世界の主要市場の多くで、メッセージアプリが最も良く使われていることが、スマートフォンにおけるアプリの使用セッション数と使用時間のデータから明らかになった。しかし、アメリカ市場はこのトレンドとはやや異なるとApp Annieの最新データは示している。アメリカでは、スマートフォンのセッション数ではFacebookの利用が最も多く、使用時間ではFacebookとInstagramが多かった。
集められたデータは、今年最初の四半期におけるAndroidでのセッションに関するものだ。そのため、モバイルアプリ全体のエコシステムやアプリの使用率を正確に反映しているものではないが、モバイルデータにおける業界で最大のデータセットの統計である。App Annieのデータセットは、先週行われたモバイルデータ計測企業のMobidiaの買収により、増強されたばかりだ。これによりApp Annieは、60カ国に渡る何十万人のユーザーの詳細なアプリの使用率に関するデータを計測できるようになった。
App Annieは、Mobidiaと自社のデータを合わせ、モバイルアプリの使用トレンドに関するレポートを初めて発表した。このレポートは、アメリカ、イギリス、ドイツ、日本、韓国市場に重点を置いた統計結果である。
スマートフォンはそもそもコミュニケーションのための端末であることから、どの主要市場でもコミュニケーションとソーシャルカテゴリーに入るアプリがAndroidでのスマートフォンの使用セッション数の最低40%は占めるという予想通りの結果を示した。そしてそのトレンドは、アプリの使用時間でも同様のことが言えるとApp Annieは伝えた。
アメリカでのアクティブユーザー毎のセッション数における、トップのカテゴリーはソーシャルアプリだった。Facebookの不動の地位が反映されている。しかし、イギリス、ドイツ、日本、韓国では、コミュニケーションのカテゴリーに入るアプリが一位を占め、メッセージアプリを好んでいることが示唆された。
セッション数に関してはほとんどの国で、コミュニケーションとソーシャルカテゴリーに入るアプリが独占した。例えば、韓国では、この2つのカテゴリーのアプリがスマートフォンでのアプリのセッション数の60%を占めていた。アメリカとドイツも大差ない。(下記の表を参照してほしい)
ユーザーはコミュニケーションやソーシャルアプリを、例えばモバイルゲームといった他のカテゴリーのものより多く起動させているということだ。
アプリの使用時間に関しても、ソーシャルとコミュニケーションカテゴリーのアプリが席巻していた。アメリカとドイツで市場では、その2つのカテゴリーのアプリがAndriord端末の使用時間の60%を占めている。韓国と日本の数値は少し低くなるが、それでもQ1におけるアプリ利用の累計時間の45%を占めていた。
国によって、どのようなアプリに人気があるかの違いは、地域の特性や好むコミュニケーション方法の違いであると言えるだろう。例えば、アメリカのユーザーはソーシャルネットワークでの一対多数のコミュニケーションを好む傾向にある一方、他の国では一対一のコミュニケーションを好む傾向にあることが示唆される。
まとめると、アメリカでのスマートフォンの使用セッション数はFacebookが一番多かったが、使用時間についてはFacebookとInstagramのアプリが長かった。他の国では、WhatsApp、LINEやKakaoTalkといったメッセージアプリがセッション数と使用時間の両方で最も多かった。
また、Chromeのブラウザアプリも多く利用されていた。このアプリに関しては、アクティブユーザーのAndroidでの使用セッション数はアメリカでは二番目に多く、イギリス、ドイツ、日本でも上位3位以内に入っていた。
この調査結果で注目したいのは、デスクトップとモバイルとでは、ユーザがどこで時間を費やしているかが変わったことだ。パソコンでは、インターネットへのアクセスとコンテンツ消費は主にブラウザを通して行われていた。しかしモバイルでは、インターネット利用はソーシャルアプリからの時間の方が長い。このことからFacebookが発表 した、記事の全文をニュースフィードから直接読むことができる機能が理にかなっていることが分かる。多くのコンシューマーにとって、Facebookがモバイルでのインターネットなのだ。
App Annieのほとんどのデータは、Andriodのユーザーベースを参照しているが、彼らはiOSでも同様のことが言えると指摘した。Appleのプラットフォームでは、メッセージアプリが韓国(KakaoTalk)、日本(Line)、ドイツ(WhatsApp)で一位だった。アメリカのiPhoneでは直接コミュニケーションを取るメッセージと通話アプリが最も使用されていた。
また、アメリカのアクティブユーザーの上位5つの一対一でコミュニケーションを取るアプリの月間平均利用に関しては、ゲームアプリや音楽のストリーミングアプリのアクティブユーザー毎の平均月間セッション数より、7倍も多かった。
全レポートには、他にも今年のトレンドについての詳細が掲載されている。例えば、モバイルゲームの使用やデータ通信量では、韓国が最も多いということなどが分かった。
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