本日(米国時間6月1日)Adobeは、紙文書などを編集可能なPDFファイルへと簡単にデジタル変換できる、新しいモバイルアプリAdobeScanを発表した。App Storeには、既に多くのスキャンしてPDFへ変換するアプリが溢れているが、その多くは無料ではなく、デザインは古臭く、あるいは単にイメージをPDFに変換するだけで編集可能にはしてくれないものが多い。一方、Adobe Scanは、光学式文字認識(OCR)を使用して、印刷されたテキストをデジタルテキストに変換し、Acrobat Reader DCまたはAcrobat DCを使って検索、選択、コピーあるいは注釈付けができるようにする。
これに加えて、Adobeは無料アプリでもスキャンできるページ数に限界はなく、スキャンクオリティも下げないと言っている。
もちろんMicrosoft(Office Lens)、Google(Googleドライブ)、あるいはScanner Proなどの一般的なサードパーティ製アプリケーションなどを利用することに比べて、利用者の視点から見て優れている、あるいは困る点は、このアプリがAdobeのDocument Cloudと連携するようにデザインされているということだ。Adobeの顧客たちにとってはこれは利点だが、好みのアップロード先を選択できるようにする、より自由なソリューションを好む者もいる。
モバイルでスキャンしたドキュメントは、Adobe Document Cloudアカウントに自動的にアップロードされ、オンラインで保存したり、他のユーザーと共有したりすることができる。そしてもしAcrobat DCの加入者(スタンダードは月12.99ドル、プロは月14.99ドル)なら、文書の完全な編集と整理、そして署名の入力なども可能になる。
Adobe Scanは、単に紙だけを対象としたものではないことも指摘しておこう。同社によれば、ショッピングのレシート、名刺、会議中に表示されたスライド、さらにはホワイトボードのようなものをスキャンすることもできるという。
この新しいアプリは、Adobe Senseiという名のAIおよびマシンラーニングに基づくプラットフォームによって支えられている。 Senseiは、境界検出、自動トリミングとキャプチャ、パースペクティブ補正、例えば影部分を削除する自動クリーンなどの実現に利用される。
また、Adobe Signの新しいモバイル機能と連携して、どのデバイスからでもドキュメントに自動的に署名して送信することができる、とAdobeは発表している。
新しいアプリは、今日(米国時間6月1日)からiOSとAndroidの両デバイスで利用可能だ。
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(翻訳:Sako)