オーディオブックの配信サービス「audiobook.jp」を展開するオトバンクは8月1日、ポッドキャスト配信者に課金システムの提供を開始した。これにより、配信者はaudiobook.jpの「聴き放題プラン」と「単品販売」を通じ、ポッドキャストでロイヤリティ収益を得ることが可能となる。
オトバンクいわく、近年、ポッドキャスト市場は世界的に急成長している。特に市場が大きいというアメリカでは、「2018年のポッドキャストにおける広告収入が前年比53%、史上最高額となる4億7900万ドル(約520億円)に到達した」そうだ。
同社によると、ポッドキャストは日本でも徐々に注目番組や配信者が増えているなど一定の盛り上がりを見せている一方、「ポッドキャストの配信により収益を得られるシステムが少ない」といった課題が残っているという。
オトバンク代表取締役社長の久保田裕也氏は、「近年個人でポッドキャストを配信する例も増えていますが、サーバー費やコンテンツの制作費の負担により番組の継続が難しいという話も耳にします」と話す。そのため、この課金システムにより、オトバンクはポッドキャストの配信者が継続してコンテンツを配信できるように基盤構築を進め、新しいコンテンツ制作などに寄与していく。
また、久保田氏は「2009年ごろから一部ポッドキャストの有料化を行ってきましたが、限られた番組での実施にとどまっていました」と説明。だが、「昨年から聴き放題を開始し、ユーザーの求めるコンテンツニーズが多様化していること、またポッドキャストを提供する媒体としてもより親和性の高いものになったため」(久保田氏)、audiobook.jpでもポッドキャストの取り扱い、そして課金システムの提供を本格的に開始した。
本日より、audiobook.jpでは2種類のポッドキャストの配信方法を提供開始。1つ目は、「聴き放題プラン」の対象コンテンツとしての配信。配信者には再生時間に応じたロイヤリティが支払われる。そして2つ目は各コンテンツの「単品販売」。配信者には販売数に応じたロイヤリティが支払われる。
近年、声のブログ「Voicy」や「Radiotalk」などの音声配信プラットフォームが誕生してきた。noteでも音声コンテンツに対し料金を課することが可能となっている。ポッドキャスト配信者が活躍できる場は増えてきたが、今後、audiobook.jpの課金システムのような取り組みが増え、より多くの配信者が無理なく優良なコンテンツを継続的に配信できるような環境が整うことを期待したい。
オトバンクでは今後、順次ポッドキャスト配信者を増やしていくべく、応募を受け付けている。