自動運転技術のAutoXは欧州でもロボタクシー事業展開を目指す

香港とカリフォルニア州サンノゼに拠点を置く自動運転車技術のAutoXは、これまで自動運転車によるグローサリー配達を手がけてきたが、今やAVサプライヤーとロボタクシーにも事業を拡大している。

そして今度は欧州へ進出しようとしている。

AutoXは、2020年末までに欧州でロボタクシー試験サービスを展開しようと、破産したSaabの資産を購入したスウェーデンの電気自動車メーカーNEVSと提携した。専門的な提携のもと、AutoXは2017年のCESアジアで発表されたNEVSのInMotionコンセプトにインスピレーションを得ている次世代の電気車両に自動運転技術を搭載する。

次世代車両はNEVSがスウェーデン・トロルヘッタンで開発していて、自動走行するNEVS車両のテストは2019年第3四半期の開始が見込まれている。同社によると、車両は来年欧州で公道を走るようになる。

よくX教授と呼ばれているAutoXの創業者でCEOのJianxiong Xiao(ジアンシャオ・シャオ)氏は、この特殊な車両は自動運転タクシーサービスにうってつけだと述べた。というのも、車両は特殊使用のために作られていて、ガスを排出せず、1日24時間使用することができ、そして道路を走る車の数を減らせるかもしれないからだ。

両社は最終的にグローバルでかなりの数のロボタクシーを展開したい考えだ。

NEVSとの提携は、AutoXが今やデリバリーサービスより自動運転車両テクノロジーに精力的に取り組んでいることを意味している。AutoXは2016年に創業され、当初は自動運転車両を主にグローサリーの配達に使うことにフォーカスしていた。昨年8月、AutoXはGrubMarket.comと地元の高級グローサリーストアDeMartini Orchardと提携し、サンノゼの限られたエリアでグローサリー配達とモバイルストア事業を開始した。

そして、これまでにベンチャーや戦略的投資家から約5800万ドル(約65億円)を調達しているAutoXはこのほど事業を拡大した。同社は車メーカーに自動運転車両技術を提供し、自前のロボタクシー事業を立ち上げたいと考えている。

6月、AutoXはロボタクシーに客を乗せて輸送する許可をカリフォルニア州当局から取得した2番目の企業になった。AutoXはカリフォルニアのロボタクシーサービスをxTaxiと呼んでいる。

カリフォルニア公益事業委員会はまた、Pony.aiとWaymo、そしてZooxに州の自動運転車両乗客サービスパイロットに参加する許可を出しているが、このパイロットでは各社は有償でのロボタクシー乗車を提供することは禁止されている。

X教授は以前、彼のミッションは自動運転車両を皆に提供することだ、と語っていた。そうした意味で、今回の事業拡大は驚きではないだろう。同社が目指すゴールは、経済的(そしてより良い)ハードウェアを活用することで達成できるかもしれない。同社は光感知とライダーとして知られている測量レーダーを活用している。しかし自動運転車両にたくさんの高価なライダー装置を搭載する代わりに、AutoXは解像度が優れているとされるカメラに頼っている。そして同社が所有するAIアルゴリズムが全てをつなげる。

今のところ、カリフォルニアでのxTaxiパイロットは限定的となる見込みだ。サンノゼで展開されているデリバリーサービスと同じくらいの範囲で、5平方マイルほどの広さで展開される。しかし同社は明らかに、規模と展開エリアを拡大するという野心を持っている。AutoXは社員115人超を抱えているが、今年50人超を新たに雇用する計画だ。

同社はサンノゼ市当局と別のパイロットをダウンタウンで立ち上げようと準備を進めている。詳細はまだ明らかにされていないが、このパイロットは早ければ来月初めにもローンチされる。

AutoXはまた、中国・深圳市でもロボタクシーサービスを展開する許可を取得している。同社が独自にサービスを展開するのか、あるいはNEVSと展開するという欧州モデルをとるのかは明らかではない。AutoXが中国でBYDと提携するのはあり得ることだ。AutoXはすでに同社のAV技術をBYDの車両に搭載するために中国企業と作業を進めている。

イメージクレジット: AutoX

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(翻訳:Mizoguchi)

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TechCrunch Japan

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