米テック企業で人気が高まる計画方法OKRに注力するGtmhubは2020年に3倍に成長、シリーズBで31億円調達

企業の事業計画管理支援ソフトウェアを開発する多国籍スタートアップのGtmhubは米国時間1月7日、シリーズBで3000万ドル(約31億円)を調達したと発表した。ラウンドはInsightが主導し、新規投資家としてSingularが、また既存投資家からLauncHubCRVが参加した。

Gtmhubは、約13カ月前にシリーズAで900万ドル(約9億円)を調達(未訳記事)した。当時調達した資金は、それまでに調達した合計よりも大きかった。同社の新しい資金調達ラウンドは、2019年のシリーズAと同様、これまでの資金調達合計を上回った。

Gtmhubはどのようにしてこれほど多くの資金を調達できたのか。ひと言でいえば成長だ。

シリーズAの時点でTechCrunchは、Gtmhubのラウンド直前の年間経常収益(ARR)が前年比で400%増となると報じた。同様の水準でトップラインの拡大が続いており、GtmhubのCOOであるSeth Elliott(セス・エリオット)氏はTechCrunchに、同社のARRは昨年(2019年12月~2020年12月で測定)の3倍に増加したと語った。

2019年にGtmhubが立ち上がった頃、他にも同じソフトウェア市場に特化する多くのスタートアップが立ち上がったため、TechCrunchは「なぜ誰もがOKRソフトウェアを作っているのか(未訳記事)」と問いかけた。

OKRは「objectives and key results」を意味する。これは、米国のテック企業の間で人気が高まっている計画方法であり、エリオット氏によれば、国際的にも、また非テック企業の間でも人気が高まっている。

またエリオット氏はTechCrunchに、Gtmhubは2つのビジネストレンドとともに成長していると語った。第1にOKR自体の台頭であり、同社が乗っている波だとTechCrunchに述べた。第2に同社が先頭を走っていると同氏が考えているもので、敏捷性を高め変革を進める大企業を対象とする。こういった企業がGtmhubを採用している。GtmhubはDX(デジタルトランスフォーメーション)や同様の取り組みを成功させるのに役立つ。

事業の活性化を目指す大企業が、スタッフを1つの方向へまとめる新しい計画の方法を望んでいることは大きな驚きではない。Gtmhubは長い間、法人向けのビジネスを得意としてきた。

同社の狙いは2020年、うまく当たったことがわかった。TechCrunchは新しいラウンドに関して同社と議論する中で、年間契約額(ACV)の実績と粗利益の水準に関する最新情​​報を同社に求めた。2019年のシリーズAの時点で、同社はACVを前年から650%増加させたと述べた。エリオット氏はTechCrunchに、ACVは2020年に10倍になったと語り、大企業への販売が成功したと示唆した。また同氏は、このサービスの有料ユーザーの総数も、同年中に10倍に増加したと付け加えた。

同社の粗利益率は、2019年の約90%の水準に維持されたと同社は語った。

こうした実績を踏まえると、Gtmhubがスタートアップの標準である18カ月より短い期間で新たなラウンドを迎えられたのは驚くに当たらない。

ラウンドはすぐに実現した。エリオット氏によると、Gtmhubは2020年11月初旬に正式なプロセスを通さずに投資家と協議を開始し、同月終わりまでに資金調達に向け本格的に取り組み始めた。2020年の終了とともにラウンドも完了した。

ソフトウェアカテゴリーに属し約1年前に資金を調達した他のスタートアップもまた、今後多くの資金を調達するのかは興味深いところだ。この問いに関するウォッチリストにはWorkBoardAllyが含まれる。2020年の成長に関しては、Perdooのように他にも聞いてみたいプレーヤーがいる。

Gtmhubは2021年の成長計画をTechCrunchと共有することを拒否している。

このラウンドでの大きな教訓は、ニッチすぎて見向きもされなかったソフトウェア、すなわちOKR向けソフトウェアのは、実際には少数の高成長スタートアップを支えるのには十分大きいということだ。これは広くいえることで、ベンチャーやスタートアップ業界の過去数四半期のペースについての説明になっているところがある。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:OKRGtmhub資金調達

画像クレジット:Mimi Thian / Unsplash (Image has been modified)

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(翻訳:Mizoguchi

投稿者:

TechCrunch Japan

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