自動運転車両開発のAutoXがカリフォルニア州で無人運転テスト許可を取得

Alibaba(アリババ)が支援する自動運転車両開発のAutoX(オートエックス)が、サンノゼの限定エリアの公道で無人自動運転のテストを行う許可をカリフォルニア州から取得(カリフォルニア州リリース)した。

この許可により、AutoXは自社の自動車両をセーフティドライバーなしでテストできる。ドライバーなしのテストが認められた企業はAutoXが3社目だ。すでにWaymo(ウェイモ)とNuro(ニューロ)が許可を取得している。自動運転車両テストを管理するカリフォルニア州車両管理局によると、AutoXの許可は車両1台に限定され、同社本部近くのサンノゼの決められたエリアでのみテストできる。テスト車両は晴天と小雨の中で走行でき、スピードは時速45マイル(約72km)以下とのことだ。

完全自動運転を開発しているAutoXは2017年からセーフティードライバー付きの自動運転車両をテストする許可を得ている。現在、62社が同州内でセーフティードライバーを乗せて自動運転車両をテストできる許可を持っている。

ドライバーなしのテストの許可を得るには、保険証明、500万ドル(約5億円)相当の債権、ドライバーなしのオペレーションが可能であることの証明、連邦政府自動車安全基準をクリアしていること、あるいは国家幹線道路交通安全局からの免除を提示する必要がある。

AutoXはカリフォルニアと中国でロボタクシー展開してきた一方で、真の目的はロボタクシーを自前の車両で展開したい企業にテクノロジーをライセンス貸しすることだと同社は述べていた。中国の一部地域で操業してきたが、今回のドライバーなしのテスト許可取得は同社が米国でも積極的に展開するかもしれないことをうかがわせる。

AutoXは2019年に上海市の嘉定区で自動運転車両100台を展開することで自治体当局と合意したのを受けて、4月に広さ8万平方フィート(7432平方メートル)の上海ロボタクシー・オペレーション・センターを開所した。使用されている車両は上海から93マイル(約150km)離れた工場で組み立てられた。

同社はBYDと2019年に立ち上げたパイロットプログラムを通じて上海でロボタクシーを展開してきた。1月にAutoXは中国やアジア諸国でロボタクシーを展開するためにFiat Chrysler(フィアット・クライスラーと提携した。

画像クレジット: AutoX

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(翻訳:Mizoguchi

アリババ支援のAutoXとフィアット・クライスラーが中国でロボタクシーを運用へ

アリババが支援する自動運転車のスタートアップであるAutoX(オートエックス)は米国時間1月7日、Fiat Chrysler Automobiles(FCA、フィアット・クライスラー・オートモービルズ)と提携して、中国をはじめとするアジアの国々で大量のロボタクシーを展開すると発表した。

AutoXによれば、このクライスラーのミニバンであるPacifica(パシフィカ)を使ったロボタクシーの一般向けサービスを、2020年前半に中国で開始するとのこと。利用者はWeChat(ウィチャット)のミニアプリや、その他の中国で人気のアプリを使ってロボタクシーを呼べる。

今回の提携は、自動運転のフルスタック開発を行うAutoXにとっては大変に重要な一歩となる。AutoXは、カリフォルニアと中国でロボタクシーの試験運用を行っているが、その真の狙いは、自社でロボタクシーを運用したい企業に技術をライセンスすることにある。

FCAにとっては、この提携はそれほど重要ではないかも知れないが、FCAは中国でのロボタクシー事業を展開したいと思えば、理論的にはそれが可能になる。

香港とカリフォルニア州サンノゼに拠点を置くAutoXは、すでにカリフォルニアと中国で試験を行っている。2019年の初めには、深圳の繁華街で一般向けのサービスを開始し、9月には上海市と提携して100台のロボタクシーを使った運用試験を上海で行っている。

AutoXのCEO肖健雄(シャオ・ジアンシャオ)氏は、次なるステップは安全のためのドライバーを必要としない、完全な無人運用だと話す。「そのゴールのためには、ハードウエアを完成させることが不可欠です」と彼は言う。同社によれば、FCAとの提携はその助けになるとのことだ。

「完全な無人運用を実現するためには、完全な冗長性を備えたドライブ・バイ・ワイヤー・システムによる信頼性の高い車両プラットフォームが必要になります」と肖氏。「このレベルの冗長性は、自動車業界ではまだ新しく希少なものです。その点、クライスラーのPacificaプラットフォームは、無人運用での信頼性が実証されています」。

AutoXは、CES 2020でクライスラーのPacificaを展示する予定だ。この車両には一連のセンサー群が装備されている。現在このハイブリッドカーに搭載されているのは、360度の半導体ライダーセンサー、何台もの高解像度カメラ、死角ライダーセンサー、レーダーセンサーだ。AutoXは、RoboSence(ロボセンス)とドローンメーカーDJIのライダーセンサーを採用している。

さらにこの車両には、AutoXが開発したXCUという車両制御ユニットも装備されている。XCUは、ライダーやレーダーなどのセンサーを含む自動運転スタックを制御し、車両に統合する。XCUの高速処理能力と高度な演算能力で、中国の市街地に見られる複雑なシナリオに最適に対応できるとAutoXは話している。

