4G LTE対応で約8万円、性能バランスが絶妙な日本HPの2in1ノート「HP Pavilion x360 14」

4G LTE対応で約8万円、性能バランスが絶妙な日本HPの2in1ノート「HP Pavilion x360 14」

日本HPの「HP Pavilion x360 14-dw0000(WWAN)」は、税抜約8万円というリーズナブルな価格で4G LTEに対応したコンバーチブル型の2in1 PCだ。14型という比較的大型のディスプレイを備えながら本体サイズや重量が抑えられており、気軽に持ち運んで使用することができる。今回は、その実機を試すことができたので、気になる使用感やパフォーマンスを紹介していこう。

4G LTE対応で約8万円、性能バランスが絶妙な日本HPの2in1ノート「HP Pavilion x360 14」

日本HPの「HP Pavilion x360 14-dw0000(WWAN)」は14型IPS液晶パネル(1920×1080ピクセル)を搭載。直販サイトでは、特別価格税抜7万7000円からのモデルと直販価格税抜9万2800円からのモデルを販売

360度回転する14型ディスプレイを搭載し4G LTEに対応

HP Pavilion x360 14は、ディスプレイが360度回転する機構を備えたコンバーチブル型の2in1 PCだ。画面角度を調節することで、通常のクラムシェルノートPCのように使える「ノートブック」、閲覧メインの用途に使いやすい「スタンド」、タッチ操作やペン操作に向いた「タブレット」、新幹線の座席テーブルなどの狭い場所で使うのに便利な「テント」などのモードに切り替えて使用できる。

タブレットモード。タッチ操作やペン操作メインのときに便利

タブレットモード。タッチ操作やペン操作メインのときに便利

写真左がスタンドモードで、写真右がテントモード

写真左がスタンドモードで、写真右がテントモード

ディスプレイは広視野角のIPS液晶パネルが採用されており、ななめから見ても色味や明るさの変化が少なく、どのモードで使うときも画面の表示が見やすい。タッチ操作やペン入力にも対応しており、オプションのアクティブペンを使うことで手書きメモやスケッチなどに活用することも可能だ。

ディスプレイを180度開いたときも画面が見やすい。打ち合わせのときなど、向かい合わせの相手と一緒に画面を見たい場合に便利だ

ディスプレイを180度開いたときも画面が見やすい。打ち合わせのときなど、向かい合わせの相手と一緒に画面を見たい場合に便利だ

スタンドモードでタッチ操作をしているところ。タップしたときの反応もよく、スクロールやピンチなどのジェスチャーによる操作が快適だ

スタンドモードでタッチ操作をしているところ。タップしたときの反応もよく、スクロールやピンチなどのジェスチャーによる操作が快適だ

液晶パネルの周囲のベゼルを細くしたことで本体幅が抑えられており、14型ディスプレイを搭載しながら本体サイズは幅324mm、奥行き221mmと比較的コンパクト。厚みは最薄部18.5mm、最厚部20mmで、質量は約1.65kgとなっている。

自室の机の上に据え置いて使うだけでなく、リビングで家族と一緒に動画を見たり、ソファでリラックスしながらニュースやSNSをチェックしたりという具合に、利用シーンに合わせて気軽に持ち運んで使うことができる。

最近は薄型軽量な製品は珍しくないものの、インターフェイスを省略しているものが多く、周辺機器を利用する際に不便を感じやすい。HP Pavilion x360 14の場合は、本体左側面にUSB Type-A、ヘッドフォン出力/マイク入力コンボポートが、右側面にnanoSIMカードスロット、SDカードスロット、USB Type-C、USB Type-A、HDMI出力端子、電源コネクタが搭載されており、別途アダプターなどを用意しなくても多彩な周辺機器をつないで使用できる。

