Bored ApesのNFTスタートアップYuga Labs、約4836億円のモンスター評価額でシードラウンドを調達

NFTに懐疑的な人々が嫌いがちな数百万ドル(数億円)もする「サルのJPEG」メーカーYuga Labsは、Andreessen Horowitzから40億ドル(約4836億円)の評価額で4億5000万ドル(約544億円)の資金調達をしたと米国時間3月23日に発表した。

Bored Apes Yacht Clubを運営するこのマイアミのNFT企業は、これまで資金調達を行っていなかったが、以前からNFTブームの主要企業を支援しようとするVCからの注目を集めていた。このラウンドにはAnimoca Brands、LionTree、Sound Ventures、Thrive Capital、FTX、MoonPayなどの投資家も参加している。

Yuga Labsはその地位をますます強めている。2022年2月初め、同スタートアップはLarva Labsから人気のNFTプロジェクトCryptoPunksとMeebitsの資産を買収したことを発表した。また同社は、創業者と幹部が実質的な出資を行っているApeCoinを立ち上げたばかりでもある。このトークンは、取引初日に数十億ドルの時価総額を集めた。Yuga Labsは間もなく、この勢いを「Otherside」と呼ばれるメタバースの独自バージョンにつなげようとしており、他の多くのNFTプロジェクトのアバターも統合する予定だ。

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(文:Lucas Matney、翻訳:Katsuyuki Yasui)

Bored ApesのNFTプロジェクトに公式の「ApeCoin」トークンができた

最速成長中の暗号資産スタートアップ界にあっても、Yuga Labs(ユガ・ラブズ)は特別に爆発的な一年を過ごした。

NFT(非代替性トークン)プロジェクト、Bored Apes Yacht Club(BAYC、ボアード・エイプス・ヨット・クラブ)を運営する同スタートアップは、2021年4月にスタートしたばかりながら、たちまちのうちに時価総額で最大価値のNFTプロジェクトになった。現在ある1万枚の画像の最も安いものでも、暗号資産のEthereum(イーサリアム)で24万ドル(約285万円)相当の価値がある。同社は評価額50億ドル(約5942億円)で銀行から資金調達する計画だと報じられているが(広報担当者は金額についてのコメントを拒んだ)、Yuga Labsは将来を見据えて、大きな話題となったApeCoin(エイプコイン)をベースにしたPay-to Earn(P2E、遊んで稼ぐ)ゲームのために新たな提携を結ぶことを明らかにした。

数百万ドル(数億円)のサルの画像やMonkey Moneyは、将来シリコンバレーVCの注目を一手に引き受けるものにはなりそうもないが、Yuga Labsは、新しいゲームとトークンが、自分たちの知的財産に基づく主要な暗号経済のきっかけになることを期待している。そしてYugaは先週、Larva labs(ラーバ・ラブズ)から資産を買収した結果、高い評価のCryptoPunks(クリプトパンク)やMeebits(ミービッツ)などを獲得して、自社のNFTコレクションをさらに拡充した。

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このエコノミーを立ち上げるためには、規制遵守を確実にするための特別な法的工作が必要だ。SEC(証券取引委員会)は、NFTプロジェクトとは概して距離をおいているが(ただしまったくというわけではない)、無記名証券のように振る舞うトークンを売っている暗号スタートアップ各社は、以前から取り締まり対策に余念がない。

そういうわけでYuga Labsは非常に注意深く、公にはトークンの公開から自らを切り離している。代わりにトークンは、このNFTプロジェクトとつながりのある諮問委員会メンバーからなる、ApeCoin DAO(エイプコイン・ディー・エー・オー)と呼ばれる組織が発行するが、メンバーの中にはYuga Labsの社員も役員いない。APE Foundation(APEファウンデーション)と呼ばれる組織も作られ、ApeCoin DAOの決定事項を監視する。さらに、DAOはBAYCプロジェクトの公式ブランディングも扱う。これはYuga Labsが、Boared Apesの青いロゴの1/1(One of One) NFTという形で「gifting(贈呈)」するものだ。

