高額落札で注目を集めたNFT「Bored Ape」、2022年のゲームリリースを発表

2021年には、100万ドル(約1億1400万円)規模のNFT(非代替性トークン)プロフィール画像プロジェクトの台頭ほど、魅力的で苛立たしいものはなかった。手順どおりに生成された1万枚のJPGファイルのコレクションは、一見すると剥き出しの投機の手によって数億ドル(数百億円)の時価総額を獲得し、懐疑的な人々を当惑させ、崇拝者たちを豊かにしている。

これらのプロジェクトの多くは、十分な資金とコミュニティのサポートがあれば、エーテルから文化やブランドを生み出すことができると期待されている。中でもBored Ape Yacht Club(BAYC、ボアード・エイプス・ヨット・クラブ)は、そのサルの画像を購入しようと競い合うユーザーが増え、入札価格が数十万ドル(数十億円)レベルにまで高騰したことで2021年に注目を集めたNFTプロジェクトだ。

その価値の一部は、BAYCが文化的な試金石になるという信念を軸としている。同グループは米国時間12月13日、その目標に向けて大きな一歩を踏み出した。ブロックチェーンゲームのユニコーン企業であるAnimoca Brands(アニモカ・ブランズ)と提携し、Bored Ape(ボアード・エイプ)をテーマにしたゲームを来年リリースすると発表したのだ。

このゲームには、非常に高価な参入障壁を持つコミュニティを中心に、メインストリームのゲームを構築するという、明らかに険しい課題がある。NFTプロジェクトの核である独占性と、堅固なユーザーベースを構築するために必要な資産の民主化との間でバランスを取ることは、まだ達成されていないどころか、大規模な試みすら行われたことがない。

この件について同社のプレスリリースには、このゲームがいわゆる「Play-to-earn(遊んで稼ぐ)」の仕組みを取り入れたものになり、2022年第2四半期のリリースを目指しているということ以外、詳細はほとんど書かれていなかった。ちなみに、BAYCの制作元であるYuga Labs(ユガ・ラボ)は、このプロジェクトに関連したトークンを開発中であることを以前に明らかにしている。

2021年10月、香港を拠点とするAnimoca Brandsは、22億ドル(約2500億円)の評価額で6500万ドル(約74億円)を調達した。

画像クレジット:BAYC

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(文:Lucas Matney、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

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TechCrunch Japan

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