写真共有アプリケーションは既に膨大な量が公開されている。この度その一員としてデビューしたのはThrowbackというアプリケーションだ。これは写真と「ノスタルジー」をミックスするために作られたものだ。
Throwbackで撮った写真は、将来の自分ないし友だちに送られるようになっている。撮影した写真は、なんと最速で1ヵ月後まで自分で見ることすらできないのだ。サービスから写真が送られてくる際はメールの添付ファイルとして送られてくるので、カメラロールなど、好きな場所に写真を保存することができる。
こうしたサービスを思いついたのはファウンダーのCalli Higginsだ。写真とノスタルジーの出会う場所に存在するサービスを意識したのだとのこと。
「心に訴えかける写真とそうでないものの差を考えてみたのです。たとえば、久しぶりに目にするものはノスタルジーの感情を呼び起こします」とHigginsは言う。「現在はすべてにおいて露出過多となっていて、ノスタルジーを感じることなどなくなってしまっています。ThrowBackはそうした現状を変えるアプリケーションなのです」ということなのだそうだ。
使い方は非常に簡単だ。メールアドレスを投稿して、写真を撮影するか、あるいはこれまでに撮った写真を指定する。写真の指定が終われば、次には送られてくる日付を指定する。これは特定の時間幅(6ヵ月から5年)の間で指定したり、あるいは「Surprise」でランダムに送らせることもできる。特定の日付の指定もできるが、最短でも1ヵ月後でなければ指定できないようになっている。
また、写真を自分だけに送るのか、あるいは他の人にも同時に送るのかを指定することができる。
但し、本アプリケーションでは既存のソーシャルネットワークとの連携は行えない。これを不備と感じる人もいるだろうが、実は狙いがあってのことと見ることもできる。すなわち現在はあまりに膨大な数の写真がネットワーク上に出回っている。このせいでせっかくの面白い写真も注目されることなく流されてしまう傾向にある。そうした状況から抜け出すためのアプリケーションであってみれば、ソーシャルとの連携はしないという選択肢もありだろう。
但し、今後の機能追加は考えているようだ。たとえば数ヶ月後になってから思い出写真のツイートを流すだとか、Facebookへの投稿は行えるようにするなどという機能追加はあるかもしれない。しかしまだ詳細は教えてもらえなかった。
Facebookの登場が、あらゆるジャンルのソーシャルネットワークの登場を促した(仕事向けにはLinkedIn、親しい間で利用するにはPath、短いメッセージを即時に流すならTwitterといった具合)ように、Instagramの流行がさまざまな種類の写真・動画共有サービスを生み出しているとも言えるだろう。
たとえばすぐに消えてしまうメッセージを送るSnapchatでは、自分撮り写真を流すという動きが加速して、これはFacebookのPokeを生み出すことにも繋がった。
TwitterもVineの提供を開始した。そしてVineはViddy、SocialCam、あるいはCinemagraph、あるいはHTCのZoeやSamsungのシネマモードのように、携帯メーカー版の動画・写真共有アプリケーションなどをも生み出すきっかけとなった。
また位置情報とリアルタイム共有を目指すAlbumatic、PhotoSocial、そしてサービスを停止してしまったColorというものもあった。
こうしてみると、凡百のInstagramクローンから抜けだして話題を集めるには、何かしらユニークな機能を持っていることがまず大切であることがわかる。そうした点で見るとThrowbackはまず可能性を持っていると言えるかもしれない。
ThrowbackのiPhone用アプリケーションはこちらから入手できる。
[原文へ]
(翻訳:Maeda, H)