ここまで読んでややこしいなと思った人へ、2022年の暗号資産の世界へようこそ。

ApeCoin DAO諮問委員会のメンバーには、Reddit(レディット)共同創業者のAlexis Ohanian(アレクシス・オハニアン)氏、FTXのAmy Wu(エィー・ウー)氏、Sound Ventures(サウンド・ベンチャーズ)のMaaria Bajwa(マーリア・バジュワ)氏、Animoca(アニモカ)のYat Siu(ヤット・スー)氏、Horizen Labs(ホライズン・ラブズ)のDean Steinbeck(ディーン・スタインベック)氏らがいる。

トークン所有者は、DAOの決議に投票することが可能で、委員会が「コミュニティの決定を実行する」と広報担当者はいう。Yugaは公式にはEthereumベースのトークンを発行しないが、同社およびBAYCプロジェクトの設立メンバーは、同トークンの総供給高の1/4近くの所有者となり、Bored ApesとMutant ApesのNFT所有者は、合わせてトークン総割当高の15%を受け取る

Yuga Labsの広報担当者は、Apeトークンが、Coinbase(コインベース)、FTX、eToro(イートロ)、Kraken(クレークン)、OKX、Gemini(ジェミニ)、Binance(バイナンス)およびBinance USを含む主要交換所で「近々」取引が開始されるという。Yugaの幹部は誰1人としてインタビューに応じることがなく、会社はApeCoin DAOとYuga Labsの関係についてそれ以上の詳細を明らかにすることも拒んだ。

10億APEコインの割当状況の詳細は以下の通りだ。

  • 8%がBored Apes Yacht Clubの創業者チームへ
  • 16%がYuga Labsチームへ(そのうち総トークン供給高の1%に当たる部分はJane Goodall Foundation Legacy Foundationに寄贈)
  • 14%が「創立貢献者」へ。これはYugaのパートナーおよび出資者からなると思われる
  • 15%がBored Apes and Mutant Apesコレクションの所有者へ
  • 47%が今後DAOの「エコシステムファンド」の一部として提供される。

画像クレジット:BAYC

このトークンが実際、何をするのかについて全貌はまだ明らかではないが、ApeCoinがYuga Labsが開発中のタイトルでゲーム通貨として使われることはわかっている。タイトルには、サンフランシスコ拠点のゲームスタジオ、nWay(エンウェイ)と共同開発している未発表タイトルも含まれる。nWayは、Power Rangers(パワーレンジャーズ)、WWEなどの会社から知的財産をライセンスして、バトルゲームをいくつか公開している。

名前のないそのタイトルは、play-to earnと呼ばれる暗号ゲーム機構を活用すると見られ、ユーザーはタイトルをプレイするために注ぎ込んだ時間と努力に応じてトークンを獲得する。この仕組みは、「Axie Infinity」というゲームが普及にひと役買っていて、同ゲームでは2021年数十億ドル(数千億円)の取引があり、親会社のSky Mavis(スカイ・メイビス)が30億ドル(約3563億円)の評価額で資金調達することにつながった。

新タイトルは2022年中に公開される、とYuga Labsはいう。

このタイトルが、2021年末発表されたAnimoca Brands(アニモカ・ブランズ)と共同提供されるplay-to-earn型ゲームタイトルに加えてリリースされるというのは興味深い。同社はさらに、Animocaの既存タイトル「Benji Bananas」でもApeCoinを利用できるようにすると話した。

The Block(ザ・ブロック)の記事によると、同社は別にMetaRPGというゲームタイトルも計画していて、いくつかのNFTプロジェクトと互換性があるという。さらには2022年中にバーチャル土地の販売にも手を広げる計画があり、これらの取り組みによって2022年の純売上は4億5500万ドル(約540億円)に達すると同社は予測している。

