Aptiv(アプティブ)とHyundai(現代自動車)の40億ドル(約4379億円)規模の合弁会社であるMotional(モーショナル)が、自動運転トラックや物流への関与の可能性を探っていることを、同社のCEOが米国時間6月9日開催されたTechCrunch’s 2021 Mobility Eventのライブセッションで語った。
TechCrunchのトランスポーテーション担当編集者であるKirsten Korosec(カーステン・コロセック)が司会を行うパネルで、Motionalのビジネスモデルをトラック輸送に拡大する意図について質問されたKarl Iagnemma(カール・インヤマ)氏は「もちろん、同じコア技術が複数のユースケースに適用できることがすばらしいことなのです」という。「それは似ています。同じではありませんが、似ているのです。そのため、他のユースケースも積極的に検討しているところです。この分野では、さらなる活動を行う予定です。今日は特に発表することはありませんが、この先たくさん出てきますよ」。
もちろんMotionalは、たとえばロボットタクシーモデルのように、人間を運ぶための自動運転という難しい技術的問題を解決することが、最大の経済的チャンスになると考えているのだが、インヤマ氏は、人間を運ぶ場合でも小包を運ぶ場合でも、自動運転の核心には知覚、計画、意思決定、ローカリゼーションといった同じ難しい問題が横たわっていると認識している。
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配送・物流モデルの何が最も魅力的なのかという問に対して、インヤマ氏は「現在開発中のものに、技術的な観点から最も近い位置にある優れたビジネスチャンスを探しているのです」と答えた。「本当に、それに尽きると思っています。こうした異なるユースケースは、場合によって、その周りにあるビジネスケースが大きく異なるため、機会も大きく異なるのです。そのことは、社内での順位付けにも役立っています。何がおもしろいチャンスなのでしょう?そしてまた、現在の技術開発の道筋に沿う形で、言ってみれば最小の労力増加で最大の機会増加につながるようにしようとしているのです。それが、Motional社内での戦略指針のようなものです」。
セッションのもう1人のパネリストだった自動運転車企業Aurora(オーロラ)の共同創業者でCEOのChris Urmson(クリス・アームソン)氏は、配車サービスや乗客輸送業における自動運転技術は、長期的には変革をもたらすビジネスであると同時に、トラック輸送を凌駕するビジネスになると認めている。Auroraは現在、ロボットタクシーではなく、貨物輸送アプリケーションに注力している。理由はいくつか挙げられるが、今すぐにでもスケールアップできるからというのもその1つだ。
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「ロボットタクシー市場は発展に時間がかかりますが、貨物・トラック輸送の市場はすでに存在しています」とアームソン氏はいう。
両パネリストとも、自動運転の世界には「安直に手に入る果実」は存在しないという点で一致している。自動運転車全体の課題を解決することは難しいが、都市の道路網の変動を考慮する必要のないトラック輸送であれば、もう少し簡単に解決できるのではないかとアームソン氏は主張する。高速道路はほぼ均一な性質を持っているため、そこを走行するための自動運転システムを構築することはより容易なのだ。
「ですから、運用が規定された設計領域で技術を成功させるという最初の難関を突破できれば、技術の拡大から運用の拡大へと展開が進んでいきます」とアームソン氏はいう。「それは、従来のビジネスのようなものにより近いものに見えます。このように、事業と運営の規模を拡大し、収益源を確保しておくことで、そのコア技術を応用して配車ビジネスに参入し、その分野でも刺激的なビジネスを構築することができる余裕が生まれると考えています」。
カテゴリー:モビリティ
タグ:Motional、自動運転、物流、Aurora、ロボタクシー
画像クレジット:Motional
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(文:Rebecca Bellan、翻訳:sako)