本体前面。最薄部18.5mm、最厚部20mmと比較的スリムだ

本体前面。最薄部18.5mm、最厚部20mmと比較的スリムだ

本体左側面にUSB Type-A、ヘッドフォン出力/マイク入力コンボポートが搭載されている

本体左側面にUSB Type-A、ヘッドフォン出力/マイク入力コンボポートが搭載されている

本体右側面にnanoSIMカードスロット、SDカードスロット、USB Type-C、USB Type-A、HDMI出力端子、電源コネクターが搭載されている

本体右側面にnanoSIMカードスロット、SDカードスロット、USB Type-C、USB Type-A、HDMI出力端子、電源コネクターが搭載されている

特に税抜約8万円という価格で4G LTEに対応したnanoSIMカードスロットを搭載しているのは評価できるポイント。SIMロックフリーなので大手キャリアのSIMはもちろん、格安SIM(MVNO)なども利用できる。テレワークなどで仕事をする場所が多様化しつつあるが、Wi-Fiがない場所でもネットにつなげられるのは大きなメリットと言えるだろう。

本体右側面のnanoSIMカードスロット。SIMロックフリーで幅広い通信バンドに対応しているため、好みの通信事業者のSIMを利用できる

本体右側面のnanoSIMカードスロット。SIMロックフリーで幅広い通信バンドに対応しているため、好みの通信事業者のSIMを利用できる

第10世代Core i5-1035G1搭載で、普段使いには十分なパフォーマンス

直販サイトで購入できる「スタンダードWWANモデル」の場合、CPUがCore i5-1035G1(1.00GHz/最大3.60GHz)、グラフィックス機能が統合型のインテルUHDグラフィックス、メモリーが8GB(DDR4-3200MHz)、ストレージが256/512GB PCIe SSDという構成になっている。

Core i5-1035G1は、開発コードネーム「Ice Lake」と呼ばれるインテル第10世代Coreプロセッサー。Ice Lake世代のCore i5は、プロセッサー名末尾の数字が大きいほどクロック数やグラフィックス性能がアップしていくが、Core i5-1035G1はその中ではもっともエントリー向けのモデルとなる。とはいえ、最新世代のCPUということもあって基本性能は高い。

実際、CPU性能やPCの総合力をチェックするベンチマークテストでは、普段使いには十分すぎるパフォーマンスという結果になった。グラフィックス系のベンチマークはそれほど高いスコアではないが、写真編集やちょっとした映像編集、軽めのオンラインゲームには対応できる程度の性能を持っていることがわかる。

CINEBENCH R20では、マルチコアが1212pts、シングルコアが428ptsという結果に

CINEBENCH R20では、マルチコアが1212pts、シングルコアが428ptsという結果に

PCの総合力をテストするPCMARK 10では、基本性能を示すEssentials、ビジネスアプリのパフォーマンスを示すProductivity、クリエイティブアプリのパフォーマンスを示すDigital Content Creationのいずれもが快適さの目安となる3000を上回る結果に

PCの総合力をテストするPCMARK 10では、基本性能を示すEssentials、ビジネスアプリのパフォーマンスを示すProductivity、クリエイティブアプリのパフォーマンスを示すDigital Content Creationのいずれもが快適さの目安となる3000を上回る結果に

グラフィックス性能を測る3DMARKでは、ゲーミングPC向けのDirectX 12ベンチマークテスト「Time Spy」が486、同DirectX 11テストの「Fire Strike」が1342、統合型グラフィックス向けDirectX 12テストの「Night Raid」が58733、ミッドレンジPC向けテストの「Sky Diver」が5155という結果に。CPU内蔵のインテルUHDグラフィックスとしては標準的なスコアだ

グラフィックス性能を測る3DMARKでは、ゲーミングPC向けのDirectX 12ベンチマークテスト「Time Spy」が486、同DirectX 11テストの「Fire Strike」が1342、統合型グラフィックス向けDirectX 12テストの「Night Raid」が58733、ミッドレンジPC向けテストの「Sky Diver」が5155という結果に。CPU内蔵のインテルUHDグラフィックスとしては標準的なスコアだ