NFTは2021年に爆発的ヒットとなり、すでに主要テック企業からの支持も取り付けている。Twitter(ツイッター)はNFTプロフィール写真の限定的サポートを開始し、Facebook(フェイスブック)は最近Instagram(インスタグラム)にNFTを組み込む計画を表明し、Stripe(ストライプ)はNFTのための暗号サポートを開始した。

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NFTは、消費者の強固な反発も招いており、特にゲーマーの間では、NFTが実際にはゲームのオーナーシップを民主化することはなく、むしろマイクロトランザクション(少額取引)を加速することを恐れている。他に、NFTの発行にともなうブロックチェーン操作のエネルギー依存の高さから、環境への影響を懸念する人たちもいる。

Yugaのゲーミング業界への参入が、BAYCブランドの成長戦略の一大要素であることは間違いないが、ブロックチェーンゲームは未だに明らかなニッチであり、同社はこれを拡大することを望んでいる。

「Bored Ape Yacht Clubがどこまで大きくなるのかわかりませんが、それは私が大きくなると思っていないという意味ではありません。むしろ私は、できるなら、Yugaがビッグになることで私たちがユニークで特別なものをたくさん作れるようになり、より大きなコミュニティにさまざまな形で話ができるようになることを願っています」ととYugaのCEOであるNicole Muniz(ニコール・ムニス)は、2022年2月に行われたD3 Networkのインタビューで語っている。

画像クレジット:BAYC

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(文:Lucas Matney、翻訳:Nob Takahashi / facebook

Yuga LabsがCryptoPunksのNFTコレクションの権利をクリエイターLarva Labsから取得

Bored Apes Yacht Club(ボアード・エイプス・ヨット・クラブ)のメーカーであるYuga Labs(ユガ・ラボ)は米国時間3月11日「CryptoPunks(クリプトパンクス)」と「Meebits(ミービッツ)」のNFT(非代替性トークン)コレクションの権利を、クリエイターのLarva Labs(ラルバ・ラボ)から取得したと発表した。

Bored ApesとCryptoPunksは、時価総額で最も価値の高い2つのNFTコレクションであり、合計すると現在の価格で少なくとも36億ドル(約4200億円)以上の価値があると言われている。Yuga Labsは過去数カ月、資金調達の交渉を行っていると噂されていたが、正式な発表は一切していない。

今回の買収の条件は発表されていない。

CryptoPunksとMeebitsのNFTはコミュニティのメンバーたちが所有しているが、キャラクターの知的財産権は長い間、プロジェクトのクリエイターが所有していた(そしてそれが物議を醸してきた)。今回の発表で、Yuga LabsはこれらのNFTの完全な商業利用権を、個々の所有者に与えることを示唆している。著作権を完全に譲渡するわけではないものの、これはLarva Labsよりも一歩進んだ、所有者が長く望んでいたことだ。

今日はビッグニュースをお知らせします。Yugaは、CryptoPunksとMeebitsのコレクションを@LarvaLabsから取得しました。そしてまず最初に、そのNFTを保有しているみなさんに完全な商業権を与えます。私たちがBAYCとMAYCの保有者にしたのと同様に。

Yuga Labs

「私たちは長い間、CryptoPunksと、このプロジェクトの創設者であるMatt(マット)とJohn(ジョン)の仕事を賞賛してきました。彼らはNFTとより広範な暗号資産の世界を前進させてきました。私たちは彼らが築いたブランドを、Yugaで築き上げる未来に引き継ぐことを光栄に思います」と、Yuga LabsのTwitter(ツイッター)アカウントからのツイートには書かれている。