「街は自動車、歩行者、自転車、スクーター、その他の動くものにあふれていて、その多くが交通ルールを無視しています」とCOOの卓李(ズオ・リー)氏は声明の中で述べていた。「急速な発展を遂げる中国では、建設工事や改修工事が夜通し行われています。朝と昼と夜とでは、街の様子はまったく異なります。そのため私たちのシステムは、各オブジェクトの認識と追跡を、高速に、非常に正確に処理するよう求められています」。

一方、FCAの自動運転戦略は、自動運転車開発企業との提携に重心を置いている。2016年5月、Waymo(ウェイモ)とFCAは、Waymoの自動運転システムを組み込んだPacificaを100台ほど共同で開発すると発表した。そして去年、FCAは商用自動運車の開発でAurora(オーロラ)と提携した。

昨年AutoXは、スウェーデンの持ち株会社で電気自動車のメーカーでもあるNEVS(ナショナル・エレクトリック・ビーグル・スウェーデン)と提携し、2020年末までにヨーロッパでロボタクシーの試験サービスを展開すると発表した。同社はカリフォルニア規制当局からロボタクシーでの乗客の輸送の認可も得た(安全のため人間のドライバーを乗せるのが条件)。AutoXでは、カリフォルニアのロボタクシーサービスを「xTaxi」と呼んでいる。

画像クレジット:AutoX

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(翻訳:金井哲夫)

自動運転技術のAutoXは欧州でもロボタクシー事業展開を目指す

香港とカリフォルニア州サンノゼに拠点を置く自動運転車技術のAutoXは、これまで自動運転車によるグローサリー配達を手がけてきたが、今やAVサプライヤーとロボタクシーにも事業を拡大している。

そして今度は欧州へ進出しようとしている。

AutoXは、2020年末までに欧州でロボタクシー試験サービスを展開しようと、破産したSaabの資産を購入したスウェーデンの電気自動車メーカーNEVSと提携した。専門的な提携のもと、AutoXは2017年のCESアジアで発表されたNEVSのInMotionコンセプトにインスピレーションを得ている次世代の電気車両に自動運転技術を搭載する。

次世代車両はNEVSがスウェーデン・トロルヘッタンで開発していて、自動走行するNEVS車両のテストは2019年第3四半期の開始が見込まれている。同社によると、車両は来年欧州で公道を走るようになる。

よくX教授と呼ばれているAutoXの創業者でCEOのJianxiong Xiao(ジアンシャオ・シャオ)氏は、この特殊な車両は自動運転タクシーサービスにうってつけだと述べた。というのも、車両は特殊使用のために作られていて、ガスを排出せず、1日24時間使用することができ、そして道路を走る車の数を減らせるかもしれないからだ。

両社は最終的にグローバルでかなりの数のロボタクシーを展開したい考えだ。

NEVSとの提携は、AutoXが今やデリバリーサービスより自動運転車両テクノロジーに精力的に取り組んでいることを意味している。AutoXは2016年に創業され、当初は自動運転車両を主にグローサリーの配達に使うことにフォーカスしていた。昨年8月、AutoXはGrubMarket.comと地元の高級グローサリーストアDeMartini Orchardと提携し、サンノゼの限られたエリアでグローサリー配達とモバイルストア事業を開始した。

そして、これまでにベンチャーや戦略的投資家から約5800万ドル(約65億円)を調達しているAutoXはこのほど事業を拡大した。同社は車メーカーに自動運転車両技術を提供し、自前のロボタクシー事業を立ち上げたいと考えている。

6月、AutoXはロボタクシーに客を乗せて輸送する許可をカリフォルニア州当局から取得した2番目の企業になった。AutoXはカリフォルニアのロボタクシーサービスをxTaxiと呼んでいる。

カリフォルニア公益事業委員会はまた、Pony.aiとWaymo、そしてZooxに州の自動運転車両乗客サービスパイロットに参加する許可を出しているが、このパイロットでは各社は有償でのロボタクシー乗車を提供することは禁止されている。

X教授は以前、彼のミッションは自動運転車両を皆に提供することだ、と語っていた。そうした意味で、今回の事業拡大は驚きではないだろう。同社が目指すゴールは、経済的(そしてより良い)ハードウェアを活用することで達成できるかもしれない。同社は光感知とライダーとして知られている測量レーダーを活用している。しかし自動運転車両にたくさんの高価なライダー装置を搭載する代わりに、AutoXは解像度が優れているとされるカメラに頼っている。そして同社が所有するAIアルゴリズムが全てをつなげる。

今のところ、カリフォルニアでのxTaxiパイロットは限定的となる見込みだ。サンノゼで展開されているデリバリーサービスと同じくらいの範囲で、5平方マイルほどの広さで展開される。しかし同社は明らかに、規模と展開エリアを拡大するという野心を持っている。AutoXは社員115人超を抱えているが、今年50人超を新たに雇用する計画だ。

同社はサンノゼ市当局と別のパイロットをダウンタウンで立ち上げようと準備を進めている。詳細はまだ明らかにされていないが、このパイロットは早ければ来月初めにもローンチされる。

AutoXはまた、中国・深圳市でもロボタクシーサービスを展開する許可を取得している。同社が独自にサービスを展開するのか、あるいはNEVSと展開するという欧州モデルをとるのかは明らかではない。AutoXが中国でBYDと提携するのはあり得ることだ。AutoXはすでに同社のAV技術をBYDの車両に搭載するために中国企業と作業を進めている。

イメージクレジット: AutoX

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(翻訳:Mizoguchi)