ドラゴンクエストX ベンチマークソフトはフルHD、標準品質で「快適」という評価

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ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ ベンチマークでは、フルHD、標準品質で「普通」という評価になった

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ストレージの性能をCrystalDiskMarkでチェックしてみたところ、PCIe接続のSSDを採用しているだけあって、シーケンシャルリード(1MiB Q8T1)が1700MB/s超と高速。実際、OSの起動やアプリの起動、スリープ・休止状態からの復帰が非常にスムーズだった。

SSDは2レーンのPCIe 3.0で接続されている。4レーンのものに比べると半分程度のスピードだが、普段使いには十分すぎるほど高速だ

SSDは2レーンのPCIe 3.0で接続されている。4レーンのものに比べると半分程度のスピードだが、普段使いには十分すぎるほど高速だ

バッテリー駆動時間は公称値で11.5時間となっているが、バッテリーベンチマークソフト「BBench」での計測では7時間10分という結果になった。この計測では、電源モードは「より良いバッテリー」に、明るさは40%に設定し、BBenchは「60秒間隔でのウェブ巡回」と「10秒間隔でのキーストローク」にチェックを入れて満充電状態から電池残量7%で自動休止するまでの時間としている。

これだけ持てば、カフェなどの電源確保が難しい場所で使う場合も比較的安心して作業に集中できるだろう。

付属のACアダプターもコンパクト

付属のACアダプターもコンパクト

仕事にもプライベートにも使いやすいノートPC

このほかHP Pavilion x360 14には、HD動画が撮影できる約92万画素ウェブカメラや、指紋認証センサー、老舗オーディオメーカーと共同開発した高音質なB&O Playデュアルスピーカーなどが搭載されている。

ディスプレイ上部には約92万画素のウェブカメラを内蔵

ディスプレイ上部には約92万画素のウェブカメラを内蔵

パームレストには指紋認証センサーを搭載。パスワード入力なしにログインできるなど、セキュリティ機能も充実している

パームレストには指紋認証センサーを搭載。パスワード入力なしにログインできるなど、セキュリティ機能も充実

音質にこだわったB&O Playデュアルスピーカーを搭載。臨場感あふれるサウンドで動画などを楽しめる

音質にこだわったB&O Playデュアルスピーカーを搭載。臨場感あふれるサウンドで動画などを楽しめる

キーボードは右端にhomeキーやpg up/dnキーなどが配置されているタイプ。国内向けのノートPCでは省かれている場合も多いが、慣れると使いやすくて便利だ。キーピッチは約19×18.7mmあり、かなりタイピングしやすい。キーストロークも約1.5mm確保されていてしっかりとしたクリック感があり、ミスタイプしにくい印象。打鍵音も控えめで、静かな場所でも気になることはなかった。

フルサイズの日本語キーボードを搭載。キーピッチ、キーストロークともに余裕があり、打鍵感もよい。バックライトも内蔵している

フルサイズの日本語キーボードを搭載。キーピッチ、キーストロークともに余裕があり、打鍵感もよい。バックライトも内蔵している

税抜約8万円のリーズナブルな価格ながら4G LTEに対応した日本HPのHP Pavilion x360 14。SIMさえ用意すれば、Wi-Fiやテザリングなしでもネットにつなげらるのは、テレワークに活用したいと考えているユーザーにはとても心強いメリットだろう。

360度回転するディスプレイや指紋認証センサーなどの便利な機能も備えており、利用シーンを選ばないのも魅力的な部分。自宅でも出先でも自由なスタイルでノートPCを使いたいという人には、特にオススメできる製品だ。

「ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ」: © 2010 – 2020 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト」: © ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.© SUGIYAMA KOBO

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カテゴリー: ハードウェア
タグ: HPHP Pavilion x360レビュー

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TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。