CryptoPunksプロジェクトは、2017年にユーザーが無料で請求できた1万枚のNFTから始まった。それは最も初期のNFTプロジェクトの1つであり、最も影響力のあるプロジェクトの1つであると、一般的に考えられている。2020年後半になると、このピクセル画のポートレートの価格は急騰し始め、最も希少なものは数百万ドル(数億円)、最も安価なものでも現在20万ドル(約2350万円)近い価格で取引されている。2021年5月、Larva Labsの創業者たちはMeebitsという後続プロジェクトをリリースし、一次販売では発売から数時間で数千万ドル(数十億円)の売上を記録した。

Larva Labsの創設者たちは、現段階でプロジェクトからほぼ完全に手を引くことになった。Yuga Labs はブログ記事で、同社から423のCryptoPunksと1711のMeebitsも買い取ったと詳述しており、Larva Labsの創設者たちには、今回の買収に含まれなかった彼らのジェネレーティブアート・プロジェクトである「Autoglyphs(オートグリフィス)」に加え、CryptoPunksとMeebitsをそれぞれわずか数個ずつ、残しているだけだと述べている。

Bored Apesプロジェクトのコミュニティを積極的に構築するため、Yuga Labsはより意欲的な道を歩み、パートナーシップを明らかにした。

「これは、しかし、Larva Labsが買収されたというわけではありません。【略】私たちが次に取り組むものについては、準備が整うまでお話することはありませんが、しかし概して私たちは、私たちが最も得意とすること、つまり奇妙な新しいものを作る仕事に戻ることに興奮しています」と、Larva Labs創業者たちのブログ記事には書かれている。

画像クレジット:Lucas Matney/TechCrunch

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(文:Lucas Matney、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

高額落札で注目を集めたNFT「Bored Ape」、2022年のゲームリリースを発表

2021年には、100万ドル(約1億1400万円)規模のNFT(非代替性トークン)プロフィール画像プロジェクトの台頭ほど、魅力的で苛立たしいものはなかった。手順どおりに生成された1万枚のJPGファイルのコレクションは、一見すると剥き出しの投機の手によって数億ドル(数百億円)の時価総額を獲得し、懐疑的な人々を当惑させ、崇拝者たちを豊かにしている。

これらのプロジェクトの多くは、十分な資金とコミュニティのサポートがあれば、エーテルから文化やブランドを生み出すことができると期待されている。中でもBored Ape Yacht Club(BAYC、ボアード・エイプス・ヨット・クラブ)は、そのサルの画像を購入しようと競い合うユーザーが増え、入札価格が数十万ドル(数十億円)レベルにまで高騰したことで2021年に注目を集めたNFTプロジェクトだ。

その価値の一部は、BAYCが文化的な試金石になるという信念を軸としている。同グループは米国時間12月13日、その目標に向けて大きな一歩を踏み出した。ブロックチェーンゲームのユニコーン企業であるAnimoca Brands(アニモカ・ブランズ)と提携し、Bored Ape(ボアード・エイプ)をテーマにしたゲームを来年リリースすると発表したのだ。

このゲームには、非常に高価な参入障壁を持つコミュニティを中心に、メインストリームのゲームを構築するという、明らかに険しい課題がある。NFTプロジェクトの核である独占性と、堅固なユーザーベースを構築するために必要な資産の民主化との間でバランスを取ることは、まだ達成されていないどころか、大規模な試みすら行われたことがない。

この件について同社のプレスリリースには、このゲームがいわゆる「Play-to-earn(遊んで稼ぐ)」の仕組みを取り入れたものになり、2022年第2四半期のリリースを目指しているということ以外、詳細はほとんど書かれていなかった。ちなみに、BAYCの制作元であるYuga Labs(ユガ・ラボ)は、このプロジェクトに関連したトークンを開発中であることを以前に明らかにしている。

2021年10月、香港を拠点とするAnimoca Brandsは、22億ドル(約2500億円)の評価額で6500万ドル(約74億円)を調達した。

画像クレジット:BAYC

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(文:Lucas Matney、翻訳:Hirokazu Kusakabe)