米国の自動車規制当局は、Tesla(テスラ)の先進運転支援システム「Autopilot(オートパイロット)」について予備調査を開始した。これは、同システムを作動させていた際に、駐車されていた救急車両に車両が衝突した11件の事故を理由としている。
米運輸省道路交通安全局(NHTSA)のウェブサイトに掲載された調査資料によると、衝突事故に関与したテスラ車は、オートパイロットまたは「Traffic Aware Cruise Control(トラフィックアウェア クルーズコントロール)」と呼ばれる機能を作動させていたことが確認されたという。事故の多くは日没後に発生しており、緊急車両のライトや道路のコーン、ドライバーに車線変更するよう知らせる照明付き矢印板などの「現場管理措置」にもかかわらず発生していた。
「今回の調査では、ダイナミックな運転タスクに対するドライバーのエンゲージメントをモニターし、支援し、強化するために使用される技術と方法を評価します」と資料には記載されている。
調査の対象となるのは、現在販売されているすべてのモデルを含む約76万5000台のテスラ車だ。14-21年型のTesla Model Y(モデルY)、Model X(モデルX)、Model S(モデルS)、Model 3(モデル3)が対象となる。11件の事故または火災により、17名の負傷者と1名の死亡者が発生した。これらの事故は2018年1月から2021年7月の間に発生した。
Teslaのオートパイロットが米国の自動車安全規制機関であるNHTSAの監視下に置かれたのは、今回が初めてではない。2017年、同局は2016年に起こった死亡事故を調査したが、その事故ではEVメーカーである同社に過失はないとされた。NHSTAはこれまで、TeslaのADAS(先進運転支援システム)が関与した事故をさらに25件調査していると、AP通信が米国時間8月16日に今回の調査に関する記事で報じた。
NHTSAは2021年6月、ADASまたはレベル3~5の自動運転システム搭載車の衝突事故の報告を自動車メーカーに義務付ける命令を出した。
「NHTSAは、現在市販されている自動車の中に自動運転が可能なものはないことをあらためて国民のみなさまに指摘します」と、NHTSAの広報担当者は16日にTechCrunchに語った。
TechCrunchは、メディアリレーション部門を解散したTeslaにコメントを求めた。同社から回答があれば記事を更新する。
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カテゴリー:モビリティ
タグ:Tesla、Autopilot、先進運転支援システム、米運輸省道路交通安全局(NHTSA)
画像クレジット:Spencer Platt / Getty Images
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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Aya Nakazato)