家族や恋人とURLでカレンダー共有――登録ユーザー500万人の「TimeTree」が5.3億円を調達

URL1つで簡単に予定が共有できるカレンダーアプリの「TimeTree(タイムツリー)」。その提供元であるJUBILEE WORKSは8月1日、既存投資家のK CUBE VENTURES西武しんきんキャピタル東映アニメーションのほか、Cognitive Investmentなど国内外の投資家から総額5億3000万円を調達したと発表した。

なお、同社は2016年11月に総額2億1000万円の資金調達を実施しており、それを加えた累計調達金額は7億4000万円となる。

TimeTreeの最大の特徴は、URLをLINEやメールで送るだけで他のメンバーと予定の共有ができる点だ。1つのアプリで複数のカレンダーを持つことができるため、家族用や同僚用などとカレンダーを分けて運用することができる。また、TimeTreeにはコメントや写真を投稿できる機能が備わっている。だから、アプリ上で「この日の集合場所はどうする?」などのコミュニケーションを完結することも可能だ。

ターゲットは若い主婦層

JUBILEE WORKS代表取締役の深川泰斗氏によれば、TimeTreeは家族や恋人との予定共有のために利用されることが多いという。属性別にユーザーを見ると、20〜30代の女性が最も多い。

「TimeTreeのユーザーで多いのが、夫から『言うの忘れてたけど、飲み会があるから今日はご飯いらない』などと言われて困っている若い主婦層。そういった経験をきっかけに、家族の共有カレンダーとして使われる。そして、その後にアプリを使い始めたお父さんユーザーが、今度は同僚との予定共有に利用する例もある」(深川氏)

聞けば、女性をターゲットにしたのは当初からの戦略であり、そのために開発当初から「女性から『カワイイ』と感じてもらいながら、男性が使っても恥ずかしくないデザインを心がけていた」という。

2015年3月にサービスリリースのTimeTree。同アプリの登録ユーザー数は現在500万人だ。約1年前の2016年8月時点では200万人ということだったから、そこからユーザー数を2倍以上に伸ばしたことになる。

また、TimeTreeは韓国語やロシア語など13ヶ国語に対応しており、特にドイツやオーストリアなどのヨーロッパ圏でユーザー数の伸びが大きいと深川氏は話す。

年内にも新機能を追加予定

JUBILEE WORKSは今回調達した資金を利用して開発体制の強化を図り、Rubyエンジニアなどの採用を行っていく。また、これまでの“グループ内での予定共有”の枠を超えた新機能の追加も予定しているという。

これはSMBによる利用を想定したもので、例えば外部向けイベントに参加する不特定多数の人々に、イベントの詳細や日程を共有したり、アップデートをリアルタイムで伝えたりといったユースケースが想定される。この詳細はまだ明らかにされていないが、深川氏は「年内には詳しい内容をお伝えできるようにしたい」と語った。

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TechCrunch Japan

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