昨年のTechCrunch Tokyoのスタートアップバトルのファイナリストでスマートロック「Akerun」を開発・提供するフォトシンスが、ジャフコ、YJキャピタル、ガイアックス、ベータカタリストの4社からの第三者割当増資による合計4.5億円の資金調達を実施したとTechCrunch Japanに明かした。フォトシンスはTechCrunch Tokyo 2014のファイナリストとして昨年デビューして、今年4月に製品販売を開始。サムターンと呼ばれる指で回すマンションやオフィスなどのロックに対して後付けするIoTデバイスによりスマートロック化する仕組みを提供する。
フォトシンス共同創業者でCEOの河瀬航大氏によれば、すでにアーリーアダプター層など個人での導入も進んでいるが、「法人で予想以上に反響をいただいている」という。中でも第三者へのカギの受け渡しが多いコワーキングスペースやAirbnb、オフィスで売れているそうだ。
導入する側はITリテラシーが高いケースが多いが、逆に利用側はそうとは限らない。「肝心のスマホを使うゲスト側のリテラシーがまちまちである点が課題かと感じています。特に不動産内覧の実証実験では顕著でした。仲介会社さんは意外とガラケーだったり、スマホであってもアプリの操作が苦手だったりする」(河瀬CEO)こうしたことから、この7月にはガラケー対応もしていて、特に「多くの方が出入りするエリアではフィーチャーフォン対応が必須」と考えているそうだ。Akerunによる解錠が必要な利用者でも、1度きりの場合はアプリのインストールや初期登録をするのは手間だという課題もある。この辺りも7月に発表したAkerun RemoteでURLによるワンタイムの鍵の払い出しなどで対応していくことができそうだ。
国内スマートロック市場では、ソニーとWiLが共同出資する「Qrio Smart Lock」(キュリオ スマートロック)のほか、2014年末に創業して不動産に特化したシステム開発を行うライナフの「Ninja Lock」、海外プロダクトの輸入販売としてM2モビリティーが販売する「danalock」などがある。