 部長 田之上圭克氏)とコメントしている。

貨物の空港間輸送を担当するANA Cargoは「サプライチェーンのさらなるグローバル化や越境ECの拡大などにより、今後も航空貨物需要が大幅に拡大することが想定される。デジタリゼーションであらゆる顧客に、より身近に利用される仕組みが必要だ」として、「今回の取り組みを通し、Shippioのサービスをしっかりとサポートしていきたい。多くの顧客に同サービスを利用してもらえれば」(ANA Cargo 業務企画部 副部長 湯浅大氏)とコメントを寄せている。

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TechCrunch Japan

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